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「GT之父」山内一典氏が紹介する「グランツーリスモ6」の魅力
シリーズ最長の新コースなど、今後のアップデート要素を紹介
(2014/1/26 00:51)
Taipei Game Show2014のSCETブースで行なわれたプレイステーション 3用オンラインカーライフシミュレーター「グランツーリスモ6」イベントでは、プロデューサーでポリフォニー・デジタルの代表取締役プレジデントである山内一典氏が登場し、台湾のファンに向かって最新情報を紹介した。
山内氏は「私は世界の様々な国のイベントに参加していますが、台湾のユーザーさんの熱さは世界で一番すごい。ここで皆さんの熱気に触れ、感動しています。今日はよろしくお願いします」と挨拶すると大きな歓声が上がった。山内氏の言葉どおり、会場の山内氏への歓迎は熱狂的で、非常に盛り上がったイベントとなった。
世界で一番熱い歓迎! ユーザーとのコミュニケーションが開発のエネルギー
PS3「グランツーリスモ6」はシリーズ15周年にあたる作品。スポーツカー、レーシングカー、ラリーカー、歴史的な名車など多彩な車種を1,200種以上収録しており、世界の名サーキット、景観の美しい市街地コース、オリジナルコースなど37ロケーション、100レイアウトを実現。コースはさらに天候、時間で様々な表情を見せてくれる。非常にボリュームのあるドライブゲームとなっている。
プレーヤーは初期の車を購入し、様々なレースに出場しながら賞金を稼ぎクルマを増やし、より上位のレースを目指していく。カスタマイズパーツは数千種類、自由なカスタマイズが可能だ。オンラインで世界中のプレーヤーと対戦可能。1月14日にもアップデートが行なわれ、トヨタのスポーツデザインコンセプトカー「TOYOTA FT-1」やBMW M4クーペが入手できるようになった。
山内氏は「『グランツーリスモ6』は“未来のクルマ”にも力を入れていると語った。未来のクルマへ向けたプロジェクトは「ビジョングランツーリスモ」という名前で、世界の様々な自動車メーカーと共同で「グランツーリスモ6」のために未来のクルマをデザインしていくものだ。
例えば「グランツーリスモ6」開発チームの呼びかけにメルセデス・ベンツは「メルセデス・ベンツAMG」を作り上げた。メルセデス・ベンツの世界中にいる200名以上のデザイナーのコンペによって、呼びかけから1カ月でデザイン画を提示したという。「メルセデス・ベンツAMG」はゲーム内だけのクルマの予定だったが、発表と同時に話題を集め、15台限定で実際に製作・販売が行なわれるようになった。もちろんメルセデス・ベンツだけでなく、世界の様々な自動車メーカーの作品が今後登場予定である。
山内氏は「グランツーリスモ6」の開発にあたり、前作「グランツーリスモ5」もPS3での作品だったため、差別化に最も苦労したという。基本に立ち返り、自動車の物理エンジン、クルマを取り巻く環境のシミュレーションといった部分に力を入れた。それと共に初めて「グランツーリスモ」シリーズに触るユーザーを意識して遊びやすいゲームにすることを心がけたとのことだ。
イベントではさらにオンラインで行なわれるアップデート要素も紹介された。最初にムービーで紹介されたのが、近日追加予定の「グランツーリスモ レッドブル X2014 スタンダード」と、「グランツーリスモ レッドブル X2014 ファンカー」である。
この2つのクルマの違いは“ダウンフォースの発生のさせ方”にあるという。「スタンダード」はF1など実在のクルマと同じように、エアロダイナミクス(空気力学)によってダウンフォースを発生させる。対する「ファンカー」は車体下の空気を吸い上げることで車体を地面に近づけるという。
「スタンダード」は現在のF1マシン以上のスピードを実現しており、「ファンカー」はさらに上の性能を発揮する。この2台はダウンフォースの発生原理の違いにより、走行感覚も全く異なったものとなるという。その違いをぜひ感じて欲しいと山内氏は語った。
続いて公開されたのが新コース。現在開発中のためか、名前も公開されなかった。海の周囲を走るコースで、アップダウンが激しいが、海と山のコントラストが美しく、ドライブを楽しんでいるような気持にもなれそうなコースである。このコースはこれまでのシリーズで最長の1周27kmとなるという。
イベント後半は、山内氏が会場からの質問に直接答えた。司会者が「質問がある人は手を上げて!」と声を上げると、歓声を上げてステージ周囲の人達は大きな歓声を上げながら手を上げた。「グランツーリスモ7はいつになるか?」という質問に山内氏は「いまは6のアップデートに全力を挙げていますが、先も見据えており、いつか発表できるようになります」と答えた。「グランツーリスモには1,200以上のクルマが登場するが、山内さんはその中で何台の車を持っていますか?」という質問には、「5台」とのこと。会場からは「超うらやましい!」と声が上がった。
最後に山内氏は会場に向かって、「台湾に来るのを僕は凄く楽しみにしていました。作り手にとって、ユーザーさん達とのコミュニケーションは全部エネルギーになります。台湾では本当にいつもたくさんのエネルギーをもらっています。皆さんとお話しできたことは、次のアップデート、次の作品を作るエネルギーになりました。ありがとうございます」とメッセージを送った。