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「ロデア・ザ・スカイソルジャー」先行体験会開催

長谷川ディレクターと中裕司氏が語る発売への長き道のり!

4月2日 発売予定

価格:
7,200円(Wii U版・税別)
5,800円(3DS版・税別)
CEROレーティング:A(全年齢対象)

イメージショット

 角川ゲームスは4月2日発売予定のWii U/ニンテンドー3DS用スカイ・アドベンチャー「ロデア・ザ・スカイソルジャー」の先行体験会を開催した。開催当日は抽選に当選した30名を招き、開発を担当したプロペの中裕司氏と角川ゲームスの長谷川仁氏のトークショウなども行なわれ活況を呈した。

 「ロデア・ザ・スカイソルジャー」は、2011年にWii用「天空の機士ロデア」として発表されたが、なかなか商品化されずかえって注目を集めていた。名作「NiGHTS」を思わせる空を飛ぶ爽快なアクションをベースに、飛行可能な人型ロボット“ロデア”の活躍を描く。

 舞台は大空に浮かぶ、自然溢れる豊かな天空の大地“ガルーダ”。奇心旺盛な少女「イオン」は、古代の遺跡からガルーダの伝説で“魔人”と呼ばれる機械仕掛けの兵を発見するところから物語は始まる。その機械仕掛けの兵士は記憶が曖昧で、右腕が完全に破壊されていた……。

 今回の体験会は「RODEA THE SKY EXPERIENCE TOUR 2015 ~第1弾~」として開催され、国内最速で体験できる機会とあって人気を集めた。タイトルに「TOUR」とあるとおり、今後も各地で体験会を行なっていく。

 イベントは3部構成となっており、第1部で角川ゲームスの長谷川ディレクターとプロペの中裕司氏、女優の結(ゆい)さんによるトークライブが行なわれた。その後第2部では来場者の体験会、第3部では体験会をベースにボス・デオゴルダム討伐のタイムアタックによるゲーム大会が行なわれた。

【「ロデア・ザ・スカイソルジャー」1stデビュートレーラー】

【スクリーンショット】
アクションゲームだが、ストーリー、世界観作りに実弥島巧氏、セリフまわりを「妖怪ウォッチ」のシリーズ構成などを手掛ける加藤陽一氏が加わり、充実した作りとなっている

角川ゲームスの長谷川ディレクター
プロペの中裕司氏
女優の結(ゆい)さん

犬猿の仲? 長谷川氏×中裕司氏トークライブ「ロデアができるまで」

角川ゲームスの長谷川ディレクター、プロペの中裕司氏、女優の結さんによる、ぶっちゃけトークが炸裂

 トークライブは、2011年にWii用「天空の機士ロデア」として発表会が行なわれて以来、長期にわたって開発が進められてきた経緯を振り返る形で進行。

 長谷川ディレクターは「小さいときは空を飛びたかった。(だから)ずっと空を飛ぶゲームが作りたかった」と言い、同時にこれまで暴力表現が目立つゲームを制作することが多かった氏は、CEROレーティングがA(全年齢対象)のゲームに憧れていたという。そして中氏と出会うことで「CCEROレーティングがAのゲームを作ることができるのではないか?」と思うようになったという。

 一方、中氏もセガで夢の中で空を自由に飛び回るゲーム「Nights」を制作した過去を持つ。全世界で好評を得ながらも続編を作ることはなかった。この点について中氏は「スピルバーグが『E.T.』を作ったとき続編を渇望されながら作らなかった。それは2作目を作ることで1作目の良さを損なうかもしれなかったから。僕も『Nights』を大事にしたかった」と明かした。

 とはいえ、そこはゲーム開発者であるため、「より自由に空を飛び回ることができはしないか?」とプロトタイプを作るなど試行錯誤を繰り返すなど模索していたのだという。しかし例えば空中を1回転させるとき、コントローラーを回すとジャイロセンサーの特性上どこかでリセットがかかってしまう。このためどういった操作方法であれば自由に操作できるのか悩んだのだという。ここで登場したのがWii。このWiiリモコンを前にして、ポインティングしたところに飛んでいくという方法を思いついたのだという。

 ところがこれからが苦難の道のりとなる。まず最初に企画が通らない。RPGやアクションアドベンチャーが全盛の中でアクションゲームの企画はなかなか通りにくいのが実情だという。ところが角川ゲームスに「空を飛ぶアクションゲーム」の企画を持って行ったところ、「一緒に作りましょう!」と快諾を得て制作がスタート。

「空を飛ぶゲームが作りたい」というシンプルな想いからスタートしたが、意外にその道のりは難しかったようだ

アクションゲームを作るにあたって想いを共にしていたが、それだけにぶつかり合いもあったようだ

 しかしここでも二転三転とする。中氏はそれまでセガで、自分を信じてゲームを作っていっていたが、プロペではパブリッシャーと協力して作るため、あれこれと議論が繰り広げられることとなる。そんな中でも難航したのがこの『ロデア』だったとか。中氏も長谷川氏も「ケンカをこれほどすることは無い。これほど議論をして作ったゲームはない」と口を揃えるほどに、制作にあたっては難航したようだ。

 事実、中氏は「始めと終わりでは企画書の内容がずいぶん違う。初めはもっと大空で戦略を持って動く、探索要素などもあったゲームだった。しかし作っている途中で『やはり中さんのアクションゲームだから、マップ踏破型でないと』と言われ『いまさら言うのか!』と思った」とコメント。こういった繰り返しをしながらも、プロペの高い開発力で乗り越えていったという。

 長谷川氏はこの点について「タイミング」を理由の1つに挙げている。Wii版がしっかり動くものとして完成が近づいた頃に、3DS版の製作がスタート。じっくりと作っていく中で、この頃から「Wii U」のハードの発売が近づいてきて、次のプラットフォームとしてターゲットになってくる。速いプラットフォームの流れの中で、より多くの人にプレイしてほしいという“欲”や「何となくやらなきゃ」という気持ちもあって、Wii U版の制作を開始。結果的に、制作に長時間を要することとなった。

 結果的に初回版にはWii版も収録されるため、Wii版とWii U版、そして3DS版の3プラットフォームの製品が揃うこととなった。基本的にこの3つは、ゲーム的に違いはないという。そんな中でWii版とWii U版については、一足先にプレイした結さんが「想像した以上に違うゲーム! 操作性が違うだけでこんなにも違う」と表現。これには中氏も同調し、「制作過程でどちらの操作性をとるか議論して通常は片方しか商品化されない。しかし今回は、その2つともプレイすることができる」とし、その面白さを体感して欲しいようだ。

 Wii版のインターフェイスについてはかなりの自信があるようで、「Wiiリモコンは優れたコントローラーなのに、ぶつかる可能性があるから強く振ってはいけないとか、ストラップを必ず付けなくてはならなかったり、ゲームを作る上で抑制され、コントローラーの良いところを出しにくくなった。でもWiiリモコンの良さにこだわり、自由に空を飛ぶことができるということに注力して、Wiiリモコンの持ち味を活かした」と力説した。

 一方で、3DS版について長谷川氏は「3DSのゲームはハードパワーの問題もあってスペック的にリッチな画面にできないことから、屋内のシーンでのアクションが多い。『ロデア』では、広い空の中でアクションが繰り広げられる」ということで、広い空間でのアクションを楽しんで欲しいとした。

Wii版とWii U版、そして3DS版の違い、それぞれの注目点などについても、トークライブで触れられた

 トークライブの最後には長谷川氏が実機によるプレイを行ないながら、ゲームのコツを解説。同時に中氏は、「アクションが売りですが、ストーリーもよくできている。ストーリー、世界観作りに実弥島巧氏、セリフまわりを『妖怪ウォッチ』のシリーズ構成と脚本を手掛けている加藤陽一氏にお願いしておりよくできている」とアピール。

 中氏はトークライブの最後に、「今日初めてプレイして難しいかなと感じることがあると思うが、アクションゲームはプレーヤー自身のレベルがプレイしていく中で上がっていき、自由に操作できるようになることで快感になっていく。ぜひプレイして欲しい」と語り、体験会に移っていった。

Wii U版については7台の試遊台を用意。来場者をグループ分けして順番にプレイしてもらっていた

Wii版の「天空の機士ロデア」も出展。来場者であればプレイすることができた
3DS版も、Wii U版の待ち時間でプレイ可能

「ロデア・ザ・スカイソルジャー」にちなんだ軽食も用意された
会場にはあちこちに様々なポスターが掲出されていた
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(船津稔)