米Rockstar Games、PS3/Xbox 360「L.A. Noire」の最新トレーラーを公開
顔のかすかな表情の変化を見極めろ! ヒットメーカーが贈る大作アドベンチャー


3月9日公開(現地時間)




 米Rockstar Gamesは3月9日、現在開発中のPS3/Xbox 360用アドベンチャーゲーム「L.A. Noire(エルエーノワール)」の最新トレーラーを公開した。北米での発売日は5月17日を予定し、価格は59.99ドル。日本での取り扱いは未定となっているが、これだけの大作だけに発表は時間の問題と見られる。

操作の基本は取り調べ。「L.A. Noire」の醍醐味はこのプロセスをリアルに表現しているところだ

 「L.A. Noire」は、「Grand Theft Auto IV」(2008年、GTA IV)や「Grand Theft Auto: Chinatown Wars」(2009年)、そして2010年に話題を席巻した「RED DEAD REDEMPTION」(RDR)などを手がけてきた世界を代表するヒットメーカーRockstar Gamesの最新作。先のGDC 2011のGame Developers Choice Awardsではついに「RDR」がGame of the Yearを獲得し、無冠の帝王の座を返上。名実共に兼ね備えた今もっとも勢いのあるデベロッパーといっていい。

 「L.A. Noire」は、そのタイトル通り、フィルム・ノワール的な手法で、1940年代後半のロサンゼルスを舞台に、ありとあらゆる犯罪を描いたゲーム。といっても「GTA」のニコ・ベリックや「RDR」のジョン・マーストンのような反体制側の人間ではなく、今回はロサンゼルス市警の一刑事の視点から描かれる。また、オープンワールドだがまったく自由に動き回れるわけではなく、特定のエリアにフォーカスしたステージクリア型のゲームとなる。

 「L.A. Noire」の最大の特徴はゲームの構造が同社が得意とするアクションゲームではなく、アドベンチャーゲームであるところだ。プレーヤーは第二次世界大戦の英雄で、戦後はロサンゼルス市警に就職したCole Phelpsとなり、LAにはびこる様々な悪を暴いていく。その暴き方は、「GTA」や「RDR」のような圧倒的な暴力ではなく、まず容疑者を捉え、証拠を集め、尋問し、最終的に罪を認めさせるという、現実感のあるアプローチを取る。最新トレーラーでは、その取り調べのプロセスや、尋問の様子を見ることができる。ゲームは「刑事コロンボ」や日本の刑事ドラマのようにクライムシーンからスタートし、そこからPhelpsの地道な調査がスタートしていく。

 驚かされるのは、登場キャラクターたちの未だかつてないほどの表情の豊かさだ。逮捕された容疑者や聞き取り調査の対象者は、自らの罪を隠すためや何らかの事情で嘘の供述をする。Phelpsは、その陳述が真実なのか、疑念が残るのか、嘘なのか見極めながら聞き取りを進めていく。この際に判断基準となるのが、話の内容に加えて、顔の表情の変化だ。

 同作では顔の表情までモーションキャプチャを行なっており、老若男女を問わず、ありとあらゆるパターンのキャラクターが生き生きとした豊かな表情でプレーヤーに話しかけてくる。具体的には視線が泳ぎ、瞬きが早くなり、ため息をついたり、憎しみの表情を向けたりする。Phelpsの緩急を付けた追求の仕方もいい味わいを出している。そのリアリティは気味が悪いほどの精細さだ。日本での正式発表が楽しみな大作アドベンチャーゲームである。



(2011年 3月 10日)

[Reported by 中村聖司]