株式会社バンダイナムコゲームスは、同社の「テイルズ オブ」シリーズファンに向けた単独イベント「テイルズ オブ フェスティバル 2009」（以下2009）をパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催した。

　昨年開催された「2008」に続いて司会を担当したゼロス・ワイルダー役の小野坂昌也さんと、アシスタントを務めたルカ・ミルダ役の木村亜希子さんを進行役に、スタン・エルロン役の関智一さん、リオン・マグナス役の緑川光さん、カイル・デュナミス役の福山潤さん、ロイド・アーヴィング役の小西克幸さん、ルーク・フォン・ファブレ役の鈴木千尋さん、ティア・グランツ役のゆかなさん、ユーリ・ローウェル役の鳥海浩輔さん、エステル役の中原麻衣さん、フレン・シーフォ役の宮野真守さんと、カノンノ・イアハート役の伊藤かな恵さんの12名のシリーズ歴代主役級CVがステージに登場した。昨年からの連続出演は小野坂さん、鳥海さん、鈴木さん、小西さんの4名となった。

　また、「2009」は、昼の部と夜の部の2回に分けて公演が行なわれ、昼の部では「BACK-ON」、「GIRL NEXT DOOR」が、夜の部ではmisonoさんがライブを行なった。

　また、昼の部と夜の部では出演声優陣によって繰り広げられたスペシャルスキットコーナーがまったく別のシナリオで演じられたほか、昼の部では映像がなかったOVA「テイルズ オブ シンフォニア」のテセアラ編の予告映像が夜の部で上映された。

プレイステーション 3版「テイルズ オブ ヴェスペリア」の発売日が9月17日に決定し、初回特典として、ユーリ、フレン、エステルの衣装が「テイルズ オブ ジ アビス」の衣装に変更できるプロダクトコード（PlayStation Storeにて入力しダウンロードする形式を採る）が予約特典となる		劇場版「TOV」は、新たなカットが盛りだくさんの新作予告編が公開され、ラストに公開日が10月3日であることが明らかにされた
アニメ版「TOA」のBlu-rayなどに特典として収録されているスキット風次回予告が上映。さらに、12月22日に「スペシャルファンディスク」DVDが発売されることが告知された。しかも、ファン投票により、全ストーリー中どれか1話を、CVをシャッフルして収録するという。応募は公式サイトから7月1日～8月31日まで行なわれる	夜の部で公開された、OVA版「TOS」=「テイルズ オブ シンフォニア THE ANIMATION」の続編となる「テセアラ編」の予告PV。発売予定の「2010年春」が待ち遠しいファンも多いだろう	開演前に上映された歴代シリーズのオープニングムービーの最後には、8月6日に発売されるPSP「テイルズ オブ ヴァーサス」の最新CMが上映された。ここで初めて、同作のテーマソング「Be your wings」の一部が流された

■ 「TOG」のヒロイン・ソフィ公開！ さらに主役2人のCVも判明

バンダイナムコの馬場英雄プロデューサーも「TOG」の新情報を携え登壇

　さて、「2009」で明らかになった新情報としては、まず、プレイステーション 3版「テイルズ オブ ヴェスペリア」(TOV)の発売日が9月17日に決定し、初回特典として、ユーリ、フレン、エステルの衣装が「テイルズ オブ ジ アビス」の衣装に変更できるプロダクトコード（PlayStation Storeにて入力しダウンロードする形式を採る）が予約特典となることが明らかにされた。また、劇場版「テイルズ オブ ヴェスペリア ～The First Strike～」が10月3日に公開されることも報告された。

　さらに、今冬発売予定のWii「テイルズ オブ グレイセス」（TOG)の新たなプロモーション映像が上映され、馬場英雄プロデューサーから、ヒロイン「ソフィ」が公開された。また、主人公・アスベルとソフィのキャラクターヴォイス（CV）もアスベル役には櫻井孝宏さん、そしてソフィ役は花澤香菜さんであることが公開され、ビデオメッセージが上映された。

　また、相手の周囲を移動する特殊移動が「アラウンドステップ」という名称になったことも明らかにされた。映像を見る限り、横だけでなく、後ろに下がって相手の攻撃をかわすこともできていたので、間合いを見切れば前後移動でも対応が可能のようだ。タイミングを合わせれば刹那の見切りも可能のようで、敵の攻撃をうまく合わせてかわした場合、エフェクトが付いているように見えた。馬場プロデューサーによれば、操作は“アナログスティックをはじくように入力する”ということで、3D格闘ゲーム然としたシステムながらも、アクションゲームが苦手な人や、敵との戦闘を繰り返すRPGということも考慮した上で、操作難度を下げていると思われる。

記憶を失っているというヒロイン・ソフィ。口数の少ない彼女がどうやってアスベルとコミュニケートしていくのか、記憶をどう取り戻すのか、なぜ記憶を失うことになったのか、といったあたりがゲームの中で語られるようだ。CVの櫻井さん、花澤さんもビデオメッセージで登場。かけあいの多い「テイルズ オブ」の収録では、掛け合うキャスト全員がブースに入って収録が行なわれることも多いので、2人のビデオメッセージでの掛け合いのなごんだ雰囲気から、現場の空気も感じ取れる内容だった
高速移動で攻撃をかわす「アラウンドステップ」は、左右だけでなく前後にも可能ということが明らかになった。単に移動してもいいようだが、攻撃をかわすと一瞬キャラクターが横に残像を残し、流れるようなエフェクトが表示されていた。馬場氏によれば、操作はアナログスティックをはじくだけで入力が完了するため、アクションゲームが苦手な人にも使いやすいものになるという		帯刀技、抜刀術を切り替えて戦うことができる「スタイルチェンジ・リニアモーションバトルシステム」が「TOG」の特徴。さらに、「格闘術」、「再生術」の2タイプの技が披露されていた。再生術はいわゆる晶術のようなもののようだ

■ 2つのシナリオで笑いあり、悲鳴ありと盛り上がった「スペシャルスキット」で声優陣大活躍

　スペシャルスキットでは、会場のある横浜を舞台にしたシナリオで、12人のCVたちがショートドラマを演じた。昼の部では、フェスティバル会場に隠された超振動発生装置を探して、キャラクタたちが右往左往するというコミカルなもの、夜の部では、フェスティバルにゲストとして招待されたキャラクタたちが謎の妨害にあい、助け合いながら会場を目指すという、ほのぼのとしながらも特技や奥義の決めゼリフが飛び交うハードな展開のシナリオとなっていた。

　イベントでは初となった関さんと福山さんのスタンとカイル親子の共演と、リオンの緑川さんの冷静なつっこみや、ファン投票で初の4位となってうれしさを隠せなかったロイドの小西さん、ショートバージョンとロングバージョンのルークで、ティア=ゆかなさんとまさにコントを演じてくれた鈴木さん、PS3版もあるということで、まだまだ疾走中のユーリの鳥海さん、そしてフレンの宮野さんとエステルの中原さん、昼の部ではコミカルに、夜の部ではビシッと決めてくれたゼロスの小野坂さん、昼、夜ともにホットドッグと縁が切れなかったルカの木村さん、夜の部ではバンエルティア号で凛々しく登場したカノンノの伊藤さん、それぞれが持ち味を出しながら（たまに噛んじゃったりもして爆笑をとっていましたが）熱演を繰り広げてくれた。

　とくに、客席サイドからキャストが飛び出してくるシーンでは、会場から黄色い声が怒号のように沸き起こり、夜の部ではさらに特技や奥義のセリフを叫びながらステージに疾走するCVたちに、会場は一番の盛り上がりを見せていた。

　ほかにも、「スペシャルトーク」と名づけられた実は場面転換のつなぎのトークコーナーでは、告知どころか下ネタ大会になってみたり（「多分（このイベントの）DVDが出ると思いますが、ここはカットかな」と出演者も話していたが）、随所で記念撮影をしてみたりと、かなりのテンションでステージを盛り上げてくれていた。

小野坂昌也さん	木村亜希子さん	伊藤かな恵さん	宮野真守さん
中原麻衣さん	鳥海浩輔さん	ゆかなさん	鈴木千尋さん
小西克幸さん	福山潤さん	緑川光さん	関智一さん

両スペシャルスキットとも、主役級のキャラクタが勢ぞろいの豪華なスキットとなった。ラストはスクリーンがフェイスチャットだらけになってしまうほど。「テイルズ オブ ヴァーサス」（TO-VS）のカットインのビジュアルが使われていた

■ 「GIRL NEXT DOOR」、新曲「Be your wings」を披露。 「Starry Heavens」はこれが最後!?

ステージ中はつねにステージ最前列にいっぱなしだったmisonoさん

　昼の部では、「BACK-ON」、「GIRL NEXT DOOR」がライブ。「BACK-ON」は「テイルズ オブ ザ ワールド レディアント マイソロジー2」より、テーマソング「fly away」、エンディング「Re:Start」を披露。MCのTEEDAさんが「テイルズ オブ」シリーズをプレイしているとのことで、ゆかなさんや鈴木さんに生でセリフを披露してもらうと「鳥肌立った～!」と大興奮していた。

　「GIRL NEXT DOOR」は、現在発売中の「infinity」と、「TO-VS」のテーマソングとなるアップテンポでパワフルな新曲「Be your wings」を初披露した。「Be your wings」はもちろんCMにも使われている。「TO-VS」発売日の前日、8月5日に「Be your wings/FRIENDSHIP/Wait for you」のトリプルA面のCDを発売する。

　夜の部はmisonoさんのライブ。「テイルズ オブ ザ テンペスト」のテーマソング「ラブリー♥キャッツアイ」、「VS(ヴァーサス）」を披露。そして「1曲はレコーディング以来、1曲は4年ぶりですよ～! 今回で最後ですよ～! （会場に来た）皆さんのためだけですよ～!」となんと「テイルズ オブ シンフォニア」のニンテンドーゲームキューブ版テーマソング「Starry Heavens」、プレイステーション 2版テーマソング「そして僕にできるコト」のメドレーを熱唱。さらに「テイルズ オブ シンフォニア-ラタトスクの騎士-」のテーマソング「二人三脚」も披露。残念ながら活動休止となってしまったday after tomorrow名義も含め、5曲も「テイルズ オブ」シリーズに関わる楽曲を提供しているアーティストはmisonoさんだけだ。

　歌い終わったmisonoさんは、感極まったのか涙目で「みんなが温かいから……」とトーク。久々の「Starry Heavens」に、小野坂さんも「舞台裏で聞いてて鼻水が出ちゃった。オープニングムービーを見ながらこの曲を聴いていたら、収録時にいろいろあったことを思い出して……そこに小西君が『この曲、よかったですよね』って声かけてくるんだもん。『そして僕にできるコト』とのメドレーってのがさらによかった」と涙声。「サビだけでも一緒に歌いますか!」とmisonoさんにふられて、こんなに弱っている小野坂さんを見たのは初めてかも!? と思った記者だった。

オーダーが来たとき、自ら「やらせてくれ！ と頼んだ」（TEEDAさん）という「TORM2」のテーマソング「fly away」、「Re:Start」を披露した「BACK-ON」	「infinity」でバックダンサーとともに華麗なダンスを披露し、「Be your wings」でもパワーあふれるサウンドを聞かせてくれた「GIRL NEXT DOOR」。その後のトークも息切れなくこなしてくれた

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