3DSゲームレビュー

星のカービィ トリプルデラックス

“サブゲーム・やり込み要素”もデラックス!

“サブゲーム・やり込み要素”もデラックス!
 4人対戦やリズムゲーム、ボスとの連戦が楽しめる豊富なモードを収録!

 ストーリーモードではシリーズらしい横スクロールアクションが遊べるが、ストーリーモードとは違った遊びが楽しめるモードも複数収録されている。

 「カービィファイターズ!」は、2~4人での大乱闘モード。それぞれのプレーヤーが好きなコピー能力を1つ選んで対戦する。リングアウト要素はないものの、さながらスマッシュブラザーズのような対戦ができる。また、体力がなくなればやられてしまうが、ゴーストカービィとなって対戦に介入することも可能。ステージには体力回復や攻撃アイテムなども出現する。

 ソフトを持っている人同士ならローカルプレイで、持っていない人ともダウンロードプレイで遊ぶことができる。さらに嬉しいことにCPU相手に7連戦する「ひとりで」、人数や強さなどを自由に設定してプレイできる「トレーニング」が収録されており、1人でも十分に楽しめる。なお、ダウンロードプレイの場合には選択できる能力が制限される。

 「大王のデデデのデン」は、リズムに合わせてデデデ大王をジャンプさせ、「おんぷコイン」を集めて高得点を目指すリズムゲーム。「グリングリーンズ」や「激突!グルメレース」といったシリーズでお馴染みの楽曲でプレイできる。

 ステージにはドラムが並んでおり、ドラムに着地すると大王はジャンプ。着地時にタイミング良くAボタンを押せばハイジャンプし、ハイジャンプ後にさらにタイミング良くAボタンが押せればより高く飛べる。これにより高い場所にあるおんぷコインが獲得できるわけだ。また、「うらうち」要素があり、ジャンプの最高点でAボタンを押せばボーナスポイントが獲得できる。

 音を聞きながら、→キーで大王を動かしつつ、ドラムの中央に着地させ、おんぷコインや敵の位置に合わせてハイジャンプが必要なら着地時にタイミング良くAボタン、うらうちを狙ってジャンプの最高点でもAボタンと、完璧を目指すとなるとやるべきことは多く、タイムボーナス、ノーダメージ、コインコンプリート、うらうちパーフェクトによりスコアが伸びたりすることもあり、かなり遊びがいがある。

 「デデデでゴー!」は、アレンジされたストーリーモードをデデデ大王で進むタイムアタックモード。大きな違いは、大王にはコピー能力がなく、装備しているハンマーを使って攻撃する点と隠されたワープコースでタイムを短縮できる点だ。

 ステージはLv1~Lv6までの6つで構成されており、各ステージのクリアタイムの累計で最終タイムが決まる。すれ違い通信ではベストタイムが交換される。

 「格闘王への道」は、ストーリーモードで登場する中ボスやボスとひたすら戦うモード。ステージ最初に好きな能力を1つ選ぶことができ、各ステージ間では個数限定ながら回復アイテムでHPを回復することができる。こちらもクリアタイムがすれ違い通信で交換される。

 ボスとの連戦になるため、能力選びがかなり重要。タイムアタック要素があるため、早くクリアするには火力の高い能力を選びたいが、まずクリアを目指すなら、防御で完全無敵になる「リーフ」といった防御性能の高い能力を選択するのも1つの手だ。さらなる高難易度のボスバトルを楽しめる隠しモードも存在する。

最後に

 奥行きを活かしたギミック、新能力など、新要素がありつつも、しっかりとシリーズらしさが感じられる本作。誰でも遊べる難易度ながら、各種収集要素に加え、ストーリーモードとは違った遊びのゲームモードも充実。多くのモードでクリアタイムが記録されるため、タイムタックが可能であることに加え、高難易度で遊べるゲームモードがあったりと、子供から大人まで楽しめる隙のない作りだ。

 3DSタイトルらしく、立体視やタッチパネルにも対応している。かといって、3DSだからとりあえず立体視やタッチパネルに対応しました……といったものでは決してない。まず、奥行きの要素により、立体視との親和性は高い。また、下画面のタッチパネルでは、タッチすることでHPが回復できるアシストスターや所持しているコピー能力を捨てることができるが、これらはボタン操作で代用できるため、急いで回復したい場合なども安心だ。

 地味な点ながらアクションやメニュー操作のレスポンスも良好で、操作していて気持ちいい点もお伝えしておきたい。

 夢のある美しい世界で繰り広げられる新たなカービィの大冒険。子供にはこういうゲームを遊ばせたいなと心底思わされた。誰にでもオススメできる、長く親しまれている横スクロールアクションの面白さが詰まったタイトルだ。

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(木原卓)