HUE、オンラインRPG「HELLGATE」“評価・改善テスト結果報告会”を開催
一足早く最新版を体験。新ダンジョンを追加したCBTは11月実施


10月3日開催

場所:アイ・カフェAKIBAPLACE店


 株式会社ハンビットユビキタスエンターテインメント(HUE)は10月3日、東京秋葉原のアイ・カフェAKIBAPLACE店にて、オンラインRPG「HELLGATE」の「評価・改善テスト結果報告会」を開催した。報告会では10月15日からクローズドβテスト(CBT)の募集を開始することが発表され、11月にCBTが開始されることが明らかになった。オープンβテスト(OBT)、正式サービスは未定だ。

 「HELLGATE」は、韓国HanbitSoftが、2008年にFlagship Studiosからライセンスを獲得した「HELLGATE: London」の後継作で、現在韓国では「HELLGATE: Resurrection」を経て、「HELLGATE: Tokyo」としてサービスを展開している。HUEでは日本国内向けローカライズ・タイトル開発のため、2010年6月と、8月に数百人を対象にした「評価・改善テスト」を実施している。

 会場には40人ほどのユーザーが訪れた。今回のイベントは2回行なわれた評価・改善テストの結果をユーザーとメディアに報告し、今後の改善点を提示し、さらにCBTのスケジュールを発表した。日本オリジナルBGMの制作や、パーティーで挑戦できる新ダンジョンシステム、そしてゲームパッド対応の予定が発表された。また、最新のクライアントにも触れることができたので、紹介していきたい。



■ ユーザーの要望に応えながら、「トレジャーハンティング」の楽しさへフォーカスしていく今後の開発姿勢

HUEオンライン事業本部オンライン事業1部部長中尾圭吾氏
司会を務めたマーケティングチームの村松直也氏
会場には40人ほどのユーザーが訪れ、報告会の後は最新クライアントを体験した

 報告会では、まず最初に「HELLGATE」のプロデューサーを務めるHUEオンライン事業本部オンライン事業1部部長中尾圭吾氏から、これまでの経緯が語られた。中尾氏は、「一般のオンラインゲームは、CBT、OBTというスケジュールでやりますが、その前に評価・改善テストを行なったのは、CBTが終了した時点で完成した形にしたい、と考えていたからです。テストではコアな意見をたくさんいただき、開発にフィードバックできました」と語った。

 評価改善テストではユーザーから様々な意見が寄せられた。「PTプレイのメリットの少なさ」、「顔や髪型の選択肢が少ない」、「ゲーム序盤の流れがわかりづらい」、「ゲーム内のフォントが見づらい」、「アイテム課金ではない課金形式を」、「遠距離職に比べて近接職が弱い」などなど、多数の要望が寄せられた。これらの声を反映させた形で、今後の開発方針が提示された。

 今後の方針にあたり中尾氏が強調したのは、「ゲームの根本を成立させているコンセプトは変えない」ということだ。「HELLGATE」の楽しさはモンスターを倒すとドロップされるアイテムを集め、よりよい装備、またアイテムに合わせたプレイスタイルを模索していくことにある。モンスターを倒してアイテムを集める「トレジャーハンティング」の楽しさを実現することを最重視し、そこにフォーカスしたゲーム作りをしていくという。

 改善点としては、難易度の調整や、モンスターのドロップ率の上方修正。特にランダムに登場するボーナスダンジョン「ヘルリフト」を上方修正する。前衛職の移動速度の向上、ダッシュの使いやすさを向上させるといった形で、様々な要素を調整していく。アイテムのドロップ率が上がるなど、パーティーのメリットを増やし、ギルドを創設するレベルの緩和や、パーティープレイ向けのコンテンツを追加することで、コミュニティー要素を強化していく。

 さらに、キャラクターのビジュアルをより日本のプレーヤーにも親しみやすい、整った顔立ちを用意し、かわいらしさを感じさせる体型なども取り入れていく。見づらかったフォントを調整、チュートリアルや序盤のゲームバランスを改善した。これらの改善は今後も積極的に行なわれる。特にアバター要素に関しては、外見を変えるアバターアイテムを開発し、様々なファッションが楽しめる、といった要素も盛りこんでいくという。

 その後、クローズドβテストのスケジュールが発表された。CBTは数千人規模を予定しており、募集は10月15日から、開催は11月となる。OBT、正式サービスの開始時期は未定だ。またサービス形式も基本プレイ無料のアイテム課金ではなく、別なサービスができないかも検討しているという。ただし、月額課金や従量課金という形にはしない基本プレイ無料の方針で、どう課金していくかを考えているという。

 そしてCBT時にはパーティーで協力できる新ダンジョンを追加、次々とモンスターが現われてくる中を、協力して進むというコンテンツで、ストーリー要素の濃い本編とは独立し、ひたすら戦闘が楽しめるものになるという。登場モンスターはフィールドと同じものだが、強さなどの調整は行なうかもしれないとのことだ。

 質疑応答では、ユーザー、メディアからいくつかの質問が寄せられた。現在のスケジュールが未定なのはどうしてか、という質問には「CBTでどのような意見が寄せられるかわからず、場合によっては内容を大きく修正する場合もある」。コスチュームに関しては、「『HELLGATE』に登場する装備が重厚なものが多いため、現代的なものや、近未来的な要素を取り入れたい。装備アイテムと、アバターアイテムは別の装備卵になる予定で、アバターアイテムにはステータスアップなどの機能は持たせない方針を予定している」とのこと。実装するアバターに関しても、世界観を壊しすぎないように注意する。

 この他、“プレーヤー達が協力して大量の敵に立ち向かう「拠点防衛戦」では早く死体が消えた方が処理が軽くなるのではないか”。“アイテムを拾う場合、「レアリティー以上しか拾わない」といったフィルタ機能をつけて欲しい”といった要望もよせられた。また、オープンβテストでは現在韓国で実装されている「HELLGATE: Tokyo」のコンテンツはまだ実装されず、今後の予定になるという。

 質疑応答の後、中尾氏は会場のユーザーに向かって「『HELLGATE』は日本のユーザー様と一緒に、クオリティーアップを図り、一緒に作品を完成させ、日本のオンラインゲームに新しいジャンルを築いていきたいと思っています。力をこめて、楽しくやっていきたいと思っていますので、お力添えをよろしくお願いします」と語りかけた。


ユーザーから寄せられた改善要望。トレジャーハンティングの楽しさという基本方針を強化しながら、様々なポイントを改良していく
現在取り組み、今後の課題でもある開発事項。CBTのクライアントでこれらの要項を改善し、OBTへ繋げていくという
CBT時に盛りこまれる新要素。特に新型ダンジョンには期待したい



■ 最新クライアントでは、キャラクターグラフィックスやフォントを改良。一方拠点防衛戦には改善の余地が

中尾氏自身が選んだというブレードマスター。整った顔立ちと、巻き毛が印象的だ
ユーザー達は積極的に最新クライアントに触れていた。拠点防衛戦では声を掛け合い熱くなってプレイしていた

 評価・改善テスト結果報告会は2部構成となっており、一部の報告会後、CBT前に最新バージョンのゲームクライアントに触れることができた。前回のテストから盛りこまれた協力コンテンツ「拠点防衛戦」も体験することができた。テストに参加したユーザーはその時のアカウント・キャラクターを使ってプレイすることができた。筆者達メディアは、レベル30のキャラクターでいくつかのコンテンツを体験した。

 筆者が最初に注目したのは、キャラクター作成時のグラフィックスである。これまでの「HELLGATE」ではアクの強い顔が多かったのだが、特に女性キャラクターは頬の戦がすっきりした、美人の顔が多くなった。髪型や、顔パターンは新しいものが2種類増えているということだが、全体的にも手が加えられていた。また、体型も、背の低いかわいらしいタイプのキャラクターを作ることができた。男性も厳ついだけでなく、スマートな美形キャラクターを作ることが可能になっていた。

 次に用意されたキャラクターで序盤のシナリオを体験してみたのだが、これまでになかった「トワイライトゾーン」というインスタントダンジョンが追加されていた。ここでは一時的に高レベルキャラクターの武器や防具を貸し与えられ、その強力な装備で敵をなぎ倒し、さらには巨大ボスと対決することができた。このコンテンツは「キャラクターの将来像」を提示するためだという。今回筆者は前衛職の「ブレードマスター」を使ってみたのだが、鞭のようにしなる炎の剣を振り回し敵をなぎ払うのはとても気分が良かった。

 フォントの改良も実感できた。チュートリアルや進行に関するメッセージは、これまでは画面全体を覆うような大きな表示になっていて、画面が見にくくなっていたが、すっきりと見やすくなった。また、アイテム名なども見やすくカスタマイズされていた。日本語環境への最適化は進んでいる感触だ。

 今回の体験会の目玉である「拠点防衛戦」は、実際に体験することができた。「拠点防衛戦」は最大5人で挑戦でき、東西南北4つの柱を防衛する。モンスターがひっきりなしに登場し、プレーヤーは大量に現われるモンスターを撃退しながら20分間守りきれば成功、というコンテンツだ。

 体験してみたところ、最初はサクサク敵を撃退していけるのだが、どんどん敵の攻撃が厳しくなる。今回は復活アイテム、回復アイテムを大量に用意して臨んだが、それでも難しかった。また、調整中な為か、敵が大量に出てきてエフェクトが重なると、ゲームが重くなり、ほとんどキャラクターが動かない、という事態になってしまうこともあって、成功はかなり難しく、調整の必要を感じたコンテンツだった。イベントではこの難しさがユーザーの挑戦心に火をつけたようで、ユーザー達は積極的に「拠点防衛戦」に挑んでいた。

 今回、実は“お忍び”で韓国の「HELLGATE」の開発チームが会場の様子を見ていたという。会場には今日はじめてゲームに触った、というプレーヤーもいて、開発者達は彼等が戸惑う様子に「韓国プレーヤーと日本プレーヤーの差」を強く感じたという。また、拠点防衛戦で重くなってしまう現状などで、「まだまだ修正が必要だ」と意欲を燃やしていたとのこと。日本の運営スタッフは「HUEとしても日本のプレーヤー達の反応を伝えていたが、実際に日本のプレーヤー達が遊ぶ姿を目にしてより強く伝わったようです。開発者が直接日本のユーザーのプレイ風景を見て得るものがとても大きかったと言っていました。」と語った。

 「拠点防衛戦」に関してはシステム的な作り込みも求められているが、コアプレーヤー達の連携で大量の悪魔も撃退できると中尾氏は語る。「HELLGATE」は手に入れた強力なアイテムでキャラクターの方向性、戦い方すら大きく変わっていく。ランダムで強力なアイテムが手に入る「HELLGATE」ならではの独得のバランスがあり、同じ職業でも、育て方とカスタマイズで変わっていくという。

 その中でいつも一緒に戦う仲間を見つけ、彼等と連携を意識して戦う、ということが協力コンテンツには求められ、それは大きな楽しさになってくると中尾氏は語る。CBTで追加される新ダンジョンも含めて、連携の巧みなパーティープレイはどのような戦い方をするのか、興味が惹かれるところだ。是非見てみたい。


キャラクターのスクリーンショット。全体的に美しく整った顔立ちが増えた。日本人に親しみやすいキャラクターデザインを積極的に取り入れていくという。アバター要素にも期待したい
強力装備を貸し与えられ、巨大な悪魔と対決するトワイライトゾーン。キャラクターの将来の姿を短時間体験できる
20分間拠点を守る拠点防衛戦。キャラクターの能力への理解と、プレーヤー達の連携が求められる。現在のバージョンでは、激戦になると“重さ”による遅延が発生し、任務遂行が困難だった。改良されたコンテンツで、仲間と共に挑戦してみたい

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Published by Hanbit Ubiquitous Entertainment Inc.

(2010年 10月 4日)

[Reported by 勝田哲也]