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【特別企画】「TESO」をプレイせずにMMORPGを語るなかれ!

朝昼晩、どの時間でも戦える、メガサーバーが実現した終わりなき戦い

朝昼晩、どの時間でも戦える、メガサーバーが実現した終わりなき戦い

砦を攻略。今回、様々な時間で終わらない戦いを繰り広げているのが確認できた
「破城槌」を体験。使用するにはこの場所に止まらなくてはいけない
時には敵の集団に飲み込まれてしまうことも

 以前、「ロード・オブ・ザ・リングス オンライン(「LOTRO」)」をプレイしている時は、0時が楽しみだった。それまではパーティプレイをしてしていて、0時くらいにプレーヤーが集まり、戦争するというのが慣習になっていた。入る時間を決めていたのは「その時間でなければ人が集まらなかった」からだ。プレーヤーが少ないサーバーだったからこその状況だった。戦争はとても楽しいが、プレーヤーが集まらなければお話にならない。メガサーバーである「TESO」ならば“いつでも参加できる戦争”が実現できているのではないか?

 「LOTRO」と「TESO」の戦争要素を少しだけ書き出しておきたい。「LOTRO」はプレーヤーキャラクターとは別に戦争専用キャラクターとして、モンスターキャラクターの作成が可能で、光と闇の戦いが楽しめた。城の防衛として煮えたぎる油を落とせたり、モンスター側は強力な「トロル」に一定時間変身できたりする。

 「TESO」は3つの勢力がタムリエル大陸の中央地域「シロディール」を奪いあう。シロディールにはいくつもの砦がある広大な地域で、日夜勢力図が書き換えられている。バリスタやカタパルト、破城槌などの“攻城兵器”を扱えるのが大きな特徴だ。

 今回、このシロディールの戦いに、4時、9時、14時、17時、20時、22時にログインし、1~2時間ほど参加してみた。結果として、いつの時間でも戦いが行なわれていることを確認できた。どこの国から接続しているかはわからないものの、戦闘は常に行なわれているのだ。多い時で50近く、少なくても20人前後で戦場を移動し、戦いをくり広げることができた。

 面白いのは、勢力図がかなり劇的に変わるところだ。「TESO」ではいくつかの「キャンペーン」という形で戦いを行なわれており、各キャンペーンは戦況が全く異なっている。筆者が参加しているキャンペーンは赤の「Ebonheart Pact」が強く、筆者が所属している青の「Daggerfall Covenant」は結構追い詰められ気味である。しかし繋ぐ時間でかなり盛り返している時もあった。時間によってかなり勢力に差が出ているようだ。

 時間による勢いは、比較すると楽しい。赤が手薄の時は我々青の勢力ががっと食い込んでいったりするし、赤の大勢力に撤退を余儀なくされることもあった。少人数で構成されていた黄色の「Aldmeri Dominion」に所属するパーティを数で押しつぶしたこともあったが、大人数で移動している時群れからはぐれた我々をゲリラのように狩る黄色軍がいたり、参加する度に様々な戦闘が発生した。

 「TESO」の戦争は、カジュアルで個人の技量があまり問われない。戦いを決めるのは数と勢いなのだ。自軍がどこで戦っているかは、戦場を訪れ、戦闘中のアイコンに向かって進んでいけばいい。集団に会えれば「LFG」というだけでパーティに入れてもらえる。戦闘の基本は目標に向かって移動し、施設を制圧していく“攻め”のプレイであり、孤立しないように戦っていけばそこそこの活躍ができる。

 今回楽しかったのは「破城槌」が使えたこと。6人のプレーヤーが周囲にいると機能し、ガツンガツンと丸太を扉に叩きつける。扉がひしゃげていくところなどは興奮させられる。ただその位置を維持しなくてはならないため、敵が範囲攻撃をしてくる“オイル”の攻撃にはめっぽう弱い。少人数で侵攻し、破城槌を準備したまでは良かったのだが、オイルで継続ダメージをくらい、慌てて逃げ出した。この時は敵の方が人数が多く、筆者は高台からカタパルトに切り替えて攻撃を加え数人を倒したものの、猛反撃を食らってしまった。

 戦争にはレベル10から参加できるのも人口を確保している理由だと思う。「LOTRO」ではモンスターとしては低レベルでも参加できるが、プレーヤーキャラクターとしてはレベルキャップに達しなければ参戦できないという所もハードルだったのではないかと思う。現在は戦力の分散などが把握できない部分もあるので、もっと戦いに参加しやすいシステムを希望したいところだ。

 現在は、数と数がぶつかるというのはあまりなく、どの軍も基本は小規模の施設を次々と奪っていき、偶発的にぶつかるというのが多かった。一方、砦の場合は攻略に時間がかかるため時には直接対決になるが、この時は数が多い方が少ない方を蹴散らす展開になる。防戦一方、逃げ惑うだけ、というような萎える戦いはなく、少ない場合は割り切って遊撃隊として楽しむということができる。みんなと馬に乗り、広大な地域を移動していくのは格別だ。

 「TESO」はプレーヤーの勢いがあり、何よりも「The Elder Scrolls」シリーズのファンの期待に応える楽しさと、ボリュームを実現している。日本語化されていないためハードルが高い部分があるが、プレイして欲しい作品である。「最近面白いオンラインゲームがないなあ」という方は、本作に触れることで、改めて自分がMMORPGに何を求めているか確認できると思う。

【「LOTRO」の戦争】
モンスター側のキャラクターを作り、レベル50のプレーヤーと戦争ができた

【スクリーンショット】
戦況は刻々と変わる。参加する戦況で様々なシチュエーションが体験できる
様々な時間で戦いが行なわれている。気軽に参加でき、エキサイティングな体験ができる
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(勝田哲也)