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PS2/PSPゲームレビュー

実はPC版よりも高度なゲームに!!
戦略級プレイも可能な新時代の「天下統一」

戦国天下統一


 3月26日にプレイステーション 2とPSP向けに発売された、システムソフト・アルファーの「戦国天下統一」は、2008年6月にPCで発売された「天下統一V」をベースとした戦国ストラテジーゲームだ。このところどのゲームプラットフォームでも戦国モチーフのゲームが元気であるものの、コンソールプラットフォーム用に純然たる戦国ストラテジーが登場するのは比較的珍しいことだ。

 「戦国天下統一」は、「天下統一」シリーズに連なる作品として、どのような形でコンシューマーゲーム市場に提案されたのだろうか? 先回りして結論を述べるならば、PS2版とPSP版はPC版に比べて、格段に優れた仕様のゲームとなった。本レビューでは、まずはオリジナルであるPC版「天下統一V」をメインにゲームの概要を見、PS2用/PSP用で加えられたり改良されたりした要素と操作性について、それぞれ見ていきたい。


【オープニングムービー】

■ 「天下統一」とは何か!? PC版「天下統一V」の魅力は封建社会のシミュレートにあり

「天下統一V」のマップ画面。日本全土に張り巡らされた街道を、扼する地点に城があり、城の保有が領地の保有を示す

 まずは、「戦国天下統一」のベースとなっているPCゲーム「天下統一V」をひととおりおさらいしておきたい。「天下統一V」は、戦国時代後期を600あまりの城&領地と、それら同士を結ぶ街道、3,500人を超える武将で再現した、ポイント・トゥ・ポイント制のストラテジーゲームである。プレーヤーは織田家、伊達家、古河公方家といった大名家を演じて群雄割拠の時代を勝ち抜き、作品名のとおり日本の再統一を目指す。

 大名家には当主を含めた武将がいて、彼らは与えられた俸禄/所領の規模に応じた兵力を配下に持つ。大兵力を養うには大きな俸禄/給地が必要で、それをまかなうためには敵の領地を奪う必要がある。また武将の忠誠心は基本的に下がっていく一方なので、これは俸禄/給地の加増でつなぎとめていくしかない。かくして、各大名家が自然に拡大指向になるようゲームが組み立てられている点は、シリーズ初回作以来の優れたグランドデザインだ。

 ゲーム内では土豪/国人も大名家の家臣も、基本的にみな独立した領主である。例えば大名家の家臣の場合、禄が少ないうちは俸禄で管理できるが、ある程度以上の大兵力を組織しようと思ったら、その家臣に城を与え、下級の家臣を「寄子」(よりこ。下位の協力者)として配属していく必要がある。


武将の顔アイコンの右下に「城」とあるのは城主クラス、「寄」とあるのはその下に配属されている寄子武将 大名家の世継が、家の滅亡後にゲームに登場した場合、「お家再興」イベントとなって城を占拠することも

部隊の出撃場面。美濃の稲葉山城に集結して尾張の犬山城に攻め込むが、本人の居城は近江の上平寺城。戦が終わればそこまで引き上げる

 そして、このゲームにおける戦(いくさ)は、自分の城から出発して、また自分の城へ戻るのが基本パターンになっている。つまり、街道の結節点や前線近くなど、重要な位置にある城は有能な家臣に与えて、野戦兵力を常駐させたほうが、戦が始まる前の行軍疲労が軽減されて好都合なのだ。かくして大名家内部にも自然と城持ち武将が増えていくものの、万一彼らが謀叛を起こした場合、与えた城ごと持っていかれるため、なかなか手ごわい敵になる。そうした“いかにも”な状況がごく自然に再現される。

 一方、同じく大名配下の城持ちであっても、従属武将はだいぶ意味合いが違う。彼らは独力で城を保持したまま大名家の傘下に入った人達で、居城を変えて別の地域を支配/管理させることも、新たに所領を与えることもできない。大名とは対等に近い独立領主であるから、彼らをつなぎ止めるためのコマンドは「使者の派遣」で、外交にカテゴライズされている。ゆくゆく彼らをしっかり掌握したいならば、とにかくある程度の期間友好関係を維持したうえで「直臣化」を試みるほかない。

 そんな、自在に編成できる家臣とできない配下の兵を引き連れて、プレーヤーは勢力拡張に出る。敵の城を奪いに行って、敵が迎撃に出てくれば野戦、出てこないか、守備よく敵軍を撃破すればそのまま攻城戦に移行する。野戦はスクウェアマップ上で部隊を前進/後退させながら、敵の大将の部隊を敗走に追い込むか、敵側のマップ端まで自部隊を突破させるかすれば勝ちという、「天下統一」シリーズではおなじみのスタイルだ。


スクウェアマップ上に敵味方が配置され、敵の総大将を敗走させるか、敵陣後方まで突破すれば勝利というルールは、シリーズ歴代共通 だが「天下統一V」では兵科が導入されたため、用意できる部隊数が極端に少ないと、予定外のとても偏った編成になりがちだ

陸戦と海戦それぞれで、あらかじめ自軍が採る陣形と各隊の兵科を決めておき、いざ戦となったら、その雛形の上に手持ちの武将とその手勢を乗せていく。武将率いる軍勢は大小さまざまなため、鉄砲の割合や騎馬の割合などは、このときの配置で決まる

 「天下統一V」の野戦は、同シリーズ歴代作品から見て特徴的な部分が2つある。そのひとつ目は、部隊の勝敗が「疲労度」で決まること。いかに兵数が多くても、疲労度が所定の限界に達すると、部隊は敗走を始めてしまう。大兵力や武将の有能さは、敵に与える疲労度の増大と、こちらが蒙る疲労度の軽減/回復に役立つものの、それよりも重要なのは部隊のローテーションであり、適切なタイミングでの交代だ。つまりこのゲームにおける大軍とは、交代できる別部隊がふんだんにいる軍勢ということになる。こうしたシステムは「天下統一III」で初めて導入され、それが順次改良されてきたものである。

 もうひとつは歴代作品と大きく異なる部分で、各部隊に槍隊、弓隊、騎馬隊、鉄砲隊といった兵科が用意されたことだ。しかも合戦時の部隊編成パターンは、最大で1番隊から8番隊までの配置と兵科をあらかじめ決めておき、いざ合戦となったら、手持ちの兵力を各隊に当てはめていくという、ちょっと変わった形になっている。つまり自軍にどのくらいの鉄砲があり、騎兵の割合がどのくらいかは、あらかじめ定義されておらず、部隊を配置する段階で初めて決まるのだ。足が速いけれども疲れやすい騎馬隊、射程と火力に優れるが雨が降るとお手上げな鉄砲隊などを、ある種パズル的に使いこなしつつ、前述した勝利条件の達成を目指すのだ。

 実のところ史実における戦国時代の軍隊は、各兵科が混じりあった状態で組織されていたのであって、大規模な兵科別運用はむしろ歴史性から遠ざかることになる。信長の鉄砲隊とか、武田の騎馬軍団とかいわれるものも、後世喧伝されるような存在ではなく、前者は長篠の合戦でせいぜい1,000丁足らず、後者にいたっては明らかな虚構である。それゆえ歴代「天下統一」シリーズにおいても、ほとんど兵科要素がないストイックなシステムを採用し、小競り合いから天下分け目の合戦までをうまく抽象化してきた。その意味から言うと、この作品における兵科別編成の導入は、史実再現と異なるところでゲーム的楽しさを狙ったものといえる。

 加えて言えば、戦の決着がつかなかった場合、しばしば総大将同士の一騎打ちが、ジャンケン形式のカードバトルとして展開されるというのも、なかなかケレン味に溢れた趣向と考えるべきだろう。

一騎打ちを断れば即座に敗北なので、強い敵将に言い出されるとたいへんアタマの痛い一騎打ちルール 顔グラフィックスの横に置かれたグレーのマークの数だけ、じゃんけんで勝つ必要アリ

 一方攻城戦は、守備側を強襲で叩き出すか、包囲して兵糧攻めにするか、あるいは多額の費用をかけた「調略」で城・兵糧・守備隊の弱体化を狙うかといった、比較的オーソドックスな形になっている。城の修復や兵糧の運び込みを妨害する「付け城」を構築する場合を除き、攻城戦の戦闘ラウンド数は、攻防それぞれに参加している武将の「知略」の値で決まる。つまり、城の規模や兵糧の備蓄量といった物的な事前準備と、攻める/籠もる武将と兵力という人的要素の、両方が絡んでくる形になっているのだ。

城に籠もる兵力が少なければ、強襲は経済的な方法。逆に大軍が籠もっていたら、包囲時の兵糧の減りが早くなる 落城後、守将は退却するか切腹してしまうことが多いものの、稀に投降者が出たときは、召抱えることも可能

攻められた城を救援すべく敵が「後詰」(ごづめ)を送ってくることもあるが、これを野戦で撃退すると、城方は心が折れて開城してしまう。実はこれが最も楽な城攻め方法だったりする

 そうして勢力を拡大したら、周囲の大名と不戦同盟や攻守同盟(援軍を依頼できる)、婚姻関係や従属関係を結び、朝廷や幕府に献金して官位と役職をもらい、必要ならば石山本願寺との連携も視野に入れつつ、外交を展開していく。自家に従属させた大名の領国なら、そこを通って兵を移動させられるというのも、このゲームの重要なポイントだ。また、足利将軍を担いで自家の威信を上げ、外交を有利にすることや、幕府による「包囲網形成」命令、朝廷による「和平命令」も、政治的要素の使い方として重要である。

 総じて、大名と城主達、さらには大名と従属武将の関係性を考慮しながら、それぞれの配下の兵力を駆り催すといった形を通し、封建時代らしい制約のもとでの天下取りを楽しめるのが、「天下統一V」の意義といえるだろう。そうしたグランドデザインを引き継ぎつつリリースされたPS2版とPSP版の「戦国天下統一」は、どこに特徴があり、どういった固有の存在意義があるか、順に見ていこう。

勝ち続けると嫁さんが増えていく、たいへん夢のあるゲームだが、ひとたび実家と関係が悪化すると、脱兎のごとく帰ってしまう 朝廷の官職補任機会は、献金総額の節目ごとに訪れる。すでにもらった官職より下には就けないので、下からスタートするのが吉である


■ PS2版の新シナリオは、大内や尼子が戦国のスターだった頃を描く「天下、麻のごとく乱れる」

PS2版オリジナルシナリオの説明。プレイが長くなるぶん、大きな目標を設定可能

 さて、それでは今回の主役であるPS2版を紹介していくが、まず最もわかりやすい違いは、新シナリオが追加されていることだ。PC版のシナリオ4本よりもさらに早い時期、1537年スタートに設定されたシナリオ「天下、麻のごとく乱れる」が追加されている。豊臣秀吉が生まれた頃という設定だが、この頃の大大名といえば周防山口の大内氏であり、陶 晴賢の活躍で有名な陶家も、まだ父親である陶 興房(おきふさ)の代である。同様に、毛利元就あたりを例外として、各大名家とも最も有名な武将でなく、その先代が当主なのだ。

 武田、北条、今川の三者同盟など、戦国時代後期の展開を大きく決めた外交関係がまだ各地で成立していない時代設定なので、 潜在能力のある大名家を選べば、いままで以上に大きな可能性を追求できるシナリオである。戦術面から言えば、鉄砲普及以前の戦いが増えるため、弓隊の活用がひとつのポイントだろう。


伊達家にいたっては、政宗のひいおじいさん稙宗(たねむね)が当主である。陸奥国初代守護にして、戦国法「塵芥集」をまとめたエラい人 大名の名前や能力値、顔グラフィックスなどはある程度自由に変更できる。好み次第で、例えば自分の名前でプレイすることも可能である

シナリオ開始後しばらくの間、鉄砲は伝来しない。射程は長いものの、接近されると無力な弓隊を、うまく使うのがポイントだろう 疲労の蓄積による部隊の敗走で、合戦の決着がつく。大部隊でも波状攻撃をかけられるともろいので、損害を受けたらすぐ下げたい

こちらは忍者同士のカードバトル。合戦における一騎打ちも基本は同じシステムだが、優勢に闘えば敵将を自軍に勧誘できる
派手でもなんでもないが、合戦や一騎打ちが省略できるようになったことは、ゲーム性の点で極めて重要だ

 もちろん、PC版との違いは新マップの追加だけではない。中でも見逃せないのがシステムの変更部分だ。例えば武将の不満や老化現象が明示されるようになっていたり、武将の能力と兵の組み合わせからなる「戦闘力」が数字で表示されるようになっているなど、細かな点は、プレイの効率化に役立つ。

 目立つところでは、総大将同士や隠密(忍者)同士のカードバトルの変化が挙げられる。城の破壊や武将の闇討ちといった工作が露見した忍者は、敵の忍者とのカードバトルで勝てば、対象にした大名家にバレないで済むし、合戦における総大将同士の一騎打ちは、膠着した戦の勝敗を最終的に決める、重要な要素である。

 PC版ではランダムに配られたじゃんけんカードを双方出していき、規定の負け数に達しないよう、規定の勝ち数を稼ぐというシンプルなシステムだった。それに対してPS2版では、引き分けを狙う「防御」カードや、グーとチョキを兼ねるカードなどが入ったうえ、カードプレイに制限時間が付いた。歴史とはますます関係ない部分ではあるのだが、一種のミニゲームとしての緊迫感は間違いなく上がったといえる。

 そして、そうしたギミックの強化とは裏腹の関係になるものの、じゃんけんによる一騎打ちのみならず、野戦も攻城戦も省略できるオプションが用意されたことも重要である。それは単にゲーム進行をスピーディにするのに役立つだけでなく、意図的な非歴史的お楽しみ要素を、必要ならすべて無効にして楽しめるからだ。

 前述したとおり、軍勢の大規模な兵科別運用は戦国の発想ではない。また、実を言うと一騎打ちにしても、戦国時代にはすでにほぼ見られない。川中島はどうなんだといえば、あれは上杉謙信ではなかったという見解のほうが有力だし、そうなるとほかに挙げられる実例など、ほとんどない。総大将の一騎打ちルールは初めから、戦国の合戦をあえて講談物ライクに楽しむための仕掛けだったのである。

 そうでありながらPC版「天下統一V」では、合戦も一騎打ちもスキップできなかった。結果として、プレーヤーの好みによっては「小大名でも間違いなく史実以上に暴れられるけど、そのために割と意味不明のミニゲームをえんえんこなさないといけないゲーム」になってしまっていた側面は否めない。

 それに対してPS2版は、築城と人材管理、経済運営に徹した戦略級ゲームとして楽しむという、実に初代「天下統一」系作品以来のハードコアなプレイが可能となった。すでにPC版「天下統一V」を持っている人でも、あらためてPS2版を買って“あるべき制約”の下での天下取りを楽しむだけの価値はあると思う。現時点で、初代「天下統一」の正統な後継作品といえるのは、むしろPS2版「戦国天下統一」であり、同じく後述するとおりPSP版の「戦国天下統一」だと断言できる。


旗本衆を武将に預ける、俸禄を加増するといった、ゲーム内における数値入力はこんな感じでケタごとに方向キーで設定する。兵糧の増加などの場合、最大数値を一発で指定できるのも便利

さすがにPC版より画面解像度が低いため、PC版が1画面で済ませていた報告は逐次処理される。だが、全体のプレイ内容として省略されたところはなく、むしろPC版よりも上位に位置する


■ 豊臣 vs. 徳川の“関ヶ原”は必然だったのか? PSP版新シナリオ「太閤の遺産」

PSP版では、もちろんタイトル画面からして横長。ただし、こちらもプレイ内容として削られたものはない
上杉家を選んで、豊臣方としての自覚がだいぶ足りないマネも可能

 次にPSP版「戦国天下統一」についてだが、画面の表示解像度はさすがに小さいものの、ゲームとしてスケールダウンした要素はいっさいない。そしてこちらにも新シナリオとして「太閤の遺産」が収録されている。歴代「天下統一」ファンにはおなじみ、豊臣秀吉の没後から、やがて関が原の合戦に向かっていく時期を取り上げたシナリオだ。

 こちらにはもちろん、石田三成や徳川家康、宇喜多秀家に上杉景勝といった、豊臣政権期の武将達が勢ぞろいし、当時の領国配置がほぼ再現されている。関が原の前段階で大暴れした真田親子もいれば、上杉家には大河ドラマ「天・地・人」で話題が盛り上がっている、直江兼続もいるといった具合だ。

 この作品のベースはあくまで陣取りストラテジーであるため、関が原のシナリオといっても、全国にわたる関が原戦役が再現されていたりはしない。その代わりというわけではないが、各大名家は同盟に積極的なため、自分がどこと組み、どこを倒すかといった外交要素を自在に楽しめる。ただし、徳川家と豊臣家はさすがに不仲で、互いに包囲網を形成しようと朝廷利用と謀略に躍起になっている。大枠でどちらが勝ちそうかという読みも、もちろん重要だ。

 遠くの大名はプレーヤー担当大名に対して割とヒストリカルな対応を示してくる一方、近くの大名同士は互いに生存手段の模索が優先するらしく、史実のような陣営分けになるとは限らない。むしろ、2つのスーパーパワーがすごい勢いで成長し、やがてぶつかり合うであろう情勢の下、自家の可能性を試すというのが、このシナリオの趣向である。


豊臣秀吉の死去から始まる新シナリオ「太閤の遺産」。豊臣と徳川の2大陣営にきっちり塗り分けられているかと思いきや、実はいろいろな外交的試行錯誤が可能な設定だ

シナリオの基軸となる豊臣家と徳川家については、自動的にわだかまりが深まって宿敵関係になる仕組みのようだ 上杉家には史実どおり前田慶次郎利大が仕官してきたのだが、このときはそのターンのうちに出奔……

ある意味史実どおりに、伊達家と徳川家に合戦を仕掛けてみたところ。しかしこのとき、そもそも伊達家と徳川家もケンカしていたりした。政治情勢と地域安全保障の思惑が入り乱れるシナリオだ

PSP版も、合戦と一騎打ちをスキップできる点で、PC版の上を行く仕様となっている

 追加シナリオ以外の変更点はPS2版と同様だ。PC版からグレードアップした一騎打ちや、兵科別運用の合戦がある一方で、それらをオフにしてハードに楽しむことも可能である。PSP版で気になるのは操作性の部分だが、これもPS2版と同様、基本的にメニュー選択形式になっていて、方向キーで選択肢を選び、「○」ボタンで確定、「×」でキャンセル、情報表示はほぼ常に「△」ボタンで、「□」はマップ表示の切り替えなどに使われるといった具合だ。

 ただし、例えば出陣のときの武将/兵力設定など、1人分設定しては「L1/R1」ボタンで次に移り、「START」ボタンでまとめて確定するというパターンも併用されているので、最初は少し戸惑うかもしれない。また、PC移植作品だけにどうしても、メニューの階層はPS2版ともどもやや深めである。

 敵の城の防備や滞在兵力を見るとき、PC版「天下統一V」ではその城を直接クリックすればよかったわけだが、PS2版/PSP版では方向キーでマップを上下左右にスクロールさせ、アナログコントローラでカーソルを目的の城に合わせる。だいたい近くに寄せて「○」ボタンを押せば、付近の城のメニューが出るため、それほど正確にポイントする必要はないものの、とくにPSP版ではアナログコントローラの操作に少し慣れる必要があるだろう。

 PS2版/PSP版とも、画面に各ボタンの機能を表示しておける一方で、総石高など大名家の基本情報表示はかなり大胆に省略され、メニューをたどらないと確認できない。これには最初少々戸惑ったものの、実際にプレイを進めてみると、ほとんど影響がないことに気づいた。その意味で表示情報の取捨選択には、かなり気が遣われている印象である。また、表示情報量がより厳しく制約されるPSP版のほうが、例えば敵の城に攻め込ませる武将を吟味するとき情報がかえって見やすかったりと、総じてデータ表示のための工夫はどちらも十分だと感じられた。


武将の出陣に際して、どの城に集まる「農兵」を連れて行くかを設定。この操作のときは、ある武将の設定が終わったら「L1/R1」キーで次の武将に移り、「START」ボタンで一斉に確定させる


■ 合戦・一騎打ちのスキップこそ初代「天下統一」譲りのやり込み要素

新シナリオで上杉家を担当して、最上家と平穏にやっていくことも可能

 これから「天下統一」シリーズを初めて手にする人にとっても、歴代作品のうちいずれかを楽しんできた人にとっても、今回のPS2版/PSP版「戦国天下統一」はPC版「天下統一V」と同等でなく、より上位の製品と位置づけられる。それは前述したように、この2本の改良点が表現のブラッシュアップに留まるものではなく、むしろコアプレーヤーや長く遊びたい人にとってのプレイ内容にまで響く内容に仕上がっているからだ。

 そして、史実により近い社会構造の再現を目指したゲームであるからこそ、非歴史的なお楽しみ要素をお好みで外してストイックに楽しめることの重要性は際立つ。やや大げさに言えば、他のゲームメーカーがリリースしている総合エンターテイメントとしての戦国時代の楽しみ方とは別の遊び方が可能だからこそ、この作品には大きな意義があるのだ。

 そうした意味で、ドラマでなくパワーゲームとして戦国時代の雰囲気をより深く楽しみたい人にはもちろん、PC版「天下統一V」を買った人ならば、なおのこと購入をオススメしたい作品に、この2本は仕上がっている。


合戦時の部隊選択は、左右の方向キーで部隊ナンバーに沿って切り替えていく。いま知りたい敵部隊の情報は、実際に選択してから見たほうが間違えにくい場合も多いだろう。ただ、小さな画面とはいえ、せめて武将名が添えられていれば、もう少し見分けやすかったかも

(C)2009 SystemSoft Alpha Corporation


2009513日)

[Reported by Guevarista ]



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