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NVIDIA、MaxwellベースのハイエンドGPU「TITAN X」を発表
価格999ドル!前世代「TITAN」比で2倍の性能を誇る最強GPU
(2015/3/18 04:00)
NVIDIAは米国時間の3月17日、米サンノゼ市で開幕したGTC 2015(GPU Technology Conference)に合わせ、新型GPU「GeForce GTX TITAN X(以下『TITAN X』)」を発表した。北米での価格は999ドル(約12万円相当)。
「TITAN X」はNVIDIA最新のGPUアーキテクチャであるMaxwellに基づいたハイエンドGPUで、3,072個のCUDAコアを搭載。処理能力は最大7TFlops。Keplerベースの前世代「TITAN」に比べて2倍のパフォーマンスと2倍の電力効率を実現するといい、同社による一般消費者向けとしては最速・最強のGPUとなる。
性能2倍!静音!4KゲーミングのためのハイエンドGPU
「TITAN X」は、Maxwell世代において最高位に位置するハイエンドGPUだ。位置づけとしてはKepler世代のハイエンドGPUだった「TITAN」を完全に置き換える製品で、コア・アーキテクチャの刷新によりパフォーマンス、電力効率、静音性といった様々な面で進化を果たしている。
特に活かされているのは、Maxwellアーキテクチャの電力効率の高さだ。「TITAN」比でCUDAコア数は2688→3072、ベースクロックは837→1002MHzと規模・速度ともに向上させつつ、消費電力は250Wに据え置いた。また、ボードレイアウトの最適化で冷却効率を上げたほか、基盤上に分極コンデンサーを採用するなどの工夫でボードの振動音を抑える設計を行ない、大幅な静音化にも成功したという。
性能面では、先行して発売されたMaxwell世代のGPU「GTX 980/970」等と同様に、フレームバッファ圧縮によるメモリ帯域の向上や、高効率なアンチエイリアス技術である4xMFAAの搭載などによって描画効率が向上。CUDAコアそのものの性能アップも相まり、前世代の「TITAN」から2倍のパフォーマンス向上も果たしている。同等の消費電力でパフォーマンスが2倍であるので、電力効率も2倍になったというわけだ。
また「TITAN X」は、これまでNVIDIAで最新最速のGPUであった「GTX 980」と比べてもおよそ1.6倍のパフォーマンスを持つとされており、今後しばらくは名実ともに最強のGPUの座におさまることになりそうだ。
「TITAN」の2倍という能力が最大限に発揮されるのはもちろん高解像度プレイ。「TITAN X」では4K解像度、最高画質設定で大半の最新ゲームが快適にプレイできるとされ、プレス向けに行なわれた説明会ではPC版「Shadow of Mordor」を4K解像度、最高画質設定、4xMFAAにてさくさくと動いている様子が実際に示されている。
「Shadow of Mordor」はただでさえグラフィックスリッチなゲームで、4K解像度ともなれば従来のGPUなら明らかに荷が重い。しかし「TITAN X」を仕様したデモ機で確認されたフレームレートは50前後となっており、AcerのG-Syncモニターによる適応的リフレッシュレートによる表示も相まって、理想的な滑らかさで動作する様子を見ることができた。もう少し軽めのゲームなら軽く60fps以上は出せそうな印象だ。
高解像度のグラフィックスを高速に描画できるという点では、最近注目が高まっているVRゲーミング方面での活用にも有利だ。NVIDIAでは実際、3月頭に行なわれたGDC 2015にて「TITAN X」をOculus VR、Epic Games、Valve、Crytekといった先端デベロッパーに供与し、さまざまなゲームエンジンやVRデモに活用してもらったことを明かしている。
この“高解像度に強い”という特性を活かすためもあって、「TITAN X」のボードに搭載されるグラフィックスメモリーは12GBと、これまた前世代の「TITAN」比で2倍となっている。前世代から性能も容量も2倍となった「TITAN X」。4Kモニターを調達してハイエンドなゲーム環境を構築したいゲーマーや、「Oculus Rift」などのVRプラットフォームで最高の環境を構築したいVRファンに究極の選択肢となりそうだ。