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【スマホアプリ今日の1本】ピーター・モリニュー氏のスマホ最新作「Godus」
モリニュー氏の原点回帰とスマホ向けシステムが光るスマホ時代の本家ゴッドゲーム
(2015/2/10 18:39)
神の視点でプレイする、いわゆる「ゴッドゲーム」型シミュレーションゲームの第1人者と言えば、イギリス出身のゲームデザイナー、ピーター・モリニュー氏だ。
モリニュー氏はプレーヤーが神となって民族を繁栄させていく「ポピュラス」をはじめとして、遊園地を経営する「テーマパーク」、悪のダンジョンを築き上げる「ダンジョンキーパー」などで知られているが、今回モリニュー氏が率いる開発スタジオ22CansよりiOS/Android「Godus」が配信された。
「Godus」は、モリニュー氏の原点である「ポピュラス」にかえったような内容で、プレーヤーは神となって自分の信者である民族を繁栄に導いていくというもの。地形を変化させたり住居の建設を促したりしながら、だんだんと人口を増やし、フィールドを広げていく。
本作ではタッチ操作ですべてが完結するが、特徴的なのは土地を「直接いじれる」ということ。土地は布団を重ねたような「層」で表現されており、層が重なるごとに海面下から砂浜、草原、山地と徐々に移り変わっていく。プレーヤーはこの土地を直接タッチ、スライド操作することで、層を消したり、重ねたりしていける。
また住居の建設にはある程度の広さの平地(同じ層のエリア)が必要で、それに見合った土地が確保されていれば、自動でエリアが区分けされ、住居建設の準備が整う。地層の管理、そしてエリアの区分けのシステムが実にダイナミックなのが、本作の最大の特徴と言える。
地層の管理についてはタッチした場所に厳密に反応するというよりは、大体の感じで行なわれていくので、地層を引き出したいのに上の地層を押してしまったり、地層を消したいのに広げてしまったり、操作ミスも多々起きる。ゲームそのものに大した影響はないので問題はないが、若干のストレスを感じたのも事実としてある。
ゲームの序盤は産めよ増やせよでどんどん人口を増加させていけるが、農地で小麦を作れるようになったあたりから、ゲーム進行は途端に急ブレーキがかかる。それまでは住居の建設は他の住居から人を呼び出すだけで済んだのに、1回の収穫に2時間以上かかる小麦が建設に必要になってくる。
また本作では平地より上下の地層を変化させるには時間経過で住民から集められる「信仰心」が必要になるのだが、この辺りの土地はほぼ山脈。平地から離れるほど消費する「信仰心」は多くなり、開墾のための「信仰心」は気が遠くなるほど膨大に必要となる。
「信仰心」は約20分毎に回収できるので、コツコツと信仰心を溜めて、根気よく小麦を生産していくようなプレイが必要だ。ちなみに課金ポイントだが、「信仰心」や「小麦」の追加購入や、建築等の時短に使用できる「宝石」が有料で販売されている。
本作にはストーリーらしいストーリーはないが、ゲームを進めていくと「アスタリ」という他民族が登場して、プレーヤーの民族を小馬鹿にしたり、「アスタリ」に幸福度が負けていると信者が「アスタリ」側に逃げてしまったりと、穏やかではない状況も登場して、ゲームの行く末を見たくなってくる。モリニュー氏の原点を感じさせる作風と、スマホ用に考えられたゲームシステムが画期的なので、気になればぜひプレイしていただきたい。