G-Star 2009現地レポート

AURORA GAMESブースレポート
精霊を召喚するカードバトルMMORPG「BATTLE CREATURE」など新作4本を紹介!

11月26日~29日開催

会場:釜山国際展示場(BEXCO)

入場料:大人4,000ウォン(前売り2,000ウォン)
学生2,000ウォン(前売り1,000ウォン)

 

AURORA GAMESが初めてパブリッシングした「Mix Master」はモンスターを集めて一緒に戦うという「ポケモン」ライクなMMORPG

 AURORA GAMESは、韓国の世界的な玩具メーカーAURORA WORLDのゲーム専門の子会社で、今年の7月に設立されたばかりの新しい会社だ。日本のユーザーにはなじみのない名前だが、親会社のAURORA WORLDは韓国では名前を知られた老舗企業だ。設立後、オンラインゲーム事業の第1弾として「MIX MASTER」の運営をSeedC Koreaより引き継いだ。その経験を活かし、今度は自社でパブリッシングを行なう完全新作4本を引っさげて、G-starへブースを初出展した。

 新作のラインナップは、トレーディングカードを使って戦う「BATTLE CREATURE」、音で敵の居場所を探る横スクロール対戦アクションMO「BBU ONLINE」、SF世界を舞台にした横スクロールアクションMO「TIMESPHERE」、ミリタリーFPS「U.N.I.T MERCENARY WARS(以下、U.N.I.T)」の4本。「BBU ONLINE」と「TIMESPHERE」はクローズドβテスト(以下、CBT)を間近に控えている。4本とも日本へのサービスは未定だ。

 おもちゃ会社の子会社らしく大きなぬいぐるみが飾られたブースでは、小さな子供の姿も目に付いた。出展されたゲームも「U.N.I.T」以外は、デフォルメされたかわいらしいキャラクターのゲームばかりで、システムにもトレーディングカードやモンスター収集といった子供が喜びそうな要素が盛り込まれていた。このレポートでは、新作4本の概要と試遊のインプレッションをお送りする。

【ブースの様子】
明るい雰囲気のブース。芸能人を呼んでの様々なイベントが盛大に催された



■ ダンジョンで精霊を召喚するカードを集めて、対戦プレイに挑む「BATTLE CREATURE」

トレーディングカードから精霊を呼び出して共に戦う

 「BATTLE CREATURE」はトレーディングカードを集めて精霊を召喚しながら戦うMMORPG。敵との戦闘でスキルの代わりにトレーディングカードを使って精霊を呼び出したり、魔法を使ったりするという少し変わった戦闘システムを採用している。操作は簡単で、セットした4枚のカードを戦闘中に使用する事でスキルを発動させる。プレイのモードには、1人やパーティープレイでクエストを進める「クエストモード」、最大4対4の対人戦が楽しめる「バトルモード」、勝利すると負けたプレーヤーからカードを奪える「デュアルモード」の3つがある。クエストで使うダンジョンはインスタントで、クエストモードはややMO風な作りになっている。パーティープレイの人数については、現在は未定だが、なるべく多くしたいとの事だ。

 本作では、キャラクターは「キャラクターカード」、キャラクターの装備は「コスチュームカード」、アイテムは「アイテムカード」といった形で、ゲームの要素はすべてトレーディングカードとしてまとめられている。武器は近接タイプと遠距離タイプがあり、どちらもアイテムカードとして入手する。特別なアビリティが着いたコスチュームなども存在している。

 スキルの代わりになる「クリーチャーズカード」にはかわいらしいものから、いかついモンスターまで様々なタイプがある。それぞれのカードに固有のスキルがあり、攻撃モードと防御モードを切り替えて使う事ができる。また、攻撃魔法や、プレーヤーの能力を上げたり敵の能力を下げたりする補助魔法が使える「マジックカード」もある。

 プレイアブルで体験できたのは2対2の対人戦で、制限時間内に勝ち負けを競いランキングで勝敗を決めるというものだった。筆者がプレイしたのはワープポイントがある砂漠のステージだったが、ジャングルのフィールドのもあるようだ。呼び出した精霊は勝手に手近な敵を攻撃しにいってくれる。今回の試遊の段階では打撃感が少々不足していて、全体的にこじんまりした作りに見えるのが惜しい。もうすこしアクションやエフェクトを派手にするなどの爽快感が欲しい所だ。

 しかし、ゲーム最大の楽しみは対人や戦闘ではなく、カード集めだろう。カードはサービス開始の段階で約2,500枚が実装される予定だ。カードは友達同士でやり取りしたり、オークションに出品することができる。課金形態はアイテム課金で、モンスターや装備がセットになったパッケージも、課金で販売される予定があるようだ。日本へのサービスは未定だが、収集要素が好きな日本人には喜ばれるゲームかもしれない。

【「BATTLE CREATURE」プロモーションムービー】

【試遊の様子】
試遊は砂漠ステージでの対戦プレイ。2対2に分かれて戦った。

【スクリーンショット】
開発中のスクリーンショットには、パーティープレイの様子が写っている




■ 音で相手の位置を探る水中対戦ゲーム「BBU ONLINE」

四方から聞こえてくる音を聞き分けて、敵の位置を探るという面白いシステム

 「BBU ONLINE」は音が戦闘の中で重要な意味を持つ横スクロール型のMOアクションシューティングゲーム。プレーヤーはサメやイカ、クジラなど海の生物になって、海の中を泳ぎながら敵を探して撃破する。その際、敵の位置を知る手がかりになるのが、敵が発する音だ。「3Dサウンド」によって、敵の位置を見つけ出して先制攻撃をかける事が勝利の鍵となる。

 操作は一般的なFPSと同様に、キーボードのW、A、S、Dキーで移動しつつ、マウスで照準を合わせて弾を撃つというもの。フィールドは3D空間だが、戦闘は横スクロール視点で行なわれる。キー操作で一時的に3Dの1人称視点にする事ができ、横スクロール視点では見えない遠方にいる敵を探し出す事もできる。プレイモードには、1人でクエストをクリアしていく「ミッションモード」と、対人プレイをする「PvPバトルモード」がある。チームプレイや、クラン同士の戦闘なども用意されているらしい。

 試遊では、1対1の対人戦を体験した。ふわふわした浮遊感を楽しむことはできたが、何しろ周囲が騒音だらけなので、残念ながら最大の売りである「3Dサウンド」を上手く体感する事ができなかった。遊んだ感じではマップ中のオブジェクトが邪魔をして移動しづらい場所があったり、対戦のテンポが悪く爽快感が不足していたりと気になる点も多く、着眼点は面白い作品だがまだ作りこみが甘い印象を受けた。2010年の第1四半期に韓国でのCBTが予定されており、その結果によってはシテムなども大きく変わる可能性があるかもしれない。

【「BBU ONLINE」プロモーションムービー】

【試遊の様子】
水中特有のスローモーションな動きに慣れるには、少し時間が必要だ

【スクリーンショット】
パーティープレイによる対人戦も可能だ




■ 惑星をめぐる冒険や、協力プレイの対人戦を楽しむアクションMO「TIMESPHERE」

可愛らしいイラストはいかにも日本人好み
設定は暗くて重いが、ゲーム画面はわりあい明るい雰囲気

 今回の出展作品の中ではキャラクターイラストが最も日本人受けしそうな「TIMESPHERE」は、SFの重厚なストーリーを背景にした横スクロール型のMOアクションゲームだ。PvEモードとPvPモードがあり、それぞれに雰囲気の違う戦闘が楽しめる。PvEは惑星をめぐりながら敵を倒していくという壮大なストーリーを楽しめる。

 惑星にあるダンジョンには1人から遊べるノーマルダンジョンと、パーティーを組んで入るパーティーダンジョンがあり、「ボスを倒せ」や「敵をすべて殲滅しろ」など様々なミッションが用意されている。また、日替わりで別のミッションが受けられる「デイリーミッションシステム」もあるらしい。パーティーの人数は、現状では最大3人になる予定だ。

 試遊では2対2の対人戦を体験できた。横スクロールの対人用フィールドの両端からスタートして、出会ったところで戦闘が始まる。フィールドには武器やアイテムが落ちているので、それを有効に使いながら戦う。戦闘は、素手の時には打撃攻撃、武器を持ってる時にはその武器を撃つという2系統の攻撃方法が選択できる。

 現在のところ使用できるキャラクターは、獣人の男と、紫色の髪色をした少女の2種類だけと寂しい。CBTにはイメージイラストの中にいるもう1人の少女も使用可能になるそうだ。韓国でのCBTは今年の12月からの予定で、もうすぐ間近に迫っている。話を聞いたところによると、試遊で体験したPvPよりも、惑星をめぐるPvEの方が出来がいいという事なので、全体の評価はそちらをプレイしてみないとなんとも言えない。ただ、PvPはいま少しクオリティをアップさせる必要を感じた。

【「TIMESPHERE」プロモーションムービー】

【試遊の様子】
対人戦の様子。今回は4人だったが、3対3の対戦も可能だということだ
PvEモードは、なんとなく昔のアクションゲームを思わせる
CBTで使用できるのは3人のキャラクターだけと少々寂しい




■ 低スペックのPCでも動くFPS「U.N.I.T MERCENARY WARS」

子供が喜びそうな雰囲気の中、1本だけ異彩を放っていた
低スペックでも動くが、見た目は平均的なFPSだ

 「U.N.I.T」は低スペックPCでも動く本格派FPSゲーム。現代の都市を舞台にしたミリタリーもので、ユーザーのレベルに合わせて「High」、「Mid」、「Low」の3つの難易度が選択できる。モードは3つ用意されている。「Training」ではAIが一緒に戦ってくれる。「Dynamic」は陣地を守りながら敵を殲滅するスポーツライクな対人戦。「Scramble」はハイレベルなユーザー向けのコンテンツで、熾烈な戦闘が繰り広げられる。

 本作の特徴は、プレーヤーと同じ動きをするAI傭兵だ。この傭兵を使うことで、プレーヤーは1人でもチームプレイの気分を味わうことができる。対人チームを相手に傭兵と共に戦う事も可能だ。またもう1つの特徴として、装備や武器を細かいパーツに分けてカスタマイズできる「キャラクター・パーツシステム」と「ウエポン・パーツシステム」がある。キャラクターはヘルメット、上着、ベスト、グローブなど7箇所、武器はシリンダー、バレル、サイト、トリガーなど6箇所に分かれており、パーツを変える事で見た目を変えたり、能力を強化する事ができる。

 戦場となるのは、モスクや美術館、レストランなどの建物の中や、街中が中心で、場所によって異なったルールの戦いが楽しめる。ブース内の試遊では、AI傭兵と共にスウェーデンの街中ステージで敵と対峙した。筆者はFPSの経験が少ない初心者なので、初心者がフラストレーションをためる事なくゲームシステムに慣れていくために導入されたというAI傭兵は頼りになる存在だ。しかし、AI傭兵はプレーヤーの動きを真似るので、筆者が下手すぎでAI傭兵も動きづらそうだった。

 こちらも「TIMESPHERE」と同様本年の12月から韓国でのCBTが予定されている。FPS人気が高い韓国だけに、多くの種類のFPSが競い合っている中、本作がどれほどの存在感を示せるかどうかは、推奨環境がPentium4という低いスペックでも動く軽さと、AI傭兵の動きが決め手になるだろう。

【「U.N.I.T MERCENARY WARS」プレイムービー】

【試遊の様子】
手前にいるAI傭兵と共に戦う

【スクリーンショット】
サイトを使えば遠くの敵を狙撃できる


(c)AURORA GAMES Corp. All right reserved.

(2009年 11月 30日)

[Reported by 石井聡 ]