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【E3 2014】製品化待ったなしのVRゲームをチェック! Oculus VRブースレポート

AAAタイトルも対応に名乗り。既存ジャンルもVR対応で可能性が広がる?

6月10日〜6月12日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center

行列に耐えた先のブース内。4種類のゲームがデモされていた

 Oculus VRが開発するVRヘッドセット「Oculus RIFT」は、昨年3月のGDC 2013にて初めて公の場に姿を表した。それから1年あまりの間、筆者は様々な実験的ゲームデモを体験してきたが、今回のE3で披露された各デモはちょっと毛色が違った。VRの活用の仕方、ゲーム中身の本格度、ともに洗練されてきていて、もはや製品化待ったなしという雰囲気なのである。

 当のVRヘッドセット本体は、製品化前の最後の開発キットとなる“Developer Kit 2(DK2)”の出荷が目前。Oculus VRの創立者Palmer Luckey氏によれば製品版の仕様もほぼ固まっている。となればゲームソフトのほうも、DK2の先行供与を受けているパートナー企業なら特に、実験ではなく製品開発の段階に入っていて当然だろう。

 というわけで今回、E3 2014で体験することのできたOculus RIFT対応ゲームのデモは、VRヘッドセットの製品版が私達ユーザーの手に届く時、実際に得られるものをかなり正確に反映していると考えられるものばかり。というわけで、E3 2014の会場でトップレベルの人気を博していたOculus VRブースの模様をレポートしよう。

ブース内にはこれまで制作されてきた試作版のヘッドセットも展示されていた。本当にたくさんのバージョンがあり、念入りな試行錯誤が行なわれてきたことがわかる

「Oculus RIFT」製品版を見据えた、洗練のVRゲーム作品をチェック!

 Oculus VRのブースでは、限りなく製品版に近い開発キットであるDK2を使用し、4種類のゲームデモがプレイアブル展示されていた。その周囲には試遊のため並ぶ人たちの列が途切れることなく続いており、行列に加わって1時間待ちならラッキーという状態が3日間ぶっ通しで続いていたのがなんとも凄い。筆者もなんとか入り込んで、それぞれ趣向の異なる各ゲームをチェックした。

【Alien Isolation】

レーダーを頼りに不気味な船内を進む

 4種のゲームの中でも特に興味深い1本だ。SEGA of Americaが10月7日の発売を予定している本作は、PC版にてOculus RIFTをサポート。元々がAAA級の作品あるだけに、映像やサウンド等のクオリティは折り紙つき。

 エイリアンがどこに潜んでいるともわからない船内を、手元のレーダーとフラッシュライトを頼りに進んでいく。その実在感は、立体感のない2Dモニターでプレイする際とは比較にならないレベル。DK2の高詳細な画面、ラグを感じさせないヘッドトラッキングの反応が相まって、非常に高い没入感だ。薄暗い船内環境が不気味すぎる。

 やがてレーダーからからピコンピコンと警告音が鳴る。その画面を視界の正面に入れ、次いで、頭を動かして周りを確認する。何も居ないように見える……とにかく隠れる場所を探して先に進もうと正面を向いた直後、ブスリと嫌な音。

 天井の死角から接近を許してしまったのだ。下を向くと、自分の腹からエイリアンの鋭い鉤爪が突き出ている。完全に没入している状況でこれは、心臓に悪い! AAAタイトルならではの、隙のない映像と演出による効果が、「Oculus RIFT」によってさらに倍増。ホラー系に弱い方には本当にオススメできないレベル。ホラー好きな方なら……是非ともVR環境でトライを!

ヘッドトラッキングにより独立して視野が動かせるので、手元のレーダーに目をやり、周囲を見渡すといった動きが自然にできる。不気味な雰囲気に押しつぶされそうだ

【EVE Valkyrie】

「Oculus RIFT」のあるところ、もはや定番デモと化した本作品だが、かなり作りこみが進んでいた
コックピットのフレームやガラスの質感表現が強化され、自分の姿勢を把握しやすい

 SCEの「Project Morpheus」向けの供給も決まり、VRデモの定番と化したCCP GamesのEVEユニバース・スピンオフ作品。以前見たものとゲーム内容は同一だが、グラフィックスが大幅に洗練されていた。

 まずコックピットの内装が大幅に強化され、広々とした感じに。上方向を見ると、宇宙空間との間を隔てる周囲のガラスに、微小粒子がぶつかって付いたような微細なキズがたくさんついていることがわかる。これが地味ながら大切な効果を発揮していた。上方の敵機を視界に捉え、自分の体やコックピット外縁のフレームが視界に入らない状況でも、自分がどこを向いているのか把握しやすいのだ。VR環境ならでは起こりうる、空間失調の原因を徹底的に取り除いているという印象だ。

 空間に浮かぶ宇宙戦艦(もちろん「EVE ONLINE」で登場するもの)や、漂うアステロイド、遠景の惑星などの環境要素も極めて精緻に作られており、“宇宙ヤバイ”感がバリバリ。本作は「Oculus RIFT」に合わせたリリースが予定されており、製品版を手に入れたら真っ先に遊ぶゲームの1本になることは間違いない。

本作はCCP Gamesのブースでも試すことができた
コックピットをレンズ越しに覗く。立体的にゴッチャリした作りになっており、機体の大きさを把握しやすくなった

【Lucky’s Tale】

一見してオーソドックスな3Dプラットフォーマーだが……
周りを見渡すことで視界が広がる

 本作は一見、極めてオーソドックスな3人称視点のプラットフォームアクションで、何もVRで遊ばなくても良さそう……というのが第一印象。ところがよくよく見てみると、随所にヘッドトラッキング機能を使った遊びが隠されているのだ。

 プレーヤーは、カメラ方向を頭の向きで調整できる。ステージがとても立体的な作りになっていて、ぐぐっと見上げると、これから挑戦する長大なルートを一望。場所によってはデフォルトのカメラアングルでは周囲の状況が掴みにくくなっているシーンもあるのだが、これはわざとそうなっているようだ。プレーヤーは随時、頭を動かしカメラ方向をオフセットしながら、狭い足場や前方に待つ罠などを早めに把握して回避していく。とある場所では、中空に浮いたマトを壊すため、顔を上げて狙いをつける、といったインタラクションもある。

 キャラはあくまで3人称視点で間接的に操作している感触なのだが、そこにヘッドトラッキングによる1人称的なカメラ制御の要素が加わることで、異様ながら興味深い遊びが成立している。3人称アクションのゲーム構造に新解釈をもたらす作品になるかも?

前方に配置された罠を、頭を上げてしっかり見据えながら攻略
的当てゲーム的なシーンでは、ヘッドトラッキングでしっかり狙いをつける

【SUPER HOT】

リーンして曲がり角の向こうを見る

 本作は、DK2から搭載されたポジショントラッキングの機能を、ゲームメカニクスの根幹に据えたFPSだ。移動は普通のFPSらしくスティックで行なうのだが、ポジショントラッキングを使って“体を傾ける”、“頭をかがめる”といったアクションが可能。

 これに「Max Payne」的なバレットタイム要素を組み合わせて、敵の銃弾を華麗に交わしつつ危険地帯を進んでいくというゲームである。具体的には、立ち止まると時間の進みが遅くなるという仕組み。敵を視界に捉えつつ、発砲モーションが見えたらバレットタイム発動。弾丸の軌跡を見切りつつ、ボクサーのスウェーイング様にかわしていく。スーパーホットだぜ!

 弾丸にあわてて移動すると時間の進みが速くなり却ってモロに食らってしまうため、チャレンジしていた人のほとんどがゲームオーバーになっていたが、落ち着いてコツを掴めば映画「Matrix」のネオ的な気分をバリバリに味わえそう。今回用意されていた4つのゲームデモの中では最も実験的な作品だったが、作り込みが進めばかなり面白い存在になりそうだ。

動かないでいるとバレットタイムが発動。自分だけがクロックアップした世界で、敵弾を見切り、自分自身の体の動きで交わす

(佐藤カフジ)