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KONAMI・小島秀夫監督、公開インタビュー

新作「SILENT HILLS」の制作を明らかに! 「P.T.」はティザーゲームだった!!

8月13日 発表

Geoff Keighley氏によるインタビューに答える小島秀夫監督
「P.T.」は実は「SILENT HILLS」のティザーゲームだった。ちなみにこのグラフィックスはスタッフの自宅の裏庭だとか

 8月13日からドイツのケルンで開催されている「gamescom 2014」において、KONAMIは小島秀夫監督の公開インタビュー「KOJIMA interview with Geoff Keighley at GamesCom 2014」を行なったので、その一部をお伝えする。インタビュアーはGeoff Keighley氏。

 インタビューで小島監督は「Metal Gear Solid V: The Phantom Pain」について、「これまでレールに沿って行動するゲームが多かった。『The Phantom Pain』は自分で考えて、どうやって潜入するのか? 昼に潜入するのか、夜に潜入するのか。どうやって逃げるかまで戦略を立て、考えてプレイする。スパイ映画のようで、ここまでするタイトルはないと思うので、気に入っている」とコメント。

 小島監督は「METAL GEAR SOLID V: GROUND ZEROES」の時も「1回プレイすると緊張してすごく疲れる」と語っていたが、今回も「1ミッションするのに、すごく疲れるので覚悟して欲しい。1回プレイしたら半日くらい休まないとできない」とかなり本格的なゲームに仕上がっているとした。

 また、ゲームデザイナーという仕事に就いたことについては、「この仕事に就かなければダメだった人間だと思う」と切り出し、「映画監督になれず、ゲーム制作者で幸運だった」と続けた。映画好きで、「小島監督に映画を撮って欲しい」という声も多いが、自身はゲームディレクターであることが重要だと語った。

 そして「ゲームは総合芸術。あらゆることを知っていないとできないので、周りにそれぞれブレインのような人がいたほうがいい。そして、エネルギーを使うし時間の拘束もあるので、好きじゃないとできない。あと、チームで作っているが、意外と孤独。ゲームデザイナーは孤独な戦いを強いられる。だから自分の理解者を作るのが大切。自分の理解者が周りに何人いるのかで、戦いが変わってくる」と意外な一面を見せた。

 ここで話題は「P.T.」に移った。「P.T.」はSony Computer Entertainment Europのプレスカンファレンスで映像が流され、PlayStation Storeで配信が開始されていたゲーム。制作は「7780s STUDIO」というインディーズゲームスタジオになっているが、これが実は小島プロダクションが制作したティザーゲームだったのだ。ちなみに小島監督によれば「P.T.」とは「Playable Teaser」の略で、「インタラクティブに遊ぶことができるティザーを作りたかった」と言う。そして、「P.T.」が何のティザーかというと、それは「SILENT HILLS」だ。ちなみに、「HILL“S”」なのは、「怖さも複数形」と小島監督は説明していた。

 「P.T.」では、ずっと進んでいき最後に用意されたパズルを解くことになるが、このパズルはわざと難しく作られているという。小島監督は「世界中の様々な言語の人が協力しながら解かなければならず、それ故に解くのに1週間くらいかかると思っていたが、最近のプレーヤーさんはすごくて半日で解かれてしまった。でも、Twitchなどで、このゲームを媒介にして、コミュニケーションを取って解いてもらったという状況には満足している」と語り目的は達することができているようだ。

 私見だが、ただ単にゲームの中で協力したり対戦したりするだけでなく、さらなるコミュニケーションを取ることでゲームにフィードバックされ、新たなるコミュニケーションが生まれることをどのようにゲーム化していくのかが、クラウド時代のゲーム作りに突入した小島監督の次の一手なのかもしれない。

 小島監督は「情報の無い状態だからプレイすると恐い。(『P.T.』が)誰がどんな目的で作ったのかわかった今では恐くないと思うけど、それでも充分に恐い」と言い、「無料でダウンロードできるので、ぜひプレイして欲しい」と来場者に語りかけた。

 「『P.T.』は『FOX ENGINE』で『SILENT HILL』を作ったらどうなるのかのテストでもあったが、(誰が作ったかわからなくするために)インディーズゲームスタジオが作ったようにするために、わざと手を抜いて作った。それが1番難しかった」と意外なところに苦労があったようだが、一方で「『FOX ENGINE』で『SILENT HILLS』を作ったら、本当だったらもっと怖がらせることができる」とクオリティに関して段違いにアップする点もアピール。

 「SILENT HILLS」については語れないとしながら、「おしっこちびるゲームを目指していたが、うんこ漏らしてしまうゲームを作ろうと思っているので期待して欲しい。パンツの替えは忘れずに。限定版にはパンツを付けるかもしれません」と小島監督らしいジョークをとばしながらも、「ゲームは恐すぎると、やめてしまう。映画もアトラクションも乗り物に乗って目をつぶっていれば出口まで着くけど、ゲームはあまりに恐いとやめてしまう。でも、このタイトルについては、途中でやめてもらって結構!」と最恐のタイトルにする自信たっぷりといった感じ。

 「SILENT HILLS」のリリース時期については「開発は平行で進めていますが、まずは『The Phantom Pain』をリリースしてからですね」と明言は避けた。開発現場ではその怖さのあまり、チェックをいやがる人が続出。わざわざブースを作ってヘッドフォンをしてプレイしてもらっても、「恐く感じる人ほどヘッドフォンを外して『ここのグラフィックスはおかしいんじゃない?』と聞いてくる(笑)」と裏側を明かした。

 最後に「開発陣はみんな恐がりだから。でもヒッチコックもそうだけど、恐がりな人が作るタイトルは恐い」と語り、「SILENT HILLS」を最恐タイトルとして作り上げるべく開発が進められているとしてインタビューを締めくくった。

【P.T.】

【P.T coming to PlayStation. Download the demo NOW】

(船津稔)