PS3/Xbox 360/PCゲームレビュー

The Elder Scrolls V: Skyrim Legendary Edition

DLC最大の冒険! 新たな島ソルスセイムを舞台とした「Dragonborn」

DLC最大の冒険! 新たな島ソルスセイムを舞台とした「Dragonborn」

信者と呼ばれる者が、突然襲いかかってくる
灰が降り積もる新地域ソルスセイム
死体から生まれる灰の怪物アッシュスポーン

 「Dragonborn」はソルスセイムという新たな島での冒険が可能となる、ボリュームたっぷりのDLCだ。プレーヤーが「創始者の角笛」というクエストを受けるとき、すなわちスカイリムの中心ハイ・フロスガーにいる探求者達に出会い、ドラゴンボーンとしての道を歩み始めると同時に始まるクエストで、最初のドラゴンボーンと言われているミラークに関わるストーリーが展開する。

 ミラークは伝説上の人物だが、彼には何人もの“信者”がいて信者達はプレーヤーを“偽のドラゴンボーン”と呼び、始末しようと襲いかかってくる。プレーヤーは信者達の本拠地であるソルスセイムへ向かうこととなる。

 ソルスセイムには船で向かう。ソルスセイムは島全体に火山灰が降り積もる場所で、現在様々な災厄に見舞われている。住人の内数人が催眠術をかけられているように何らかの施設を建造させられている。彼らは作業中話しかけても何の反応も返してこない。そして作業をしていたことを忘れてしまうのだ。建造場所でも信者が襲いかかってくる。ここではミラークが何らかの陰謀を進行させているようだ。

 また、「アッシュスポーン」という墓場から現われる灰に包まれた怪物が人々を襲っている。死体がアッシュスポーンへと変わってしまうため、ソルスセイムにある街レイブン・ロックの地下の墓地も占拠されてしまっているという。アッシュスポーンはかなりタフな怪物で、高レベルプレーヤーも苦戦する強さだ。

 ミラークを追う冒険は、異世界である「オブリビオンの領域」にまで繋がっていく。ミラークはどうやらその異世界から、こちらの世界へ帰還しようとしているようだ。異世界にいる強力な存在にどう立ち向かっていくのか? プレーヤーはミラークの陰謀を察知した島の魔術師達と協力していくこととなる。

 「Dragonborn」はかなり歯ごたえのある、壮大な物語が展開するDLCだ。メインクエストだけでなく、海賊船の宝や、ドワーフの遺跡を探索するサブクエストもふんだんに用意されている。スカイリム地方をくまなく探索したというプレーヤーにはこの“未踏の大地”は特にうれしいだろう。画面上に浮かぶアイコンに向かって野を越え、山を越え進んでいく感覚、偶然の発見から冒険に繋がっていく楽しさを再び体験できる。海には沈没船があったり、島の山岳地帯には背の小さい亜人間のモンスターなどもいる。島の地下にはドワーフの遺跡もあり、この構造がまた複雑なのだ。

 またアッシュスポーンは貴重な鉱石を持っている。「Skyrim」はかなり重量制限が厳しいゲームなので持ち運びには苦労してしまうところであるが、鉱石を得るためにモンスターと戦うというのも有効そうだ。新鉱石も登場し、より強力なアイテムを作りたいという生産が好きなプレーヤーにとっても魅力的な場所になっている。

 筆者にとって、「The Elder Scrolls V: Skyrim Legendary Edition」は「Skyrim」の楽しさを再認識させ、そしてさらに広げてくれる作品となった。「Skyrim」はボリュームたっぷりの作品で、筆者は大きなクエストをクリアしてから何となく遠ざかっていた。しかし今回プレイを再開することでまだまだ世界を探索し切れていないことに気が付いた。

 「Skyrim」は“終わらない冒険”を楽しむ作品である。スカイリム地方で熟練の冒険者として何をなしていくか、プレーヤーの意思にゆだねられている。「Dawnguard」で闇の一族としてのロールプレイを極めてもいいし、「Hearthfire」でハウジングにこだわり巨大な拠点を作ってもいい。「The Elder Scrolls V: Skyrim Legendary Edition」はより濃く深いファンタジー世界の住人としての楽しさをもたらしてくれるだろう。

【スクリーンショット】
最初に降り立つレイブンロック。
島の住人達は操られて作業をさせられている
フリアという操られていない女性と調査していくうちに、異世界にいるミラークと出会う
ソルスセイムは様々な場所があり、秘密が隠されている
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(勝田哲也)