コーエーテクモ、PS3/Xbox 360「TROY無双」
カナダの制作陣も参加し、ゲームの魅力を説明
ディレクター陣によるプレイデモではサイクロプスを見事打ち破って見せた |
株式会社コーエーテクモゲームスは、5月26日に発売予定のプレイステーション 3/Xbox 360用タクティカルアクション「TROY無双」のブロガー体験会を実施した。「TROY無双」の価格は各7,560円で、CEROレーティングはC(15歳以上対象)。
体験会は同作の舞台を意識し、東京・新宿にあるギリシャ料理ダイニング「風の蔵」にて開催された。古くからギリシャ料理を手がけているお店で、非常に美味しい料理が多数並べられた中、ディレクター陣によるゲームの説明、そして試遊会が行なわれた。
試遊会に先駆けて行なわれた説明会では、ギリシャ軍が海軍の本陣を守るために築いた石積みの防壁を、ヘクトルが打ち破るエピソードをプレイ。最後に控えているサイクロプスを倒すシーンまでプレイした。
基本的な攻撃手順のほか、プレイ時のいくつかのポイントを解説。基本的にこれまでの「無双」とは違い、ボタンを連打して技を繋いでいくプレイスタイルではない点を強調。敵は盾でガードしてくるため、これを盾を使って体勢を崩し、そこから剣で攻撃するスタイルが中心となる。また、コンボの中で“パーフェクトタイミング”で剣の鋒がきらりと光る場合があるという。このタイミングでチャージ攻撃を仕掛けると、盾をも無視し貫通する強力な攻撃が可能となる。こういったタイミングが求められる攻撃システムがいくつか用意されているようで、カナダ側スタッフはこういった「ゲーム的なシステム」を取り入れたかったようだ。ボタンを単純に押すだけでなく、タイミングや順番など考えながらアクションを起こしていくことが重要だという。
また、部隊単位で登場する敵の中にはキャプテンがおり、そのキャプテンを先に倒すと周りの部下達が動揺し、武器を落としたり陣形を崩すという。誰から倒していくかも重要な戦略ということになる。また敵が落とした武器を拾い投げるなどの攻撃方法も用意されている。この攻撃方法は強力で、並みの敵であればイッパツで仕留めることができる。
「TROY無双」では、これまでの「無双」シリーズとは違い、ジャンプが用意されていない。これについてディレクター陣は「ジャンプするとしたら、3mから4mジャンプしなければ(ゲームとして)意味がない。でもそれは闘いの場では不自然」ということから削除したという。また前述の盾を使ったアクションをどうしても入れたかったということから、ボタン数や配置などを考えた結果のトレードオフでジャンプを諦めたようだ。
このジャンプに変わる緊急回避アクション(前転)が用意されている。このアクションを活用しなければ「TROY無双」では攻略が難しいという。カウンター攻撃や、敵の攻撃と同時のタイミングでの防御からの攻撃などと同様に、マストなテクニックなのだという。
会場店舗内にはポスターも貼り出されていた |
質疑応答でもいくつか「TROY無双」が難産だった経緯が語られた。今回、「TROY無双」が作られた経緯としては「『無双』を否定するのではなく、『無双』フランチャイズを欧米で広めるための作品作り」を目指すと言うことだった。欧米でもウケる新作タイトルの制作であればそれほど難しくはなかったが、海外では「無双」フランチャイズはマイナーであると同時に受け入れられない人も多いという。
ゲームの制作の初期段階では、「日本人は『無双』に何を求めているのか。海外のユーザーは『無双』の何が受け入れられないのか?」について、日本人スタッフと海外スタッフで喧々諤々の話し合いが続けられたという。細かいが重要な話としては、アクションのモーション1つとっても、感覚的な部分で話し合いが続けられたという。「無双」のアクションは美しいものが多く、ボタンを押した瞬間に発動するものが多い。しかし欧米の人にとってそれは「リアルではない」というふうに受け取られるようだ。このためプロトタイプを作ってはミーティングを行ない、移動する時に体を揺らしてみたり、フィニッシュのモーションパターンを増やすなど海外の人にとって求められる要素が入れられていったのだという。このため、ボタンを押してからのアクションタイミングに一瞬の間が発生したり、これまでの「無双」とは感覚的に違う部分があるのだという。
この点についてディレクター陣は不安視しているようで、「これまでの『無双』のファンが少し触って、これまでの『無双』と違うと感じ、手放してしまうのでは?」と心配しているという。上記のように、これまでのシリーズとは違ったアクションなど新規要素が用意されているため、これまでの「無双」とは違った楽しみ方を見いだしていくと良いだろうし、それだけの要素は十分詰め込まれている。
コーエーカナダのスタッフ陣は「TROY無双」についてまず考えたのはストーリーをキチンと見せたいという点だったという。例えば自由にキャラクターを選択してプレイできるようにならなかった理由は、それぞれの場面で登場するキャラクターは決まっているため、その都度切り替えられてゲームは進行していく。ここでプレーヤー側がキャラクターを選択することができたら、物語をゆがめてしまうことになるためだ。ただ、ゲームを進めて行き、各種要素をアンロックさせていけば、キャラクターを選択できる別モード「チャレンジモード」がオープンするなどの要素も用意されている。ディレクター陣によれば、ノーマルでゲームをクリアすると登場するボーナスコマンド(チートコードのようなもの)をオンにして是非プレイして欲しいという。また、難易度によって登場アイテムが変わるといったように、やり込み要素はかなり用意されているようだ。
開発陣によれば、これまでの「無双」との違いから失望するのではなく、新しい「無双」の1つの形としてアクションスタイルを楽しんでもらい、様々ななやり込み要素を楽しんで欲しいとアピールしていた。
試遊会を始める前にディレクター陣によるプレイしながらの解説が行なわれた。左が門脇氏で右が黒田氏 | 参加者も画面を熱心に見ながら2人の話に耳を傾けた | 最後の質疑応答に応じたコーエーカナダのボンド氏と黒田氏 |
試遊台はプレイステーション 3版が5台、Xbox 360版が2台用意された。各々がプレイしたい方を選び、約1時間ほどプレイしていた |
会場は「TROY無双」の世界観を感じてもらいたいという意向から新宿にあるギリシャ料理ダイニング「風の蔵」で開催された。数々のギリシャ料理が出されたが、いずれも大変おいしいものばかり。ちなみに同店では15人からのパーティも取り扱っていると言うことで、ゲーム機を持ち込んでのフレンドリーなパーティも開催できるという。ちなみにプロジェクターも置かれていた |
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(2011年 5月 15日)