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PS3/Xbox 360/Wii U「バットマン:アーカム・ビギンズ」先行体験レポート

捜査ビジョンでは“時間の巻き戻し”も可能。ネオンきらめくシティにも注目

捜査ビジョンでは“時間の巻き戻し”も可能。ネオンきらめくシティにも注目

今作のゴッサムシティはネオンなどが明るく、街が活きている雰囲気がある
バットケイブも登場する。これまでのシリーズでなかった要素の補完にも期待したい
バットコンピューターで時間を巻き戻した映像を再現。

 「バットマン:アーカム・ビギンズ」は前作の2倍の大きさとなる「ゴッサム・シティ」を探索していくことになる。クエストはトラッカーに目的地を表示することができ、その場所に移動することで物語が展開していく。本作はクリスマスイブの一晩の物語だが、メインミッション以外にも、サイドミッション、イベントで起こる突発イベントも含めると、かなり長時間ゲームを楽しめるという。プレイの仕方によってはとても長いクリスマスイブとなるわけだ。

 前作「バットマン:アーカム・シティ」でもマップは広大だった。その分移動するのに時間がかかったが、今回はさらにその大きさが2倍になっている。そこで「バットウィング」を使ったファストトラベルが可能となっている。しかし最初はリドラーによって妨害電波がかけられており、この機能は凍結されている。バットマンは妨害電波を解除していくことでバットウィングによる移動ができるようになる。

 「アーカム」シリーズでは、格闘以外にも、街の探索、様々なセンサーやガジェットを駆使しての調査とトラップの解除、さらに多彩なアクションでのマップ攻略といったたくさんのゲーム要素がある。「バットマン:アーカム・ビギンズ」でもこれらを学んでいきながら進んでいける。

 前作までのプレーヤーならば序盤から様々な要素を組み合わせて進んでいく感触は、「そうそう、これが『アーカム』シリーズだよなあ」と楽しく感じるだろう。暗号シーケンサーによるトラップ解除や、リモート・バットラングによるスイッチの作動、筏のような足場に乗ってバットクローで引っ張りながら進むなど、これまでのゲームの知識がある人ならばすんなりと進める。一方で初心者にはちょっと難しく感じる部分があるかもしれないと感じた。

 印象が大きく違うと感じたのは、ゴッサムシティの描写だ。今作はこれまで以上にマップが明るく、建物ごとの違いがはっきりしている。大雪に加え、バットマンを付け狙う犯罪者とそれに対抗する警官が外にいるため、一般市民の姿はほとんど無いが、街のそこかしこにきらびやかなネオンが光っていて、街が活きている感じがある。これまでのシリーズは薄暗く荒廃していた場所ばかりだったので、これは大きく印象が異なる。この舞台の明るさと生きている都市の描写は今作で最も気に入っている部分だ。アーケード街や貨物船など、今いるところがどんな場所で、普段はどう使われているかなど前作以上にはっきりわかるところがいい。ゴッサムシティがこれからどんな顔を見せてくれるか、とても楽しみである。

 船に侵入する場面では、銃火器で武装した多くの敵を倒さなくてはならない。ここでは格闘ではなく、マップを縦横無尽に移動し、1人1人倒していくステルス戦闘が求められる。グラップリングで移動し、物陰に潜み、孤立した敵を倒していくバットマンならではの戦いが楽しめる。高いところから落下しながら敵を襲う「グライドキック」を多用するのが最も簡単だが、ここはバットマンらしさを求め、床下の溝に潜んでみたり、背後からこっそり近づいたり、敵をおとりにしてさらなる敵を呼び寄せるなど、様々な工夫をしたいところだ。

 バットスーツのセンサーを使って周囲から情報を読み取る「捜査ビジョン」ではバットコンピューターを使った“時間の巻き戻し”ができるようになった。焼け焦げた技師の遺体を見つけたバットマンは、情報を収集し時間を巻き戻した映像を再生することで、技師が扉を開けようとして仕掛けられた爆弾で吹っ飛ばされたことを知る。さらに技師が持っていたIDカードがどこに吹っ飛んだかまでがわかるのだ。“巻き戻し”を使った調査要素は、探偵ドラマ風でとても楽しい。

 今回序盤をプレイしてみたが、前作までのプレーヤーには望んだとおりのゲームになっていると感じた。前作をクリアして、まだ足りない、もっともっとバットマンとして冒険したい、と思っていた人にはぴったりの作品となっている。もちろん未経験の人も楽しめるし、歯ごたえのあるゲームをプレイしたいという人には特にオススメだ。バットマンになりきることができる作品であり、未経験の人もぜひ挑戦して欲しい。

 今回プレイできなかったが、「バットマン:アーカム・ビギンズ」はシリーズ初のマルチプレイを搭載している(Wii U版のみ非対応)。トレーラームービーではバットマン以外にもジョーカーやベインなどのキャラクターでプレイできそうだ。開発のSplash damageは「Brink」を手がけた会社でどのようなゲーム性を提示してくるか楽しみである。

【「バットマン:アーカム・ビギンズ」マルチプレイモード トレーラー】

【探索、ステルスなど多彩な要素】
捜査ビジョンで敵の位置を把握し、忍び寄る
街を飛び回り探索を進めていく。チャレンジがあったり、警察無線で増援を求める突発イベントが起きたりする
様々なガジェットを使いこなす場面も。街のクリスマス風の飾り付けにも注目
船の中では敵の待ち伏せに遭う。多数の敵との戦闘に

(勝田哲也)