Xbox Oneゲームレビュー

Sunset Overdrive

8人でプレイすればさらに楽しい。興奮必至のマルチプレイ

新製品ドリンクが生んだ悪夢世界で生き残れ! 多彩なミッションやクエスト

主人公を厳しく導くウォルター

 「Sunset Overdrive」のメインストーリーを進める「ミッション」では様々なキャラクターの依頼に従って、OD'dやギャングがたくさんいる街に向かっていく。タフなジジイ・ウォルターのぶっきらぼうだが破滅した世界で生きることをあきらめない姿勢は勇気を与えてくれるし、こんな世界でも変わらぬだめっぷりを見せつけるお坊ちゃん学校のむかつくガキどもなど、リアルさを感じさせるキャラクター描写が楽しい。

 緑の毒をはき出してくる「ブローワー」や、巨大な「スポーナー」など、OD'dはドンドン変種が登場してくる。アサルトライフルを撃ってくるギャングはこちらの体力をガリガリと削るし、最初はかなり戦いがきつく感じるが、彼らと渡り合えるようになるとそれが強い爽快感に変わる。

 「ミッション」では凶悪なロボット犬を操ったり、手作りヘリコプターで気球と戦ったり、リニアモーターカーを追ってのスピード感のある戦いや、巨大なマスコットキャラクター型飛行船との戦いなど楽しいものばかり。通常の戦いをさらにド派手な展開で、ググっとのめり込める。

【この世界で生き残れ!】
オタク学生のサム
戦いを実況中継するのが趣味のバック
ヘリで戦ったり、列車を追いかけたり、様々な戦いが展開する

マップにはミッションの他にもクエストやチャレンジがたくさん

 ミッション以外にサブストーリーが描かれる「クエスト」もあり、アバターを増やせたり、資金を稼げる。ミッションの合間にやっておくことで武器を買う金を確保できたりゲームが有利になる。クエストでは、ある場所で敵を全滅させたり、数カ所のトラックから書類を盗むなど多彩だ。さらにパズル要素の強い「チャレンジ」というスコアアタック要素もある。

 特にアンプを入手できるクエスト「夜警」は、トラップを仕掛けOD'dを迎え撃ち、一定時間守りきることで成功となる。このミッションは特に凝っていて、どこにトラップを置き、どう守るか戦略性が盛り込まれていて楽しい。夜通し敵と戦うという感じで、巨大な炎や花火など光の表現が美しい。

 ゲームでは細かい演出にも注目だ。倒されてしまったときの復活では、UFOから下ろされたり、地上に落ちてきたロケットから現れたり、墓の下からゾンビのように出てきたり、パターンの多さにびっくりさせられる。

 また、長距離を瞬時に移動できるショートカット機能「テレポート」は、他のゲームのように瞬間転送されたり、タクシーを使ったりするのではなく、その場で酒を飲んでぶっ倒れ、次の瞬間、目的地近くのトイレからげんなりした顔で現われるところが面白い。細かいネタがいちいち凝っている。

 BGMも特に触れておきたい要素だ。本作の場合、プレーヤーが激しいアクションをするほど、派手な戦いを繰り広げるほど音楽が派手に、にぎやかに、ノリノリとなる。この音楽はプレーヤーをさらに興奮させてくれる。音楽をより派手にするためにうまくなりたい、かっこよくなりたいとプレイして思う様になる。この音楽のシステムもゲームを面白くしてくれる仕掛けだ。

【様々な要素】
サブストーリーの「クエスト」や、様々なコースで得点を稼ぐ「チャレンジ」。下段はアンプをアンロックさせる「夜警」
復活パターンは多彩だ。倒される度に驚かされる

8人でプレイすればさらに楽しい。興奮必至のマルチプレイ

マルチプレイは端末にアクセスしてエントリーする
次々に提示されるクエストに挑戦していく

 さらに「Sunset Overdrive」はマルチプレイで様々なミッションに挑戦できる。1人でコツコツゲームを進めても楽しいが、最大8人で楽しむマルチプレイ「カオス自警団」は、本作の大きなセールスポイントなのだ。

 今回、「カオス自警団」もたっぷりと体験することができた。本作は最大8人でワールドを共有し、マルチプレイが楽しめる。マップ上にあるクエストをどんどん挑戦していくもので、8人のプレーヤーが揃ったときのド派手な展開が楽しい。

 マルチプレイに参加するにはフィールドにある「カオス自警団」という端末にアクセスすればOK。他の人が遊んでいるゲームに自動的に参加できる。海外の人とも遊べるので、仲間がうまく集まらない場合は、海外のコアタイムを狙うのも良いかもしれない。それというのも、プレーヤー間でスコアを競う要素があるためだ。一緒に遊んでいるプレーヤー達の中で高い順位を示せれば、それだけ良いボーナスを得ることができるのだ。

 マルチプレイでは、武器やバッジがある程度揃っていないとうまくスコアが稼げない。ゲーム序盤から参加はできるが、活躍するには武器がそろい、ある程度プレイテクニックを磨いてからが望ましい。ある程度ゲームプレイが進んだ状態が前提となったバランスとなっているといえるだろう。

 マルチではより多くのOD'dを倒すにはどう動くか、どんな武器をどういう局面で使えば良いか、うまくなりたいという気持ちがふつふつとわいてくる。マルチプレイで得られた報酬で、ソロのキャンペーンも進めやすくなる。ソロで戦いのテクニックを磨き、マルチで競い、そして武器の選び方やうまい立ち回りを学んで自分のスタイルを磨き上げていくというサイクルになる。特に「夜警」はド派手で楽しい。発売されれば、マルチはかなり賑わうだろう。

 「Sunset Overdrive」は「ノリノリでド派手な戦いをしよう」というテーマで練り上げた作品である。このため少しクセが強く、最初は難しく感じるかもしれない。しかしPVで展開する戦いは魅力的で強いあこがれを引き起こされるし、慣れてくれば誰でもかっこよく戦える。そして練習を重ねればさらにクールに決めることができるのだ。Xbox Oneにとってキラータイトルとなる作品である。ぜひチェックして欲しい。

【楽しいマルチプレイ】
ソロとは違った感触のマルチプレイ。スコアアタックも熱い
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(勝田哲也)