PS3ゲームレビュー

アルカディアスの戦姫

日本一ソフトウェア設立20周年記念タイトル第5弾!
爽快感の高い「一姫当千」2DアクションRPG!!

ジャンル:
  • アクションRPG
発売元:
開発元:
  • メビウス/アポロソフト
プラットフォーム:
  • PS3
価格:
7,140円
発売日:
2013年9月26日
プレイ人数:
1人
レーティング:
CERO:B(12歳以上対象)

 2013年9月26日、日本一ソフトウェアは、PS3用アクションRPG「アルカディアスの戦姫」を発売した。価格はパッケージ版が7,140円、ダウンロード版が6,000円。プレイ人数は1人。

 ロード時間を短縮できるデータインストールに対応。利用するには1,054MB以上の空き容量が必要になる。なお、データインストールしなくてもプレイできる。

 「神様と運命革命のパラドクス」、「ディスガイア D2」などに続く、日本一ソフトウェア設立20周年記念タイトルの第5弾である本作。多くの敵を気持ち良くなぎ倒せる、爽快感の高い仕上がりになっている。

 早速、どのようなゲームなのか紹介していきたい。

絵本のような世界で物語は繰り広げられていく。舞台となるのは、農業を生業とする穏やかな気風ながら、異形の者が跋扈するシュベールト王国

3人のキャラクターでチームを組み、キャラクターを切り替えて遊ぶ一姫当千アクション!

 本作では複数のプレーヤーキャラクターから最大3人を選んでチームを編成し、操作キャラクターを切り替えてプレイする(1キャラクターのみで出撃することも可能)。序盤で選べるキャラクターは戦姫のプリュム(CV:早見沙織さん)、その従者ラーツ(阿部敦さん)、王国の工芸師ユニ(五十嵐裕美さん)の3人だけだが、ゲームを進めていくことで最大10人から選べるようになる。

 基本操作は至ってシンプル。左スティック(方向キー)で移動、□ボタンで弱攻撃、△ボタンで強攻撃、×ボタンでジャンプ、L1ボタンでガード、L1ボタン+←or→でステップ移動。

 移動速度はキャラクターにより異なるが、レベルが上がると空中ジャンプのスキルを習得するため、全体的にキャラクターの機動力は高め。また、×ボタンは攻撃を受けた際に入力することで受け身となる。

シンプルな操作で、自由に気持ち良くキャラクターを動かせる

 ガードは非常に優秀な防御手段。攻撃中や攻撃後の隙をキャンセルしてガードへ移行といったことはできないが、大幅にダメージを軽減してくれる。空中ガードも可能だ。ボスタイプの敵は攻撃力が高く、攻撃を受けるとHPを一気に持っていかれるため、ガードの習得は必須と言えるだろう。

 さらに、ガード中から←or→に入力すれば、無敵時間のあるステップ移動に。ステップやジャンプを駆使して、挟み撃ちされないようにしたい。

移動やジャンプで回避できない時にはすぐにガードできるようになっておきたい。敵の攻撃ガード後に、敵との距離が多少あっても、そのままステップ移動ですぐに間を詰めて反撃へと転じられる

 攻撃面では、□□□→△など、ボタンの組み合わせによる連続攻撃はもちろんのこと、打ち上げからの空中コンボなどもあり、ワラワラと現われる敵を気持ち良くなぎ倒すことができる。

ボタンの組み合わせで簡単に連続攻撃が繰り出せる。攻撃をヒットさせるとコンボカウントがアップしていく。コンボカウントは敵の攻撃を受けたり、ガードしなければ継続。体力がなくなった敵に対しての攻撃もカウント対象になっているため、3桁のコンボも簡単に実現できる

 通常攻撃以外にも超必殺攻撃、コマンド技、単発技攻撃という、敵を攻撃したり、撃破することで増加するSPゲージを消費する技が存在する。

 超必殺攻撃はSPゲージが最大の時に□+×ボタンで発動する。高威力かつ広範囲に攻撃できる技で、発動した瞬間から無敵となり、攻撃が始まること、攻撃を受けている最中でも発動できることから、緊急回避的に使うこともできる。

SPゲージが最大なら□+×ボタンで超必殺攻撃が繰り出せる。ジャンプ(×ボタン)から弱攻撃(□ボタン)しようとした際に、同時押しして暴発しないよう注意しておきたい

 コマンド技や単発技攻撃の多くはレベルアップにより習得できる。コマンド技には乱舞攻撃といったものがあり、SPを消費する分、通常よりも高い効果が得られる。単発技攻撃は、例えば敵を打ち上げるには、□□□↑□のように通常攻撃を経由する必要があるのだが、↑↑□のように入力することで直接打ち上げ攻撃がだせるといったものになっている。

 基本操作は簡単ながら、色々できるよう作られており、さらに3人を切り替えられる本作。少し難しいと思うかもしれないが、全てを使わないと攻略できないなんてことは全くない。

 キャラクターにより、装備武器が異なることから、得意とする距離は違うが、基本のアクション、打ち上げ攻撃(□□□↑△など)、打ち上げ後のジャンプからの追撃、多段ヒット攻撃(□□→△など)、ダウンしている相手にもヒットする追撃攻撃(↓□)、超必殺技くらい使えれば、充分最後までクリアできる。キャラクター切り替えに関しても1人だけを使っていっても問題はない。レベルや装備さえあれば、気持ち良く敵をなぎ倒していくことができる調整になっているからだ。

他にも属性、アイテム、好感度といった要素も。属性は、武器に火・氷・雷の属性が加わることがあり、時間経過と共にダメージを与えたり、スロー効果を敵に付与できる
回復アイテムは、各キャラクターが装備しているものだけが使用できる。R1+□or○でアイテムを選択し、○ボタンで使用する。アイテム使用後、すぐに次のアイテムを使うことができるだけでなく、使用は一瞬で隙が一切なく、攻撃を受けていたり、必殺技使用中など、状況に縛られずに使える。また、入手が容易で気軽に使うことができる
キャラクターには好感度(レベルは0~9の10段階)があり、戦闘勝利時に参加していたキャラクター同士の好感度が上昇する。好感度が高いと、自動で追撃してくれたり、操作キャラクターダウン時に範囲攻撃で敵をはじきとばしたりしてくれる。また、超必殺攻撃にも参加してくれるようになる

兵団に指示を出し、共に戦う激乱戦と超乱戦!

 本作には姫戦闘、激乱戦、超乱戦と3タイプのバトルがある。この内、激乱戦と超乱戦では兵団を率いて戦うことになる。姫乱戦は3人のキャラクターのみを使用するバトルだ。

 激乱戦はプレーヤーキャラクターたちが手前のライン、兵団は奥のラインと2ラインで戦うバトル。兵団の戦闘へは直接参加できないが、兵団に指示を出すことができる。

 まず、手前のラインは姫戦闘と同様に、キャラクターを操作して現われる敵を倒していく。姫戦闘との大きな違いは敵の一群を倒すと兵団の士気ゲージが上昇することだ。士気ゲージが一定以上になると、兵団に対して、基本陣形、攻撃陣形、防御陣形、兵団交代、兵団奥義が指示できる。

 兵団は自動で戦闘するが、指示に応じた戦闘を行なう。兵団には兵種があり、兵種によって相性がある。全兵団がやられれば敗北となってしまうし、1兵団がやられてしまうと士気ゲージが減ってしまうため、兵団を切り替えつつ、どの兵団も生き残る形で運用するのがポイントだ。

敵を倒して士気ゲージを上げ、士気ゲージを消費して兵団に指示を出し、勝利を目指す。操作キャラクターが戦っている兵団に対応したキャラクターであれば、士気ゲージは上昇しやすくなる
兵団奥義を使えば敵兵団の兵数を大きく減らせる。プレーヤーキャラクターが敵を撃破すれば士気ゲージが上昇するので、多くの敵を倒して士気ゲージをためて、使っていきたい

 出撃できる兵団数はステージによって決まっている。相手の兵種を見て相性の良い兵種を選びたいところだが、各兵団のレベルはプレーヤーキャラクターのレベルに依存する仕組みになっている。例えば、プリュムなら剣兵団、ラーツなら弓兵団といった形だ。各兵団は、対応するキャラクターの最大レベルと同じまでお金を支払うことでレベルを上昇させられる。

 こうなると、全キャラクターを万遍なく育成しておかねばならないと感じられるだろうが、相性が悪かろうとレベルが高ければどうとでもなるので、1キャラクターだけをプレイして育成し、1兵団だけのレベルを最大まで上げておくというプレイでも問題はない。強い兵団を防御陣形にしてやられないようにしておき、士気ゲージがたまったら兵団奥義で一掃してやればいい。

 超乱戦は兵団と共に戦うバトル。激乱戦との大きな違いは1ラインにプレーヤーキャラクターと兵団がいる点だ。なお、兵団選択はなく、出撃する兵団は選択したメインキャラクターに対応した兵団となる。

 兵団に出せる指示は基本陣形、攻撃陣形、防御陣形、退避、決戦奥義の5つ。激乱戦と同じく指示には士気ゲージが消費される。退避は兵団を退避させて兵数を回復する指示、決戦奥義では大ダメージを与えられる。決戦奥義は士気ゲージが100%必要だが、スタン状態にさせれば士気ゲージに関係なく使用できる。なお、士気ゲージは時間経過と共に上昇する。

超乱戦では巨大なボスと戦うことになる。敵にはHP、シールドゲージ、スタンゲージがある。HPをなくせば撃破となるが、シールドゲージがある間はダメージを与えられないため、攻撃してシールドゲージを削って0にする必要がある。シールドゲージは一定時間で回復するが、回復したらまたシールドゲージを削って……といった具合だ。スタンゲージは攻撃することで増加し、最大になると無防備なスタン状態にさせられる
高威力の決戦奥義は士気ゲージ最大or相手がスタン状態の時に発動できる。さらに□ボタン連打で威力を上昇させられる

さらなる強力な武器を目指し、武器工房で武器を強化&進化!

 城下町では、武器工房、道具屋、兵舎といった施設が利用できる。どれもプレイには欠かせない重要な施設だ。

 武器工房は武器の性能強化、スキル開放、武器進化が行なえる。

 性能強化は素材1つとお金を使って、武器のATKやLUCを上昇させたり、属性を付与するもの。素材により、強化内容は異なる。

 積極的に強化しておきたいが、武器毎に強化回数が決まっており、その回数分しか強化できない。装備の入れ替わりの激しい序盤や中盤はともかく、終盤ではよく考えて強化すべきだろう。

レアな素材であれば1度の武器強化で大幅なステータスアップが見込める。素材の中には強化回数を増やせるなんてものも

 武器に秘められたスキルを開放し、使えるようにするのがスキル開放。複数の素材とお金を使って開放する。そして、スキル開放でも強化回数が1回分消費される。

 スキルは、一定確率で与えるダメージが増加する「クリティカル」、強攻撃で与えるダメージが増加する「強攻撃強化」、一定確率でHPが回復する「HP吸収」、獲得経験値がアップする「経験値UP」など、その効果は様々だ。

 色々な効果のあるスキルだが、中でも一定確率でSP上昇量が増える「SP増加」はオススメ。「中」や「大」になると確率・上昇量がとても高く、必殺技でもSP値上昇のチャンスがあるため、状況次第では必殺技を連発できるからだ。

開放できるスキルは武器毎に(同じ名前の武器であっても)異なる。また、ほぼ全てのスキルには「強攻撃強化・中」のように3段階の性能差がある。大であれば、かなり高い確率で、高い効果を発揮してくれる

 武器進化では、特定の武器を素材とお金を使って、新たな武器へと進化させられる。進化でしか入手できない武器が存在するし、最強の武器を狙うなら進化の利用が必須となる。

進化ではレアな素材が必要になることが多い。バトルをこなして素材を集めたいところだ

 道具屋はアイテムの売買ができる施設。武器、アクセサリ、回復アイテム、素材の売買が可能。各種施設の利用に必要なお金は戦闘でも得られるが、主な収入源はステージ中で拾った武器の売却になるため、頻繁に利用することになる。

アイテムの売買ができる道具屋。キャラクターは武器、アクセサリ、消費アイテム×4を装備できる。使える武器タイプはキャラクターによって決められている。武器にはATK、LUC、属性、スキル(最大5つ)がある

 兵舎では剣兵団、弓兵団といった兵団のレベルを上げることができる。前述の通り、兵団のレベルは対応するキャラクターのレベルまでしか上げることはできない。

キャラクターのレベルさえ上げておけば、後はお金を払うだけで簡単に兵団のレベルを上げることができる。兵団に対応するキャラクターが2人いる場合には、レベルの高い方が上限となる

 戦闘で強い武器を得て、得た武器を武器工房で強化・進化させていく。武器に設定されているスキルは同じ武器でも異なるため、有用なスキルのある強力な武器を求め、何度も何度もバトルを重ねる訳だ。バトル中で獲得した武器は名前はわかるが、秘められたスキルはバトルが終わるまでわからない。クリアしてのお楽しみだ。

最後に

 アクションゲームというと難易度が気になるところだろう。筆者は、序盤はちょっと難しいかも……と思ったのだが、ゲームが進み、操作に慣れて、装備やスキルが充実していくと、その印象は一変。中盤以降はサクサクと進めることができた。レベルを上げれば力押しできるという点も大きいのだろう。このため、アクションがそれほど得意ではないという人でも最後までプレイできるはずだ。ちなみにレベルは最大99までなのだが、レベルはかなり上がりやすく、上げるのにもそれほど時間はかからない。

 より強い武器を求めてのバトル、武器の強化や進化に加え、クリア後にしか遊べないステージや周回プレイなど、やり込み要素もしっかり用意されている。2周目以降は、敵が強くなった世界で戦うことになるのだが、システムを理解できていれば、それほど難しくない。1周目がクリアできたなら、あっさりと2周目もクリアできるはずだ。2周目以降、イベントをまた見るのは……という人は、コンフィグでイベントフルスキップをONにしておくといいだろう。驚くほど早くゲームが進められる。

 周回プレイでの引き継ぎに関してだが、レベルやアイテム、お金など、1周目のプレイで得られたものは基本的に引き継ぐことができない。引き継げるのは周回プレイ決定時に獲得できるアクセサリと素材の2つだけだ。アクセサリは装備すると特別なスキルが使用でき、素材は最強の武器を目指すなら必須とも言えるアイテムになっている。この2つのアイテムだけは周回する毎に1つずつ増やしていくことができるので、圧倒的な性能を誇る武器を持たせたいキャラクターの分だけ周回プレイするといいだろう。この場合、レベルなどは引き継げず、無駄になってしまうため、さっさとクリアして次周に進むといい。

 キャラクターを気持ち良く操作でき、やり込み要素もしっかりあり、たっぷり遊べる本作。爽快感の高い2DアクションRPGを求めている人には試してもらいたいタイトルだ。

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(木原卓)