タイトー、AC「ダライアスバースト アナザークロニクル」ライブ&トークショー

新エリアやボスが登場する「Unlock A」開放、「AC」のサントラも発売決定!!


3月6日 開催



 株式会社タイトーは、3月6日、渋谷 O-EASTにて、AC「ダライアスバースト アナザークロニクル」(ダライアスバーストAC)のZUNTATAライブ&開発者トークショーを開催した。このイベントは「ゲームミュージックダブルLIVE」の第2部として開催されたもので、「ダライアスバーストAC」の開発スタッフはもちろん、メカニックデザインを担当した海老川 兼武氏、柳瀬 敬之氏らも登壇し、開発秘話を中心としたトークショーを行なった。そして久しぶりのライブとなったZUNTATAも新旧メンバーにゲストミュージシャンを加えての豪華さで、来場者を盛り上げていた。

■ トークショーでは開発秘話が赤裸々に!

 まず、トークショーでは、磯村知美(イソッチ)さんによる司会で、本作の開発エピソードが語られた。登壇したのは針谷 真プロデューサー、開発ディレクターの柏木 准一氏、そしてメカニックデザイナーの海老川氏と柳瀬氏。

タイトーの針谷プロデューサー海老川氏柳瀬氏
ピラミッド副社長の柏木氏司会は弊誌ではおなじみのイソッチこと磯村さん

ダンボール製の筐体モック
大人4人が座れるかの検証風景
モックは先日廃棄となった
初代「ダライアス」の取り扱い説明書
シート部分
「ダライアスバーストAC」開発中の治具
筐体デザイン

 針谷氏がいきなり「ダライアスバーストAC」のロゴパネルを持って登場。「本当は筐体を持ち込みたかったんですが、いきなり怒られまして」とつかみは上々。まずは本作の開発経緯から話題がスタートした。

 PSP「ダライアスバースト」から紆余曲折があったが、柏木氏が試作として作った2画面ソフトを針谷氏は「これはいける」と感じ、プロジェクトが進んだという経緯があったそうだ。それに加え、専用筐体でのシューティングゲーム、「ダライアス」はタイトーとしてもずっとやりたかったテーマで、「復活できたことは実に運がよかったというか、感慨深いものがあります」と針谷氏は述べた。

 続いて、開発途中の写真などを踏まえて、本作が完成するまでの道のりが語られた。まずは筐体のダンボール製のモックの写真が公開。設計図を起こした後、このモックが制作されたという。実際の検証の模様も写真が公開され、大人4人が座るとどうなるかも検証した写真が公開された。「終電を逃した大人4人が屋台にいったような」(イソッチ)という突っ込みに会場は爆笑。このモックは残念ながら先日廃棄されたそうで、その模様も写真で公開された。「もったいない!」と会場からも声が上がっていた。

 次に、ボディソニックの参考にしたという初代「ダライアス」に付属していた取り扱い説明書を公開。木のボックスにスピーカーが入っているシートボックスだが、この木のボックスがウーハーのような効果を出している。「振動のあるところに設置しないでください」と但し書きがあったという話も飛び出し、「当たり方によっては変な振動を起こしたこともあったようで、安定したところに設置してほしいというメッセージだったようです(針谷氏)」という。「でも、この筐体自体が振動を出していたんですよね(イソッチ)」と突っ込まれると、「そうですね、昔の筐体は『窓がビリビリ震える筐体が設置されたらしいぞ』というぐらいのものだったらしいので、強烈な振動だったんだと思います(針谷氏)」と苦笑しながら答えていた。本作のボディソニックに関しては、「振動させる方法にはいろいろあるんですけれど、単に振動させるだけではなく、音楽に合わせていかにきれいな音を出せるか、というところでいろいろ調整してみました。設計部門だけでなく、ZUNTATAのメンバーといろいろ調整をやって、喧々諤々の議論をしました。なかなかひやひやしたんですが」とのこと。ハーフミラーを使った2つの画面に関しては、開発用の治具が公開された。

 ソフト関連の開発に関しては、柏木氏から解説が行なわれた。

 「(元タイトーの)PSP版のプロデューサーを勤められた青木さんという熱のこもった人から、『これをやってみないか』という話をされて、やっぱり僕らも思い入れのあるタイトルだったので、僕らも死ぬ気でやるしかない、という意気込みを持ってとりかかりました」と当時を振り返った。「そのあと、命がけとまではいきませんでしたが、死ぬような思いをさせられました(柏木)」、「それはお互い様(針谷)」と会場の笑いをさそった。

 海老川さんからは、PSP版からAC版へのデザインの変遷に関して語られた。シルバーホークに関しては「今風にしてくれ、というオーダーだったんですが、僕もすごく思いいれがあったので、もっと変えていいよ、ということだったんですが、あまり変えられなかった。レジェンド(シルバーホーク)もあるから……と言われていたんですけれども。実際には垂直尾翼の部分を維持するような感じで……でもそんなに変えていないですよね」とコメント。実際のモデリングの元になる前のイラストでは、変形するようなプランもイラストの角に描かれていたが、これはデモムービーなどでの使用を考えたプランだったようだ。

 ネクストのラフも公開された。「もう1つ前のラフが存在していて、初代のボツキャラになった支援機……1UPするときのカプセルの中に入っているという設定のものがあって、それを膨らませて、テクノロジー的にどんどん進んでいって、これになりました、という設定で作られたものです。PSP版をがんばってプレイしていると、ギャラリーモードのなかになんとなくこれに近いものが見られます(柏木)」とフォローがあった。

 フォーミュラに関しては、「『ダライアス』の自機は、基本的に前から流れるようなシルエットになっていますが、シルエットが違うもの、広がった形のもの、未来的なラインのものを意識してデザインしました。シルバーホークの発展型、別のアプローチというものですね(海老川)」、「このデザインだけは『新しい流れを作りましょう』ということで。ただ、海老川さん的には『ここだけは変えられない』という垂直尾翼、アイスラッガー部分というか(会場笑)はこだわってますね(柏木)」といったコンセプトだったようだ。

 巨大戦艦に関しては、柳瀬氏から説明があった。まずはマッドホイール。「わりと最初に出あうボスということで、ギミックを盛りだくさんにしようということと、シルエットに関してはオウム貝ということは絶対はずせないということ、そして開発サイドからは『こういう武器を』ともっともっととオーダーが来ていつまで経ってもデザインが終わらなかった(笑)」というエピソードを披露。「上がってきたデザインが本当にかっこよかったので、他のものはああでもない、こうでもないといった話があったんですが、開発の初期段階から居たボスです(柏木)」ということで、クロニクルモードに登場する亜種ソーンホイールの画像が紹介された。

 「これもやっぱり前(足部分)のうねうね部分がPSPでできるのか、というところを心配していたんですが、(完成して)嬉しかったですね」と柳瀬氏。「最初のころは60フレームで動かなかったりとか、いろいろ細かいことを言っていて、PSPでは裏面を作らないでくださいって(タイトー側から)言われていたんですが、ACでは裏も作れて、くるくる回ったりとかできました(柏木)」、「PSPのときは容量的な問題もあって、みんな“ああしたい、こうしたい”といったことがたくさんあったんですが、できなかったことがようやくACでできました(柳瀬)」、「ハッチ(バーストパーツ)はオープン式にしてくださいとかあったんですよね(柏木)」と当時を振り返っていた。

 次に、ヘビージョー(ゴブリンシャーク)のイラストが公開された。「これはパッと見正直魚じゃないですよね(会場笑)。いいのかなデザインしてって(笑)。周りに装甲が付いていて、まず何の魚かわからないというのはどうなんだろうと思いつつ、『ゲーム的に徐々に出てくるものです』って言われて。これもまた『武器を武器を』って言われましたよね(柳瀬)」。「これも変更を何回もお願いしたやつですね。オプションパーツがいっぱいあるので、いろんな組み合わせを考えて。最初にヘビージョーをお願いしたんですが、ACで最初のほうに出てくるハイパージョーはこの軽装甲版ということになっています(柏木)」という。

 ダークヘリオスに関しては、「『サイバリオン』ということで、中学校のときに、友達のX68000で遊んでいたあの『サイバリオン』を俺が書くのか! というプレッシャーたるや(会場笑)。これはタイトーファンからすればファンサービスだなと思いました(柳瀬)」、「『ダライアス』と『サイバリオン』はお話的にちょっとつながっているところがありますので、やるのであればぜひ出したいと(柏木)」、「で、これをまずデザインしたんですが、いきなりは出したくない。ダークヘリオスという装甲が付いた形で出したわけですが、これバレバレですよね(会場笑)(柳瀬)」と出落ちのような話題に。「でも海ヘビですよね」と海老川氏がフォローしていた。「柳瀬さんのデザインはわりと変形かギミックが多いですよね(針谷氏)」と話が及ぶと「なぜか変形とか、なんかはずれたりするものをよく頼まれるタイプのデザイナーなんで。ワンパターンと言われようと、変形自体はパージということでゲーム的には簡単に(柳瀬)」、「全部そっちにいっちゃったもんね(海老川)」、「今簡単にっておっしゃいましたよね(柏木)」、「いやいや、これ作るのボス2個分だったんで、あのへんにいる人たちが『えっ?』って(柏木)」、「すいませんでした(柳瀬)」となかなか大変だったようだ。

 そして海老川氏がデザインしたボスも紹介された。まずはアイアンフォスル。「最初は、ボスは全部柳瀬さんで、私は自機だったんですよ(海老川)」。「海老川さんが『ダライアス』を好き過ぎて、なんか圧を感じてたんですよ(柳瀬)」ということで、「何がやりたいの? って聞かれて、じゃあシーラカンスを、と(会場笑)(海老川)」。「恐ろしい男でしょ。僕も初代はゲームセンターで遊んでましたが、聞いてみると明らかにプレイ時間の差が……『海老川さん、高校時代何時間遊んでたんですか?』と聞きたくなるぐらいで、しかもシリーズを全部やっている。この仕事を請けた時に、『柳瀬さん、まずこれを聞いてください』とサントラを渡されて……この人本当に好きなんだな(会場拍手)というのがすごくわかったので、じゃあもう、『まず好きなのから』」と柳瀬氏も納得のスイッチだったようだ。

 「僕らは同じ世代なので、僕も初代に感銘を受けた記憶があるんですが、びっくりしたのが、AMショーで(ACを)初めてプレイしてもらったときに、とくに海老川さんがめちゃくちゃうまくて……(会場笑)、次は、うちでバグチェックを……(会場爆笑)(針谷)」と2人の好きぶりが伺えるエピソードも飛び出した。

 ダイオウグソクムシをモチーフとしたバイオレントルーラーに関しては、「ACでの新ボスということで、実際のダイオウグソクムシの顔がすごくインパクトがあるやつなので、それと、ダンゴムシのように丸く変わるので、そのへんのシルエットをうまく出せるように(デザインしました)。背中の装甲は半透明にしてくれというオーダーも出しました(海老川)」、「PSPだとあの半透明はちょっと(処理が)重かったですね(柏木)」という。

 そして「ダライアス」のもう1つの代表的ボスキャラである「グレートシング」。「柳瀬さんには申し訳ないんですけれども『クジラやりたい』って(会場爆笑)(海老川)」、「これは正直ヘビーだなと思ったんですよ。担当しているボスが多かったので、これはメインどころもあるのでやってもらったほうが……たぶんいろんな武装がいっぱい出てくるんだろうから、それはそれで大変だろうなと思いまして是非お願いしますと(柳瀬)」、「柳瀬さんが変形とパージで苦戦しているときに『これ、まだ手をつけてないね』と(笑)。これも初代のインパクトがすごく強かった。とにかく硬くて強いということがパッと見でわかるように。ボス全体の話ですが、柳瀬さんが描かれたコンセプトのラインがあったので、こちらも合わせるようにシーラカンスもクジラもデザインしました。デザインライン的にはぶれがないようになっていると思います(海老川)」とデザイナー陣がコメント。

 すると、「PSP版のときから武器もかなり増えております。がんばったのは僕じゃないんですが、とにかくこれはデカかったんで、PSPのときもそうだったんですが、テクスチャーを張っても張っても終わらない。担当の人間が『いつまでにできます』っていう話だったんですけれども、全然できなくて、見に行くとずっと描きこみをしている。どのくらい描きこみがすごかったかというと、実はロケテストバージョンではPSP版そのままで出ていたんですが、ほぼ誰も気がつかなかったという(ほどの描きこみです)。HD版を作るときも同じようにずっとまたテクスチャーを描いていて……。とにかく、『ダライアス』のシンボル的キャラクターなので、粗がないように、とちまちまやった成果が、あのカッコいい物になったと。デザインもすごくかっこいいし(柏木)」と開発陣も苦労があったようだ。

 デザイナーのお2人にとって、実際にゲームで動いたものを見ると、「最初に動いているものを見せてもらったときは、デモで泳いでいる姿を見せてもらったんですが、やっぱり魚は動くと違いますよね(海老川)」、「デザイン絵は硬いものなんですが、そこに魚的なモーションが入ることによって、“あ、ちゃんと『ダライアス』のボスになってる”っていう印象になったし、最初はリファインということで、ファン的にどこまで受け入れられるだろうと心配だったんですが、この会場の雰囲気を見てよかったのかなと解釈しました。初代のボスは止めで居る、という感じだったんですが、どんどんモーションが入っていって、それによって面白くなったな、と感動しましたね(柳瀬)」と、感触はよかったようだ。

 とくにクジラに関しては、「他のボスは『外伝』的な2Dの動きで組み立てをしていたんですけれども、クジラだけは立体的な攻撃をさせましょうということで、これだけ規格外みたいな形で、3D空間を動きながら攻撃してきたり、高速で動いたりとか。AC版になって、巨大なものがガッっと動く起動音みたいなものがZUNTATAから送られてきて、これがカッコよかった(柏木)」と、開発側のクジラへのリスペクト振りがうかがえる話が飛び出した。

 そして針谷氏から「もし、今後新しいボスが出るとなったら、デザインしたいボスは?」と話を振られると、「私はタツノオトシゴですね。初代はラスボスだったのに、『II』~『外伝』となっていくにしたがってザコみたいで(ACでは1面に出てきてやられちゃいますからね(針谷))、あの扱いに納得がいかないので(笑)。機会があったら手がけたいですね(海老川)」、「ACならではの表現、クラゲとか(柳瀬)」、「あと、ボツで何体か出ていないキャラがいるので、ぜひ(海老川)」、「が、がんばります(柏木)」ということで、まだまだボスが登場しそうな雰囲気だ。


バーストシルバーホークのデザイン画ネクストシルバーホークのデザイン画フォーミュラシルバーホークのデザイン画
マッドホイールのデザイン画ゲーム中のソーンホイールヘビージョーのデザイン画
ダークヘリオスのデザイン画ダークヘリオス(パージ後)のデザイン画アイアンフォッスルのデザイン画
バイオレントルーラーのデザイン画ゲーム中のバイオレントルーラー
グレートシングのデザイン画ゲーム中のグレートシング

■ ついにクロニクルモードで「Unlock A」が開放! 新エリア、新ボスキャラが登場

筐体の最後の検品を行なっているところ
すらっと並ぶ筐体
出荷時の梱包状態

 柏木氏から、続いてAC版の開発エピソードが公開された。

 「もともとはPSP版+αのようなレベルデザインにしましょうということで開発がスタートした。前から後ろから敵が出てきたり、撃ち分けの仕組みを入れていく、2画面を活かしたゲームデザインということで1回制作しました。なんとなく面白いかな、と思ってタイトーさんはじめ遊んでもらったんですが、みんな微妙な顔をし始めて……。ある日、1人の本当のことを言う人が『これ、つまんない』と(柏木)」、「やり取りをするなかで、ロケテスト前にどうも盛り上がりに欠ける部分があって『正直に言ってくれ』ということだったので『面白くありません』と言ってしまって(針谷)」、「『正直に言ってくれとは言ったけれども、あんなにストレートに……(会場笑)。まあ、また死ぬ気でがんばらさせていただいて、今みたいな形になりました」。

 「正直、どうしようと考えたときに、青木さんが書いたPSP版の企画書にも少し書いてあったんですけれども、『大量の魚群と戦うゲームにしたい』って。PSPではオーソドックスな形になっていますけれども、その原点に立ち返って、魚群と戦うような新しいゲーム性にしてみようということで、すごくがんばって提案して、何回かやりとりをして、面白くて爽快感のあるものになりました。そこでタイトーから送られてきたメッセージが『ようやく売り物になるレベルになりましたね』(会場笑)というお許しをいただいて、ロケテストにこぎつけました。今までの流れの中で、バーストというシステムも活かせるし、爽快感もあるし、『アーケードはこんなに進化しました』という提案ができたので、今回よかったんじゃないかなと。なあなあでやっているとそういうことはやっぱりできないので、タイトーさんもみなさんも『ダライアス』を愛しているので、ウソは言わないようにしましょうと(柏木)」、「大変いろいろ失礼いたしました(針谷)」。

 クロニクルモードに関しては「(タイトー側の)希望だけ聞いていると、あれはもうとんでもない数になって、作っても作っても終わりませんでした(柏木)」、「今も1,000以上あるので、すごい数ですが、最初のコンセプトではやりすぎたかなという(笑)(針谷)」、「最初聞いたとき、耳を疑うようなステージ数でした。今も現実的ではないですが、落ち着いているということで(柏木)」と話を続けていたが、イソッチから「あの……苦しい思い出ばかりじゃなくてですね、なにか楽しい思い出があったら伺いたいのですが」とつっこまれると、針谷氏が「ロケテストに最初出展したとき、ものすごい数のお客さんがいらしていただいて、そのとき本当に嬉しかったですね。業務用は直接お客さんの顔を拝見できるので、『ここはもうちょっとこうしなきゃな』とか反省することも多いんですが、あれは嬉しかったですね」とロケテスト時のエピソードを語ってくれた。

 ここで、工場から筐体がどのように出荷されていくのか、ということで、出荷前の組み立てと検査をしている模様の画像が公開された。「これはレタッチではありません(会場爆笑)。奥のほうまで続いている姿が見えるんじゃないかと。椅子をはずして2台くっついた形で梱包されます」と針谷氏のレポートで開発秘話トークは締めくくられた。

 そして、今後の予定として、3月31日より、「Unlock A」が開放され、クロニクルモードに新ボス、500を超える新エリアが追加されることが明らかにされた。また、タイトー直営店で行なわれた「アイアンフォッスル杯」は今後とも続けられる予定だという。ボスに関しては今回、トライデントジョーが公開されたが「あいつの亜種も出る」とのことで、3月31日が楽しみだ。


【スクリーンショット】

 最後に、登壇したメンバーから一言ずつメッセージとなった。「今回、タイトーでアーケードのお仕事をやらせていただくという、夢のような話……PSP版をやっていたころから考えると、ここに立っているのが夢のようなことだと思います。僕からのお願いなのですが、ここまで盛り上げていただいたこの後も、(ダライアスバーストACを)ずっと続けさせていただければなということを(会場拍手)ここにいるプレーヤーの皆さんも、みんなの願いだと思いますので、針谷さん、お願いします(柏木)」。

 「私も実際に『ダライアス』の仕事をできるなんて思ってもみなかったので、仕事をいただいたときは本当に『タダでもいいよ』みたいな(会場笑)。本当に思いいれたっぷりでやったつもりなので、AC版も迫力たっぷりで、遊んだときすごく感動したんで、みなさんもこれからも応援よろしくお願いします。私も本当に続きをやりたいんで……よろしくお願いします(海老川)」。

 「アーケードってやっぱりすごくうれしかったんです。ゲーセンのシューティングって、本当にこの時代にお仕事できるなんて思ってもいなかったんで(会場拍手)。本当にシューティングがアーケードで増えたり、コンシューマーでも、もう1回シューティングの時代が来るといいなと思っているので、青木さんから最初にすごい熱をもってお話いただいたときから、ここまで来れるとは思っていなかったんで、僕らもゲーセンで遊んでいるので、姿を見かけたら無視してください(笑)。本当にありがとうございました(柳瀬)」。

 「この場をお借りして関係者のみなさんにお礼を申し上げたい気持ちです。1番は期待を持って待っていただけたユーザーの皆さんのおかげだと思いますので、ありがとうございます。今回、『復活』ということで業務用を出しましたけれども、もちろん今後も盛り上げていただきたいと思いますので、今後とも『ダライアス』をよろしくお願いします(針谷)」ということで、トークショーは終了となった。



■ 「ダライアス」ずくしとなったZUNTATAライブで「AC」のサウンドトラック発売を報告!

「The world of spirit -Live Version with Remi-」
「DBAC MIX」
「DARIUS Classics」
「組曲 光導-第一曲 鉄の化石 -Live Version-」、「組曲 光導-第三曲 稲妻と剣 -Live Version-」、「組曲 光導-第五曲 暴君 -Live Version-」
「Hello 31337」
「組曲 光導 第六曲-導き-」

 後半の主役は、やはりタイトーサウンドチームの「ZUNTATA」。土屋 昇平氏(Bass)、小塩 広和氏(Keyboard&DJ&PC)、石川 勝久氏(Keyboard)の3人をメインに、ゲストミュージシャンにRemiさん(Vocal)、古島 知久氏(Drum)、黒田 英明氏(Guitar from Procyon Studio)、吉田 仁郎氏(Guitar)、古川 典裕氏(Keyboard)といったメンバーを迎えての久々のライブとなった。

 PSP「ダライアスバースト」でまずユーザーがファーストインパクトを受けたであろう「Good-bye my earth -Live Version with Remi-」からスタートしたライブは、Remiさんの生コーラスに衝撃を受ける暇もなく、「The world of spirit -Live Version with Remi-」と続いた。ここまでのメンバーは土屋氏(Ba)、小塩氏(Kb)、Remiさん(Vo)、古島氏(D)、黒田氏(G)。

 土屋氏のMCに続いては、「ダライアスバーストAC」からの「DBAC MIX」。小塩氏のアレンジによる巧みな繋ぎはかなりハイテンションなナンバーを連続したものになっており、「WARNING!」の効果音なども効果的に使われていたのが印象的だった。小塩氏のMCでは、「今日は(お客さんが)暖かいですね。何曲か参加させていただいているんですが、バンドで演奏できないということで、こういった前衛的な形で演奏させていただきました。最初はもっと単純な形だったんですけれども、練習しているうちに土屋さんが『もっとエフェクト入れろ!』って……当初はEQぐらいだったんですが、ディレイ入れるわカット入れるわフランジャー入れるわ……」とのこと。

 そして「そろそろ皆さん懐かしい曲を聴きたくなったんじゃないですか?(小塩)」とMCであおりを入れたところで、古川氏と石川氏が登場。「年寄り代表でございます~」と石川氏がMCで挨拶し、1997年のライブ以来、14年ぶりの渋谷ということで、「帰ってまいりました~!」と会場に一声浴びせると、ライブの雰囲気は一変した。吉田氏(G)、古川氏(Kb)、小塩氏というメンバーで、懐かしい「電車でGO!」の古川さんの声に会場が沸く中、小塩氏がアレンジした「DARIUS Classics」がスタートした。このMIXは「COIN」(初代&II)~「CHAOS」(初代)~「Say Papa」(II)~「Visionnerz + Self」(外伝)~「G Zero + Adam」(G)~「Fake」(外伝)~「A Flashing Dual Hawk」(TWIN)~「Boss7」(初代)とつながるもので、シリーズをプレイした人なら思わず涙腺の緩むラインナップがずらり。

 アレンジに関しては、「Visionnerz」のオケに「Self」を乗せたり(1面と最終面の曲)、「G Zero」と「Adam」を組み合わせる(こちらも1面と最終面の曲)「クロスアレンジ」(小塩氏命名)を試みたという。また、「ダライアスツイン」の「A Flashing Dual Hawk」は、石川氏の希望で(古川氏がデータの打ち込みを担当した曲)構成に盛り込まれたが、「おかげで『Captain Neo』がなくなりました(小塩)」という。また、「Boss7」はBPMでいえば原曲は100ちょいということだが、アレンジでは123にテンポアップされたため、体感上は246というとてもハイテンポのものになったそうだ。「譜面をもらって、『弾けるかこのやろう』というものが来まして……彼(小塩氏)はあまりピアノを弾かないものですから、『このぐらいは弾けるだろう』って来たんですが、『ふざけんな』と(会場笑)(古川)」、「『Boss7』を初めて聞いたのは小学校2年生だったんですよ。当時からファンで、やっとこういう場で弾ける、となったらすごく速いわけですよ、めっちゃ速い(会場爆笑)。最後のほうにいたっては、あの人(小塩氏)ギターを弾かないんで(会場爆笑)……。ギターでは絶対出ない低い音域を弾けって……アホか!(吉田)」、「シンセのギターじゃ出たんだよ(小塩)」と難度の高いものだったようだ。

 そして、土屋氏が再び登場。「ジャパ○ットZUNTATA」と観客からコールが出るほどの軽いセールストーク(笑)があったあと、再びライブへとモードチェンジ。小塩氏(Kb)、Remiさん(Vo)、古島氏(D)、黒田氏(G)とともに、「組曲 光導-第一曲 鉄の化石 -Live Version-」を演奏。「組曲 光導」はオリジナルモードで特定のコースを選択すると流れる一連の曲群で、ゆっくりと流れるような渋いアレンジと、Remiさんのボーカルが余韻を残すものになっていた。

 ここで、「出せないと思っていたんですけれども、『ダライアスバーストAC』のサントラを出します」と土屋氏が衝撃の報告。会場は割れんばかりの拍手に包まれた。「ZUNTATAプロデューサーの内田に、大人の手段を使ってなんとか出せるようにしくんでいただきました(拍手)、(リリースは)いつかは言えないんですが、間違いなく出します」と重ねての報告に、ファンは喜びの拍手を送っていた。

 続いて、「組曲 光導-第三曲 稲妻と剣 -Live Version-」。こちらもRemiさんの伸びのあるボーカルのパワーと、ややアップテンポなベースの音色が心地よい1曲。

 「みなさんもライトニングクロウにはご苦労されているんじゃないかと思います(会場爆笑)」と土屋氏がここでMCを入れた。私は大丈夫です。カウンター100%なんで(会場から『おおー!』と声が上がる)、サイドカウンターなんですけれどね(会場爆笑)。ちなみに、あのデザインはトークのほうでも登場した柳瀬さんなんですけれども」とMCでつなぎ、「実は次の曲で最後になります」と挨拶。「組曲 光導-第五曲 暴君 -Live Version-」が演奏される……はずだったのだが、小塩氏がプリセットを間違えてロードするというアクシデントが発生。「皆さんの熱気に押されまして、間違えてしまいました(会場笑)。僕も最後の曲を弾きたくないと(会場笑)。失礼しました(小塩)」ということで、再び「組曲 光導-第五曲 暴君 -Live Version-」となった。

 そして一旦メンバーがステージから降りると、おなじみ「ズンタ!」コールで会場が盛り上がる。アンコール1曲目で演奏されたのは「WORNING!」のSEとともに流れる「Hello 31337」! 「ダライアスバースト」から人気を集めていた1曲に続き、締めとなる「組曲 光導 第六曲-導き-」が演奏され、ライブは幕を閉じた。


(C) TAITO CORPORATION 1986,2010 ALL RIGHTS RESERVED.

(2011年 3月 11日)

[Reported by 佐伯憲司]