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グリーがVRに参戦! Oculus Riftで体験する協力型VR「サラと毒蛇の王冠」
ライド型アトラクションをVRで再現。今後の深掘りに期待大の試験作!
(2015/9/20 13:52)
TGS 2015でのグリーブースステージは、大半がスマートフォンゲーム開発スタジオ「Wright Flyer Studios」のタイトル出展となっていたが、その片隅にグリーが取り組むVRプロジェクト「サラと毒蛇の王冠」も展示されていた。
「サラと毒蛇の王冠」は、2人1組で体験するOculus Rift対応の協力型謎解きゲーム。1人は探検家のサラ、もう1人はそのガイドのケマルとなり、神殿に待つ財宝を探していく。
状況は神殿に船に乗ってやってきたサラとケマルが、船を進めながら財宝のありかを探すというもの。雰囲気としては東京ディズニーシーにおけるアトラクション「インディ・ジョーンズ・アドベンチャー: クリスタルスカルの魔宮」に近く、VRによってこうしたアトラクションに入り込んだような間隔を味わえる。
ムービーシーンは三人称視点で周囲を見渡すことができ、プレイシーンになると2人の主観視点に切り替わり、サラとケマルで役割分担してプレイを進めることとなる。プレイイメージは上記の公式動画も参照にしていただきたいが、操作にはコントローラーを用いず、視線を向けて光を当てることでアクションを行なっていく。体験者となる2人はヘッドセットのマイクを通してコミュニケーションが可能で、感想を言い合ったりアドバイスを送り合える。
用意された謎はごくごく簡単なもので、視線を向けてレバーの仕掛けを動かしたり、数多くのオブジェクトの中から鍵を探したり、そこまで悩むようなものではなかった。またサラがインタラクションできるものには赤、ケマルがインタラクションできるものには青のエフェクトが発生しているので、特に迷うことはない。
ただ視線を向ける先は首を回せる範囲でVR空間を広く使っていて、いかにも荘厳な神殿の仕掛けを動かしていく体験は面白く、没入感はものすごく高かった。今回は「残り○○秒!」と制限時間があって、「謎を解かないとヤバい!」という気持ちになって謎解きに気合が入る感じも良かった。
本作は色々と可能性を感じさせる内容で、謎に複雑さがもう少しあってもいいだろうし、タイミングを合わせる、交互に操作するといったより協力性の高い仕掛けがあっても楽しいだろう。何よりも「インタラクションできるライド型アトラクション」をVRで実現するというアイディアにポイントがあると思うので、開発陣にはこの辺りをぜひ深掘りしてほしい。
しかし、スタッフに話を伺ったところ、今回はあくまでTGS 2015への出展を目的として制作されたもので、リリースどころか今後VR開発に取り組んでいくかどうかも不透明だという。光るものがあるのに、これはなんとももったいない! キャラクターも雰囲気も体験もどれも興味深いものだったので、開発は続けていただき、できれば「サラ」シリーズの続きをぜひとも見たいものだ。