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スクエニ、「FFXIV: 蒼天のイシュガルド」のパッチノート朗読会を開催

新エリアや新システムなどパッチの意図やポイントを吉Pが解説

6月16日 開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

E3 2015用の新しいスタッフポロシャツを紹介するプロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティチームの室内俊夫氏

 スクウェア・エニックスは、閉会後のE3 2015の会場から「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド(以下、FFXIV)」の「3.0パッチノート朗読会」を開催した。パッチノートは一部の情報がマスクされた状態で公式ホームページで同日に公開されている。朗読会では、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹氏とコミュニティチームの室内俊夫氏がE3会場の特設スタジオから解説を交えつつ、パッチノートを読み上げた。このレポートでは、朗読会の内容からいくつかのポイントをまとめて紹介する。

 19日から始まるアーリーアクセスで「3.0」のコンテンツを遊ぶには、アーリーアクセスの権利が付いたクライアントを購入するとともに、2.55までのメインストーリーをすべてクリアしている必要がある。アーリーアクセスの権利がない人については、19日のメンテ終了後から「2.0」のエリアにはこれまで通り入ることができる。

 今回のパッチノートには、項目の前に[2.0]、[3.0]というマークが付けられている。今回の拡張では既存エリアやシステム全般についても様々な変更点がある。これらの変更は拡張パックを購入していないプレーヤーも利用できたり、変更になったりする部分でそういったものには[2.0]のマークが付けられている。逆に[3.0]のマークがついているものについては、新エリアや新ジョブなど拡張パックを購入しなければ楽しめない要素だ。

 また、ネタバレや混雑を防止するために期間限定でいくつかのシステム変更が導入されている。例えば、パーティ募集の目的欄に当面は「3.0」コンテンツの名前が表示されないようになっている。混雑防止のために当面は30分間不在にすると自動的にログアウト処置が取られる。

イシュガルドには「神殿騎士リーヴ」が追加。「探検手帳」で経験値がもらえるように

パッチノートでは名前が伏せられているエリアが2つある

 メインストーリーのクエストに関しては「イシュガルドへ」という最初のクエスト名のみが公開されており、クエストの受注ポイントやその後のクエストはプレイを通して楽しんでほしいということだ。レベル50から60までの新アクションはすべてジョブクエストを通じて覚えられることはすでに発表されているが、そのためのジョブクエストスタート地点はすべて公開されている。

 後続のプレーヤーが追い付きやすくするために、レベル49までのメインクエストでもらえる経験値報酬が約2倍に増加されており、装備も手に入るようになる。さらに、パッチ2.55までのメインストーリーからも報酬として経験値がもらえるようになる。蛮族クエストも1日に受注できる数が現状の6から12に引き上げられる。

 イシュガルドエリアには新たなリーヴクエストとして「神殿騎士団リーヴ」が実装される。また、リーヴ受注権を10使って、1枚の時より多めの経験値を取得できる「大規模リーヴ」が傭兵、採集、製作にそれぞれ導入される。ただしこれはリーヴ受注権を使いきれない忙しいプレーヤーの救済策として導入されるものなので、10枚分がいっきに稼げるというようなものではない。「神殿騎士団リーヴ」の最中に出現する宝箱からは「虫入りアンバー」というアイテムが出る。これはNPCからアイテムに交換してもらえる。

 宝の地図には「G6」から「G8」までの新しいグレードが追加される。なお、「3.0」のスタートに合わせて「アラガントームストーン:戦記」が削除されるため、これまで戦記を使っていたコンテンツがすべて「詩学」に統一される。これまで「戦記」で交換していた装備はクエストで手に入るようになるそうだ。詩学は週の取得制限が撤廃され、さらに取得できる数もかなり増えている。宝の地図や蛮族クエストの報酬もすべて詩学になる。

 「探検手帳」には「探検手帳:蒼天編」が実装される。「今回は小手調べだと思ってもらいたい」(吉田氏)というもので、目的地を達成すると経験値が取得できる。以前のものとは違って、天候や時間の縛りはゆるくなっており、目的地には目印もあるため発見しやすくなっている。

フリーカンパニーで遊べる「エアシップボイジャー」や新カンパニーアクションが登場

飛空艇や家のパーツを作れる地下工房
運海図

 フリーカンパニー(FC)で持っているハウジングの地下に、「地下工房」を設置できるようになる。ここで作った部品で作った飛空艇を探索に出す「エアシップボイジャー」という新しいコンテンツも登場する。地下工房の価格は「100万ギルには届いていない」(吉田氏)程度で、作ると個人部屋に入るドアから入れるようになる。地下工房にはFC用の作業台があり、そこにアクセスすることで材料を確認することができる。同じく地下工房にある「カンパニー制図番」は、製図用のアイテムを使って設計図を作り、作れるアイテムを増やしていける。「管制卓」は作った飛空艇を登録しておける場所。

 「エアシップボイジャー」は、当初はリテイナーベンチャーに似たシステムで、飛空艇を冒険に送り出すと一定時間後に成果を携えて戻ってくるというものだ。ただリイテナーベンチャーと違って、探索中に新たな探索場所を発見することで探索できる場所が増えていく。目的地は「雲海図」というマップを使って、こことあそこによって戻ってくるという形で自分たちで航路を決めることができる。飛空艇は最大4隻所有することができるので、FCの目的に合わせて使い分けて欲しいということだ。飛空艇を飛ばすには「青燐水バレル」という燃料が必要だが、これはカンパニークレジットを使って交換できる。

 飛空艇は探索に出すことでランクが上がっていく。ランクが上がると、「キャパシティ」というパーツを付けられる上限コストが増加して、より高性能なパーツをつけられるようになる。飛空艇はパーツによってパラメータが変わり、レアなアイテムを発見しやすくなったり、たくさんのアイテムを一気に取得してくるようになるなど、性能に差が出てくる。これらのパラメータはシーソーの関係にあるため、複数の飛空艇を目的に合わせて使い分ける必要がある。島によって取れるアイテムは違っており、「すごいいいルートを使うと、結構アイテムがどばっときます」(吉田氏)。

 19日の深夜2時から放送予定の「プロデューサーレターLIVE」では実機を交えて、エアシップボイジャーをさらに詳細に紹介していく予定だ。

 その他にも、新たなカンパニーアクションの追加や、カンパニーアクション「ビギナーボーナス」の増加、新たな調度品の追加がある。調度品として、家や個人部屋の中でトリプルトライアドを楽しめる「トリプルトライアドボード」も追加される。

新たなハウジングの調度品
トリプルトライアドボード

飛行操作は「オート」と「マニュアル」の2種類から選択可能

風脈の泉交感情報

 最初のフライングマウントは「3.0」のメインクエスト序盤でもらえるが、飛行するにはそのエリアにあるすべての「風脈の泉」と交感して集めなければならない。風脈の泉は探索して発見するものと、クエストで手に入るものがある。当初はノーヒントで探す形だったが、吉田氏が4時間探し回っても見つからず難易度が高すぎるという判断で「風脈のコンパス」というアイテムを使って、どの方向にいくつかるかが分かるようになっている。クエストなのかマップのものを発見できてないのかは「風脈の泉交感情報」画面から確認することができる。

 フライングにはオートとマニュアルという2つの操作方法が用意されており、初期設定ではオートになっている。オートはジャンプボタンを1回押すとフライングモードに移行する。マニュアルではジャンプ中にもう1度ジャンプボタンを押すことでフライングモードに移行する。また、飛行中に「納刀/抜刀」を実行したり、騎乗中のバフステータスをクリックするとその場で急降下する。

 現在麒麟や、PvPの報酬としてもらえる騎乗システムなどの既存マウントも現在フライングマウントとして使えるように改良中だそうだ。

「アラガントームストーン:法典」の取得はレベル60になってから

PvPの新アクションも追加される

 新ジョブの暗黒騎士、占星術師、機工士はイシュガルドの上層や下層でジョブクエストを受けることができる。今回新ジョブ、既存ジョブとも新アクションの名前と覚えるレベルは記載されているが、性能などは「ゲーム内でワイワイいいながら見て欲しい」(吉田氏)という意図からマスクされている。レベル50までの既存アクションにも調整が入っているが、「レベル60になることを前提にした調整なので、ここだけ見ると誤解されかねない」(吉田氏)という理由からこちらもマスクされている。ただし基本的には上方修正されているものが多いそうだ。

 前回のプロデューサーレターLIVEで吉田氏が自ら操作して紹介していた黒魔道士の「黒魔紋」は、当初地面に浮かんだ魔方陣の外に出ると効果も魔方陣自体も消えるという設定だったが、攻撃を避けながらDPSを出すのが難しく「パーティメンバーにも迷惑を描けてしまうので」(吉田氏)という配慮から、魔方陣の外に出ると一時的に効果が消えるが、戻れば再び効果が復活するという仕様に変更された。

 リミットブレイクでは、吟遊詩人と機工士のアクションが前方直線範囲の攻撃技に変更になり、LB3は全ジョブごとに固有のアクションが追加されている。ちなみに忍者のLB3の読み方は「げっとんちまつり」だそうだ。PvPアクションにも新たなアクションが追加されている。既存のPvPアクションも、フィードバックを反映してレベルキャップ上限解放に合わせた調整が入っている。

 ステータスについては、これまで死にステータスだった「スキルスピード」と「スペルスピード」がDoTやHoT、設置側の継続ダメージに影響を与えるようになり、「意志力」によるオートアタックへの影響力は引き下げられる。「クリティカル発動力」は名称が「クリティカル」に変更され、発動率だけではなく威力にも影響を持つようになる。

 これまでのアーマリーボーナスは、レベル50のジョブがいると2ジョブ目以降は取得経験値が1.5倍になっていたが、これがレベル50までは2倍に引き上げられる。レベル50から60までのボーナスは1.5倍の据え置きとなる。レベル50までのボーナスと60までのボーナスは切り分けられているので、レベル50のジョブがあれば2倍のアーマリーボーナスを受けることができる。

 「2.0」までのコンテンツでは新ジョブのアイテムもドロップするようになる。「大迷宮バハムート:真成編」にかかる超える力は20%に引き上げられる。「遺跡探索 カルン埋没寺院」、「流砂迷宮 カッターズクライ」、「城塞攻略 ストーンヴィジル」、「掃討作戦 ゼーメル要塞」、「霧中行軍 オーラムヴェイル」の5つのダンジョンについては、「忍者の時に1ボスを倒して退出ということがあったので、それを封殺させていただきました」(吉田氏)という理由から、道中の取得経験値が減らされ、代わりにラスボスから得られる経験値が増加している。

 新たに追加される「アラガントームストーン:法典」は、取得制限はなく持てる上限は2,000個。レベル60に到達した後から取得可能になる。取得制限がない理由は「焦らなくてもいくらでも稼げますので、渾身の力で作ったストーリーをぜひ飛ばさずに見て欲しい」(吉田氏)ということだ。「アラガントームストーン:詩学」は現状900の取得制限が撤廃される。「アラガントームストーン:戦記」は取れなくなるが、現在持っている数は維持される。現在交換可能なものも、パッチ後は交換できなくなるので「交換する方はパッチ前に交換しておいてください」(吉田氏)。

 イシュガルドに新しく追加されるモブハントは、初級、中級、上級に分かれており、順番にクエストを解放していく必要がある。報酬として新たに「セントリオ記章」が追加され、イシュガルド:下層のNPCがアイテムと交換してくれる。一部のSランクモブに関しては、「到底倒せるレベルではないのに、いけーというお祭りも嫌いではないのですが、それでサーバーが落ちてしまうと被害が大きすぎるので」(吉田氏)という混雑対策のためにしばらくは出現しない。

 「2.0」コンテンツのゾディアックウエポン作成は、大幅に緩和されて難易度が引き下げられる。「謎めいた地図」からは1度で5個くらいのアレキサンドライトが入手できるようになるそうだ。

コンテンツルーレットで少人数プレイや、下限アイテムレベルでの遊びが可能に

コンテンツファインダー設定

 コンテンツルーレットは、「すべて」のカテゴリが削除され、「2.0」と「3.0」のコンテンツが分かれる。レベリングの途中に行くダンジョンは「コンテンツルーレット:レベリング」というカテゴリにまとめられる。これまでエキスパートだった3つのダンジョンはハイレベルになり、新たに2つのダンジョンがエキスパートに追加される。

 レベル50用コンテンツはルーレットを使用せずに参加した場合、報酬としての経験値が入らない。これは強い状態でレベル50のダンジョンに行けるようになると「短時間で美味しくなってしまい。行き飽きているのに経験値のために行かざるを得ない状態になってしまう」(吉田氏)という状況を危惧しての処置だ。レベリングは基本的には蒼天のイシュガルド側のコンテンツを使って欲しいということだ。

 コンテンツファインダーにはコンテンツファインダー設定が追加され、CFに参加するための条件を変更できるようになった。「人数制限解除」にチェックマークすると、少人数や1人でレベルシンクせずにコンテンツに参加できるようになる。参加できるのは「2.0」までのダンジョン、討伐・討滅戦、大迷宮バハムートの邂逅編から真成編まで。ボスを撃破した時のアイテムや経験値は同じだが、道中のモンスターからの報酬や経験値、アイテム錬成度、魂の定着度/共鳴度などはRMT対策として貯まらないようになっている。「下限アイテムレベルでの参加」は、そのコンテンツに参加できる下限アイテムレベルに自動的にシンクされるというもので、イベントなどに活用できそうなシステムだ。

 アイテムのルートには、これまでの通常ロットに「GREED限定」、「マスタールート」が追加される。設定はコンテンツファインダー設定の「ロットルール」タブから、パーティーリーダーだけが決めることができる。このロットルール変更は、コンテンツファインダーでマッチングする際には使えず、パーティを組んではいる時専用の機能になる。マスタールールにした場合、パーティーリーダーの画面にすべてのアイテムをスタックしていくためのウインドウが出て、終了後にどのアイテムを誰に渡すかを「対象指定分配」と「GREED分配」から選ぶことができる。「GREED分配」の場合、一度ロットした後キャンセルして設定しなおしても前にロットした時の数値が保持されるので、不正ができない仕組みになっている。

 ほかにも、NEEDやGREED選択後にキャンセルが可能になり、誰がロットしたのかがログに表示されるようになる。ロットが確定した時に、アイテムが前にずれて間違って押してしまうというトラブルが多かったので、アイテムが消えても前にずれなくなる。また、売却不可のミニオンやマウントは、すでに取得している人はロットできなくなるなど、これまでトラブルが起きやすかった部分が改善されている。

新システム「マイスター」で1つの製作ジョブを極められるように

ロウェナ紹介取引

 マテリジャについては当初は戦闘ジョブ向けのみで、ギャザラー/クラフター用のマテリジャはパッチ「3.0」の時点では装備のマテリア化では作ることができず、はめることができる装備も存在しない。これは今後のアップデートで追加される予定だ。

 クラフターの新技能ではレベル60の「○○師の魂」という技能は、マイスターの専用アクションとなっている。それ以外にマイスターの共通技能も実装される。レベル50以降のクラフターは「できるだけ1つのジョブを極めただけでも活躍できるということをポリシーにしているため、今まですべてやらなければまともにクラフターができないという状態を避けるための追加になっています」(吉田氏)。

 マイスターになるには「マイスターの証」というアイテムが必要になる。同時に所持できるのは3つまでで、「3.0」当初は専用クエストで入手できる3つのみとなる。今後、マイスターの証を返上して新しいものをもらうことで変更が可能になるが、今はまだそのためのアイテムが解放されていない。「変更するためには結構なコストもかかるので、気軽に変えられるものではないということは覚えておいてください。変えられないわけではないので、どれか1つまずはメインを決めてもらって進めてもらえばいいかなと思います」(吉田氏)。

 「ロウェナ紹介取引」は、ギャザラーやクラフターで「蒐集品」というアイテムを納品することで、アイテムや経験値、ギルを入手できるというもの。「希少価値が数値になっているので、それを目標にして品質の高いものを作ってリワードを得ていくというコツコツやっていく新しい要素です。マーケットを使う場合は、価格調査をしたり素材を取ってきたりと、なかなか1人でコツコツ楽しむことが難しかったので、その目的が大きいです」(吉田氏)というクラフター用の新しい遊びになる。

 クラフターとギャザラーに追加される新しいトークン「クラフタースクリップ:青貨」と「ギャザラースクリップ:青貨」はレベル56から取得可能になり、最大2,000個までスタックできる。「クラフタースクリップ:赤貨」と「ギャザラースクリップ:赤貨」はサービス開始から4週間後に追加が予定されており、この時にギャザラーの新システム「護符」も同時に追加される。「4週間後には結構経済も変わりますよ」(吉田氏)という大きな影響力を持つコンテンツやアイテムとなるようだ。

新アイテム
新アイテム
製作で作れる新アイテム
製作で作れるおしゃれ装備

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