NCJ、「リネージュ 2」のアップデート記念オフラインイベントを開催
アップデート「Goddess of Destruction」の最新情報もたっぷり紹介!


12月18日 開催

会場:New Pier Hall


参加自由のイベントだったので、会場は立ち見が出るほどの大盛況

 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、Windows用MMOPRG「リネージュ 2」の最新アップデート「クロニクルス」の実装を記念したオフラインイベント「エヌシージャパンが行く! 2010 リネージュ 2『クロニクルス』アップデート記念プレミア」を開催した。

 イベントには500名ほどのファンが来場し、会場は立ち見も出る満員状態。ステージでは最新情報の発表と、ファン同士のコミュニケーションを兼ねた参加型のアトラクションが行なわれた。

 トーキングセッション「“New Project”カンファレンス」のコーナーでは、11月に開催された韓国G-Starに合わせて発表された大型アップデート「CT3」こと「Goddess of Destruction」の最新情報が発表された。上位の転職システム「覚醒」で登場する新しい職種やそのスキル、新エリアなどのスクリーンショットとムービーが公開された。

 このレポートでは、最新アップデート「クロニクルス」やその後に続く「CT3」の情報を中心に、イベント内で発表された内容や、イベントの様子をお伝えしたい。




■ よりユーザーフレンドリーな運営を目指す新体制

新旧のプロデューサーと開発コーディネーターが揃って挨拶

 イベント冒頭には、「リネージュ 2」の新しい運営体制が発表された。これまで「リネージュ 2」を支えてきたプロデューサーの長瀬健裕氏と開発コーディネーターのシン・ミンス氏に代わって、新プロデューサーの小高洋平氏と、新開発コーディネーターの五條隆将氏が後を引き継ぐことになる。

 両氏とも元々「リネージュ 2」の大ファンで、特に小高氏は入社前からレベル84のキャラクターを持つコアプレーヤーだったとか。小高氏は「ユーザーの目線に立って、新しい『リネージュ 2』を導いていきたいと思います。大人数で1つのことを達成するのが『リネージュ 2』のいいところだと思います。そういう部分をこれからも活かしていくのが最大のテーマです」と意気込みを語った。なお長瀬氏とシン氏は、今後はより総合的な立場から「リネージュ 2」に関わっていくという。

 「リネージュ 2」の運営は、今年の6月から従来のGM(ゲームマスター)を、ユーザーとのコミュニケーションやサポートを仕事にするFS(ファンサポート)と、不正対策が主な仕事となるSP(セキュリティプロテクション)の2つに再編成された。

 セキュリティについても、現行のセキュリティーカードよりも信頼度の高いワンタイムパスワードの導入を準備中。また、血盟主がログインしなくなった時に、運営側で血盟主を変更できるようにするなど、ユーザーが遊びやすい環境を整えていくための体制づくりが進められている。

 新しく「リネージュ 2」の舵取りをすることになる小高氏と五條氏のイベントでの初仕事は、間近に迫るアップデート「クロニクルス」の紹介だ。「思い出の共有」をテーマに、「いつものメンバーで新しい『リネージュ 2』を体験してもらう」(小高氏)のが目標だという。

 「クロニクルス」の詳細についてはこちらの体験プレイ記事を参照して欲しい。アップデートの目玉コンテンツとなる「ドラゴンバレー」のリニューアルについて、なぜ「ドラゴンバレーなのか」という質問に対して小高氏は「『リネージュ 2』において1番象徴的な場所だったと思うので、そこが変わるということが、『リネージュ 2』が変化していくということの象徴になるのではないか」と答えていた。たくさんの思い出が詰まったドラゴンバレーに再び訪れて、思い出話に華を咲かせながら、新要素を楽しんで欲しいという意図が込められているのだ。


これまでリネージュを支えてきた、前プロデューサーの長瀬健裕氏同じくバックヤードに回ることになった前開発コーディネーターのシン・ミンス氏
新プロデューサーとなった小高洋平氏新開発コーディネーターの五條隆将氏




■ 「血盟戦」の問題点を会場全体で話し合うライブディスカッション

公式HPで行なわれている「クリエイティブディスカッション」の中間報告が行なわれた
ライブディスカッションでは、開場からも挙手によるアンケート形式で意見を募った

 「“クリエイティブディスカッション”オフラインミーティング」では、FSクロロクこと有吉氏と、FSブラスコこと山本氏がMCを勤め、会場でのライブディスカッションが行なわれた。

 「クリエイティブディスカッション」は「CT3」に向けて「リネージュ 2」をよりよくするためのアイデアを議論して、多くの共感が集まったアイデアを日本のユーザーの声として開発に届けるという企画。公式ページから飛べる特設ページで開催中で、開催期間は11月26日から2011年1月25日までで、今回はその中間報告が行なわれた。

 現在は8つのカテゴリーについて議論が行なわれていて、寄せられている意見は800件を超えている。特に意見が多いのは「システム」(31%)、「スキル」(26%)、「アイテム」(15%)など。カテゴリ別の支持率を見ると、スキルに関する意見では賛成59、反対41%とほかにくらベてやや反対意見が多い。シン氏は「スキルに対しては、賛成と反対が50%に近い方がいいバランスではないかと感じます」と、分析していた。

 キャラクターへの要望については、「日本のプレーヤーは見た目や個性を重要視するので、そこは韓国の開発と話をしていて1番壁を感じます」とシン氏。米国やロシア、韓国、日本でそれぞれユーザーが欲しがるものが違うので、コンセンサスを取るのに苦心しているらしい。「日本の文化を説明するのに半年くらいかかります」(シン氏)と言いつつ、日本の掲示板のログを開発に見せたりといった日本の要望を伝えるための苦労話も聞かせてくれた。

 ライブディスカッションでは「血盟戦」について、問題点を整理しつつ話し合いが行なわれた。会場からも多数決の意見を求めたところ、「戦争がなくても『リネージュ 2』は楽しいか」という質問に対してもちらほらと手が挙がっていた。ちなみに同じ質問に対して韓国では賛同者はゼロだったそうだ。ただそんな韓国でも昔と今ではゲーム文化が変わってきており、協力プレイを好む人が増えているという傾向もあるらしい。

 来場者の意見をまとめると大部分は、現在の血盟戦システムに問題があると思っているが、デスペナルティはあった方が楽しいという意見が多く、緊張感のある戦争を楽しみたいという人が多いことがわかった。

 シン氏によれば、戦争は各国の好みの差が大きく出る最も難しい部分だそうだ。「韓国や台湾のユーザーは基本的に戦闘が好き。戦争で友情が生まれて“昨日の敵が今日の友”になる文化がある」のだという。対して日本は「礼儀正しくお互いに認め合うような戦争を好む人が多い。完全にシステムを変えなければ文化に合わせるのは難しい」という。今後のローカライズでどのくらい各国の文化に合わせていけるかが課題と言える。


「クリエイティブ ディスカッション」に寄せられたアイデアの比率ジャンルごとの支持率の差。スキルの項目は反対票が多いキャラクターについてのアイデア
スキルについてのアイデアアイテムについてのアイデア狩り場についてのアイデア
システムについてのアイデアイベント、FSについてのアイデア「血盟戦」のライブディスカッション
「血盟戦」のライブライブディスカッションでは、現状問題点や解決案が発表された




■ いよいよ具体的に見えてきた「CT3」

多くのファンが注目している大型アップデートが、いよいよ日本でも動き出す
シン氏、小高氏、五條氏の3名がコンテンツを紹介した

 このイベントの目玉となったのが「New Projectカンファレンス」で発表された大型アップデート「CT3」の情報だ。「CT3」の詳細は韓国でも11月に開催されたG-Starに合わせて発表されたばかりで、日本では初公開となるムービーも上映された。

 「Goddess of Destruction(破滅の女神)」とは、「リネージュ2」の世界を作った2人の神の間に生まれた女神シーレンのこと。シーレンは6匹の竜を産んだ後、封印された。神が作った世界を憎んでいる女神の復活によって、世界は一変する。プレーヤーはシーレンと戦うために、新たな力を手に入れる。それが3次転職の上位にあたる新たな職業となる「覚醒」だ。

 「CT3」では現行の職業が8つに統合されるという。その中で今回は3つが紹介された。「シーゲルナイト(仮)」は攻守合わせもったバランスのよさそうな前衛職。トラのような幻影を相手にぶつける攻撃のほかに、ターゲットした敵を自分のそばに引きつけるタンカー向けのスキルも持っている。

 「ティールウォーリア(仮)」はすべての武器を扱える重量級の戦闘職。防御力も攻撃力も非常に強力で、開発中の現段階では圧倒的な強さで最強の名を欲しいままにしているらしい。ムービーでは地面に五芒星を浮かび上がらせ、その範囲内を高速で移動しながら複数の敵に次々に攻撃していくという、巨体に似合わない敏捷さを披露していた。

 「フェオウィザード(仮)」は元素魔法を自由に使いこなす魔法職。両手からマシンガンのように魔法を連射したり、敵を1カ所に集めて範囲魔法で一網打尽にするスキルなど、従来の魔法職のイメージからかけ離れた攻撃的なものもあった。敵を集めるスキルは「頼んだ覚えがないのに、プログラマーが頑張って作った」(シン氏)ものだそうだ。


破壊の女神シーレンの復活が、アデンに異変をもたらす
「覚醒」の新職業「シーゲルナイト(仮)」
現在の最強職「ティールウォーリア(仮)」
攻撃的な魔法職「フェオウィザード(仮)」

【ムービー】
「シーゲルナイト(仮)」
「ティールウォーリア(仮)」
「フェオウィザード(仮)」

 全体として、これまでの「リネージュ 2」に比べて動きの派手なスキルが増えている。さらに「覚醒」したキャラクターが、生体エネルギーを使って動く巨大な鎧姿に変身する「Ixion」の変身シーンもムービーが上映された。この巨人は攻城戦で活躍する存在のようで、ムービーでは1撃で城門をぶち破り、飛んでくる矢をひと振りになぎ払う威容が紹介された。実装は「CT3」よりも後のアップデートになる予定で、現在はバランス調整中だそうだ。

 新しく追加される世界「Magmeld(メグマルド)」は、現在ある「アデン」とは別の異世界。エルフが作った村「Arkan(アルカン)」や、「Fairy's settlement」、「Dark Place of Exile(闇の流刑地)」、「Genesis」、「Orbis」などがイメージイラストとスクリーンショットで紹介された。

 また「CT3」からは「話せる島」がリニューアルされ、初期ゾーンを1つに統合した場所として再登場する。この島には初心者が必要な要素がすべて詰め込まれており、「CT3」以降は全種族がここからスタートすることになる。

 「シーレンのために、『リネージュ 2』の世界は破滅に向かっていきます。皆さんは2011年、徐々に変わっていく『リネージュ 2』を経験することになります。アップデートで空から血の雨が降るようになったり、村が煙に包まれて死体が転がっていたりというように、少しずつ変わっていきます。それが来年度皆さんにお見せしたいストーリーテリングです。来年も楽しく『リネージュ 2』のロマンを経験してもらいたいと思います」とシン氏。

 逆に小高氏は「激変すると言っても、やはり『リネージュ 2』らしさは残していきたいと思います。みんなで新しい世界を迎えるような流れを作っていきたいです」と変化しない部分を強調。最後にシン氏が「今さら大きく変わるのは嫌だという意見もたくさんありました。これだけは断言できるのは、『リネージュ 2』のシステムはこのままです。ただもっと迫力がある、トレンディなゲームになるだけです」と締めくくった。


新世界「Magmeld(メグマルド)」にある村「Arkan(アルカン)」
花に囲まれた「Fairy's settlement」
「Dark Place of Exile(闇の流刑地)」「Genesis」
「Genesis」には不思議な生物が多数生息している
「Genesis」に生息している生物かつての英雄たちが敵として立ちはだかる「Orbis」
「Orbis」のスクリーンショットと敵のイメージイラスト
「Orbis」に登場する敵のイメージイラスト新たな初期島のイメージイラスト
初期島のスクリーンショット既存のエリアもリニューアルされる




■ 「血盟戦アトラクション」では熱い戦いに会場騒然!

サーバー同士の対決で、次第にチーム意識が生まれていった
最後はスタッフが一堂に介しての挨拶で締めくくった

 エヌ・シー・ジャパンのイベントでは恒例のファン参加アトラクションは「サーバー対抗SSクイズ」、「フレヤ討伐タイムアタック!」、「グルーティオ城奪還計画!」の3つが開催された。クイズはスクリーンショットを見ながら、4択の難問に応えるというもの。司会のFSが「答えがわかる人は生活を改めた方がいい」というほどの難問ぞろいにも関わらず、誤答が出たのは全問中1問だけという高い正解率となった。

 「フレヤ討伐タイムアタック」は、12のサーバーの参加者を「アデン軍」、「エルモア軍」、「グレシア軍」の3つに分けてレイドボス「フレヤ」の攻略を競うというアトラクション。フレヤの登場で、会場内は冷房MAXになり本当に寒い状態。一刻も早くフレヤを倒そうと、希望者が集められた。しかし、強さに定評があるボスだけに、万全に準備を整えていったものの初戦では全軍があっさり全滅。仕切り直した2回目のアタックでは、猛攻を乗り切った「グレシア軍」が見事勝利した。

 「グルーティオ城奪還計画!」は、以前のイベントで全サーバーのユーザーに撃退されたボスの「ティアト」が「グルーディオ城」を占領したという設定。そこに3軍のユーザーが突入して取り返し、その後は最初に取り返した勢力が防衛、その他の2勢力が攻撃側となる攻城戦が始まるという趣向だ。結果は最初に「ティアト」を倒し、城を奪い取ったアデン軍がギリギリのところで城を守り切って勝利した。エルモア軍が刻印を始めるところまでは追い上げたが、タイムアップで攻めきれなかった。熱い名勝負で会場は大いに盛り上がった。

 他にも会場のロビーには、アトラクションで勝利した勢力に所属しているサーバーの来場者が引けるガチャコーナー、+16の強化に成功すると賞品として「+16イカロス武器」がもらえるチャレンジアトラクション、物販コーナーなどが設けられた。物販コーナーには、前日に発売されたばかりの「リネージュ 2 クロニクルス マスターズキット」や、予約受付中の「ドワーフ」などキャラクターのフィギュア、グッズなどが並べられていた。


クイズは1問目からかなりの難易度。ちなみに正解は「B」。こちらも正解は「B」正解は「A」。最初の問題以外は脱落者なしだった
「フレヤ討伐戦」は冷房MAXの会場で、凍えながらチーム編成が行なわれた12のサーバーが3つの軍に分かれ、24人の連合でフレヤに挑んだ「フレヤ」の声を担当した声優、互野ちひろさんがサプライズゲストとして登場した
「グルーティオ城」めがけて突入する各軍のプレーヤー「ティアト」を倒した後は、三つ巴の対人戦となった接戦を制したのは「アデン軍」。熱い勝負にMCの2人も大興奮だった
ロビーの物販コーナーもイベント途中で売り切れがでる大盛況12月17日に発売したばかりの「リネージュ 2 クロニクルス マスターズキット」2011年1月に発売予定の「ドワーフ」のフィギュアも完成品が展示されていた
ヒライユキオ氏のイラストをフィギュア化した「ちょこおき。」の原型も展示されていた原画ポストカードの配布も行なわれた「リネージュ 2」とコラボレートした「EXILIM」でキャラクターとツーショットが撮れるサービスも

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(2010年 12月 20日)

[Reported by 石井聡]