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Resonance Gamez開発の新作アクションMMORPGをOculusで体験

CryENGINEで描かれる美麗な世界を、思うがままに自由に歩ける感動

1月28日より 展示開始

会場:秋葉原 G-Tune : Garage

「Oculus Rift」に対応するVR MMORPGがいち早く体験できる

 札幌に拠点を置くResonance Gamezが、国産MMOアクションRPGの開発を進めている。クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で、目標設定額を大きく超える200万円近い資金を集めたことでも話題になった。現時点では正式タイトルは決まっておらず、「RPG Project」として情報が公開されている。

 本作の基本思想としては、自由なキャラクターの成長が楽しめる完全スキル制システムや、高いアクション性と数十人のレイドを両立する戦闘システム、常時PvPが可能なマップ、採掘や鍛冶など幅広い生産システムなどが掲げられている。筆者の勝手なイメージだが、「ウルティマオンライン」のシステムを進化させ、3Dフィールドでリアルに展開するような感じだろうか。

 さらに本作は、話題のVRヘッドセット「Oculus Rift」への対応も進めているのも特徴だ。今回はResonance Gamezに機材を提供しているG-Tune(マウスコンピューター)に協力を得て、開発中の本作を「Oculus Rift(DK2)」でプレイさせていただく機会を得た。まだ開発中のため、「山MAP」と名付けられた屋外のフィールドを歩くだけだったが、見るべき点がいくつもあったのでプレイ感をお伝えしたい。

 なお本作は秋葉原にあるマウスコンピューターのショップ「G-Tune : Garage」にて、1月28日より展示される。もちろん「Oculus Rift」を使った試遊が可能だ。

美麗なフィールドを目と耳で感じられる世界

木々の間から漏れる光が美しい。リアルなテイストのグラフィックスだ

 「Oculus Rift」を装着すると、視点は操作するキャラクターの目線と同じで、いわゆるFPSになる。操作はXbox Oneコントローラーを使用。左スティックで移動、右スティックで視点変更という、一般的なFPSスタイルの操作になっている。他にはボタンでジャンプやしゃがみが可能。もちろんヘッドトラッキングにも対応しているので、顔を前後左右に動かせば、その方向の景色が見える。顔を横に向けながら前に走るということもできる。

 「山MAP」には、森林や小川、急な斜面など、様々なテイストの土地が広がっている。グラフィックスエンジンには「CryENGINE」を採用しており、このエンジン特有の美しい光の表現がなされている。風景を遠景で見た時のリアリティは素晴らしく、現実感のある映像になっている。

 森の中は薄暗く、木々の隙間から挿し込む光が美しい。上を見ると茂った木の合間に空も見える。頭を動かして見ることで、本物の森の中にいるようなリアリティがぐっと増してくるのがわかる。このリアリティは映像の美しさとの相乗効果で生まれるものだ。

 続いて小川へ。水に入ると泳げるようで、水中の様子も見えた。泳いでいる魚を見つけて、そちらに視点を送る……という動きも自然にできてしまうのが面白い。水中の表現もなかなか美しくできていて、水の中を自在に動き回れるのもまた面白い。ただし調子によって水中を泳ぎ続けていると溺れ死んでしまうので注意が必要だ(笑)。

少し進むと開けた場所に出る。川が流れる風景は穏やかな感じ
水中に入ることもでき、魚が泳いでいる姿が見られる

 今度は川から離れて、より深い森の中を歩いた。最初にあった森よりも光が少なく、かなり暗い。「こんな場所でモンスターに襲われたら……」という恐怖感を煽られる。今回のデモにはモンスターは現われないが、実際のゲームではそういった場所にモンスターや敵対プレーヤーが潜んでいる可能性もあるわけで、否応なく慎重に進まざるを得ない。

 森の中を歩いていると、遠くからザーッと水が流れるような音がした。森が深くて先は見えないが、音のする方向を探って進んでみると、そこには先程の川の先があり、滝が流れていた。今回試遊した際にはヘッドフォンがなかったので方向がはっきりしなかったが、開発では3Dサウンドにも力を入れているそうだ。音量や方向まで把握できるサラウンド環境なら、音もゲームにおける情報になるのだろうな、という実感があった。

 例えば、戦闘中に背後から音がすれば、「後ろから何かが近づいてきた!」というのがわかる。正面の敵と戦いながら、とっさに後ろを振り向いて確かめる、ということも可能になるはずだ。立体視とヘッドトラッキング、3Dサウンドの組み合わせはVRヘッドセットならではの体験で、ゲームの没入感は文字通り次元が異なる。

 今回の体験としてはフィールドを歩くだけだったのだが、とても美しくリアリティのある世界を自在に歩き回れることにかなりの感動があった。もっと広いフィールドを歩き、さらにモンスターや敵プレーヤーが現われたらどうなるかと思うと、今までのゲームとは違う期待感が沸いてくる。今後を楽しみにするためにも、お近くの方はぜひ体験してみていただきたい。

なぜか丸いオブジェクトが転がっていた。体当たりすると動く
ほとんど光が入らない森の中。周囲はほとんど見渡せないが、水が流れる音が聞こえてきた
音のする方に向かうと、森を抜けたところに滝を発見
滝壺の裏に入れる場所もあった

未来を感じられるVRコンテンツを体験!

 マウスコンピューター コンシューママーケティング室 室長の杉澤竜也氏は、「国産のFPSスタイルのMMOタイトルというのは聞いたことがなかったので面白そうだと思っていた。そこに先方から『開発のバックアップしていただけませんか?』という話があった」と経緯を語った。「G-Tune : Garage」では以前からVRコンテンツの展示が行なわれており、今回も一般ユーザーに向けて、未来を感じられるような面白いVRコンテンツを紹介するというスタンスでの展示となる。

 今回の試遊に使用したPCはGeForce GTX 980搭載マシンで、森などのオブジェクトが多いところでは、フレームレートが「Oculus Rift(DK2)」の最大値となる75fpsを少々下回ることもあった。今回はあくまで開発中タイトルのデモとして用意されたものなので、製品版の際には軽量化などで対応がなされるはずだ。また現時点では、歩行時の縦揺れ表現などでやや酔いやすくも感じるので、試遊の際に気分が悪くなった時は無理せず中断していただきたい。

【トレーラームービー】

【スクリーンショット】
今回プレイした中には含まれていなかった、まだ未公開のフィールドやキャラクターも存在する。今後の開発の動向にも注目していきたい

(石田賀津男)