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【スマホアプリ今日の1本】「Myst」リスペクトの謎解きアドベンチャー「レイブンロックの秘密」
リアル調の雰囲気が最大の魅力。定番パズルが唯一もったいない良作ゲーム
(2014/9/29 00:00)
「脱出ゲーム」と呼ばれるジャンルのゲームは、今やアプリを中心に溢れるほど配信されている。ある状況下の中で、手に入るアイテムを使用したりパズルを解いてその場所からの“脱出”を目指すというのがこのゲームジャンルの定番となっており、その人気はゲームを飛び出してリアルな「謎解きイベント」も頻繁に開催されている。
今回紹介するiOS「レイブンロックの秘密」は、ジャンルで言えば上記のような脱出ゲームとなっているが、イギリス製ということもあり、日本のアプリストアで溢れる脱出ゲームとは少し趣の違うタイトルとなっている。
ゲームはタッチ操作で移動や探索を行ない、登場するパズルを解きながらマップの先へ進んでいくというもの。主人公が降り立った街にはいるはずの住民が一切いなくなっており、この謎を解き明かすというのもストーリー上の目的となっている。
ゲーム画面を見ればわかる通り、本作の特徴はリアル寄りのきれいなグラフィックスにある。人がいないがリアルな世界描写という点で謎解きアドベンチャーの草分けと言える「Myst」を思い起こさせ、ゲーム中はいないはずの人の声がゲームの所々で呼びかけるように聞こえてくるという、少し恐ろしげなものになっている。
ゲームの進行はオーソドックスで、落ちているアイテムやパズルを解いて手に入るアイテムを違う場所で使ったり、ヒントを集めることでパズルが解けるようになっていたりと、複雑なものはない。パズルはスライドパズルや魔方陣のパズルといったものから、端末の特性を使用するようなオリジナルのものまで用意されている。
本作は何よりも海外製ならではのリアル調の雰囲気が最大の魅力となっているが、気になるのはパズル部分がちょっと単調に感じられる。「Myst」では「パズルと感じさせないパズル」が心掛けられており、その不思議な仕掛けの数々が独自世界の構築に一役買っていた。スライドパズルや魔方陣はパズルの定番ではあるが、せっかくなら本作だけでしか楽しめないパズルで統一しても良かったように思う。本作は雰囲気が優れているだけに、ここが唯一もったいない。
とはいえ、静まり返った街や寺院に漂う空恐ろしさは引き込まれるものがあり、街の秘密に近づくに従って高まる緊張感はプレイしていて楽しいポイントだ。この街に一体何が起こったのかは、ぜひ実際にプレイして確かめて欲しい。