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「シャドウ・オブ・モルドール」、開発者プレゼンテーション

敵の対立を煽り、戦いを有利に進行させる「ネメシスシステム」とは?

11月6日開催

会場:ワーナー本社

 ワーナーは、11月6日、プレイステーション 4/3/Xbox One向けハイファンタジーアクションRPG「シャドウ・オブ・モルドール(指輪物語)」のメディア向け体験会を開催した。このイベントではWarner Bros. Entertainmentゲーム部門のヴァイスプレジデントを務めるピーター・ワイズ氏によるプレゼンテーションの後、たっぷりゲームをプレイすることができた。

 「シャドウ・オブ・モルドール」のPS4版、Xbox One版の発売日は12月25日。価格は7,600円(税別)。映画「ロード オブ ザ リング」の世界観で全てを奪われた男のダークな復讐劇が展開する。本稿ではワイズ氏が紹介したゲームの内容を取り上げたい。別稿で本作のプレイ体験を紹介するので、こちらもお楽しみに。

「ロード オブ ザ リング」の世界で描かれる、戦略性の高い戦いの駆け引き

Warner Bros. Entertainmentゲーム部門のヴァイスプレジデントを務めるピーター・ワイズ氏
主人公タリオン。エルフの亡霊と一体化し復讐を開始する
死霊の力で、敵を意のままに操る
部下や隊長オークと遭遇すると登場シーンがカットインされる

 「シャドウ・オブ・モルドール」の物語の舞台は“モルドール”。作品世界の強力な敵「冥王サウロン」がいるという“黒の国”だ。物語の時代設定は「ホビット」と、「ロード オブ ザ リング」の間にあり、サウロンはその姿を見せてはいないものの彼の力はモルドール全土に及び、汚らしいオークが徘徊する荒れ果てた地となっている。

 本作の主人公はタリオンというレンジャーのリーダー。彼はサウロン復活を警戒し“黒の門”を警戒していたのだが、冥王の手先「黒の乗り手」と彼の配下のオークに家族や仲間を皆殺しにされ自身も呪いをかけられ、死ぬことのできない身体になってしまう。彼は遙か昔に殺されたエルフの亡霊と一体化し、さらに“幽鬼の力”を身につけた呪われた存在となる。タリオンはその力を使い、家族の仇である黒の乗り手を追い求める。

 ワイズ氏が最初に紹介したのが本作最大の特徴である「ネメシスシステム」だ。モルドールに住むオーク達は階級社会を形成している。黒の乗り手に直接仕える隊長が数人いて、その下に数人の部下がいて、さらにその下に無数の下っ端オークがいる。ネメシスシステムはこの隊長と部下に影響を及ぼしていくシステムで、うまく活用することで隊長に対し部下を反撃させたり、有用な情報を引き出したりが可能になる。

 デモプレイはゲーム中盤の内容であり、タリオンは隊長と部下の繋がりや、それぞれのの弱点などを知ることができる。これは実は幽鬼の力を活用した“尋問”で得た情報だ。部下の情報はフィールドにいる下っ端オークを尋問しても得ることができる。さらに下っ端の中に混じっている「虫」と呼ばれる特別なオークを捕まえることで、さらに深い情報を得ることも可能だ。部下であるオークは強力な上、何人もの下っ端に囲まれているため近づくことも困難だが、捕らえることができれば、隊長の情報を得ることができる上に、スキルをアンロックさせれば寝返らせ隊長への下克上をそそのかすこともできる。

 ワイズ氏のデモプレイでは、隊長「デッドアイ」の部下である「アグリフェイス」をターゲットに戦いを挑んでいった。タリオンは幽鬼の力で弓を射ると矢が当たったところにテレポートし斬撃を加えるという能力でアグリフェイスの部下を減らした。そして手薄になったアグリフェイスに戦いを挑み、幽鬼の力で彼の反逆心を増幅した。そうすると、デッドアイ対アグリフェイスというミッションがマップ上にアンロックされた。このミッションポイントにタリオンを向かわせ、ミッションを始めることで、デッドアイが演説中に突然アグリフェイスが牙をむくというシナリオがスタートしたのである。

 ワイズ氏は反逆したアグリフェイスを支援するために戦ったが、間に合わずアグリフェイスはデッドアイに倒されてしまった。しかし体力が少なくなったデッドアイに近づき、幽鬼の力で自軍に引き入れることができた。このように部下同士の繋がりを利用することで有利に戦い敵の勢力を削いでいくのが「シャドウ・オブ・モルドール」の戦いの基本なのだとワイズ氏は語った。

 「ネメシスシステム」のユニークなところは、プレーヤーによってオークの軍団の構成や弱点、勢力図が全く異なることだ。プレーヤーがニューゲームを開始すると全く違うオークの軍団が形成されており、プレーヤーは情報を集めて攻略して行くこととなる。寝返りやすいかったり、強力だったり、意外な弱点を持っていたりバリエーションは多彩で、何度でも新鮮なプレイが楽しめる。説明を聞いていて、非常にユニークな作品だと感じた。

【ネメシスシステム】
情報を集めることでオークの繋がりや弱点などを把握できる
部下のオークを支配下に置き反逆させる。部下は倒されてしまったがその隙に隊長を支配した

「ゴラム」や「指輪」も登場。語られていなかった“歴史の謎”に迫る!

ゴラムは重要な役割を持っているようだ
美しい姿に化けたサウロンが指輪を作らせるシーン
幽鬼の視点でゴラムを追う

 ワイズ氏がもう1つ紹介した本作の大きな特徴が「ストーリー要素」だ。ここでは「ホビット」、「ロード オブ ザ リング」でおなじみの“ゴラム”と出会うことができた。タリオンは“幽鬼の視界”に切り替えることができ、その視界で見るとゴラムの足跡を見つけることができる。タリオンはそうしてゴラムを追い、彼が隠していた鍛冶に使う“ハサミ”を見つける。

 そのハサミを手に取ったとき、フラッシュバックが彼を襲う。その道具は“力の指輪”を作ったハサミだった。エルフに3つ、ドワーフに7つ、人間に9つ……そして全てをつなぎ止めるサウロンの1つの指輪。「ロード オブ ザ リング」の中で断片的に語られたサウロンの陰謀によって生まれた指輪を作った道具だと、フラッシュバックは語るのである。

 この記憶はどうやらタリオンと一体化したエルフの記憶らしいのだが……「ロード オブ ザ リング」ファンは思わず身を乗り出してしまうシーンである。ここではさらに巨大な怪物から逃げるためのパズル要素の高い戦闘も見ることができた。

 ワイズ氏はこのゴラムのイベントを見れる地域は先ほどのデッドアイがいる地域とは別の地域だと語った。「シャドウ・オブ・モルドール」では2つの広大な地域が用意されており、それぞれにオークの組織がある。プレーヤーはネメシスシステムでオークを弱体化させながら、今回のようなストーリークエストを進めたり、物語の謎に迫っていく。総プレイ時間は40時間以上の濃いプレイ体験が用意されているという。

 チャレンジ要素も豊富で、敵と戦う方法も1つではない。また剣やスキルの強化も多彩であり、サイドミッションをクリアすることでの強化もある。やり込み要素は豊富で、収集などが好きなプレーヤーはさらに長く遊ぶことができる。もちろん、新しくプレイすることで1度目と全く違うオーク軍と戦うのも楽しいとワイズ氏は語った。

 ワイズ氏はユーザーへのメッセージとして、「やはり本作はユニークな『ネメシスシステム』を楽しんで欲しいと思います。毎回異なる世界の奥深さを楽しんでいただき、『ロード オブ ザ リング』ならではの世界観にも浸って欲しい。『シャドウ・オブ・モルドール』を満喫していただければと思います」と語った。

【様々な要素】
スキル、アイコンが表示されるマップ、マップをアンロックさせる仕掛け、収集する壁画……多彩な要素がある

(勝田哲也)