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【スマホアプリ今日の1本】「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」
随所に散りばめられた“FFらしさ”が「FF」ファンの心を直撃!
(2015/12/2 12:14)
「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」の3大ポイント
・古き良き時代の「FF」がスマホアプリで甦る!
・単純明快なバトルに深みを与える“チェイン”と“必殺技”
・操作性には惜しい部分も……
本筋となるナンバリングタイトルだけでなく、様々なプラットフォームで様々なスピンオフや外伝を生み出してきたスクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」シリーズ。モバイルでもこれまで数多くのタイトルが配信されてきているが、その最新作がAndroid/iOSで配信されている「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス」である。
主人公はグランシェルト王国の騎士レインと、その親友でもありライバルでもあるラスウェル、そして彼ら2人の前に姿を現した謎の少女フィーナ。本作の物語は、彼ら3人を軸に展開していく。
モンスターとのバトルはターン制で、使用する操作はタップとフリックだけでOK。画面下に表示されているキャラクターのワクをタップすると、そのキャラクターが攻撃をくり出す。すべての敵味方が行動を終えるとそのターンが終了し、つぎのターンへと移行。敵が全滅するか味方すべてが倒されてしまうまで、これをくり返して戦っていく。
一見単純すぎるように思えるが、シンプルなバトルシステムに深みを与えているのが“チェイン”と“必殺技”だ。チェインには2種類あり、スパークチェイン(SPARK CHAIN)は画面下のキャラクターのワクを連続でタップしていくと発生するもの。
もう1つはエレメントチェイン(ELEMENT CHAIN)で、同じ属性の攻撃を敵に当てると発生。こちらはキャラクター固有のアビリティを利用するもので、スパークチェインにくらべると事前に準備が必要だが、特定の属性に弱い敵に対して大ダメージを与えられる。
また“必殺技”は、キャラクターごとのリミットバーストゲージが満タンになると使えるようになる。敵単体に大ダメージを与えるもの、敵全体をまとめて攻撃できるもの、あるいは敵に不利なステータス異常を発生させるものなど、キャラクターによって効果はさまざまだ。リミットバーストゲージは維持できるので(時間経過で減ったりすることはない)満タンになってもすぐには使わず、手ごわいボス敵に対して温存しておくのが有効だ。
さて、プレイした感想だが、すばらしいの一言に尽きる。原点回帰というか、そのプレイ感はファミコン、そしてスーパーファミコン時代の“古き良きFF”がもどってきたかのようだ。まずゲームの背景が、初代「FF」~「FFVI」あたりの“ファンタジーの世界観を保ちながら、なおかつ飛空艇のような発明品も存在する世界”になっている。剣と魔法と機械、そして召喚獣という、冒険心を駆り立てる旧時代の「FF」と言えよう。
つぎにバトル。チェインと必殺技の2つのシステムは、これがシンプルなバトル性にピタリとマッチしている。行なえる選択肢の数ゆえに、戦術性・戦略性においてはそこまで深いものではないものの、十分に楽しめるし、飽きもこない。
そしてもう1つ、どうしても触れなければならない要素が過去の「FF」に対するオマージュだ。たとえば、オープニングは飛空艇に乗ったレインとラスウェルに突然モンスターが襲いかかってくるのだが、これはいきなり黒騎士に襲われる「FFII」のオープニングや、赤い翼を率いてバロン王国に帰還する「FFIV」のオープニングを連想させる。
フィーナの「土のクリスタルを守って」という願いからは、「FFV」冒頭のクリスタルを守るために神殿へと赴くレナを思い出す人も多いだろう(「FFV」は土のクリスタルではなく、風のクリスタルだったが)。また、女好きで騎士とは思えないような軽口をたたくレインは、まるで「FFV」の主人公バッツのようではないか。そして何より、タイトル画面で流れるクリスタルのテーマやバトル終了時のファンファーレは、もうそれだけで懐かしい気分にさせてくれる。
本作では、フィールドマップを自由に歩き回ることはできないものの、街の探索は従来の「FF」シリーズと同じように行なえる。街並みは初代「FF」~「FFIV」を思わせる懐かしいものだが、唯一残念なのが操作性だ。バーチャルパッドでキャラクターを上下左右(斜めも可)に動かせるのだが、操作性はやはり十字キーにはおよばない。決して操作性が悪いというわけではなく、むしろスマホアプリにしてはかなり良いほうだと思うが、わずかなアラも気になってしまうのは、名作の宿命とも言うべきか。
去る11月26日には、アップデートによって新シナリオが追加された。新たに上陸できるようになったコロボス島では、幻獣ラムウを入手できることもあるので、ぜひ訪れておきたい。また11月30日からは、降臨の間に新モンスターの「ねむれるしし」が出現している。「FF」シリーズといえば、神竜やオメガ、○○ウェポンのような、最終ボスよりもはるかに手ごわい強敵がいることで有名だが、ねむれるししも驚異的な強さを備えているであろうことは想像に難くない。挑戦する際は、パーティーを十分に鍛えてからにしたほうがよさそうだ。
さらに11月30日には、セリスも参戦! セリスと言えば「FFVI」で初登場し、以来20年あまり経った今でも高い人気を誇るキャラクターである。本作でも、金髪のロングヘアーと緑のレオタード、たなびくマントという、魅力的な姿は健在だ。
古き良き時代の「FF」と、今日隆盛を極めているスマホアプリが見事に融合した姿……とまでいうと言い過ぎかもしれないが、ファミコン・スーパーファミコン時代の「FF」をプレイしたことのある人なら、間違いなく楽しめる内容に仕上がっている。往年の「FF」ファンにこそ、ぜひとも1度はプレイしてほしい名作だ。