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「逆転裁判6」レポート。被害者の五感を可視化した“霊媒ビジョン”でムジュン探し!

新システムを実機デモで解説&「逆転裁判」アニメ化発表!!

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

 圧倒的に不利な状況から「発想の逆転」と「依頼人の無実を信じぬく心」で、さまざまな難事件の真実を明らかにしてきた正義の弁護士──成歩堂龍一が帰ってきた!

2人の弁護士を抱える事務所の所長にまで成長した正義の弁護士、成歩堂龍一。そんな彼の前に現われた謎の少女レイファ。彼女の行なう“託宣”が、「逆転裁判」史上、最大のピンチを招く……

プロデューサーの江城元秀氏(写真左)とディレクターの山崎剛氏(写真右)

 つい先日、制作が発表されたばかりのシリーズ最新作「逆転裁判6」が、早くも実機映像を交えてお披露目された。ここでは、そのスペシャルステージの模様をお届けする。ステージに登壇したのは、前作「逆転裁判5」に続きプロデューサーを務める江城元秀氏と、ディレクターの山崎剛氏。彼らの案内により、まずは気になる要素が散りばめられた本作の最新プロモーション映像がスクリーンに映し出された。

【ニンテンドー3DS「逆転裁判6」東京ゲームショウ2015 プロモーション映像(フルver.)】

 物語の舞台は、異国の地“クライン王国”。日本国内を舞台としてきた「逆転裁判5」から一転、今作ではついに日本を飛び出し、新たな逆転ストーリーが展開される。「架空の国なんですけど、アジアの国のいろんな要素を抽出して作り上げた国になっています」と山崎氏。さらに、この国では霊媒が信じられていて、霊媒師が王様になるという変わった国であることも語られた。そこに成歩堂龍一がやってきて、どういった事件に巻き込まれるのか? そこが本作の見どころになっているという。

アジア圏の異国情緒漂う“クライン王国”は、今作のために作られた架空の国

 登場キャラクターには、おなじみのナルホドくんこと成歩堂龍一をはじめ、シリーズならではの個性的な人物が続々と登場する。そんな彼らについても、江城氏と山崎氏の口から紹介された。

【主人公:成歩堂龍一】
いまやかなり強い弁護士になったナルホドくんは、日本では向かうところ敵なし。それが今回、自分のまったく知らない世界、ルールが存在する異国の地で、法廷バトルを繰り広げることになる。江城氏曰く、「すごいピンチですよ。完全アウェーです」とのことで、イラストの表情が少し険しげなのも、そのアウェーな法廷に立ち向かうイメージによるものらしい

【クライン王国の姫巫女:レイファ・パドマ・クライン】
今作でのキーパーソンとなるキャラクター。山崎氏より、「姫巫女という名前の通り、お姫様であり巫女であるというところで、この国の王様である霊媒師の娘ですね」と紹介された。高貴で少し厳しめな口調が印象的な彼女は、霊媒師の血筋として霊媒の力を持っていて、それが新要素のゲームシステムにも関わってくる

【見習い僧侶:ボクト・ツアーニ】
第1話の被告人として登場するキャラクター。ナルホドくんの現地ガイドを務める少年で、「観光館内をしようとしていたところ、事件に巻き込まれてしまい、彼を守るためにナルホドくんが法廷で戦うことになります」と、物語の冒頭部分について山崎氏から明かされた

 クライン王国の法廷は、“あきらめの法廷”と呼ばれている。それはなぜか? このことについて山崎氏は、「この国の法廷は、弁護士不在で判決が下されてしまうんです」と説明。その奇妙な状態は、今作を特徴付ける新たなゲームシステムに深く関係しているという。

ゲームシステムについては、“探偵パート”で証拠や証言を集めて、それをもとに“法廷パート”でムジュンを突いて逆転無罪を勝ち取るといったシリーズの基本を踏襲している。しかし、“あきらめの法廷”とは一体……?

 それが、新システムの“霊媒ビジョン”だ。「異国の法廷における最大の特徴で、弁護士がいない理由でもあります」と語る山崎氏。霊媒師であるレイファが事件の被害者の魂を霊媒して、被害者が死ぬ直前に見た光景や体験を再現してしまうため、弁護士は必要ないとされているのだ。

被害者が死ぬ直前の数秒間に見たものを映し出す“霊媒ビジョン”。そこから託宣のムジュンを探し出す

 レイファの行なう“御霊の託宣(みたまのたくせん)”の儀式により、法廷の中央にある水鏡に被害者が最後に見た光景が映し出される。それと同時に、いくつかの文字が浮き上がっているのも気になるところ。「この文字は、死者が感じた感覚ですね」と江城氏。「少年の声」や「儀式の歌」は聴覚、「お香の匂い」は嗅覚、実際の映像は視覚というように、五感が文字として可視化されているのだとか。ここに、アウェーな異国の法廷における逆転のカギが……!!

 この“霊媒ビジョン”に映る映像と五感の文字、そして託宣を見たレイファの証言とのムジュンを明らからにしていくことで託宣を突き崩し、裁判を成立させていく。山崎氏も、「死者の感覚に間違いはなくて、その解釈の仕方にムジュンがあるのではないか、ということです」と話す。

 新しい舞台だからこその新システムに注目が集まるなか、第1話の実機プレイが行なわれた。

 まずは、事件の概要から。クライン王国にある寺院に保管されていた秘宝が盗まれ、守衛の警備員が殺害された。託宣の結果により、ボクトにその疑いがかけられている……という状況だ。

観光のつもりが事件に巻き込まれてしまうナルホドくん。もはやこれもお約束的な展開

 ゲームは、ナルホドくんが法廷に飛び込んでくるシーンから始まり、3Dで表現された法廷を一望する。このあたりに関しては、全編を通して「逆転裁判5」よりもカメラワークや演出が凝った作りになっているという。キャラクターのアニメーションについても、「1つ1つの動きは細かく表現しながら、テンポがよくなるように作っています」と、江城氏よりこだわりが語られた。

おなじみのサイバンチョも登場。しかしこちらは異国の地のサイバンチョであり、日本の彼とは別人であるとのこと
相手の検事も、おなじみのアウチ。シリーズでは必ず第1話に登場する。ファッションはかなり派手めに

 そしてなんと、開廷して数分で有罪を受けてしまうボクト。しかし、ナルホドくんの登場により、この国では異例の尋問シーンへと切り替わる。容疑者の証言を聞いて、怪しい部分にゆさぶりをかけていく尋問の流れは、これまでと変わらず。

なじみのある尋問シーン。場面転換の演出やデザインは、異国バージョンとして新しくなっている

 ところがボクトは、自分を守ってくれる弁護士に対して冷たい反応を示す。この国では、弁護士は必要ないと思われているだけでなく、とある理由から国民たちに嫌われてもいるようだ。だから彼も、ナルホドくんが弁護士だとわかった途端に、冷たい態度を取るようになってしまう。「そうした関係性も含めて、物語を進めていくとグッと盛り上がっていきますのでお楽しみに」と江城氏は自信を覗かせた。山崎氏も、「国民からも嫌われている状態から、いかに逆転するか? というところで、より爽快感も上がる形になります」と添えた。

ナルホドくんが弁護士だとわかると、態度を急変させるボクト

 続いてはいよいよ、今作のキモとなる“霊媒ビジョン”の実演へ。

“霊媒ビジョン”では、上画面に水鏡の映像が映し出され、下画面にはレイファの証言である託宣や、映像の再生箇所を指定するための魂のアイコンが表示されている

 上画面に流れる“霊媒ビジョン”の映像は、任意に再生や一時停止が可能。また、その映像には区切りがあり、下画面にある魂のアイコンが並ぶところをタッチすることでも、再生箇所を切り替えることができる。気になるシーンを見逃したからといって、また最初から繰り返して見る手間はないとのことだ。

 映像を確認しつつ、下画面に表示されている託宣(レイファの証言)を切り替えて被害者の五感とのムジュンを探し出したら、指摘する託宣を決定。そのあと映像の上に現れるカーソルをムジュンと思わしき五感の文字に合わせて、つきつける! こうして託宣の解釈の間違いを指摘していくのが“霊媒ビジョン”の流れとなる。

レイファの踊りは、実際にダンサーさんに踊ってもらってモーションキャプチャーしている。それ自体は「逆転裁判5」でも使われていた技術だが、これだけ長尺なものは今回が初めてとのこと

 実機プレイによる実演は、ここで終了。「“霊媒ビジョン”の実際の感触は、ぜひとも体験版で味わってほしい」と江城氏。レイファが託宣の前に行なう、霊力を高めるための踊りを舞うシーンは必見なのだとか。ステージではその踊りの映像が大きなスクリーンに映し出され、ギャラリーを魅了した。

 また、「アートディレクターがレイファちゃん大好きなので、こだわって作っているんです」と、山崎氏の発言が会場の笑いを誘っていた。

 さらに「逆転裁判」のテレビアニメ化が発表! 絶賛製作中の現場から持ってきたという初出しのキャラクターイラストも公開され、「今後の情報をぜひご期待ください」と江城氏も興奮気味に語った。

アニメ「逆転裁判」、地上波テレビ放送が決定!!(2016年4月~)。今回は登場キャラクターとして、成歩堂龍一、綾里真宵、御剣怜侍の3人が公開された。デザインは、ここからさらにブラッシュアップされるとのこと

 シリーズ最新作となる「逆転裁判6」は、2016年発売予定。最後に、山崎氏と江城氏からのコメントをお届けする。

 「異国の設定や“霊媒ビジョン”など、新しいことにチャレンジしております。みなさんに新しい逆転の爽快感と驚きを感じてもらえるように頑張っていきたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします」という山崎氏に続き、「前作から2年ぶりにここに帰ってきて、こういう形で『逆転裁判6』を発表させていただいて、さらにアニメ化など、今後ますます盛り上げていきたいと思っていますので、もうしばらくお待ちください。できるだけ早くお届けできるように頑張っていきますので、引き続き応援よろしくお願いします」との江城氏のコメントで締めくくられた。

 このあと、TGS会場限定のスペシャルムービー「特別法廷」の上演により、ステージは幕を閉じた。

法廷をイメージして作られた試遊ブース。ナルホドくんとレイファのキャラクターパネルもあり、プレイを案内してくるコンパニオンはレイファの衣装に身を包む

 体験版をプレイした限り、キャラクターの動きや会話など、シリーズ独特のテンポ感はそのままに、新システムの“霊媒ビジョン”が面白い味付けになっていると感じた。

 ネタバレになるので内容について詳しくは書けないが、託宣をつきつけるときに注意したい部分として、五感の指摘はしっかりと文字の映像が浮かんでいるところを指摘すること(聴覚や視覚といった表示も出る)。文字が浮かびきっていない状態でもカーソルは合わせられるので、その状態でつきつけてしまうと、たとえ託宣にある証言のムジュンに気づいていたとしても「異議アリ!」は成立しない。映像の一時停止を利用して、“霊媒ビジョン”を正しく使いこなそう。

ノベルティグッズのオリジナルステッカーセットは、ICカードに貼れるようになっていて、貼り直しもできる

 こちらは、体験版を試遊するともらえるオリジナルステッカーセット。ちなみに、試遊には整理券が必要で、午前中にはほぼ予定数の配布を終えてしまうため、新システムの“霊媒ビジョン”に触れてみたい人は早めにブースへ足を運ぼう。


【逆転裁判シリーズ最新情報まとめ】
イベント「逆転裁判 in ジョイポリス」。9月17日から第3話の配信がスタート! キャラクターデザインを担当する岩元辰郎氏が描き下ろした、ここでしか見られない新キャラクターも登場する
舞台「逆転裁判2 ~さらば、逆転~」再演決定! 東京公演(全9公演)は10月31日~11月8日まで。会場は俳優座劇場。大阪公演(全6公演)は11月21日~11月23日までABCホールで開催される。チケット料金はプレミアム傍聴席が9,800円(税込)、指定席が6,800円(税込)
【物販コーナー】
「逆転裁判6 なるほどくんおすすめりんごパイ」TGS先行販売、「逆転裁判 クリアファイルセット(2枚組)」、販売価格は各700円(税別)

(石田丈継)