ニュース

これぞアルティメットオープンワールド! 「GTAV」ノンプレイデモレポート

バインウッドでセレブ女優を救出! 計画的強盗犯罪にもチャレンジ

映画の街は遊ぶことだらけ。セレブ女優を助けるミッションをプレイ

フラストレーションで爆発寸前の男、マイケル
バインウッドの街はいかがわしい魅力に溢れている。マイケルの手にはスマートフォンがある
太りすぎた女優を助けるため、パパラッチとカーチェイス!

 マイケルは、かつてやり手の銀行強盗として名を馳せた中年の男性。現在は引退し、FIB(「GTAV」世界での連邦警察に相当)との司法取引の結果、非公式な証人保護プログラムに護られて悠々自適な暮らしをしている。奥さんと子供もおり、すべてを手に入れたかに見えるが、一方で何もやることがない日常にストレスを強く感じており、歩き方からして常にイライラとしている噴火寸前の人物だ。

 マイケルのいた場所は、映画産業で光り輝く街バインウッド。通りでは人が声をかけてくるなどインタラクション可能なNPCもいるほか、街の中ではバスツアー、タトゥー彫りなどのアクティビティーに参加が可能となっている。なおアクティビティーはアルバイト、ミニゲーム、チャレンジなど、今までのシリーズを「軽く超える数」が入っているという。

 特にバインウッドでは観光名所も多い。本家ハリウッドで言うところのチャイニーズシアターに相当する施設もあり、施設の前ではコスプレ姿のパフォーマーが道行く人にスマートフォンでパシャパシャと写真を撮られていた。

 なお本作でも携帯電話でのメニュー機能は健在で、マイケルはスマートフォンを持っていた。好きな場面をカメラ機能で撮り、それをそのままロックスター・ゲームスのSNS、ロックスター・ゲームスSocial Club内に投稿することも可能になっている。

 マップを見るとある地点に「?」マークが浮かんでおり、ここに近づくことで「ランダムイベント」が開始される。ダイナミックイベントではATMの強奪、現金輸送車の襲撃、ヒッチハイカーの同乗など、様々なイベントが待ち構えている。

 今回はパパラッチの集団に行く手を阻まれたセレブ女優、レイシー・ジョナスの救出というミッションだった。なにやらレイシーは最近太りすぎてしまったらしく、その写真を狙ってパパラッチが執拗に追い掛け回しているのだという。

 それならばとマイケルは車の助手席にレイシーを乗せて自宅に送り届けることになるが、そうは簡単に事は進まない。レイシーが車にいることがパパラッチにバレ、道中ではパパラッチとのカーチェイスが繰り広げられる。銃弾飛び交うカーチェイスは「GTA」シリーズではお馴染みだが、このミッションでは銃弾の代わりにカメラのフラッシュが光りまくる。いかにも現代的で、ハリウッドを皮肉った“ならでは”の演出だ。

 無事レイシーを自宅に送り届けて、ミッションは終了。なおレイシーはこのミッション以外にもちょくちょく顔を出すことになるという。

強盗は計画的に。「GTAV」の真骨頂「強盗ミッション」に繋がる「Blitz Play」

変装マスクと衣装が特徴的。とある映画に影響されているらしい

 3人それぞれのプレイが終わったところで、最後にミッション「Blitz Play」を見ることができた。「Blitz Play」は、マイケルが立てた現金輸送車襲撃計画に従い、主人公3人を切り替えながらミッションを成功させるというもの。後述する本作の見所の1つ「強盗ミッション」に繋がる要素が詰まっている。

 マイケルの作戦とは、マイケルの操るゴミ収集トラックで現金輸送車の行く手を塞いで立ち止まらせ、その横っ腹にフランクリンの操るレッカー車を猛スピードでぶち当てて行動不能にさせるというもの。トレバーは付近の建物の屋上から、周囲の警戒と輸送車の到着を知らせる役目を負う。

 プレーヤーは、まずマイケルを操作してトラックを計画の位置に着かせる。すると画面が切り替わってトレバーの視点になり、輸送車が近づくのを確認する。再び視点はマイケルに戻り、今度はトラックを操って輸送車が通る道をおもむろに塞ぐ。最後に視点はフランクリンに移り、レッカー車を思いっきり輸送車に突っ込ませれば計画は成功だ。

 ここまでのミッション中の主人公切り替えは自動で行なわれ、先述したものよりもスムーズになっておりミッションの緊張感を損なわないようにしている。1人では実現不可能だった襲撃計画を3人の視点から成功に導くことで、より厚みのあるゲーム展開を楽しむことができる。

 ミッションでは襲撃が成功したものの、立ち去る前にパトカーが到着して事態は激しい銃撃戦へと突入していった。銃撃戦に入ると視点切り替えは自由に行なえるようになっており、1人の視点では見えにくい敵をもう1人の視点で撃ってサポートしたり、誰かの背後をカバーするように移動したりして戦略的なプレイが可能になっていた。今回の場合はトレバーが屋上からスナイパーライフルやロケットランチャーで2人を援護しており、立体的な戦略も有効になる。

 銃撃戦がひと段落したら、ゴミ収集トラックに乗ってその場から逃走する。逃げた先の駐車場には逃走用の車も用意してあり、乗り捨てたトラックに火を点けて証拠を消し、そのまま逃走車両に乗り込んで走り去ればミッションは完了する。

 これが1通りの流れだが、本番の「強盗ミッション」でも同じような強盗プレイが可能となる。ただし、プレーヤーが自ら計画を練り、襲撃用の服装やマスク、車両、また逃走用の車両の確保、そして逃走経路の決定などすべてを行なう必要があるという。

 なお、今回のマイケルの計画はとある映画からインスパイアされているそうで(ロバート・デ・ニーロ&アル・パチーノ主演の「ヒート」か?)、こうした映画の引用元を探るのもロックスタータイトルの楽しみの1つとなっている。

本番となる「強盗ミッション」では何もかもがプレーヤーの選択次第。想像力と実行力が問われるものになりそうだ

3人の切り替えシステムがストーリー、戦略に多大な厚みを生む

 「GTAV」は、本質の面白さはそのままに、オープンワールドの世界をどうやって進化させるかをテーマにしたという。連続テレビドラマのように3人の視点で物語を描くことでストーリーに深みが生まれ、またアクション面でも戦略性、計画性の可能性が多く生まれている。またアクティビティの豊富さも魅力で、大規模なマップの中でも行く先々で何かしらのランダムイベントに出会うようになっているのだという。

 ロックスターは、「他のタイトルで学んだことをすべて入れ込んでいる」と語ってくれた。「GTAIV」が発売されて以降、Rockstarは、「レッド・デッド・リデンプション」、「L.A.ノワール」、「マックス・ペイン3」とタイトルをリリースしている。

 「レッド・デッド・リデンプション」での生き生きとした自然と豊富なアクティビティ、「L.A.ノワール」でのストーリー描写と感情表現、「マックス・ペイン3」での銃撃戦と身体表現。タイトルごとの評価は様々だろうが、これらのタイトルで得た経験が「GTAV」に集約されているというのがなんとも心躍る。

 すべては「GTAV」のためにあった、と言うと大仰だが、少なくともロックスターゲームスが“満を持して”発売するタイトルであることは疑いがない。まだまだ明らかにされていない要素が多くあり、全貌はわかっていない。続報をぜひ楽しみに待ちたい。

Amazonで購入

(安田俊亮)