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PS4「ストライダー飛竜」ミニインプレッション&開発者インタビュー!

スピーディかつ爽快感あふれる“今の時代”の「飛竜」

2月22日 発売予定(PS4、PS3)

2月26日 配信予定(Xbox 360版)

2014年発売予定(Xbox One版、WIN版)

価格:
2,000円(PS4 ダウンロード配信版)
3,990円(PS3 ディスク版)
3,990円(PS3 ダウンロード配信版)
2,000円(Xbox 360版)
未定(Xbox One版、WIN版)
CEROレーティング:B(12歳以上対象)

 カプコンは、プレイステーション 4/プレイステーション 3用ハイスピード探索アクション「ストライダー飛竜」を2月22日に発売する。価格はPS4版のダウンロード版は2,000円、PS3版のパッケージ版/ダウンロード版は3,990円。今回はミニインプレッションとプロデューサーのアンドリュー・サマンスキー氏のインタビューをお届けする。

 「ストライダー飛竜」は、1989年にアーケード、1999年に続編「ストライダー 飛竜2」がリリースされたアクションゲームのシリーズ最新作。続編としてではなく“再構築”をコンセプトにかかげたハイスピード探索アクションとして制作され、最新3D技術を駆使した2D横スクロールアクションとなっている。今回取り上げるのはPS4版だが、PS3版(2月22日発売)、Xbox 360版(2月26日発売予定)、Xbox ONE版(発売日未定)、Windows版(発売日未定)も順次リリースされる。

 今回ミニインプレッションをお届けするのはPS4版。ゲーム内容はPS3版と同じだが、後述のインタビューにもあるとおり秒間60フレーム、解像度が1080p、さらにはヒットエフェクトや映り込みの表現などが派手かつ豪華といった違いがある。

 操作系は左スティックが「飛竜」の移動、十字ボタンがプラズマ選択、右スティックがクナイの狙いつけ、L1がオプションセット、R1がプラズマカタパルト、L2が壁から手を離す、R2がクナイ(○でも可)。右側ボタンは□がサイファー、×がジャンプ、△が特殊攻撃にそれぞれ対応する。このうち、ゲーム序盤で使うのは□のサイファーと×のジャンプが大半で、以降も特定の状況下をのぞけばほぼ左スティックとボタンで済むという、初代アーケードライクなシンプルさが印象的だ。

 ゲームの難易度はB級(EASY)、A級(NORMAL)、特A級(HARD)の3段階から選択が可能。今回は初プレイにつきA級を選択。従来シリーズはステージクリア型だったが、本作は2Dの広いマップを上下左右に探索していく“ハイスピード探索アクション”。途中チェックポイントが設定されており、体力ゲージがゼロになった場合は最終チェックポイントからリスタートすることになる。

 ゲーム開始直後にできるアクションは、サイファー攻撃やジャンプやスライディング、壁や天井へのつかまりといった「飛竜」従来シリーズのアクションはすべてゲーム開始直後から使用できる。事前に私物のメガドライブ版「ストライダー飛竜」をプレイし、当時のアーケード版をふりかえってみると、PS4版はゲームのテンポ、操作性ともに格段にスピーディかつ爽快感あふれるものに進化。状況に応じて変わるカメラアングルなど「もはや別物」といった感はあるが、全体の雰囲気やグラフィックス、サイファーの軌跡や手ごたえなどはまぎれもなく「ストライダー飛竜」のテイストが感じられる。オリジナルの操作性や画面レイアウト、テンポに固執する人をのぞけば、本作が掲げるコンセプト“再構築”は大正解といっていい。

ジャンル名は“ハイスピード探索アクション”。従来シリーズのステージクリア型から一変、広いステージをあちこち探索しながら先に進んでいく。ゲームのテンポ、爽快感は従来の「飛竜」イメージを超えるもの。操作性もスムーズで気持ちよくプレイできる

 “探索”というだけあって、全体マップは相当な広さを誇る。ザコとの戦いは、攻撃サイクルの見切りがポイント。場所によっては回避しづらいところも多々あり、そういう状況はダメージを最小限に一気に畳み掛ける殲滅スタイルが基本。あちこちに体力回復アイテムがあり、さらには敵を倒したヒットメーター量に応じて回復アイテムが手に入るため、難所はパワープレイ上等といった雰囲気もある。ただし、要所で出現するボス戦は、それぞれ相手の弱手を把握していく必要がある。

 道中のボスを倒すと、たいていの場合「アサルトファング」などの新アクションが手に入る。これらの要素は「飛竜」の攻撃アクションを増やすだけでなく、障害物が破壊できるなど探索領域を少しずつ広げていってくれる。また、後述のインタビューでも触れられているが、ステージ中に落ちているアイテム「POW」を拾うと隠し要素がひとつずつアンロックされていく。やり込み派は見逃さないよう広いマップの細部まで探索するといいだろう。

スライディングで障害物を破壊し狭い通路を通れる「アサルトファング」
破壊可能な床を貫く「ダウンストライク」。着地の際は強烈な衝撃波が発生

 ゲームの目的は、最終ボスの冥王を倒すこと。アクションゲームが得意な人なら、半日ぶっ通しでやりこめばだいたいクリアできるはず。ただし、本作は1度クリアしたら終わりといったものではなく、前述の隠しアイテムによる収集要素、さらにはオンラインランキングで世界中のライバルとクリアタイムを競うなど、やり込み要素が充実している。

 未踏エリアを探索していくワクワク感と、先に進むごとに熾烈を極める敵の攻撃。1度プレイし始めたら止めどきが見つからない一方、ボス戦でやられると少し前のチェックポイントまで戻される「えーっ、またここからかよ!」という懐かしい(?)感覚が味わえるなど、アクションゲーマーなら絶対に見逃せない1作。「飛竜」シリーズのファンもそうでない人も、この機会にぜひぜひ挑戦していただきたい。

発売記念! プロデューサーのアンドリュー・サマンスキー氏にインタビュー!

アンドリュー・サマンスキー氏

――なぜ「ストライダー飛竜」をリメイクしようとお考えになられたのでしょうか?

アンドリュー氏“飛竜”というキャラクターは、初代が1989年、続編が1999年。初代と続編のあいだに10年、続編から今回で15年。時間的なギャップという意味でも、そろそろ(作っても)いいかなと。単体作品だけでなく「バーサス」シリーズにも出演しており、キャラクターとしての人気も高い。僕自身も「飛竜」が大好きで、カプコンの過去の作品を活かしながら、今の時代にあった横スクロールアクションができるんじゃないかと思いました。

 “ハイスピード探索アクション”としてのバトルアクション、新要素として探索型ステージ構成、こういう形であれば、今の時代にあった「飛竜」が作れるんじゃないかと自分のなかで整理できたんですよね。今年3月で25周年ということもあり、ちょうどいいんじゃないかなと。久々の主演作品を出すことになりました。

――最初に企画された際、周囲に「『飛竜』の新作を作りたい」と話をするわけじゃないですか。その際の反応はいかがでしたか?

アンドリュー氏最初は「なぜ今『飛竜』をやるの」という反応もありました。最初は漠然と「横スクロールアクションの新作をやりたい」と。今の時代にも横スクロールアクションがあってもいいんじゃないか。海外のインディーズ系ディベロッパーも、横スクロールという文法でゲーム表現を結構やってるじゃないですか。カプコンは過去にたくさんの名作を輩出しており、今の時代に(カプコンの)横スクロールがあってもいいんじゃないかなと。

 元々「飛竜」はアーケード作品で、クリアに要する時間はだいたい30分くらい。それを今の時代にあったコンソール向けとすると、同じようなものを作るわけにはいかない。面クリア型でプレイ時間が長いのも難しい。そこで「飛竜」と探索型を融合させたら、面白い化学反応が起こるんじゃないかと思いました。探索型アクションゲームは、ゆっくりとしたペースのものが多い。そこに「飛竜」のハイスピードアクションを足したら、今までにないものができるんじゃないか。それを周囲にプレゼンしていったら「今の時代の『飛竜』は、それならいけるね」と(納得してもらえた)。そこから開発がスタートしました。

――では、まず最初に「横スクロールアクションを作りたかった」という欲求があったわけですね?

アンドリュー氏横スクロールというのは、ぼくにとってはジャンルでなく“ひとつの表現方法”だと思っています。懐かしさもありながら、古臭さを感じさせない横スクロールアクション、今にふさわしい「飛竜」をぜひやりたいと、ずっとそのコンセプトでやってきました。

――社内的に「今、横スクロールアクションを作るの? 3Dでバリバリ動くやつにしようよ」みたいな意見はありませんでしたか?

アンドリュー氏もちろんそういう話もありましたが、基本コンセプトとして「横スクロールアクションを今の技術でやりましょう」というのがあった。王道といえば王道なんですけど、それを極めるのもひとつ大切なこと。また、横スクロールアクションではなくなった場合、それは「飛竜」といえるのか。15年ぶりに登場するのに、そこまで変えていいのか。今回は、従来作品をリスペクトしつつ、同じくらい新しいものを入れて再構築している。それをまずみなさんにお届けしたいんですよね。せっかく15年ぶりの新作ですから……。

――仮に原型がなくても、新規の方々は先入観なしにプレイできますが、かつてのファンが「俺の『飛竜』と違う!」では悲しいですからね。

アンドリュー氏「こういうの、あったな!」というのも、懐かしみつつも“単なる使い回し”ではないようにしています。たとえば東風三姉妹などの過去作に登場したキャラクターも、デザインを新たに起こしなおしている。もちろん完全新規のボスもたくさんいます。

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(豊臣和孝)