8年の時を経てついに「マビノギ2 アリーナ」がプレイアブルで出展!

“観戦”にフォーカス、グラスギブネンなど関連性も濃密に


11月8日~11日開催
 
会場:釜山国際展示場(BEXCO)



 NEXONはG-STAR 2012にて、“MMO-ARENA”という新しいジャンルの「マビノギ2:アリーナ」をプレイアブルで出展した。韓国では2004年、日本では2005年からスタートしているMMORPG「マビノギ」の「2」を冠するタイトルがついに登場した。「マビノギ2:アリーナ」は韓国でのサービスは2013年を予定しており、日本でのサービスは未定となっている。

 「アリーナ」は闘技場・競技場・劇場などの施設を表す言葉。MMORPGではなく、MMO-ARENAという新ジャンルの「マビノギ2:アリーナ」は“観戦の楽しさ”にフォーカスした作品となるという。今回は2つの戦闘ステージが収録された試遊バージョンが出展されており、4人での協力プレイができた。今回出展されたNEXONのタイトルで、1、2を争う人気を獲得しており、会場ではプレイ待ちの長蛇の列ができていた。

 本稿では出展に合わせて発表された「マビノギ2:アリーナ」の概要の紹介と、プレイアブルバージョンのプレイレポートをお届けしたい。本作の魅力の一端を感じることができた。

【「マビノギ2:アリーナ」トレーラー】

派手な戦闘シーンはもちろん、神々のイラストやグラスギブネンなど、「マビノギ」ファン必見のムービー

「マビノギ2:アリーナ」はプレイアブルで出展。右はプレイ待ちの列。NEXONタイトルで、1、2を争う人気だった




■ “戦いを観戦する”という新しい楽しみを提示する「マビノギ2:アリーナ」。観客が援助や参戦も

「マビノギ2:アリーナ」のイメージイラスト。右は「マビノギ」プレーヤーにおなじみの女神モリアン

 「マビノギ2:アリーナ」は「マビノギ」と「マビノギ英雄伝」のプロデューサーを務めたNEXONデブキャットスタジオのキム・ドンゴン氏が開発を担当している。

 キム氏は「マビノギ」でほのぼのとした生活要素や、アクションと駆け引きの楽しめる戦闘要素を盛りこみ、従来のMMORPGとはひと味違う作品を手掛ける開発者として、話題を集めた。「マビノギ2:アリーナ」ではMMO-ARENAという新しい楽しみ方を提示していくという。

 これまでのゲームは“プレイして楽しむ”ものだった。本作では“見て楽しむ”という要素が新たに加わる。ゲームではインスタンスコンテンツに挑むプレーヤーと共に、観戦用のスペースも用意される。プレイをする人とリアルタイムで複数の観戦者がプレーヤー達の戦いを見ることができる。

 もちろんプレイを楽しむこともできるが、そのプレーヤーの戦いを見て、さらに様々な方法で干渉していけるという。観客はリアルタイムにチャットで応援したり、声を掛けることが可能で、さらにアイテムを投げ入れたり、代わりに参戦したりもできる。これまでのシステム以上に観客とプレーヤーが相互に影響していく空間を目指していく。

 プレーヤーが戦う戦闘フィールドはインスタンス空間でありながら、他のプレーヤーや観客が入ってこれる。また、スタートはそれぞれ別でもあるチェックポイントから合流できるなど、フレキシブルな構造となる。多数のユーザーの観戦・参戦を可能にしながらラグ(遅延)が起こりにくいシステムとなるという。

 そしてアクションやグラフィックス、演出にも力を入れていく。これら新しい要素を可能にするのが“シルバーバインエンジン”だ。これまでのオンラインゲーム以上の精巧でレスポンスの良い、爽快感のあるアクションを可能にする。見て楽しく、操作して楽しいアクション性を追求するという。

 ちなみに、現時点では「マビノギ2:アリーナ」の世界観や時代設定の詳細は明らかになっていない。ムービーではモリアンやキホールなど「マビノギ」でおなじみの神々や、「マビノギ英雄伝」のモンスターなどこれまでの作品と関連する部分も見ることができる。気になる点などは後日掲載するキム・ドンゴン氏へのインタビューで取り上げているので、こちらも参照して欲しい。


【新地域】
スクリーンショット。敵は取り囲むようにこちらを攻撃してくる
プレーヤーキャラクター。右下は、ロボットのような乗り物




■ 派手でギミックたっぷりの戦闘、「マビノギ」との繋がりなど、試遊バージョンは見所たくさん

「マビノギ2:アリーナ」のコンパニオン。右はゲーム内に出てくる猫の商人のぬいぐるみ
「マビノギ」プレーヤーの多くが戦ったことがあるグラスギブネンが登場

 G-STAR 2012のNEXONブースでは「マビノギ2:アリーナ」のプレイアブルバージョンを触ることができた。2つの戦闘ステージが用意されており、そのうち1つのボスは「マビノギ」プレーヤーおなじみの「グラスギブネン」なのだ。グラスギブネンは「マビノギ」の最初のストーリーでのクライマックスに登場する人気の高いボスであり、その後のストーリーでも復活してプレーヤーの前に立ちはだかる。「マビノギ2:アリーナ」に登場するというのは、思わず嬉しくなってしまう要素だ。

 今回のバージョンでは楽器を持ち、顔を兜で隠した女性と、剣と盾を持つ女戦士、クロスボウを持った男性、鎧に身を固めハンマーを振り回す男の戦士の4人からキャラクターを選ぶことができた。「マビノギ2:アリーナ」のキャラクターはカートゥーンレンダリングで描かれたキャラクターとははっきり違う、リアル指向のタッチだ。「マビノギ英雄伝」もリアル指向だが、比べるとキャラクターの造形は「英雄伝」は硬質だったが「アリーナ」は柔らかさがあり、表現はさらに細かくなっていると感じた。

 戦闘フィールドは暗いダンジョンで周りは闇に包まれている。そこに多数の敵が取り囲むように出てくる。「Diablo」シリーズを思わせる激しいモンスターとのバトルが展開するのだが、キャラクターはなぎ払うように武器を振り回して戦う。この感触は「戦国無双」シリーズも思い起こさせた。

 ゲームの操作は方向キーでキャラクター移動、W、A、S、Dでカメラ移動と、マウスから手を離しキーボードで戦うタイプだった。Zで素手攻撃、Xで武器攻撃、Cキーで敵をつかむ攻撃が行なえる。さらに1~4でスキルが使えた。攻撃は連打するだけでも繋がるが、例えば武器2回に格闘1回、さらに敵をつかんで追撃など、ちょっと試すだけで技の繋がりが変わり、アクションの楽しさを強く感じさせた。

 今回は楽器を使う女性でプレイしてみたのだが。2のスキルは1度押すと楽器をバットのように構え、もう1度押すとフルスイングする。ここからさらに3のスキルで追撃することができた。楽器を振り下ろすときのキャラクターのモーションはコミカルで、「マビノギ」を思わせる。また、現在のバージョンでは確認しづらいのだが、攻撃の際「マビノギ」のように顔の表情が変わるという。

 ハンマーを使うキャラクターがドロップキックをするのも「マビノギ」の格闘を思わせる。このほか、敵に吹っ飛ばされると大の字になって壁に張り付いたり、コミカルな要素もある。チェックしていくと楽しさが広がると感じた。今回は最大の特徴である観戦要素は体験できなかったが、現時点で“見て楽しい”と感じる要素は多分に盛りこまれている。「マビノギ英雄伝」と同じ敵がでてくる場面もあって、「マビノギ」、「マビノギ英雄伝」のプレーヤーならば一層楽しめる。

 また、「日本のアーケードゲーム」を思わせる要素も注目ポイントだ。何故か巨大な皿を頭に掲げた敵がでてきて、倒すと皿の中から巨大な肉が出てきて、取ると体力回復できるのは「ファイナルファイト」などのカプコンの横スクロールアクションゲームを思わせる。また途中に小型恐竜のような騎乗動物が出てきて、これに乗ると尻尾で攻撃できる。この感じはセガの「ゴールデンアックス」を思わせた。この他、敵が落とす巨大な武器を拾うこともでき、移動速度が下がってしまうが強力な攻撃ができる。色々なアイテムや仕掛を利用するという要素も期待できる。

 そしてボスは画面を覆うほどに巨大だ。迫力満点のボスにヒットアンドアウェイを繰り返してダメージを与えていく。全体的に難易度は低めで、どういう順番で攻撃を与えていくかや、武器を持っての攻撃など様々な方法が試せた。細かいところをチェックするほどに発見があり、特に「マビノギ」、「マビノギ英雄伝」プレーヤーには楽しい作品だと感じた。

 この他、会場ではキャラクターのアクションを解説したムービーも流されていた。1人のプレーヤーが敵をつかんでもう1人が攻撃をしたり、2人で協力して攻撃したりと協力技が多かったが、ソロでのスキルの繋がりを解説したものもあった。全体的に「マビノギ2:アリーナ」への期待が高まる出展だった。


キャラクター選択画面。キャラクターにはコミカルな要素も盛りこまれている。
スピーディで、激しい戦闘が楽しめる。技のエフェクトや、オブジェクトを壊したり、敵を倒すと金貨がばらまかれたり、全体的に派手だ
自分がどの敵を狙っているかわからないほどに画面の密度が高くなる場面も多い。敵やオブジェクトを壊し、殲滅していく爽快感も本作の注目ポイントだ
会場で紹介されていrた、コンボや協力技の使用例。戦闘のアクションはかなり多く盛り込まれる。観客を意識した多彩な技を使った戦い方が可能だ

(2012年 11月 9日)

[Reported by 勝田哲也]