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スクエニ、Gamescomのステージイベントで「FFXV」に全力投入

田畑氏、アートの上国料氏、音楽の下村氏など主要スタッフが登場

8月5日~8月9日開催



会場:Koelnmesse

 スクウェア・エニックスは、ドイツで開催中のGamescomのスクウェア・エニックスブースにあるステージで、プレイステーション 4/Xbox One用RPG「ファイナルファンタジーXV(以下、『FFXV』)」のステージイベントを開催した。

 イベントは2時間にも及ぶ長丁場。体験版エリアでのプレイデモをドイツの有名なユーチューバーが実況したり、CG作成のこだわりをトレーラーで紹介したりと内容は多岐にわたった。さらに中盤からは、「FFXV」プロデューサーの田畑端氏、アートディレクターの上国料勇氏、サウンドコンポーザーの下村陽子氏が登壇して、コンセプトアートなどを紹介すると共に、ファンからの質問に答えていた。このレポートでは、3氏のトークを中心にイベントの様子を紹介したい。

【イベントの様子】
「FFXV」プロデューサーの田畑端氏
アートディレクターの上国料勇氏
サウンドコンポーザーの下村陽子氏
イベントステージ前は大混雑

【Gamescom新トレーラー「夜明け」】

「FFXV」のリヴァイアサンは女性だった!? アートにまつわる秘密トーク

スライドで「FFXV」の魅力を紹介
新トレーラー「夜明け」も改めて上映してテーマである「親子の絆」について紹介した

 「FFXV」はすでに体験版を公開していることから、試遊台は控えめだった。しかし、もっとも人が集まるステージ周りはすべて「FFXV」の意匠で固められ、さまざまなステージイベントが開催されるなど、プロモーションに力が入っていた。

 ステージ周辺は、早くからテープで通行が規制されたりと混雑対策が行なわれていたが、それでもステージが始まると隣のブースまで観衆があふれ返り、「FF」の根強い人気を感じさせた。

 イベントは、まず「World of Wonder」トレーラーで「FFXV」の世界やそこに住む動物を紹介していった。その後、今後は「アクティブ・タイム・レポート」で発表されたAIコントロールや、CG製作がドイツ語字幕で紹介された。

 その後、田端氏と上国料氏が登場して、コンセプトアートを紹介しつつ、そのイラストにまつわるエピソードを語った。チョコボステーションは、色彩もチョコボをイメージさせるようなものにしてあり、中にはたくさんチョコボのお土産が売っていると緻密に作られたお土産コーナーを披露した。体験版に出てくる街の1つハンマーヘッドは、「名前が先に決まり、ハンマーヘッドシャーク(シュモクザメ)と引っかけて街の中に思い切ってサメの意匠をたくさん使いました」と上国料氏。田畑氏は、「ノクトたちが旅をするうえで非常に重要な街です」と解説していた。

 ノクトの父親であるルシス国王の車は、「王族らしい品格と重厚さを併せ持つような車になっています。わりとFFらしさもありますよね」と上国料氏。召喚獣のリヴァイアサンについては、田畑氏が「『FFXV』の召喚獣は人格を持っており、リヴァイアサンは非常に高い知性を持っている女性です」と紹介した。宗教画風のイラストについては、この世界の神話をもとに数百年前に有名な画家が描いたという設定の宗教画だそうだ。

 ノクトの婚約者ルナフレーナが混乱するインソムニアを後にしようとしている印象的なイラストについては、「ルナは真の強い女性で逆境にも負けない強さを持っている。このイラストはそういうイメージで書いています」と、上国料氏が解説。子供時代のノクトが父王に抱かれているキービジュアルについては、「今回のテーマは非常にシンプルに“親子の絆”です。そういった人間が持っている普遍的な価値観を正面から捉えていこうとチーム内で決めました」と田畑氏が説明した。また、トレーラーに犬が出ていることから、「今回はゲーム内にかなり犬が出てきます。ネコ好きには申し訳ないですが、犬好きなら楽しいシーンがたくさんありますよ」と語っていた。

【コンセプトアート】
チョコボステーション
店内で販売されているお土産
王都インソムニア
水の都アルコド
ハンマーヘッド
ロイヤルカー
リヴァイアサン
宗教画
インソムニアから脱出するルナフレーナ
最新トレーラー「夜明け」のキービジュアル

 その後、下村氏が加わり、「田端さんはこだわりが強いから、自分のテーマを持ちつつ要求に答えるのは大変」と苦労話を語った。その後の質疑応答では、アートディレクターとして「FFXV」のポイントを聞かれた上国料氏が「今までのシリーズの中でももっとも現実の世界に近いので、そこをファンタジーとどう融合させていくかがチャレンジです」と語った。

 使っている音源は生音なのか、それともシーケンサーなのかという質問に対しては、「色々な曲があるので、それに合わせて使い分けています」と下村氏。ゲーム内の昼夜の循環について、昼が少し長めの方がいいという要望に対しては、田端氏が「製品版のスケールで、どのくらいの昼の長さが適正かを調査して、心配ない長さに調整します」と答えた。トレーラーの音楽が気に入っているので、ゲーム内でも使って欲しいという意見に対しては、「もちろん全部使っていただきたいです」と言う下村氏に対して、田端氏が「必ず使います」と2度繰り返して約束していた。国産タイトル以外で、「FFXV」影響を与えたゲームはありますか、という問いに対しては、田端氏が「FIFA」シリーズ、上国料氏が「GTAV」、下村氏が「マインクラフト」をそれぞれ上げた。

【新トレーラー「夜明け」スクリーンショット】
ノクトの婚約者ルナフレーナや、田端氏おすすめの犬、ルシス王が子供時代のノクトを抱いて悲しみに慟哭するシーンなどゲームのテーマやポイントが盛り込まれたトレーラーになっている

(石井聡)