アトラス、DS「ラジアントヒストリア」
ブロガーを招待した先行体験会
「ラジアントヒストリア ファンミーティング」を開催


10月22日開催


パッケージ

 10月22日、株式会社インデックス・ホールディングスのCS部門を担当するアトラスは11月3日に発売を予定しているニンテンドーDS用RPG「ラジアントヒストリア」の先行体験会「ラジアントヒストリア ファンミーティング」を開催した。

 本イベントは、事前の募集に応募したブロガーに、事前に本作を体験してもらうという内容。会場には軽食や飲み物も用意されており、17名の参加者たちは、2時間ほどの間、本作を自由にプレイすることができた。

 発売前のタイトルを一足先に体験できる貴重な機会とあって、ほとんどの参加者は黙々とプレイに集中していたが、中には軽食をつまみながら知り合いと相談したり、Twitterで会場の様子やゲームの内容をツィートしながらプレイをしている人もいたのが印象的だった。


参加者たちは自分のニンテンドーDSを持参。それぞれのペースで体験プレイを楽しんでいたファンミーティング特別仕様の下村陽子氏直筆サイン入り先着購入特典のサウンドトラックCDも展示されていた。欲しい人は予約を忘れずに



■ ディスカッションにはディレクターの平田氏が登場
  プレイしたてのブロガーたちからは率直な質問が飛んでいた

ディスカッションでは、本作のディレクター平田弥氏(写真右)と、広報の太佐剛太郎氏が参加者からの質問に答えた

 体験会終了後には、本作のディレクターである平田弥氏と広報の太佐剛太郎氏を招いて、本作をプレイしたての参加者たちからの質問を受け付けるディスカッションが行なわれた。ここからはその内容をお届けしていこう。

――今までのアトラスのRPGのファンと、新規のファンの方にどの辺りを見てもらいたいですか?

平田氏 :新規のファンの方々には、アトラスが自信を持ってお送りする新規のRPGで、王道のファンタジーRPGの世界観と、魅力あふれる時間移動とグリッドバトルを搭載していますので、十分楽しんでいただける内容になっていると思います。アトラスファンの皆さまに向けたメッセージなんですけれど、まずは「お待たせしました」ということですね。アトラスがもう1つの柱としようとしているタイトルを、みなさんがご承知のように保証できるクオリティで提供できるスタッフで作りました。我々が作った新規のアトラスチューニングを施したRPGを楽しみに待っていただければな、と思っています。

太佐氏 :アトラスチューニングっていいですよね!言葉がかっこいい。わりとアトラスのRPGって昔からのシリーズのファンがいつつ、敷居の高いイメージもあったりすると思うのですけれど、今回の「ラジアントヒストリア」については、今までアトラスの作品をやったことがない、という人にもぜひ遊んでいただきたいなと思っています。初めて遊んでいただく方には、そこで平田さんが言っていた「アトラスチューニングってこういうことなんだ」と感じていただければいいなと思います。今までずっと遊んでいた人については、「おっ。アトラス、来たか」という、待ってましたという感じで受け入れてもらえるんじゃないかなと、思っています。

 


――時間移動の部分で、正伝と異伝が並列に並んでいるんですが、時系列が縦列で一致していない部分があったりするのは、意図的なものですか?

平田氏 :作ったときの狙いとしては、基本的には縦の時間軸は合わせるように意識して作りました。ただ、物語の整合性とか、そのときのタイミングというか全体の尺の長さとかを考慮して、若干前後してくる部分があったんですね。それに関しては意図的ではなく、結果的にそうなった、というのが正しいかと思います。それが、ゲーム性に微妙に反映されているという話でしたら、意図はしていませんでしたが、ありがとうございますという感じですね(笑)。


――新作タイトルということで「ラジアントヒストリア」のタイトルの由来みたいなものを教えていただけますか?

平田氏 :歴史を操作して改変して直していこうというのがあって、歴史というキーワード自体は外したくないという気持ちがあって、ヒストリアという言葉を入れているんですけれども、これも多少正しい言葉ではなくて、本当はヒストリエみたいな言葉なんですけど……。日本人にわかりやすく、なじみが深いヒストリアという言葉にしています。単純に歴史って言葉だけだとゲームのイメージを伝えづらいな、というのがあったので、「ヒストリア~」「~ヒストリア」というものにしたかったのですが、このゲームの目的として、主人公が世界を絶望的な破滅から救っていこう、光を見出すのが主人公の役目なので、光り輝くという意味があるのと、歴史がいろいろなところに分散・拡散・放散していくという要素からレイディアントという言葉があって、「これはいいや!」ということで、「ラジアントヒストリア」と命名しました。


――時間軸を移動して、主人公は時間を戻っても、意識として戻ったというのがあると思うのですけれど、プレイしてみると他のキャラクターもレベルとか覚えた魔法とかが前の時間に戻ったときと違うものになっているのですが、他の仲間たちも自分たちが時間が変わったという自覚はあるのでしょうか?

平田氏 :ちょっとネタバレになってしまうような内容なのですが、原則的には主人公のストックだけが時間移動をしているという筋書きになっています。では、なぜキャラクターたちがレベルアップしているかということなんですが……、タイムパラドックス的なことって必ず時間移動モノにはつきまとっていて、悩んだ結果、僕はゲーム性をとった、ということですね。お話の整合性とか、つじつまを合わせるだけだったら別の媒体でやればいいので、ゲームとして1番最適な遊び心地をとって、多少矛盾はしてしまうかもしれないけど、自覚がない彼らもプレーヤーがやった結果を反映させてあげたい。ということで、レベルは上がっているけど彼らに自覚はないんだよ、ということにゲーム的な割り切りを僕のほうで判断させてもらいました。


――プレイしてみて、キャラ同士の会話というかイベントが多いゲームだなと感じました。これは単純に話のプロローグだからそういう割合になっているのか、それとも全体を通してこのような形でイベントが多くあるのでしょうか?

平田氏 :「ラジアントヒストリア」は時間移動を頻繁に行なっていき、ゲームを進行していくというタイトルで、キャラクター同士の掛け合いというか群像劇というものを大切にしています。かなりイベントに関してはてんこ盛りという風に作っているので、全編を通してイベントに関してはしっかりボリュームを用意してあるのですが、特に序盤に対しては気を遣って作っているのはあります。かなりわかりやすいというか、状況説明も含めて、会話のボリュームとかイベントのボリュームも相当量割いて作ったつもりです。全体を通してボリュームはあると思うのですが、特に前半に関しては力を入れて作りました。

太佐氏 :結構イベントを集めていく、みたいな遊び方もあるかなと思っていて、そういう意味でいうとイベントをどんどん見ていくというか見応えはあるかなと僕は感じましたね。時間を行ったり来たりしながら、まだ見ていないイベント・選んでいなかった歴史とか未来に、分岐を過去に帰って見るとか、そういう感じで、イベントの見応えはあると思います。


――フィールドマップを歩いていて、ブロックを押すという仕掛けがありましたけれど、ああいうのはゲームを進めるごとにそれを生かしたダンジョンとかも出てくるのでしょうか?

平田氏 :フィールドのアクションはフィールドスキルと呼んでいるんですけれど、これらはゲームを進めていくごとに順次覚えていって、最終的に何種類か覚えていくんですけれども、覚えていくごとにギミックを使用したダンジョンが出てきて、それらを使ってクリアしていくという形は用意してあります。後は、時間移動ならではなんですけれども、覚えた後にすでに行ってみたダンジョンとか過去に戻っていってみると、あのときクリアできなかったギミックが今はクリアできるようになるというのは、ゲームのレベルデザインとしては定番なのですが、しっかりやっています。これらもアトラスのほうで今までのノウハウを培ったスタッフのほうにまかせているので、かなりちゃんと作ったかなと思っています。

太佐氏 :結構そのへんも頭を使うというか「岩を壊すとその先に宝箱あるけど、どうしようか?」というのがあって、でも爆弾がない。でも後で爆弾を見つけるスキルが手に入って、隠された爆弾を見つけて岩を壊して先に進むみたいな、フィールドのアクションもいろいろ駆使しながら進んでいくみたいな……。僕が遊んでいておもしろいなと思ったのは、敵に見つからなくなるサイレンスというのがあって、セーブポイントに行きたいなというときに、それでサッと隠れてセーブポイントまでダッシュするみたいな、フィールドをただ歩いて行くんじゃなくて、いろいろなアクションを使って遊ぶというのが楽しいかなと思いました。

平田氏 :フィールドスキルに関しては、ダンジョンギミック的な要素もあるんですけれど、時間移動とか絡めてそれらを使用しないとクリアできないイベント・障害のようなものもあって、きっちりシステムと絡めているんじゃないかな、とは思っています。


――パーティは最大で何人なんですか? あと、何人のキャラクターが仲間になるのかも知りたいです。

太佐氏 :戦闘は3人パーティの編成ですね。それを仲間になるキャラクターを入れ替えながら、そのときの時間だったり戦術に合わせて入れ替えていくんですけれど、最大何人のキャラクターを仲間にして迎え入れることができるかは、まだちょっと言わないほうがいいですかね?(笑)

平田氏 :若干お話のネタバレ的な部分にもなってしまいますので、できればご自分でプレイして確認していただきたいと思います。めちゃくちゃ多いというわけではないですけれども、各キャラごとにそれなりに持っているスキルとかが違いますので、戦術によって使い分けていただきければなと思っています。

太佐氏 :それぞれのバトルに同時に参加できるキャラクターは3人なんですけれど、バトルのシステムの中にチェンジという自分のターンを入れ替えるシステムがあって、それを駆使することで、敵キャラクターにどんどんターンを譲って自分たちは我慢することができる。そうすると10回まで連続して自分たちのターンにすることも可能だったりするので、3人のスキルを組み合わせてできることって幅が広いと思います。


――チェンジの流れなんですけれど、自分のプレーヤーのターンばかりに並べたときに、特定のキャラクターを攻撃しつづけると敵のHPが0になった後もオーバーキルみたいになっていたのですけれども、それで何かボーナス的なものはあるんですか?

平田氏 :敵のHPが0になった後に攻撃するオーバーキルなんですけれども、一応リザルトの画面で確認できるのですが、コンボを重ねた数値に応じて、経験値が多くもらえるというのと、お金がより多くもらえるというのと、アイテムを盗むというスキルを実は覚えるのですけれども、盗む率が上がって、かなりお得な感じになります。

【戦略性の高いグリッドバトルシステム】
グリッド移動スキルを使うことで、3×3のグリッドに配置された敵を、別のグリッド移動させることができる。敵をまとめてから攻撃すれば、複数の敵にダメージを与えることが可能だ。

【コンボを重ねてボーナスゲット!】
チェンジを使うことで自分のターンを飛ばすことが可能。味方キャラクターの行動が続くようにして攻撃を行なうとコンボが発生、取得する経験値やお金が増えるシステムとなっている

――ちょっと難しいかなというイメージを受けたのですが、ストーリーとか1本道じゃなくて何度も戻ってプレイしたりするのもあると思うので、何か詰まったらここを見るといいよ、というヒントみたいなのはありますか?

平田氏 :始めからやると、バトルに関してはチュートリアルがあります。3回くらいあったかな。それをやっていただければ、バトルに関してはわかる流れになっていると思います。イベントに関しては、行き詰まったらどうしたらいいのかな、というところだと思うのですけれども、それに関してはイベント担当の高森くんに紹介してもらおうと思います。

高森氏 :白示録というものがありまして、それがキャンプメニューから開けるようになっています。で、先に進めないな・困ったな、ということがあったら、白示録を開いていただいて、関連するイベントのところにカーソルを合わせていただけると、それまでに行ってきたこととかが細かく書かれていますので、そこを見れば何かしらのヒントになると思います。後は、そのイベントに関係するNPCに会って、詳しく話を聞いてみたら、何かヒントになることがあるかもしれません。

平田氏 :後は、キャンプメニューを開くと、キャンプメニューのトップの上画面に、次に何をすべきかの指示は出ているんですよ。そこを見るのと、後は高森が言った白示録の画面をいろいろ眺めているとヒントになることが多いので、物語のテキストをちゃんと読んでいれば、次に何をするべきかという推測とかはしやすい作りを用意しています。


――普通の人がプレイしたらクリアまで大体何時間くらいのボリュームがあるのでしょうか? あと、クリア後のお楽しみや低レベルクリアみたいなやり込み要素が用意されているのかも聞きたいです。

平田氏 :ひと通りクリアするまでにかかる時間というのは30~35時間くらいです。僕が開発中にクリアした時間は大体35時間前後だったんですけれど、スタッフとかは20時間後半とかでクリアしたりもするので……。大体30~35時間ぐらいでクリアできるかなと思います。クリア以降にもかなりのやり込み要素は入っていますので、それを全部やり尽くすと、かなり長い時間になるんじゃないかな。やり込み要素の1つの目安としては、先ほども話した白示録の画面があるんですけれども、その画面の左下を眺めてもらうと、とある数値が表示されています。そこをある程度目印にしてもらえると、自分がどれくらいやり込んでいるのかがわかるかなと思いますので、そこを見ながら白示録を埋め尽くすというのが楽しいゲームになっているんじゃなかなと思いますので、楽しんでもらいたいなと思います。

太佐氏 :ちなみに僕は45時間以上かかってクリアしました(笑)。クリアしてからも過去にさかのぼって選んでなかった歴史とか、今日触れられていないですけれど、パラレルエンドというのがあって……。

平田氏 :パラレルエンドというのは、主人公たちが切り開こうとしている未来とは別の、望まなかった結末みたいなものが待ち受けている、というものなんですね。これがゲームの随所に発生するんですけれども、パラレルエンドを迎えたからといって、突然放り出されるようにゲームオーバーになるわけではなくて、「1つの結末」のように提示されるのですけども……。例えば、主人公のミスによって自分たちの国が崩壊してしまう、とか。いろんな望まなかった未来が待ち受けているので、そこも白示録を見ながら確かめていただければと思います。


――こういう人に絶対遊んでもらいたい!というのがあったら聞かせてもらえないでしょうか?

平田氏 :先ほども言ったように、バトルはかなり特徴的なシステムなんですけども、コツをつかんでもらえばそんなにハードルは高くないバトルだと思うんですよ。なので、そこはあまり苦にせず、できればキャラクターとか世界観の魅力を感じて「このキャラクターかっこいいな」とか「こいつのバックボーンにシビれるぜ!」とかいうところをつかんで遊んでもらえればと思います。こう言ってはなんですが、バトルに関しては遊んでもらえば良さがわかっていただけると思うので、まずはつかみとして、どのキャラクターに感情移入しようかなとかいうところから入ってもらってもいいんじゃないかなと思います。特に群像劇というのを意識して作っていますので、そこに関しては自信を持っています。

太佐氏 :広報的には、アトラスのRPGをやったことがない人にぜひやってほしいですね!「アトラスのRPGってみんな面白いっていうけれども、これがアトラスのRPGなんだ」って思ってもらう最初のRPGになったらいいなと思います。広報的には。

平田氏 :かといって、従来のアトラスファンの方々に見捨てられるような作りにはしていませんよ、ということで、そこはちゃんと力を入れて開発スタッフのほうもやっていますので、ご安心いただければなと思います。


太佐氏 :ではそろそろお時間なので、最後にメッセージを。今日は平日のお忙しいところ、この体験会のために集まっていただいてありがとうございました。しかも長い時間しっかり遊んでいただいて。いただいた質問もかなり的確な、僕たちが聞いてほしい質問だったので、参加していただいた皆さんがこのメンバーでよかったなと思っています。ぜひ発売日のほうを楽しみに待っていただいて、この続きというか改めてじっくり遊んでいただければなと思います。本日はありがとうございました。

平田氏 :「ラジアントヒストリア」という、シリーズものではない新規タイトルで、ユーザーの方々にどんな反応で受け入れてもらえるかというのが気にはなっていたので、開発スタッフ以外の方に触れていただきたいと思っていたんですね。こういう機会を設けてもらって僕としても非常に嬉しかったし、今日の感触で本当に作ってよかったなという気持ちがあります。これを機に今後もいいゲームを作っていこうと思っています。発売日の際には、ぜひ皆さんまた「ラジアントヒストリア」を愛してやっていただければと思いますので、よろしくお願いします。


【スクリーンショット】

(C)ATLUS CO.,LTD. 2010

(2010年 10月 26日)

[Reported by 菅原哲二]