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【新春特別企画】ワールドカップイヤーに遊ぶサッカーゲームは!?

検証その2:演出やデータ面に見る、リアルサッカーの再現度

検証その2:演出やデータ面に見る、リアルサッカーの再現度

【FIFA 14】

GOOD!
・膨大な各国リーグを実名収録
・主要リーグは2部以下まで再現
・実際の試合結果によって選手の調子がリアルタイム変動

BAD!
・日本代表がない
・UEFA CL、AFC CL等の各種コンペティションが未収録
・選手名がすべてアルファベット表記

【ウイニングイレブン 2014】

GOOD!
・日本代表を収録し、全選手が固有フェイス
・Jリーグチームも存在
・CL等の各種コンペティションを再現

BAD!
・いくつかの重要リーグや所属選手が偽名

「FIFA 14」のリアル連動機能。毎週の試合パフォーマンスに応じてゲーム内のパラメータも変動する
マッチデイ週間ハイライト。毎週の名試合を「FIFA 14」で追体験!

 サッカー界の今を再現する、チームや選手の収録規模においては「FIFA 14」に軍配が上がる。これはFIFAオフィシャルプロダクトなのだから当然の話ではある。選手数は16,000名を超えるというから驚くが、収録される全選手が実際の試合で見せたパフォーマンスに応じて、ゲーム内でも調子が変動するというシステム“EASFC Match Day”が秀逸だ。ゲームをやれば、贔屓のチームのリアルでの状況までわかってしまうのである。

 また、イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ等の欧州主要リーグについては2部リーグ以下まで収録しているというのが「FIFA」の強み。特にイングランドリーグに関しては4部リーグまで収録という気合の入れようだ。各リーグの注目試合もゲームに取り入れられ、週1のチャレンジモードとして予習・追体験することもできる。しかし、Jリーグや日本代表チームの収録がいまだ実現していないのが最大の弱点だ。選手名もすべてアルファベット表記で、日頃、漢字やカタカナ表記に慣れている人には少々厳しい面があるのも確かである。

「FIFA 14」では世界各国の主要リーグの試合結果や、次節の注目試合までゲームに組み込まれている。ライブ感たっぷりにサッカーを楽しめるのが◎
さすがの「ウイイレ」、日本代表メンバーの再現度は最高レベル。本作をプレイすれば現状の戦力が一発で把握できる

 「ウイイレ2014」はさすがの国産タイトルだけあって、日本代表チームを完全収録。しかも全選手がそっくりな固有フェイスで雰囲気も上々だ。Jリーグは毎年頭のシーズン開始時期にリリースされる有料データパックで実装されるが、今回はAFC アジアチャンピオンズリーグ(ACL)をゲーム内に再現したことで、ACL出場チームのベガルタ仙台、浦和レッズ、サンフレッチェ広島、柏レイソルがゲームに当初から収録されているなど、日本のサッカーシーンをつぶさに体験できるのが「ウイイレ」の良さだ。

 ただし「ウイイレ」は欧州の主要リーグのいくつかについてフルライセンスを取得できておらず、偽名収録となっているのが残念なところ。特にセリエA(イタリア)、プレミアリーグ(イングランド)、スーペル・リーガ(ポルトガル)あたりが偽名リーグとなり、そこに収録された大半のクラブも偽名収録となっているのが痛い。

 その中で注力されているのが各種コンペティションの再現だ。上述のAFCのほか、UEFAチャンピオンズリーグ(CL)、南米のコパ・リベルタドーレス等、各地域の大会を演出面まで含めて完全再現。ちなみに、ユーザー製作のエディットチームデータを用いればチーム名も実名にできるので、一手間かかるものの、例えばCLの壮大な雰囲気をリアルに楽しみたい向きにとってはベストな選択肢。

「ウイイレ 2014」ではAFC アジアチャンピオンズリーグも収録され、主要なコンペティションを演出も含めて完全再現。晴れ舞台の雰囲気を味わえば、プレイにも力が入るというものだ

検証その3:1人遊びの幅、ゲームモードの充実度

【FIFA 14】

GOOD!
・「ULTIMATE TEAM」
・「キャリアモード」
・「スキルゲーム」
BAD!
・「キャリアモード」内の一部コンペティションが偽名

【ウイニングイレブン 2014】

GOOD!
・「マスターリーグ」
・「ビカムアレジェンド」
・各種トーナメント
BAD!
・現代のゲームとしてはややシンプルすぎる内容

「ULTIMATE TEAM」。選手カードをトレードしつつ集め、夢のチームを目指す
「キャリアモード」。実在チームを率いる監督または選手として10年以上のキャリアに挑む
「スキルゲーム」。サッカーテクを磨く30種類以上の遊びが収録

 ゲームモードの充実度について言うなら、「FIFA 14」は驚くばかりだ。オンラインを除く、ひとりで遊ぶモードに限っても、選手トレーディングカードを集めてチームを作る「ULTIMATE TEAM」、選手・監督いずれかのキャリアを重ねる「キャリアモード」は、それぞれ単体で1年遊びきれるほどの内容とボリュームがある。

 特に「キャリアモード」は本作ならではの膨大なリーグとチーム、選手の収録数にモノを言わせた構成で、各国リーグの正確な反映、現実同様のマッチスケジュールの再現、1日単位で進むカレンダー等、サッカーゲームの長期プレイモードとして究極の完成度に至った感がある。

 CL等の一部コンペティションの名称は偽名となっているが、その中身は予備予選からグループリーグまで現実同様に再現されており、リーグ戦とからめて中2日の3連戦といったフィジカル的にきつい状況をどう戦うか、あるいは出場機会に恵まれずふてくされたサブ選手をどう扱うか、といった幅広いマネジメントも楽しめるのがとても良い点だ。

 練習モード的な存在の「スキルゲーム」も秀逸で、パス、ドリブル、シュート、ディフェンス等あらゆるテーマに沿って大量のミニゲームが存在。プレイのデキによってスコアが集計され、フレンドと競える機能もあるため、ゲーム内のテクニックを磨きつつ、ついつい何度も遊んでしまう魅力がある。

「FIFA 14」の一人用モード「キャリアモード」は日程管理から選手のマネジメントまで極めて緻密な作り。長く楽しめる
なけなしのコインでどの選手カードをゲットするか。「FIFA ULTIMATE TEAM」の醍醐味だ
「ウイイレ 2014」では「ビカムアレジェンド」で憧れの選手になりきるのも乙な遊びかた

 「ウイイレ 2014」のほうはわりとシンプルな構成で、監督としてチームを率いる「マスターリーグ」と、選手として立身出世を目指す「ビカムアレジェンド」の2つが1人遊びのメインモード。1試合単位で進むスケジュール、架空のリーグ編成、収支に気をつけてさえいれば大過ないマネジメント要素など、わりと伝統的な内容に収まっている印象だ。UI構成も含めて全体的におおむね従来作の内容を踏襲してはいるが、今作からは代表チームを率いたり、招集を受けることも起きるようになった。おかげでこれらのモードにおけるキャリア形成の幅が広がっている点を良しとしたい。

 これらとは別に練習モードも搭載するが、こちらは「FIFA」の“スキルゲーム”とは異なり純粋に操作法を習得する目的のもので、ここに遊びの要素は少ない。一方で、UEFA CLを始めとする各種コンペティションをリアルな演出とともに楽しめるモードが充実しているので、お気に入りのチームを率いて優勝を目指す、なりきり系のプレイには軍配が上がる。友だちを招待してワイワイ楽しむにもピッタリだ。

(佐藤カフジ)