Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

Valve、電撃発表された「Portal 2」を早くもデモ
新ギミック多数登場で、さらにダイナミックな「Portal」。協力プレイも実現


6月15~17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 E3 2010でひとつの目玉タイトルとなった「Portal 2」。SCEAのプレスカンファレンスでプレイステーション 3向けのサプライズとして紹介された、ValveによるパズルアクションFPSだ。本作は2007年に発売された初代作「Portal」の続編で、Valveのタイトルとしては初めてプレイステーション 3で登場する。

 そのValveはエキスポ会場内に中規模のプライベートブースを設け、早速「Portal 2」のゲーム内容をデモンストレーションしていた。今回出てきたのは映像のみだが、数々の新ギミック、新たなステージ構造、さらに手ごわく進化したゲーム性、相変わらずのシュールな雰囲気をたっぷりと見せてくれた。

 ちなみに本作、対応プラットフォームはプレイステーション 3に加えてXbox 360、Windows PC、Macとなることが現地で紹介されている。2011年に発売予定。




■ 新しい環境、新しいギミック。ぐっと手応えを増したゲーム性

何かの拍子に再起動した「GLaDoS」。死んでいる間、訓練コースを再設計していたらしい
円筒形をした無重力のフィールド。中空を物質がゆっくりと移動していく
タレットも一瞬で燃やす熱光線は、レンズ付きの箱で進路を変えることができる

 プライベートブース内でValveのErik Johnson氏が見せてくれた「Portal 2」の映像は、前作をプレイしたファンなら誰しも衝撃を受けるものだった。本作の舞台は前作と同じく「Half-Life」世界にある科学機関「Aperture Science」の研究施設。前作のラストで破壊されたマザーコンピューター「GLaDoS」が長い時を経てひょんなことから再起動してしまったという設定だ。

 「長い、長い時間が立ちました。あなたはその間どう過ごしましたか? 私は死んでいる間、とても忙しかったのですけれど」と相変わらずの口調で語り始める「GLaDoS」。彼女は今回、さらに「科学」をするためにAperture Science施設の隅々にまでコントロールを広げ、訓練コースを完全に作り替えたのだ。

 デモ映像では続けて、被験者にさらなるチャレンジを与えるために作られた様々なギミックを見ることができた。ひとつめは、中空に青く光るパイプ状の滞空フィールド。この中に入ると無重力状態となり、決まった方向に物体が流れていくのだが、これをポータルで別の場所に導くことが可能だ。これを利用して箱や、様々な質量物を任意の場所に移動させたり、自分自身が空中を漂うようなことができる。

 さらに本作のパズルにさらなるアクションを加味しそうなのが「Aerial Faith Plates」と呼ばれるジャンプ台、「Repulsion Gel」と呼ばれる液状トランポリン、「Propulsion Gel」と呼ばれる液状化速装置などだ。とくにジェル状のこれらは、パイプからドボドボと飛び出してきているものをポータルで別の場所に飛ばすことができるのが面白い。液体なので勢い良く落下し、一面に飛び散るのだ。この特性を利用して、落下速度を横方向のベクトルに変換して遠くに飛ばし、長い通路を加速ジェルで満たして一気に大ジャンプをするシーンがあった。スピード感もあって、使いこなすには相当の慣れが必要になりそうだ。

 このほか「Diversity Vent」という配管のギミックも面白い。内部を強烈な風圧で空気が流れており、その入口付近は掃除機よろしくいろいろなものを吸い込むようにできている。その近くに出口のポータルを設置しておくと、入り口のポータル付近にあるものをものすごい勢いで吸い込んでしまうのだ。デモではこれを使って、大量の「タレット」を配管に吸い込こませて、通路をクリアにしてしまうシーンを見ることができた。

 壁面などから射出されている「Thermal Discouragement Beam」というビーム兵器は、タレットなどに命中させるとあっというまに燃やして破壊することができるほど強力なものだ。その進行方向を、今回新たに追加されたレンズ付きのキューブを使って制御することが可能。これとポータルと組み合わせて解くような、込み入ったパズルが用意されている。

 このように様々なギミックが登場して、本作のステージは前作以上に手強いものとなりそう。あるシーンでは、トランポリン液をポータルを使って横方向に飛ばしながら、自分自身も天井から飛び降りて液体を追いかけるようにジャンプし、タイミングと落下点をあわせて、トランポリン液の着弾と同時に着地、大ジャンプで次の場所へというものがあったが、複雑すぎて所見では何をやっているかわからないレベル。プレーヤーを追い詰める致命的なトラップも多数あるということで、ますます攻略のしがいがありそうだ。

 本作では前作「Portal」の2倍以上の規模を持つシングルプレーヤーゲームを用意するほか、さらに2人同時プレイで楽しめるCOOPモードを搭載するという。COOPはスプリットスクリーンもしくはネットワーク越しにプレイすることができ、専用のコースが用意されるようだ。果たして実際どんなゲームになるやら、今から非常に楽しみである。


【Portal 2】
PS3、Xbox 360、Windows PC、Macの4プラットフォームで2011年に発売予定

(2010年 6月 19日)

[Reported by 佐藤カフジ]