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ミニ四駆やRCの最新マシンや、スケールモデル「デ・ハビランド モスキート」出展

静岡ホビーショーのタミヤブースレポート

5月14日~17日 開催(一般公開日:16日~17日)

会場:
ツインメッセ静岡
入場料:
無料

 「第54回 静岡ホビーショー」のタミヤブースには、今年もスケールモデルやミニ四駆、ラジコン(RC)などの最新製品が数多く出展されていた。どのカテゴリの製品も来場者の注目度は高く、ブースの所々で説明員の話を熱心に聞く様子が見られた。

 出展された新製品の数は非常に多く、とても全ては紹介しきれないので、本稿では各カテゴリの中から、メインとなる製品に絞って紹介していく。ここで紹介しきれなかった製品は、別途記事にてお届けする予定だ。

 またタミヤはブースでの展示のほか、ホビーショー会期中にタミヤ本社がオープンハウスとして解放されている。こちらでは今回、ミニ四駆の公認協議会「ジャパンカップ 2015 」のコースが公開されたので、そちらも併せて紹介する。

イギリス空軍の木製機「デ・ハビランド モスキート FB Mk.VI」を1/32スケールで立体化

 スケールモデルの新製品の中でも、大きな注目を集めていたのが1/32エアークラフトシリーズNo.26の「デ・ハビランド モスキート FB Mk.VI」だ。この機体は第二次大戦のイギリス空軍の高速爆撃機で、なんと機体のほとんどが木製という一風変わった機体で、スピットファイアやマスタングにも搭載された、ロールスロイス・マーリンエンジンを2機備えた双発機だ。木製ゆえの軽量化なども手伝って、大型機ながら時速600km/hを誇る機動性を持っている。

 今回モデル化された戦闘爆撃機の「FB Mk.VI」は、機首の7.7mm機銃4挺と、機体下部に収納された20mm機関砲4門、そして500ポンド爆弾を搭載可能な機体で、キットでももちろんそれらは再現されている。

1/32「デ・ハビランド モスキート FB Mk.VI」。発売日は未定。予価19,800円(税別)
こちらはオーストリア空軍のカラーリング。イギリス軍の迷彩とはかなり印象が異なる

 1/32スケールで、さらに実物の機体が大きいということで、全幅はなんと515mmもある巨大キットである。総パーツ数はエッチングパーツも含め900点以上とのことで、非常にボリューミーだが、完全新規のキットということで、作りやすさという部分にもかなり力を入れて設計されている。たとえば通常はゴムで成形されることの多いタイヤは、今回プラのパーツで構成され、合わせ目やパーティングラインが目立たないように、トレッドパターンを別パーツとして成形。さらにはゴムでは表現不可能なタイヤの自重変形なども形状で再現し、素組みでもリアルなタイヤが完成するという仕様だ。

パーツ数は900以上とかなりの数に及ぶが、ストレスなく組める設計だと関係者は説明する
好みのタイプによってパーツを選択可能。放射状に分割されたタイヤのパーツも見える

 展示されていた機体はイギリス空軍のほか、オーストラリア空軍で運用されていた機体もあり、マーキングはもちろんのこと、プロペラやエンジンカウル、排気管のカバーなどを選択することで、好みのタイプを製作可能となっている。

 また関係者の説明によれば、今回は戦闘爆撃機のタイプだが、今後の評判によっては爆撃機型や戦闘機型などのバリエーションなども構想中とのことだった。

2人乗りのコクピットはエッチングパーツなどを使って再現。下部の武装は、ハッチを開いた状態で組むと露出する
フィギュアはパイロットとナビゲーターの2人と、ハッチから乗り込むパイロットが付属

乾電池で走るRCのエントリーモデル「スマートユニットシリーズ」発売!

 何かと敷居が高い印象のあるRCカーの常識を打ち破る、オールインワンのエントリーモデル「スマートユニットシリーズ」の「ライトニングフォース」が発表となった。このRCカーのシリーズは、完成済みのマシンと送信機がセットになって14,800円(税別)の低価格で発売されるもので、単三乾電池や同形のニッケル水素電池が使用可能という、初心者に嬉しい仕様となっている。

 この「ライトニングフォース」のボディは、ツナグデザインの根津孝太氏(デザイナー/クリエイティブコミュニケーター)がデザインを手がけている。同氏が手がけたミニ四駆の「アストラルスター」、「ライキリ」の実車ライクなシルエットとは少々趣が異なり、どちらかといえば初期ミニ四駆的なフォルムが特徴で、ミニ四駆からRCに興味を持ったユーザーを対象にしている。ミニ四駆で使っている単三電池やニッケル水素電池を、そのままバッテリーとして使える仕様も、そのあたりを意識したものだろう。

スマートユニットシリーズ「ライトニングフォース」。7月発売予定、14,800円(税別)
バッテリーは本体に4本、送信機に4本を使用。送信機のスイッチで「パワーモード」と「エコモード」を切り替えて走行可能だ
シャーシにはESCと2.4GHz受信機を一体化したユニットを搭載。4.8Vから7.2Vまで対応可能。後輪駆動のバギータイプだ
別売りのタイヤやホイールで、足回りをカスタマイズ可能。走る場所によってタイヤ交換をするのだ

「ハイパー!ダッシュ四駆郎」の作者がデザインしたミニ四駆「シューティングプラウドスター」が初公開!

 ミニ四駆PROシリーズの最新マシン「シューティングプラウドスター(MAシャーシ)」が、このホビーショーで初公開となった。かつての第1次ミニ四駆ブームを支えた「ダッシュ!四駆郎」の日ノ丸四駆郎のメインマシン「ダッシュ3号・流星(シューティングスター)」の流れを汲むマシンで、デザインをしているのは、現在「コロコロアニキ」で「ハイパー!ダッシュ四駆郎」を連載する漫画家の武井宏之氏だ。

ミニ四駆PROシリーズNo.41「シューティングプラウドスター(MAシャーシ)」。7月18日発売予定。1,000円(税別)
歴代シューティングスターの雰囲気を残しつつ、現在のユーザーにもアピールできるスタイリッシュさを備える

 実は武井氏は少年時代に、「コロコロコミック」のミニ四駆デザインコンテストに自ら投稿し、「ダッシュ3号・流星」の原案となったデザインが採用されたという経歴の持ち主なのだ。2009年に若くして逝去した「ダッシュ!四駆郎」の作者、徳田ザウルス氏の意思を運命的に受け継いだ武井氏の思いが詰めこまれたマシンなのである。

 流線型のミニ四駆らしいデザインのボディに、MAシャーシを採用。同シャーシでは初となる大径タイヤを採用しているのも特徴だ。

「シューティングプラウドスター」のパーツ構成。ステッカーはメタリック仕様だ
歴代シューティングスター3台と、その左には試作品のクレイモデルの姿も見える

「ハイパーダッシュサーキット2015」が、タミヤ本社のオープンハウスにて公開!

 さて気になる「ミニ四駆ジャパンカップ2015」のコース「ハイパーダッシュサーキット2015」だが、ホビーショーの会場には、コースの代表的なセクションの一部が展示され、来場者の興味を引いていた。そしてその全貌は、ホビーショー閉会後のタミヤ本社のオープンハウスにて明らかになった。全長198mのコースには、レーサーを苦しませる6つの特徴的なセクションが設置されている。当日はマシンを走らせることはできなかったが、その様子からマシンのセッティングをイメージする来場者の様子も見られた。

 こちらもホビーショー一般公開日の6月16~17日に、タミヤ本社にて見学できる。ホビーショー会場とタミヤ本社の間は、送迎バスが巡回しているので、当日参加する人はぜひ足を運んでみてほしい。

ホビーショーのタミヤブースに展示された各セクションの様子。どれもインパクト大
タミヤ本社にて公開された「ハイパーダッシュサーキット2015」。その大きさを向こうに映り込んだ人物と比較してみてほしい
高低差のある上り下りの「プラウドマウンテン」(写真左側)と、角度45度の「グライドバンク45」(写真正面)。飛び出した後のマシンの安定性が問われる
その名の通り、ねじれた形の立体型レーンチェンジャー「メビウスチェンジャー」。マシンは一体どんな挙動で駆け抜けるのだろうか!?
コース中央に突起物が設置された「モヒカンストレート」。小径タイヤはかなり苦戦しそうで、さらにレーンによって幅が異なるのも気になる

(稲元徹也)