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「FFXIV 蒼天のイシュガルド」ジョブレポート【ヒーラー編】

スタンス切り替えが楽しい「占星術師」。「白魔道士」、「学者」とも基本性能を大幅拡張

5月18日~21日開催

新ジョブの一角を担う占星術師

 「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド」では欧州メディアツアーでは、終日たっぷり「FFXIV 蒼天のイシュガルド」をプレイすることができた。本稿では、第3のヒーラーとして注目されている「占星術師」を筆頭に、レベル60時代の白魔道士と学者の変化について紹介したい。

 なお、体験会では具体的な性能やパラメータも知ることができたが、今後調整により変わる可能性があるということであえて記載しない。だいたいこういう雰囲気のジョブということを掴んでいただければと思う。また、記載内容は5月時点のもので、今後の調整によって記事の内容と、実装後の効果や技名が異なる可能性があることをあらかじめご了承頂きたい。

ヒーラー&バッファーとして活躍できる「占星術師」。ロールによる運試しも楽しい

占星術の象徴天球儀を扱う占星術師

 「占星術師」は、「蒼天のイシュガルド」で実装される北方の学術都市シャーレアンで確立されたとされる「占星魔法」を扱うジョブ。手元で浮かぶ天球儀を回し、星座を示したアルカナにより運命を切り開く、とされている。

 今回筆者がプレイしたのは新種族アウラ女性の占星術師だ。ジョブレベルは60、アイテムレベルは驚きの170で、ヒーラーにもかかわらずHP、MP共に10,000を超えている。この170が「蒼天のイシュガルド」のアイテムレベル上限かというと、どうやらそうでもないようで、別次元の性能による、別次元のゲームになっている。

 ジョブのアクションも60まですべて解放されていた。これまでと違うのは、占星術師にはクラスがないため、クラスアクションが表示される「ACTIONS」がなく、アクションはすべてジョブにまとめられているところだ。1カ所にまとめられているためスクロールが必要なほどその項目は多く、いきなり見せられると面食らってしまった。ちなみにアディショナルは、呪術士と幻術士から取れる。

【5月27日追記】占星術師のアディショナルを巴術士と幻術士と記載しておりましたが、正しくは呪術士と幻術士です。お詫びして訂正いたします。

【占星術師のアクションシーン】
ジョブトレーラーより。星をイメージしたエフェクトが印象的な占星術師。モーションもエフェクトもすべて占星術師オリジナルだ

ボス戦を前にドローする占星術師
ドローは占星術師の基本アクション
出たカードによって、使うか、もう一度引くか、キープするか、捨てて次のカードの効果を上げるか選択する
運命の輪。効果は抜群だが……
使いやすい無属性範囲魔法「グラビデ」
ピンチの時や乱戦時に使うとカッコイイ「星天対抗」

 試遊台には、ひととおりの装備に加えて、マクロもビッシリ登録されていたが、どれが回復で、攻撃で、占星術なのかもわからないため、レベル30(新ジョブはクラスがないためレベル30の状態からスタートする)のジョブ取り立ての気分で、最初からマクロを登録していった。

 回復の基本になるのは「ベネフィク」。一定の確率で発生する追加効果が、ベネフィクの上位魔法「ベネフィラ」を詠唱時間なしにするというもので、通常回復は「ベネフィク」を使いながら「ベネフィラ」がProcしたら「ベネフィラ」でグーンと回復させるというのが基本的な立ち回りになる。ピンチの時は、インスタントのヒールアビリティ「ディグニティ」。対象の残りHPが少ないほど回復力が上昇する特性を持っており、緊急時に役立つ。Proc中の「ベネフィラ」とこの「ディグニティ」のおかげで、インスタントでどんどん回復できるジョブという印象がある。

 そして、説明の順序が逆になってしまったが、占星術師で一番最初に設定すべきなのは、ダイアーナルセクト/ノクターナルセクトによるスタンス切り替えだ。基本的にはナイトの忠義の剣、忠義の盾のようなものという理解でいいが、いずれかを選択することによって様々なアビリティの追加効果の内容が変わってくる。

 具体的には、ダイアーナルセクトは、一部の回復系アクションに継続回復効果を付与するというもので、ノクターナルセクトは回復系アクションに被ダメージを吸収するバリアを張るというもの。どちらを選ぶかは自分の好みで決めても良いだろうし、フルパーティ時は相方が白魔道士なのか、学者なのかによって決めてもいいだろう。

 範囲回復も複数用意されており、それぞれに効果が異なる。そしてサークル生成型の範囲魔法が「運命の輪」。これもスタンスによって持続回復か、被ダメージ軽減かを選択できる。これにはデメリットも存在するが、この点は使い込んでみて、使いどころを探ることになりそうだ。なお、占星術師はリジェネそのものは持っていないが、工夫によって代替手段を持っており、総じてヒーリング能力はかなり高いという印象を持った。

 そして占星術師を特徴付けるアクションが「ドロー」だ。使用することでカードを1枚ドローし、カードを使用することでカードの効果を発動することができる。カード周りのアクションにはこのドローの他に、カードを捨てて次のカードの効果を強化する「ロイヤルカード」、ドローしたカードをキープしておく「キープ」、カードを即座にドローし直す「シャッフル」の4つがあり、組み合わせて使うことでほぼ意中のカードを任意のタイミングで使うことができる。つまり、運任せに見えて、プレーヤースキル次第でコントロールが可能と言うことだ。

 カードには「アーゼマの均衡」や「ビエルゴの塔」などエオルゼアの神を表したものが存在し、それぞれ異なる効果を備えている。自身にも効果があるため、パーティープレイのみならずソロプレイでも活用できる。

 何度か使ってみて思ったのは、カードのドローからのルートが非常に有効であることだ。DPSを出したいボス戦などで特に有効で、上手く決めればパーティーメンバーに称賛されそうだし、状況に応じての使い分けが大きな特徴になる。注意点としては、“ついついドロー自体を忘れる”ということだ。今回の試遊ではジョブに慣れていないこともあり、ついついヒールに夢中になってドローするのを忘れてしまっていたが、30秒に1度という結構頻繁にドローできるため、30秒おきにしっかり使えばかなり高いバフ効果が期待できそうだ。

 攻撃については、アディショナルでクルセードスタンスを使って、魔法や無属性DoTあたりで削る感じだが、個々のアクションもそれほど強くなく、ダメージを底上げするアビリティもないため、自身のDPSはそれほど期待できない印象だった。カードによる支援によって、パーティ全体のDPSが高くなったりするため、その支援分が占星術師のDPSだとも言えそうだ。

 そのほか、蘇生や弱体効果削除、即時詠唱、MP回復など、ヒーラーとして必要最低限の機能は備えており、プレイにあたってそれほど苦労することはないと思う。占星術師オンリーワンのアビリティは、レベル60で習得する「星天対抗」。効果は最終調整中とのことだが、タイムストップ的な魔法となっている。エフェクトも派手でカッコイイ。占星術師をやるならぜひ使いこなしたいアビリティだ。

ついにホーリー以上の攻撃手段を手に入れた(!?)白魔道士。学者はヒーラー性能を底上げ

白魔道士

 白魔道士の追加アビリティは非常に分かりやすい。上位の攻撃魔法3種「エアロガ」、「ストンガ」、「アサイズ」に、使い勝手のいいインスタントの回復アビリティ「テトラグラマトン」、そして白魔道士待望のバリア型のヒールエリアを生成する「アサイラム」だ。

 順番に紹介していこう。ストンガは、ストーン/ストンラの上位に位置する土属性魔法攻撃、エアロガは、エアロ/エアロラの上位に位置する風属性魔法。エアロガから範囲化しているのが最大の特徴で、遠距離からDoTでガッツリ削ることが可能となる。

 新アビリティとなる「アサイズ」は、強力なダメージを自身の範囲に与えるだけでなく、周囲のパーティーメンバーのHPも回復する。インスタントで使用できるため、ここぞという場面では非常に強力な攻防一体型の魔法に思えた。

 これまで白魔道士は即時回復を「ベネディクション」のみに頼ってきたが、インスタントの回復魔法も充実。回復量も十分で、使用頻度の高そうなアビリティが多い。ヒールエリアを生成するインスタントアビリティ「アサイラム」も追加となる。こちらも回復量は十分かつ効果時間も長めで、白の立ち回りに変化が出てきそうなアビリティといえる。

【白魔道士のアクション】
インスタントの回復アビリティ「テトラグラマトン」
範囲化がありがたい「エアロガ」
待望のエリア生成魔法「アサイラム」。前線に置いておくことでだいぶ戦いが楽になりそうだ

学者

 一方の学者はというと、ヒール、バフ、攻撃とバリエーションに富んでいる。ヒールまわりだと、「士気高揚の策」の上位版に相当する範囲回復アビリティ「不撓不屈の策」。「士気高揚の策」はMPをガッツリ使う魔法なのに対して、「不撓不屈の策」は即時発動可能なインスタントアビリティになっており、回復量が高い代わりにエーテルフローが必要となる。「応急戦術」は、鼓舞分のバリアを回復効果に変えるという即時回復性能を底上げするインスタント。緊急時に役立ちそうな性能だ。

 さらに今回は学者専用の攻撃魔法も追加される。威力はそれほど高くないが学者には貴重な攻撃源となる。

 学者オンリーワンのアビリティとして注目されるのが「展開戦術」だ。対象に付与したアイ・フォー・アイや鼓舞を、周囲のパーティーメンバーに拡散させるという「ベイン」のバフ版といった印象のアビリティだ。

 そして学者のヒーラーとして“覚悟”を感じさせる新アビリティが「転化」だ。今回のテストプレイのバージョンでは、効果が強すぎると判断しているそうで、リリースまでに調整が行なわれるおいう。実際に使用してみたが、非常に協力だった。

 占星術師は、基本的な回復能力に加えて、スタンスチェンジやドローにより、ヒーラーとしてもバッファーとして活躍できる使い勝手の良さが魅力と言える。ただ、占星術師の登場により、白魔道士も学者も居場所を奪われることはなさそうで、どのバリエーションで組んでも、十分なヒーリング能力を備えている。白魔道士は、ピュアヒーラーとしての圧倒的な回復性能に加え、クルセードスタンスに切り替えることで、新魔法を駆使することで、かなりのDPSを出すことができそうだ。一方、学者は、従来の範囲回復という強みに磨きが掛かりつつ、かつバッファー性能が増し、ややテクニカルながら、使いこなすことで、もっとも高いポテンシャルを備えていそうだ。

【学者のアクション】
アイ・フォー・アイや鼓舞を周囲のパーティーメンバーに拡散させる「展開戦術」
学者の重要なアクションになるであろう「転化」
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(中村聖司)