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【スマホアプリ今日の1本】小作品ながら繰り返し楽しめるiOS「Paper Jumper」

賑やかさに欠けるのが課題だが、カオス系デベロッパーYeaBoingの今後に期待

配信中

価格:200円

飛んで、上に行く。それだけなのだが、空中に留まれたりして結構ハマる
バーナー装着でどんどん上へ

 YeaBoingが配信するiOS「Paper Jumper」(価格は200円)。小さな作品だがかわいらしい魅力があったので、今回ご紹介したい。

 「Paper Jumper」は黄色と緑のコントラストで表わされた主人公を操ってひたすらジャンプして上を目指していくアクションゲーム。紙のような物質で構成されており、主人公や足場、ポイントを取得できるスイカや行く手を阻むモンスターも紙の質感で表現されている。

 主人公は左右に自動で移動し、障害物にぶつかると反転を繰り返す。操作はジャンプができるタップのみで、画面を押し続ければ失速するまで飛び続け、落ちる最中に再度タップすればその高さで留まり続けられる(「ヨッシーアイランド」で言うところの「ふんばり」強化バージョンのような感じ)。また画面の左右は繋がっていて、左に切れれば右から、右に切れれば左から主人公が登場する。

 ゲームはこのジャンプを駆使して、足場から足場へ渡っていくというもの。ある程度上ると下の方の足場は消えてしまうので、一瞬のミスが命取りとなる。ステージ中には踏むとなくなる足場、ぶつかるとなくなる氷ブロック、ジャンプ台、お互いにワープする一対のオブジェ、取得すると一定時間上昇し続けられるバーナーなどのギミックが用意されているが、足場はかなり飛び飛びに設置されているので、ジャンプのクセと「ふんばり」を駆使ししないとなかなか上へは進めない。

 単純そうに見えて操作にかなりクセがあるため、何度もゲームオーバーになること請け合い。繰り返し挑戦したくなり、これがなかなか楽しませてくれる。

 ただ惜しむらくは、背景が真っ暗であるところ。そのため画面が賑やかさに欠けてしまっているのが痛い。同じ「紙」をテーマにしたゲームにPlayStation Vita「Tearaway(テラウェイ) ~はがれた世界の大冒険~」があったが、あちらはふんだんに素材を放り込んで賑やかかつかわいらしい世界を演出していた。

 「Paper Jumper」は同テーマではあるものの、装飾が乏しいために画面が寂しく、どうしてもスケールの小さい印象になってしまう。この辺りを改変するだけで、まったく違うゲーム体験になるだろう。200円は高いかな、というのが正直なところだ。

 ところで開発元のYeaBoingだが、このホームページがすこぶるいい加減で面白い。ロゴや写真、テキストをごちゃ混ぜにしてひたすら並べるという、インターネット黎明期によく見かけたカオスかつ雑然とした仕上がりである。個人サイトの化石のような作りになっていて「リンク先間違えた?」と一瞬思うのだが、ちゃんとほかのゲームの紹介もある。

 なおこのサイトによれば、制作中として「DONKEY HORS」というゲームが挙げられている(紹介ビデオにはなぜかモデルの姉ちゃんが登場)。ゲームは、思うように動いてくれないロバをどれだけ長く歩かせられるかというおバカゲームなのだが、どのような仕上がりになるのだろうか。そんなカオス系制作チームの先行きに期待しておきたい。

【スクリーンショット】
お邪魔キャラの顔の作りもかわいくてセンスを感じるのだが、いかんせん画面が地味なのが残念
【「DONKEY HORS」紹介ムービー】
iTunesで購入

(安田俊亮)