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ガンホー、「RWC2013&11thアニバーサリー・フェスタ」を開催
タイの鉄壁の守りに、日本チームわずかに及ばず準優勝
(2013/11/25 12:30)
ガンホー・オンライン・エンターテイメントは、MMORPG「ラグナロクオンライン」のオフラインイベント「RWC2013&11thアニバーサリー・フェスタ」を11月24日、ベルサール渋谷ガーデンで開催した。
「RWC2013&11thアニバーサリー・フェスタ」は、日本、韓国、中国、フィリピン、タイ、台湾の6カ国の代表ギルドがぶつかった「Ragnarok World Championship (RWC)2013」をメインに、コスプレステージのほか、同時に隣のステージで、ニコニコ生放送での実況中継や、同人グッズの即売会「らぐへす in RWC2013」など多彩なイベントが行なわれ大きな盛り上がりを見せた。
「RWC 2013」ではこれまでも何度も優勝してきた常勝国タイが、日本チームを鉄壁とも言える守りで完封し、優勝を果たした。本稿ではRWCの戦いを中心に、タイと日本チームのインタビューも交えてレポートしたい。
高い実力を持つアジアの6カ国がによって行なわれた「RWC 2013」
「RWC 2013」は日本での開催になった。昨年韓国で行なわれ11カ国が参加したが、今回は日本、韓国、中国、フィリピン、タイ、台湾の6カ国とおよそ半分になった。ロシアやアメリカ、ヨーロッパチームなどが参加せず、アジアに限られていた。参加国の距離なども考え、実力の高い国に限定したと言うことだ。
今回は参加国を絞って「リーグ戦」を行なう形となった。Aブロックでは日本、台湾、中国。Bブロックでタイ、フィリピン、韓国がぶつかった。これまでのRWCはトーナメント方式だったため、各国は1度しか戦えなかったが、今回は複数の国と戦い、その実力をより多く見ることができることとなった。
さらに日本代表以外の強豪チームが他国の代表チームとぶつかる「日本対世界対抗戦」も開催された。代表と戦いを繰り広げた日本の他の強豪チームが世界の代表と戦い実力を試すという、日本のファンには嬉しい特別マッチである。今回の「RWC 2013」は日本のファンにとって見所の多いイベントとなったと言えるだろう。
ただ、“世界戦”という名前のわりに参加国が少なく、“日本対世界”というより日本のユーザーに向けた構成となっているところは他国にとって日本のみ特別扱いという印象を受けかねないだろう。しかも今回はマシントラブルなどで試合が長引いた結果、リーグ戦は勝ち抜いたチームが決まった後、3戦目の戦いが中止になるという事態になってしまった。中国対台湾、フィリピン対韓国戦が中止となり、各国がぶつかり実力を試す“世界戦”というコンセプトを完遂できたかというと疑問が残る。
しかしそれでも海を越え日本へ訪れた各国の強豪ギルドがぶつかりあい、さらに日本の強豪チームと手合わせをし、日本の「RO」のギルド戦のレベルが世界でどんな実力を持っているかを見ることができるのはとても見応えがあった。
世界戦で日本はAブロックで台湾、中国とぶつかった。日本代表ギルドの「Northern_Code」は4月に行なわれた「Ragnarok Online Japan Championship(RJC) 2013」の優勝ギルドで、特に練習量を重視したチームだという。これまでの大会でも上位に食い込む活躍を見せていたが、優勝はかなわなかった。「RJC 2013」で念願の優勝を果たし、日本一となり、今回は世界一を目指す。
「RWC 2013」はルールの基本は昨年と同じ3次職を中心にしたものとなる。メカニックの「セルフディストラクション」という自爆技でいかに多くの敵を巻き込むかが駆け引きでの大きな要素となる。ルーンナイトの「ドラゴンブレス」で敵の体力を削る。周囲のキャラクターに多くのスキルを数十秒間使えなくさせるウォーロックの「ステイシス」など、RJCでも使われていた戦術が戦いの鍵を握る。
しかし、今回ルールの上で昨年と大きく異なる点としては、「凍結」を防ぐ手段が少なくなり、より脅威が増したところがある。今回のルールでは、凍結を治療できるアークビショップの役割が大きく増している。また、シャドウチェイサーは「リプロデュース」というスキルで他の職業のスキルを学ぶことができるのだが、このスキルでウォーロックの「ジャックフロスト」を学び、バックステップに無敵時間がある「フェイントボム」で敵陣に肉薄し、「ジャックフロスト」で敵を凍結させるという戦術が“流行”になっていた。
こういった定番はある中、各国の戦術は国内で異なっているという。日本は戦場を駆け回り一気に攻撃を仕掛ける戦いが得意なようで、世界対抗戦では積極的に攻撃を見せる姿が目立った。世界戦出場に際し、日本チームは世界対抗戦に参加する他のチームと本当に熱心に練習を繰り返し、戦術を磨いていったという。
日本チームはAブロック第1試合で台湾とぶつかることになった。台湾チームの動きは良く、最初はお互いが隙をうかがっていたのだが、台湾のメカニックがセルフディストラクションで日本のメンバーに大ダメージを与え、攻撃メンバーを失ってしまう。その後台湾の修羅が「羅刹破凰撃」や「羅刹破凰拳」で日本のメンバーを沈めていった。「日本チームは大丈夫なのか、このまま負けてしまうのでは?」という空気が会場を覆った。
緊張とプレッシャーが掛かる中、それでも日本チームは第2戦でその重圧をはねのけ、戦いの主導権を握った。第2戦では台湾の攻撃を誘い込み自陣に引き込んでセルフディストラクションを当て台湾の多くのメンバーを沈めた。3戦目は積極的に攻めて大ダメージを与え速攻での勝利となった。会場からは大きな歓声が上がった。高い実力を持つ台湾チームを破ったことで、日本チームの強さを実感させられた。
次の日本の対戦相手は中国。メンバーの連携と言ったところで少し荒っぽい所を見せており、日本の練習を積んだ動きに苦戦していたが、2戦目でメンバーの1人が他を引っ張り完全な奇襲を成功させる。日本チームは大きく動揺するが、何とか立て直し、中国チームを破った。中国、台湾を破り、日本チームが決勝戦出場を決めた。
Bブロックではタイチームが韓国チーム、フィリピンチームを破り決勝進出を果たした。どちらも2戦で勝負を決めるという高い実力を見せつける試合となった。第2リーグでは特にフィリピンが印象に残った。リーダーを含め、とにかく大きな声を出し、気合いを込めて戦っていた。その熱い戦いぶりは見ていて力が入ったのだが、タイはその気合いに呑まれることなく、フィリピンチームを撃破した。
タイはこれまで7回行なわれているRWCで4回優勝している「RO」世界一とも言える存在である。韓国、フィリピンも大会では勝ち進む国なのだが、やはり王者の実力は別格と言えた。このタイに日本はどう戦っていったのだろうか?