コーエーテクモ、「Team NINJA UNMASK 2011」で新作タイトルを発表

「NINJA GAIDEN 3」の実機デモを披露。さらに「DEAD OR ALIVE 5」を世界初披露


9月14日 発表


 株式会社コーエーテクモゲームスは、「東京ゲームショウ2011」の開幕前夜となる14日夜に国内外のプレスを対象とした発表会「Team NINJA UNMASK 2011」を都内で開催した。この発表会には早矢仕洋介氏が登壇し、プレイステーション 3/Xbox 360用アクション「NINJA GAIDEN 3」の実機デモを披露すると共に、Team NINJAの新作の発表を行なった。


「NINJA GAIDEN 3」のロゴとイメージビジュアル。早矢仕氏は「(テーマとなる)“報い”を感じて欲しい」とコメント

 まずは「Team NINJA」の「NINJA GAIDEN 3」制作チームが登場。ジャパニーズダークヒーローを描くことから始まった本作だが、発表された当初前面に出されていた「三」には“3つのアイデンティティを表す”という意味があったのだという。その1つ目が発表されたのがE3で、アイデンティティの1つめは「刀」。斬る感覚にフォーカスしてプレゼンテーションが行なわれた。そして今回発表された2つめのアイデンティティに込めた想いは「報い」だという。

 ここで公開されたのが当記事でも公開しているムービーで、後ずさる警官が命乞いしているところからスタートいろいろなキャラクターがフラッシュバックしていく中で血管が浮き出た真っ赤な右手を抱えうずくまるハヤブサが描かれている。そして最後にはロゴと共に、発売時期として「EARLY 2011」と表示されムービーは終わる。

 プレゼンテーションを行なった早矢仕氏は「“報い”を感じて欲しい」といい、「心を隠して人を殺していくのが忍者。そういった皆さんが忍者に抱くイメージに合わせてこれまで(ハヤブサを)描いてきたが、今の時代にふさわしい姿を提案する」と、これまでとは違った忍者像を描くことを明らかにした。それは「忍者である前に人間であるというハヤブサの苦悩がむき出しになる」ということであり、ポイントとして「ストーリーを楽しんで欲しい」という想いがあるという。ストーリーを強化する上で、今回は「忍者龍剣伝」などのシナリオを手がけてきた加藤正人氏がシナリオを担当している。

 ここで実機デモを行なうこととなり、ディレクターの安田氏が登場。ゲームのシステムについて本作におけるポイントをいくつか挙げた。それは難易度についてで、「『NINJA GAIDEN』シリーズは手応えのあるゲームというファンの認識があると思うが、それだけではなく、これまでのシリーズ作品をクリアできなかったゲームが苦手な人という人でもクリアできるように考えている」という。

 具体的には、これまでのようにアクションゲームとして楽しむだけでなく、「アクションエンターテイメント」としてストーリーも楽しんでもらいたいという。これまでのようにハードなアクションゲームとしてプレイしたい人には「ニンジャ・スタイル」で、アクションが苦手な人は「ヒーロー・スタイル」を選択すれば、ガードや回避においてサポートが入るようになっているという。ストーリーを楽しんで欲しいという想いからこういったシステムが盛り込まれている。

 そして、いよいよ本当に実機デモが行なわれたが、ニンジャ・スタイルでプレイしたところ2度プレイしてもクリアすることができず、かなりの難易度であることが判明。敵の数が多いが、ハヤブサ特有のスピーディな動きで一気に敵との距離を詰め、ドンドンと連鎖的に敵を倒していっているのだが、至近距離からバズーカ砲を発射する敵や、ポイントポイントで敵に殴られることがあり、ザクザクと体力が削られ、ポイントまでたどり着くことができず、2度プレイしたところでヒーロー・スタイルに切り替えて行なわれた。

 ヒーロー・スタイルでは、敵の数も少ないが、それ以前に敵の攻撃もAIレベルで押さえられているように感じ、難無くポイントまで到達。ここでイベントが入るのだが、「家族がいるんだ」と命乞いをする敵警官を追い詰め、ハヤブサが斬り捨てるところが描かれる。「人ではない……」といった言葉を残して絶命する敵だが、早矢仕氏の言う「忍者としての任務」に対して「報い」を受けることを予感させ、一方で忍者以前に主人公ハヤブサの人としての苦悩が感じさせられる衝撃的なイベントとなっていた。

 この後、巨大なロボット風の敵が登場。ステージ破壊が進む中、ハヤブサの逃げるシーンが描かれる。スライディングで狭い場所をテンポよく逃げていく中で、くないを使い壁をよじ登っていくシーンなどもあった。

 一通りデモンストレーションを終えた早矢仕氏は、「今回、見てわかるように人体欠損はありません」と切り出し、その理由として「人を斬る感覚を感じて欲しいから」としている。今回は敵も人間であり、人を斬る感覚を感じて欲しいことからこのような暴力表現になっているという。

 そして、もう1つのポイントのオンラインへの対応だ。オンライン部分も担当するプロジェクトマネージャーの植田氏は、「オンラインでも人を斬る感覚を味わって欲しい」としながら、「テーマは“忍者ワールド”」と説明。8人対戦が可能となっており、プレーヤーは“忍者・ハヤブサ”を目指す門下生としてプレイし、裏切りや殺し合いの中でより上の忍者を目指していくのだという。オンラインモードでもニンジャ・スタイルとヒーロー・スタイルについて選択することが可能になるという。詳しいことについては、今後情報が明らかにされていくとしている。

 なお、すでに明らかになっているように、PlayStation Vita用の「NINJA GAIDEN Σ」も開発中だが、こちらの発売も2012年で、「NINJA GAIDEN 3」の発売と近い時期に発売される予定だとしている。


【NINJA GAIDEN 3】

デモムービー


ロゴとイメージビジュアル。このグラフィックスにもメッセージが込められているという

 ここで電撃的に新作タイトルの発表が行なわれた。早矢仕氏は「『Team NINJA』がスタートしたもう1つの重要なきっかけとなったフランチャイズの新しい未来を見せたい」と切り出し、突如スクリーンで公開された“プレアルファーデモ”が「DEAD OR ALIVE」のシリーズ最新作だった。写真撮影が不可であったため、簡単に説明すると大都市が俯瞰で映し出されるところからスタートし、ビルの屋上で格闘を開始。ど派手な戦闘は地上に移りラストは相手をはじき飛ばし飛んできた車にぶち当てたたところで「DEAD OR ALIVE 5」のロゴが映し出されて終了となった。

 早矢仕氏は「4作目以降、新しい格闘ゲームとはどういったものか模索してきた。今の時代にふさわしいグラフィックスとスペックにあわせたものがあるはず」とし、「Team NINJA」がたどり着いた答えが「格闘エンターテイメント」だという。これまでの格闘ゲームにおいて「ステージ背景は脇役だった」が、ダイナミックなアクションによりその様相は変わっていき、アトラクションのように変化していくのだという。

 プラットフォームはプレイステーション 3とXbox 360を予定しており2012年の発売を目指して開発が進められている。今回、会場で公開された映像の前半部分のみムービーが解禁となったので、本記事でも掲載しておく。「DEAD OR ALIVE 5」のアクションの一端を感じていただきたい。

 最後に早矢仕氏は「東京から新しいゲームの情報を全世界のユーザーに発信していく。(今回のイベントは)その宣誓の場だ」と力強いコメントで締めくくった。

プレアルファーデモ

(2011年 9月 15日)

[Reported by 船津稔]