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任天堂、経営方針/第2四半期決算説明会資料を公開

3DSでは5カ月でダブルミリオンソフトが4連発の可能性も?

10月30日 発表

 任天堂は、経営方針説明会 / 第2四半期決算説明会における岩田聡社長の概要説明および社長説明の資料を10月30日に公開した。

 岩田社長はお盆明け以降は業務を再開しており、現在では、通常の業務に復帰しているという。

ニンテンドー3DS関連

・「大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS」

 9月末時点で全世界における出荷本数が322万本となった「スマブラ for Nintendo 3DS」については、携帯機においても大きな存在感を示したとの見方を示している。本作の発売により、3DSの稼働率が高まり、3DS市場全体への注目度、熱量が上昇したとし、今後の市場の勢いの改善にとっても「非常に大きな手ごたえがある」とした。

・「ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア」

 11月に発売される本作の予約が「非常に好調」に推移しているという。「ポケットモンスター X・Y」と違い完全新作ではないため、昨年ほどの販売規模にはならないはず、という予想をよい意味で裏切る推移を見せ、とくに欧州では「ポケットモンスター X・Y」を上回る水準という。

・好調な理由は「スマブラ・ルビサファ同世代仮説」?

 さらに「スマブラ」シリーズを遊んできたユーザーと、「ポケットモンスター ルビー・サファイア」を初めてのポケモンソフトとして遊んだユーザーは、「その世代が共通で、重なりが非常に大きいと思われる」という「スマブラ・ルビサファ同世代仮説」と呼ばれる説を披露した。

 同社は、「スマブラ」が有力ソフトとして認知されたのは、ニンテンドーゲームキューブ「大乱闘スマッシュブラザーズDX」(2001年)からだとする。そして、ゲームボーイアドバンス「ポケットモンスター ルビー・サファイア」はその翌年、2002年の11月より発売された。この両方のソフトを楽しんだ世代は今、18〜25歳くらいとなり、同社の調査では、3DS「スマブラ」の初動はこの世代が支えており、日本では3DSソフト平均のおよそ2倍の約3割、米欧では約5割に達するとした。

 この「スマブラ for 3DS」で3DSに注目を集めることができたことが、「ポケットモンスター ルビー・サファイア」を思い出すことに寄与し、予約につながっていると分析している。さらに「この世代の潜在需要を開拓することが、この年末商戦では重要になってくる」とした。

・ダブルミリオンソフトが4連発?

 2014年前半は国内市場でミリオンを超えるような有力タイトルを発売することができなかったため、3DS本体の販売ペースが鈍化したが、7月にレベルファイブが発売した「妖怪ウォッチ2 元祖/本家」はセルスルーで約280万本(DL版含む)となり、「スマブラ for 3DS」は現時点で188万本と、間もなく200万本(ダブルミリオン)突破が確実な勢いとなっている。また、10月に発売されたカプコンの「モンスターハンター4G」は発売3週間で200万本を突破(DL版含む)している。

 そこに11月には「ポケットモンスター ルビー・サファイア」が加わる。これにより、今年の後半で、「5カ月の間にダブルミリオンタイトルが4本ということが起こる可能性も十分期待できる」という。これは、それぞれのソフトが異なる世代を主軸として販売できていることもその理由とした。

 4カ月で3本のダブルミリオンも初めての出来事で、5カ月で4本のダブルミリオンを達成すれば、日本のゲーム市場の歴史上初めてのこととなる。

 岩田氏は、「この事実は、ゲーム専用機ビジネスのポテンシャルが未だに非常に大きいことの証明でもあり、また、売れているのは任天堂の自社ソフトだけでなく、サードパーティーのソフトメーカーさんのタイトルも大きな結果を出されています」とし、世界のゲーム市場全般に、売れるソフトと売れないソフトの二極分化が進んでいることを認めながらも、「ゲーム専用機のソフトの市場でも、これだけ売れているソフトが連続して登場しているということは、是非ご理解いただきたい」と説明した。

・「Newニンテンドー3DS / Newニンテンドー3DS LL」は発売3週で40万台越え

 10月11日に日本で先行発売した「Newニンテンドー3DS / Newニンテンドー3DS LL」に関しては、両機種合計で初週のセルスルーは23.4万台となった。とくに「Newニンテンドー3DS LL」は広く品切れとなり、「供給の不足でご迷惑をおかけしました」と謝罪した。

 提示されたグラフによれば、その後も発売3週目までで40万台を超える勢いを維持しているとしているが、これは2機種をあわせた数字であるため、過去の「ニンテンドー3DS LL」や「ニンテンドーDSi」および「DSi LL」と同じ視点で見るのは注意が必要だ。

 ダブルミリオン級のソフトの連続発売に加え、この「Newニンテンドー3DS」が加わることで、今年の日本の年末商戦では、ニンテンドー3DSが大きな存在感を示せることへの期待を語っている。

・海外市場は3DSの普及段階も、市場特性も違う

 一方、海外市場に関しては、「海外市場は、日本市場とはニンテンドー3DSの普及の段階も、市場特性も異なります」とした。

 国内市場での3DSはゲームボーイアドバンスの累計出荷台数とほぼ同じ1,700万台に近づいており、「市場が踊り場を迎える台数に到達」しているが、海外での累計普及台数は、アメリカ、ヨーロッパとも、日本の普及台数を下回っているため、「普及の段階が違う」という。

 また、市場特性の違いに関しては、日本は情報の伝達が速く、ハードやソフトが一気に売れるが、アメリカやヨーロッパは、評価されたソフトは長期にわたってじっくりと売れていくという。「ポケットモンスター X・Y」はアメリカとカナダの合計でも普及台数が約15%ほど少ないにも関わらず、ソフト販売数が6月に日本を追い抜き、その後も差を広げており、海外で初の販売となった「Tomodachi Life(トモダチコレクション 新生活)」も、欧州では昨年発売された「どうぶつの森」以上に今年の夏商戦で粘っていることを披露。「年末にかけて販売が伸びることが十分期待できる状況」としている。

Wii U関連

 Wii Uのハード・ソフトのセルスルーは、5月に発売された「マリオカート8」の発売以降、世界各地で昨年実績に対して大きく上回るペースで推移しているという。年末商戦は、「マリオカート8」に加え、「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」も加わり、この2本で戦うことになる。

・「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」

 先日公開された「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii Uがスゴい50の理由」により、3DS版、Wii U版それぞれに最適化した遊びをたくさん盛り込んでいることを披露でき、Wii U版の予約も急伸しているという。

 また、「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」と同日に「amiibo」も発売される。店頭に常に任天堂キャラクターの存在感を維持することだけでなく、「スマブラ」のプレーヤーキャラクターは、年明けにも順次展開していくことで、ゲームソフトに関する話題が定期的に生まれ、稼働を維持するためのきっかけにしたいと考えているという。「amiibo」の3DS対応も積極的に推進。従来の3DS向けのNFCリーダーライターは来年発売されるという。

デジタルビジネスへの取り組み

 Wii UでJR東日本のSuicaをはじめとする交通系電子マネーによる決済がスタートしたが、500円以下での支払いでの利用率が高いという。Newニンテンドー3DSでも、Suica決済が実現できるように検討中だが、実現すれば500円以下のデジタルコンテンツが充実していることもあり、「新たな可能性が開けるのではないか」と期待を述べている。

 また、ダウンロードカードの販売も、コンビニではセブン-イレブンに続いてローソンでも取り扱いを開始。Amazonでもダウンロード番号の販売を開始したことにより、3DS版「スマブラ」のダウンロード版は、これまで発売したどのソフトよりも流通経由で販売された割合が高くなったことを披露した。

 さらに、楽天ブックス、ヨドバシ.comでサービスをスタートした、オンラインショップでの購入時にニンテンドーネットワークID(NNID)とパスワードを入力することで、ダウンロード番号をWii Uやニンテンドー3DSのeショップに入力することなく、「いつの間に通信」を介して、ソフトが自動でダウンロードされる機能も、Amazonなどでも導入予定としており、利便性の向上が図られている。

 海外では、10月よりnintendo.comでのデジタル直販をスタート。自動配信の仕組みに対応しており、PCやスマートデバイスからでも、NNIDとパスワードを入力することで、ダウンロード番号をゲーム機のニンテンドーeショップに打ち込むことなく、購入した後、いつの間に通信を用いて、ソフトが自動的にダウンロードされる。

・「あらかじめダウンロード」を「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」からスタート

 「大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii U」では、「あらかじめダウンロード」を導入する。

 これは、発売日よりも前にソフトを購入すると、あらかじめソフトの大部分を事前にダウンロードできる仕組み。これにより、発売日には必要最小限の更新データをダウンロードするだけで、ゲームを始められる。

 これは、オンラインショップでの購入時の自動配信と、店頭販売中のダウンロードカードにおいても、事前にダウンロード番号をニンテンドーeショップに入力することで利用できるようになる。あらかじめダウンロード番号を入力しておくことで、発売日までダウンロードカードを保管する必要もなくなるという。

 この仕組みは、来年ニンテンドー3DS向けにも導入予定となっている。

QOL向上プラットフォームとは?

 最後に、1月の経営方針説明会にて明らかにされた、「人々のQOL(Quality of Life)を楽しく向上させるもの」の具体像が語られている。

 QOL事業で最初に主軸として扱う健康に関わるテーマは、「睡眠と疲労の見える化」であることが表明された。これまで計測に必要だった5つのことを不要にして、睡眠状態・疲労状態を自動計測するというコンセプトになる。それは以下の5つだ。

・Non-Wearable(何かを身につける必要がない)
・Non-Contact(身体に触れる必要がない)
・Non-Operating(操作の必要がない)
・Non-Waiting(測定を待つ必要がない)
・Non-Installation Efforts(設置の手間が不要)

 睡眠状態を自動計測するデバイスとして、QOLセンサーというものを用意。このQOLセンサーをベッドサイド、あるいは、布団の横に置くことでマイクロ波の非接触センサーにより電波を使って、身体の動き、呼吸、心拍などを、身体に触れることなく計測し、インターネット上のQOLクラウドサーバーに送り、データを分析して、睡眠状態と疲労状態を見える化するという仕組みで実現される。

 この仕組みを実現するため、アメリカに本社を置く「ResMed」と業務提携を行ない、非接触センサー計測技術、ならびに睡眠状態の推定技術が技術供与された。

 個別の睡眠状態・疲労状態から、QOL改善のための個別のサービス、具体的にはいろいろな行動のおすすめが提供され、ユーザーがそのおすすめに基づいてQOLを改善するような行動することにより、その結果が継続的にデータ収集されていく、という流れになる。

 このQOL向上プラットフォームでは、任天堂のプラットフォームの定義を拡大し、その状態の確認や個別サービスの提供に、今広く普及しているスマートデバイスを活用したり、ビデオゲーム専用機を活用したQOL改善活動も考えられる。

(佐伯憲司)