スパイク・チュンソフト、Xbox 360「ウィッチャー2」プレビュー
ポーランド生まれのファンタジーRPGの魅力を一挙公開!
株式会社スパイク・チュンソフトは、Xbox 360用RPG「ウィッチャー2」を8月23日に発売する。価格は7,770円。CEROレーティングはZ(18歳以上のみ対象)。ローカライズは英語音声、日本語字幕となっている。
「ウィッチャー2」は、モンスターと戦うために特別な体質となった“ウィッチャー”の主人公「ゲラルト」の冒険を描くファンタジーRPG。前作はWindows版とMac版が発売され大きなヒットとなった。今作もWindows版は2011年に発売されているが、今回のXbox 360版はWindows版に様々な要素を加えた“Enhanced Edition”となっている。
今回、スパイク・チュンソフトにて、発売に先がけて開発者が来日し、プレゼンテーションを行なった。ゲームの説明を行なったのは、開発元であるポーランドCD Projektでマーケティング スペシャリストを務めるアガニェシュカ・ショスタック氏と、QAリードを務めるパヴェウ・パナシューク氏。本稿では「ウィッチャー2」のゲームの特徴を紹介していきたい。
【ウィッチャー2 プロモーションムービー】 |
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■ 王殺しと呼ばれる謎のウィッチャーがもたらす混乱。アクション性の高いRPG
開発元であるポーランドCD Projektでマーケティング スペシャリストを務めるアガニェシュカ・ショスタック氏 |
QAリードを務めるパヴェウ・パナシューク氏 |
王殺しと呼ばれるウィッチャー。彼の目的は何か? |
最初にショスタック氏は開発元であるCD Projektの説明を行なった。CD Projektはポーランドの首都ワルシャワにあり、2002年2月に設立されたという。「ウィッチャー」が最初の作品で、RPG制作を得意としている。会社の目標は“世界でNo.1のRPG制作会社になること”だという。
現在は、イタリアやスイス、フィリピンなど世界中からスタッフが集まり、100人以上の会社になった。「ウィッチャー2」の開発が終了した現在は、ダークファンタジーの世界観を持つRPGと、サイバーパンクの世界観のSFRPGを制作していると言うことだ。
このCD Projektの最初の作品であり、出世作となったのが前作「ウィッチャー」だ。「ウィッチャー」はポーランドの作家アンドレ・サプカウスキー氏のファンタジー小説がベースになっており、ストーリーや展開そのものはゲームオリジナルとなる。2007年にWindows版とMac版が発売され210万本以上が売れ、欧米メディアの賞をいくつも受賞した。
今作「ウィッチャー2」も、前作同様主人公はゲラルトだ。彼は前作で“テメリア王国”の王の命を救ったのだが、いまだ世界は混乱が続いていた。今作では“王殺し”と呼ばれる謎の存在がテメリア王国だけでなく、北方王国全体に混乱をもたらす。この王殺しの姿は、以前公開されているオープニングムービーで紹介されている。
魔法と錬金術を活用する戦い方、優れた剣技、これは“突然変異原”と呼ばれる薬品で身体を強化し、驚異的な戦闘力を持つウィッチャーならではのものだ。しかし本来、ウィッチャーはモンスターと戦うのみで、人間に刃を向けてはならないのである。王殺しと呼ばれるウィッチャーの存在により世界は動揺し、その影響は同じくウィッチャーであるゲラルトにも及ぼされていく。
プレーヤーはゲラルトとなって、混乱する北方地域を戦い抜いていく。ゲーム内ではいくつもの選択肢があり、プレーヤーの選択によりその後の歴史が変わっていく。女性魔術師のトリス、人間とは異なるエルフの戦士イオルヴェスなど様々なキャラクターが登場する。また王殺しはゲラルトと過去に面識があるらしい。歴史が大きく動くダイナミックな物語と共に、ゲラルトの個人的な因縁や恋愛なども描かれていくという。
ゲームシステム的には、メーカーが本作のジャンルとして設定しているのはRPGだが、“アクションRPG”という方が本作は近い。ゲームは3人称視点で、ゲラルトは群がる敵と戦いながら、目標となる場所に向かって進んでいく。シナリオによってステージは様々で、展開によっても変わっていく。ゲラルトは剣と“印”と呼ばれる魔法、さらに“錬金術”により様々な道具を使いこなす。
遠距離の敵には印、敵の攻撃にはガードし、隙を見せた敵には連続攻撃を当てていく。集団の敵には錬金術でのトラップを当てていく。成長要素は「剣士」、「魔術師」、「錬金術師」の3つの内どれかを伸ばしていくことで戦い方は大きく変わっていく。プレーヤーの好みで、戦い方は大きく異なったものになる。さらに、巨大なボスとの戦いもセールスポイントで、決められたタイミングでキー入力を行なうことでカットシーンが展開していくQTE(クイックタイムイベント)もあるとのことだ。
■ プレーヤーの選択で歴史が変わる。最高難易度「ダークモード」など、Xbox 360版ならではの多数の追加要素
日本語版でのデモプレイ。重大な選択を繰り返していく |
Xbox 360版ならではの追加要素は多い。様々なチャレンジステージのある「アリーナモード」に加え、ストリーモードの最高難易度「ダークモード」も追加される |
パナシューク氏が特に強調していたのがグラフィックスだ。遠景まで美しく描画されている |
今回は実際のゲームプレイも見ることができた。王に反抗する勢力が砦の一角を占拠し、ゲラルトはそこに向かう、というもので、字幕はすでに日本語化されていた。パナシューク氏の操作で、ゲラルトは華麗に剣を振り敵を撃ち倒していく。とどめを刺すときにはランダムでカメラアングルが変わり、アップになる演出が入る。
本作での魔法“印”は敵を凍らせるものや炎上させるもの、吹き飛ばすものなど様々なものがあり、遠距離攻撃でひるませ、剣に繋げるという戦い方が有効だった。特に城壁の縁などでは吹き飛ばす印で一撃で敵を倒す事ができた。
また、錬金術で作るガスの爆弾は、炎の印で引火させることで、大爆発を起こすことができる。この他に、「蜘蛛のオイル」等のアイテムを刀身に塗ることでダメージを増やしたり、毒を与え状態異常を発生させることができる。罠やアイテムは、「錬金術師」のパラメーターをアップすれば効果が高まっていくという。
剣は「剣士」のパラメーターをアップさせていくことで技が増える。急所攻撃、カウンターなどを覚え、攻撃が多彩になり、相手の攻撃にも対処できるようになる。「魔術師」をアップさせれば、印の威力が増していく。時空を歪めるような強力な印もあるという。また、「剣士」、「魔術師」、「錬金術師」というパラメーターに加え、「訓練」という基礎パラメーターがあり、“気力回復”や“ガード”、“短剣投げ”といったスキルや、他のパラメーターの底上げも行なえる。
デモプレイでは、ゲラルトは反乱勢力を倒しながら、リーダーの元にたどり着く展開となった。ここでは、「降伏を促す」、「1対1で戦う」、「全員皆殺しにする」という3つの選択肢が出た。今回は「降伏を促す」を選んでみた。リーダーはゲラルトの「家臣まで道連れにするつもりか。国王の慈悲を請え」という言葉に剣を捨てると、反乱勢力は従った。この選択ではリーダーは生き残ることになった。このようにキャラクターの生死によって今後の展開が大きく変わってくる。
「ウィッチャー2」では16のエンディングがあり、ゲーム内の選択で大きく変わってくる。大別すると2通りのストーリーがあり、1つはエルフやドワーフなど、人間以外の種族と深く関わっていくルート。もう1つが王殺しを追っていく過程で、恐ろしい過去の因縁が明らかになっていくという。パナシューク氏は、この2つの流れでは出会うキャラクターが大きく異なってくるので、ぜひ本作は2回以上遊んで欲しい、と語った。
そして、Xbox 360版ならではの要素は、“新クエストと新キャラクター”、“世界観を補足するムービー”、“エンディングを一新”など多岐にわたる。本作がシリーズ初めてという人向けのムービーや、チュートリアルも入るという。さらに「アリーナモード」という様々なチャレンジステージに挑戦し、フレンドや世界のプレーヤーとスコアを競うゲームモードが追加される。
そしてよりハードコアなゲームを求めるプレーヤーのために、「ダークモード」という最高難度でプレイできるモードも入っている。パナシューク氏は、「日本のプレーヤーは、難易度の高いゲームを好む人が多いと聞きました、ぜひこのモードに挑戦してください」と語った。さらに、開発チームが自信を持っているのはグラフィックスだ。Windows版に劣らないグラフィックスは、現在のXbox 360版のゲームの中では最高だと自負を持っているという。
ショスタック氏は“ゲラルト自身の過去”に注目して欲しいという。彼は過去の一部分の記憶を失っており、物語の大きな謎となっている。彼の謎と、国王達の思惑という政治的な部分の繋がりも、ストーリーの見所の1つだという。そして最後にユーザーへのメッセージとして、「日本で私達のゲームを紹介できてとても嬉しいです。ユーザーからのリアクションがとても楽しみです。新しい作品ができた際も、また来たいと思います」と語った。
デモプレイ。敵の攻撃を受け流し、魔法を活用して戦っていく。決断により反乱軍のリーダーの生死が変わる | ||
魔法や剣は成長させることでより強力になっていく | ||
訓練で能力を底上げし、錬金術を強化することで様々な製法を覚えていく | ||
プレーヤーの選択でストーリーは大きく変化していく。2つの大きな流れがあり、さらにエンディングは16通りもあるという |
The Witcher(R) is a trademark of CD Projekt RED S. A. The Witcher game(C) CD Projekt RED S. A. All rights reserved. The Witcher game is based on a novel of Andrzej Sapkowski. All other copyrights and trademarks are the property of their respective owners.
(2012年 8月 8日)