日本マイクロソフト、「コンシューマー製品メディアデイ」を実施

「SmartGlass」を使った「Halo 4」や「Forza Horizon」のデモを公開


11月12日 開催



 日本マイクロソフトは11月12日、同社本社にてコンシューマー向け製品を紹介する「コンシューマー製品メディアデイ」を実施した。中心となったのは10月26日に発売されたWindows 8だが、Xbox 360に関する話題も展開された。

 会場ではまず、日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏が挨拶し、「国内では年内に13のメーカーから250機種以上のWindows 8搭載デバイスが発売される。全世界で見ても日本の数は多い」と述べた。

 またMicrosoftでインターナショナルプレジデントを務めるジャンフィリップ・クルトワ氏も来場。「Windows 8の登場で、タブレットなのかデスクトップなのかを選ぶ必要がなくなった。2、3の異なるデバイスを購入する必要がなく、タッチでもキーボードでもマウスでも、その時最も適したデバイスを使える」とWindows 8搭載製品の優位性を語った。

 続いて日本マイクロソフト執行役常務 コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明氏が日本での取り組みを説明。Xbox 360については、「Halo 4」のプロモーションに加え、年末に向けてファミリー向けへの取り組むとした。具体的には、通常はXbox 360 4GB本体とKinectがセットで29,800円で販売しているものを、さらに「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ」をセットにして24,800円としたクリスマス向けパッケージを11月15日に発売する。またKinectタイトルとして「Nike+ Kinect Training」や「Kinect スポーツ: アルティメットコレクション」も同日発売され、同時購入でのキャッシュバックキャンペーンも行なわれる。


日本マイクロソフト代表執行役社長の樋口泰行氏Microsoftインターナショナルプレジデントのジャンフィリップ・クルトワ氏日本マイクロソフト執行役常務 コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明氏
Windows 8やOfficeに加え、Xbox 360を中心としたエンターテイメントも年末商戦の柱に据える

 一通りの発表の後、会場を移して各種製品のデモや展示が行なわれた。ここではXbox 360とPCやタブレット、スマートフォンなどを連携させる「SmartGlass(スマートグラス)」のデモも用意されていた。「SmartGlass」はWindows 8やWindows Phone、iOS、Androidなどに向けてアプリとしてすでに無料で提供されている。ただこれまで日本では「SmartGlass」に関して一般向けの告知はほとんどされておらず、日本マイクロソフトとしては実質的にこの日が初披露という形になった。

 「SmartGlass」を利用するには、Xbox LIVEに接続されているXbox 360と、「SmartGlass」に対応したタイトル、「SmartGlass」をインストールできるPCやスマートフォンなどが必要。Xbox 360で使っているXbox LIVEアカウントと同じアカウントを使って「SmartGlass」アプリでログインすれば準備は完了。その状態でXbox 360で「SmartGlass」に対応したゲームを起動させると、アプリ側も連動してゲームごとに異なる機能が使える。

 アプリの名前からしてスマートフォンなどでの利用を想定しているが、タッチパネルのないデスクトップPCでも利用できる。ちなみにXbox 360と「SmartGlass」を使う端末は、同じアカウントを使っていれば同一のLAN上にある必要すらなく、インターネット経由で情報をやり取りできる。

 ゲームは現時点で4タイトルが対応している。まず先日発売された「Halo 4」では、WEBで展開しているポータルサイト「Halo Waypoint」と連動し、キャンペーンの進行状況やマルチプレイでの戦績など、プレーヤーの統計データを確認できる。見られるデータはWEB上のものと同等だが、専用のインターフェイスになっており、タッチ操作でデータを参照できる。


データは「Halo Waypoint」で確認できるもの。専用インターフェイスで見やすくなっている

 「Forza Horizon」では、走行している場所のマップが表示される。タッチ操作でマップ移動、ピンチ操作で拡大縮小と、地図アプリのような感覚で利用できる。さらにマップ上で行きたい場所をタップすると目的地に設定でき、ゲームのGPSにもリアルタイムに反映される。いわゆるカーナビ的な存在として利用できる。


「SmartGlass」側で目的地を設定すると、ゲーム側のGPSに即座に反映される。まさにカーナビを使っているような感覚

 他には「Dance Central 3」ではプレイする楽曲選択やプレイリストの作成が可能。Xbox LIVE アーケードの「Home Run Stars」では、Kinectを使用するプレーヤーがバッター、「SmartGlass」を使うプレーヤーがピッチャーとなり、球種などをタッチパネルで選んでピッチングを担当できる。

 ゲーム以外では、映像配信サービス「Xbox Video」が「SmartGlass」に対応。アプリ側で見ていた映像を途中からXbox 360本体側で再生させたり、本体で再生中の映像の早送りなどを行なうリモコンとしてアプリを使ったりできる(iOSやAndroidでは、アプリ側での動画再生は現時点では非対応)。またブラウザ「Internet Explorer」も「SmartGlass」に対応しており、PCのタッチパッドを使うような感覚でアプリ側の端末を使ってブラウジングの操作ができる。


「SmartGlass」で見ていた映像を、続きからXbox 360で再生できる。Xbox 360での再生時には、リモコン的役割に加え、映像の情報なども確認できる
「Internet Explorer」の操作を「SmartGlass」側の端末で行なえる。コントローラーでの操作よりも文字入力は楽になりそうだ

 現時点ではファーストパーティータイトルのみの対応となっているが、「SmartGlass」のSDKはすでにゲーム会社にも提供されている。ただ「単純に連携するだけでは面白くない」という声もあるそうで、テレビの前にいない時間を「SmartGlass」でどう繋ぐのか、というのが共通意識になっているという。おそらく来年辺りからは対応タイトルも増えてくると思われるので、どういったアイデアを入れてくるのかは登場を待ちたい。


11月15日発売予定の「Nike+ Kinect Training」。複数のトレーニング用ゲームを収録するほか、日々のトレーニング量やトレーニングメニューを管理する機能も搭載Xbox 360コーナーの店頭イメージも用意。「Halo 4」が発売されたばかりだが、早くもファミリー向けにKinectタイトル押しな展開になっている

(2012年 11月 12日)

[Reported by 石田賀津男]