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美少女、過酷な未来、激しい戦闘システム……盛りだくさんな「末日之子」

大好きな日本風ゲームを作りたい! 台湾開発者の想いが結晶化したスマホ向けRPG

9月17日~20日 開催(17、18日 ビジネスデー)

会場:幕張メッセ

入場料:当日 1,200円(税込)

 「東京ゲームショウ2015」のインディーゲームコーナーでは、台湾の神嵐遊戯がスマホ向けRPG「末日之子」を出展していた。このタイトルは弊誌が何度か取り上げている台湾の異色のクリエイター刃霧翔氏の新作なのだ。

神嵐遊戯で本作を開発した刃霧翔氏
きちんと日本での資料を準備。ブースはかなり注目を集めていた
スピーディな戦闘が本作のウリだ
沢山の美少女キャラクターが登場するが、渋い男性キャラもいる

 刃霧翔氏は台湾のデベロッパーChinese Gamerでローカライズディレクターをしていたが、「どうしても自分の力で、日本のゲームのような作品を作りたい」と一念発起し、社内で優秀なスタッフをピックアップし口説き落とし、そして会社の上層部に掛け合って企画を通したというかなりパワフルな人物なのだ。

 そうして作り上げたスマホ向け恋愛RPG「落桜散華抄(らくおうさんげしょう)」は日本の“ギャルゲー”の手法を取り入れたゲームとして、台湾・香港で大ヒットとなった。彼はこの成功を足がかりに開発スタジオ神嵐遊戯を立ち上げ、そして新作である「末日之子」の開発を進めていた。そして今回満を持して、日本でのパブリッシャーを募るため、インディーゲームコーナーに本作を出展したのである。

 「末日之子」のコンセプトは、以前台湾でインタビューしている。本作は人々がゾンビ化していく絶望的な世界を舞台としており、主人公は生き残った人々を管理する支配階級によって、外の世界を探索する役目を背負わされる。生き残った人間達のうち何人かはゾンビウィルスの影響からか特殊能力に目覚めており、彼らはそれを駆使して戦っていくのだ。

 今回ゲームのディテールも明らかになった。プレーヤーはいくつかの拠点を移動し、そこのクエストに挑戦していく。クエストはパネル状のフィールドを進んでいく形で目的地までにいくつかのパネルをめくって進む。移動するたびに食料と水が消費されるので、ルートは考えなくてはならない。パネルではアイテムが入手できたり、敵が現われるなどイベントが起きる場合もある。

 戦闘はターンバトルだが、自分のターンの時ステータス部分をタップすることで画面内のキャラクターが技を出す。自分のターンの時に素早く指を動かし複数のキャラクターをタップするとその動きに合わせてキャラクターが動く。しかもキャラクターは成長することで複数の技を出すことができるようになり、空中に敵を跳ね上げ他のキャラクターが狙うといった連携も可能になっていく。

 このぽんぽんとリズミカルに画面をタップさせるゲーム性こそが開発者がやりたかったことだという。自分の指示できびきび動くキャラクター、技を組み合わせればより効率良く、協力に戦える。もちろん弱い敵には適当に押すだけでも勝てるが、「工夫することでよりかっこよく戦える」のだ。こういった方向性は、ゲームシステムは全く違うが「チェインクロニクル」の感覚に近くも感じた。

 さらにちょっとした“ギャルゲー要素”も本作のセールスポイントだ。本作には様々なキャラクターが登場し、彼らを集めて自分なりのパーティを組み、メンバーを更新しながらゲームを進めていくのだが、ステータス画面ではちょっとした「セクハラ」ができるのだ。女性キャラクターは胸部分をタップするとおこったり恥ずかしがったりする。男キャラクターは股間をタップするとなぜか皆顔を赤らめる。清楚な美少女からツンデレキャラまで女性キャラクターは豊富だが、男性も青年からオッサン、ジイさんまでバラエティ豊かだ。

 さらに本作の凝っているところは、「日本の声優」を起用しているところだ。主人公の青年は岸尾だいすけさん、女性キャラクターには桑島法子さん、野中藍さん、白石涼子さんなどもいる。「落桜散華抄」は台湾と香港でのサービス時には社内のスタッフが声を当てていたのだが、「末日之子」ではぜひとも最初から日本の声優に声を担当してもらいたかったとのことだ。

 「末日之子」は、刃霧翔氏を初めとした開発スタッフの「日本のゲームが大好きだ!」という想いを結晶化したようなゲームだ。現在は日本でのパブリッシャーを募集しているとのことで、今後の展開にも注目していきたい。

【末日之子】

(勝田哲也)