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ベセスダ/Tango Gameworks、「PsychoBreak」プレビュー

大量の怪物を相手にする戦闘重視のパート。血だまりから現われる異形の怪物

大量の怪物を相手にする戦闘重視のパート。血だまりから現われる異形の怪物

たいまつを持つ怪物。知能はあるのだろうか?
頭や体に様々なものが突き刺さっている
怪物達は頭部が弱点な様で、三上氏は常にヘッドショットを狙っていた
血だまりから現れる怪物。現実世界の病院に帰ってきたと思ったのに、怪物の存在が再び境界線を曖昧にさせる

 続いて三上氏は、別のデータをロードし、戦闘パートを見せてくれた。舞台は木造の狭い建物の中。傷は治ったのか、セバスチャンはもう足を引きずっていない。ここでは、外から攻めてきた大量の“ゾンビのような怪物”と戦うことになる。三上氏によれば、ゲームを開始して1時間から1時間半ほどの所だという。前半のデモの後、1つの山場があってそれからの展開とのことだ。

 今回のデモプレイではここで襲いかかってくる怪物の正体は明かされなかったが、上半身が裸の不気味な色の肌をした人型の怪物で、闇では目が見えないのかたいまつを持っていた。しかし怪物の中には頭に木片が突き刺さったようなものもいて頭が機能しているようには見えない。必ずしも“目”でものを見ているわけでもないようだ。そんな恐ろしい外見をした怪物達は、集団で建物の中に入ってきてセバスチャンを取り囲んでくる。

 セバスチャンのこの時のメインの武器はハンドガンで、構えるとグッとカメラがセバスチャンにより肩越しの視点となった。三上氏は怪物に対してヘッドショットを狙っていたが、最初はなかなか当たらなかった。

 ヘッドショットに成功すると敵は一撃で倒れてくれたが、頭を外してしまうと倒れてもまだうごめいている。そこで三上氏が取った行動は、倒れてなおうごめく敵に火を付けることだ。炎に包まれた敵はようやく死に絶え、消し炭になっていた。三上氏によれば、これも敵の倒し方のひとつだという。

 続いて三上氏は怪物達が侵入してくる前に「マイントラップ」を部屋のあちこちに設置していた。地下の階段など、怪物が通るところに設置していた。マイントラップは設置されると黄色のランプがともり、スイッチを入れるのか、近接信管かわからなかったが、作動させると赤いランプがつき数秒後に爆発していた。爆発の規模はそれほど大きくないが、複数の敵をまとめて倒すことができた。

 怪物と戦っているときに気になったのは部屋にうずくまった人がいたことだ。シルエットから女性のようだったが、彼女と会話などはできなかった。怪物達は数を増やし、セバスチャンは地下に逃れる。彼女がどうなったか今回はわからなかった。

 セバスチャンは怪物から逃れ、建物から続いている地下の通路を進んでいく。怪物はここまで追ってこないようだ。しかし通路の向こうから血が通路いっぱいに津波のように押し寄せてきて、セバスチャンは飲み込まれてしまう。「押し流される!」と思った瞬間、血流は全くなくなり、そして病院の通路にセバスチャンは立っていた。病院の世界と怪物のいる世界、2つの世界が存在しているのだろうか。

 セバスチャンは病院内を進む。前方に血まみれの死体が倒れていた。セバスチャンが見ている前で、死体の血だまりが盛り上がり、腕と足が4本の長い髪を生やした血まみれの怪物が出現した。怪物は叫び声を上げながらセバスチャンに突進してくる。セバスチャンは銃を抜いて立ち向かう……というところで今回のデモプレイは終了した。

 圧倒されたのはその凄惨な表現だ。前半の死体を切り刻む大男や、セバスチャンに迫る巨大なのこぎり、後半の怪物の倒され方や、死体から出てくる怪物など、グロテスクで目を覆いたくなるような生理的嫌悪感をもたらす表現が山盛りになっている。日本産のゲームであることが信じられないほど突き抜けた表現だ。Tango Gameworksのゲームの作り方としては、まず自分たちの表現をとことんまで作り込んだ上で、その上でから調整することにしていくつもりだという。

 また、今回は5.1ch環境でプレイしたのだが、音の立体感がすばらしかった。大男から隠れているシーンなどは背中からチェーンソーのエンジン音がしたり、怪物に取り囲まれるときは息づかいが聞こえてきたりする。音楽も「G線上のアリア」はもちろん、無音と緊迫した音楽を効果的に使い分け、さらにショッキングなシーンの時はこちらの心をかき乱す甲高い効果音が挿入される。ホラー映画の演出をかなり力を入れて取り入れていると感じた。

(勝田哲也)