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東芝、「レグザ」新ラインナップを発表。超低遅延「4Kゲーム・ターボ プラス」搭載

接続したゲーム機を自動で判別して最適な画像を実現

11月上旬 発売予定

価格:
オープン
50Z20X 想定37万円前後(税別)
58Z20X 想定45万円前後(税別)
65Z20X 想定64万円前後(税別)

50型「50Z20X」
58型「58Z20X」
65型「65Z20X」

 東芝は液晶テレビ「レグザ」の新ラインナップ「Z20X」を発表した。発売は11月上旬を予定しており、価格はオープンで、想定価格は50型の「50Z20X」が37万円前後(税別)、58型の「58Z20X」が45万円前後(税別)、65型の「65Z20X」が64万円前後(税別)となっている。

 「レグザ」の「Z20X」シリーズは、バックライトとパネルをすべて一新。さらには3年をかけて開発されたという描画エンジン「4Kレグザエンジン HDR PRO」を採用することで、これまで以上の4K高画質(4Kの画素数は3,840×2,160ドット)を実現している。

 新開発のバックライトは、高出力/高効率LEDを採用することで、ピーク輝度が高いだけでなく平均的に輝きが増している。また、エリアコントロールをしっかりすることで、ただ明るいだけでなく、黒い部分は漆黒の黒になるよう工夫されている。またパネルは新たに開発された「ハイコントラストブラックパネル」を採用することで、外光の反射とバックライトの拡散を抑え、映像のクリアさとコントラストを向上させている。

 描画エンジン周りでは、前述の「4Kレグザエンジン HDR PRO」を採用することで、白い部分は白飛びせず、暗いところは黒つぶれしないような絵作りを徹底。さらに「4Kレグザエンジン HDR PRO」では、搭載された「アドバンストHDR復元プロ」機能により通常のコンテンツにおいてもダイナミックレンジを拡大することにより、HDR映像のように立体感・奥行き感を向上させることが可能となっている。また、2段階の再構成型超解像技術を採用することで質感をリアルに再現するなど、より現実に近い映像を再現している。

 映像ソースによって、よりなめらかに表示される機能も搭載されており、アニメなどのコマ数の少ないコンテンツでは動き検知性能の向上により、オリジナルのコマの間に新しいコマを補間し、秒間120コマを生成することで滑らかな映像を表示する。

大きく変化を見せた新しい「レグザ」
「Z20X」シリーズではバックライトとパネルをすべて一新
3年をかけて開発された「4Kレグザエンジン HDR PRO」
新エンジンではエリアコントロールを徹底。画面全体を明るくするわけではなく、明るい部分はより鮮やかに、暗い部分は駆動電流による輝度制御を加え、締まりのある黒を再現している
HDR映像以外の通常の映像ソースも、ダイナミックレンジを拡大することにより、HDR映像のように立体感・奥行き感を向上させている
映像素材の自然な質感をリアルに再現している
ノイズ量に応じて超解像効果とノイズ低減効果のバランスを整え、チラつきを抑えた映像となっている
アニメなどのコマ数の少ないコンテンツをよりなめらかに表示するため、細かい動き検出性能を向上させ、リピートパターンを判別し間の画像を補正し滑らかな画像を実現している

「4Kゲーム・ターボ プラス」で低遅延を実現

「Z20X」シリーズに機器を接続すると、このように各種情報を認識する(写真で接続機器名が表示されていないのは、業務用の機器を接続しているため)

 ゲーマーにとって重要な遅延については、新たに「4Kゲーム・ターボ プラス」を開発。約0.6フレームの低遅延を実現。さらに1080p/120Hz入力にも対応しており、約0.05フレームの低遅延となっている。これは、「4Kレグザエンジン HDR PRO」を開発当初からゲームモードを搭載することを前提として設計することで可能になったといい、「4Kゲーム・ターボ プラス」をオンにすると、高画質を実現しながらも、ゲーム映像に必要のないノイズ除去などいくつかの処理を行なわないことで処理速度をアップさせ、低遅延を実現している。

 実際に「4Kゲーム・ターボ プラス」の機能をオンにした映像とオフにした映像を同時に再生すると、攻撃が当たっているのと当たっていないほどのタイムラグが確認できる。調整にあたってカプコンのスタッフが「ストリートファイターV」をプレイしたところ、「4Kゲーム・ターボ プラス」をオフにした機材とオンにした機材で対戦したところ、オフにした機材ではどうしても勝つことができなかったという。それほどの低遅延を実現している。

 ゲーム関係では、このほかにも接続したハードを自動認識して最適な画像を表現する機能も搭載している。例えばWii Uを接続しWii U対応ゲームタイトルを起動すると、Wii Uと判断しWii Uに最適化された映像を表示する。Wii UでWii用タイトルを起動した時は、接続ハードだけでなくさらに表示解像度も認識し、Wiiに最適化した映像を表示するよう変更される。これに加えて、カラオケモードも搭載されており、Wii Uでカラオケを起動するとカラオケに適した画像に調整され表示される(カラオケでは歌詞の表示と音楽がシンクロしていることが重要なため、カラオケに適した映像表現が用意されている)。

 このほかにも、さまざまな角度の斜めエッジに対応し文字の斜め部分などが滑らかに再現される「マルチアングル自己合同性超解像」機能や、エッジ周辺に発生しがちなモスキートノイズを抑えクリアな映像を実現する機能などが採用されている。

 入力端子は、HDMI入力端子が4端子(4K60p [3,840×2,160:60p 4:4:4、4,096×2,160:30p 4:4:4]、HDCP2.2対応、HDR対応)、ビデオ入力端子(HDMIアナログ音声入力兼用)、光デジタル音声出力端子、ヘッドフォン端子(アナログ音声出力兼用)、SDメモリーカードスロット(SDXC対応)、USB端子が4端子、LAN端子となっている。

 サイズは、50型の「50Z20X」が112.8×22.8×71.6cm(幅×奥行き×高さ)、58型の「58Z20X」が130.2×22.8×82.1cm(幅×奥行き×高さ)、65型の「65Z20X」が146.1×32.7×91.3cm(幅×奥行き×高さ)。

「4Kゲーム・ターボ プラス」で徹底して低遅延を実現している
「4Kゲーム・ターボ プラス」をオンにすると、ボタン操作から表示までの遅延がかなり抑えられる
機器の調整に協力したカプコンによれば、「4Kゲーム・ターボ プラス」をオンにした機材とオフにした機材で対戦すると勝負にならなかったという

ゲームで意外と重要な文字情報。より美しく表示して欲しいが、「レグザ」ではさまざまな角度の斜めエッジに対応し文字の斜め部分などが滑らかに再現される「マルチアングル自己合同性超解像」機能などが搭載されている

(船津稔)