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【Gamescom 2013】スクエニ、「Thief」のプレイデモレポート

屋敷に忍び込んで宝石を盗み出す華麗な手口を紹介!

8月21日~8月25日開催(現地時間)

会場:kolnmesse

 「Thief」は、18世紀風のヨーロッパ世界を舞台にした、一人称のステルスアクションゲーム。開発はEidos Montrealが行なっている。「Gamescom 2013」では、クローズなブースの中のシアターでトレーラーやゲームのプレイ動画を見ることができた。また、「Thief」のNarrative DirectorのSteben Galligher氏から、世界観や基本設定について話を聞くことができたので、合わせてお届けしたい。

 「Thief」はプレイステーション3/プレイステーション4/Xbox 360/Xbox One/Windows用として北米では2月15日に、欧州では2月28日に発売予定。日本での発売は未定。

多彩なステルスアクションとパズル的な宝探しのプレイデモ

スクウェア・エニックスブース内の「Thief」コーナー
19世紀のロンドン風の架空の街が、巨大なオープンワールドになっている

 「Thief」は、主人公ガレットを操作して、オープンワールドの都市内で、様々な盗みのミッションをこなしていくゲーム。ミッションクリアの為には複数の方法が用意されており、敵と戦わずに進行することもできる。

 「Thief」のベースとなる世界観は以下のようなものだ。ガレットは盗みの技術を見込まれてある組織の一員となるが、その後その組織に疑問を持って、再び自分の力だけで生きていくアウトローになる。盗みはするが殺しは嫌いで、時計塔の上に独りで住んでいる。

 そんなガレットはある日エレンという少女と出会う。ガレットはエレンに非凡さを感じて盗みの技術を教えるが、エレンはガレットと違い、殺しに罪悪感を抱かない非情な性格で、そのことが原因で二人はやがてたもとを分かつ。しかしガレットの友人の取りなしで、2人は再び一緒に仕事をすることになる。

 2人はとある城に潜入する。その中で、次々に警備兵を殺していくエレンのやり方に疑問を持ったガレットはエレンが殺しに使うクローを取り上げてしまう。ガレットはこの仕事を辞めようとエレンに提案する。しかしその話し合いの最中、潜入していた城に異変が起こり、突然足下が崩れだす。2人は城の崩壊に巻き込まれ、ガレットはそのまま意識を失う。

 気がつくと、ガレットは街の中に停まった場所の中にいた。周囲の異変に気づいたガレットは、街の様子が一変していることに驚く。時計塔に戻ったガレットは、友人のバッサーから自分が1年間も眠り続けていたことを聞く。

 街はバロンという支配者によって監視状態にあり、食料も金もない悲惨な状況に陥っていた。そんな街でライアンという男が指導者として立ち上がり、バロンをたおすべく組織を整えつつあった。ガレットはバッサーからある指輪を盗み出してくるよう依頼され、ライアンとバロンの戦いに巻き込まれていく。

【ポイントとなるキャラクター】
ガレットに匹敵する才能を持ちながら、殺人をいとわない冷酷な女性エレン
民兵を組織して、街に革命を起こそうとしている指導者ライアン

 今回、デモプレイで見ることができたのは、屋敷に忍び込んで「Heart of Lion」という巨大なダイヤを盗み出すまでの一連のプレイ。石柱をよじ上って屋敷に忍び込むと、スニーキングで植木の影を進み、警備兵がいる場所では柱に手をついてそっと様子を伺うことができる。歩いている警備への背後から忍び寄り、後ろにぶら下げている荷物を盗み取ったりもできる。

 途中、3人の兵隊が雑談をしていて、いっこうにどいてくれない。そんな時には傍にあった瓶を掴んで独りに向かって投げつけ、瓶を放り投げた瞬間に、武器を弓に持ち替えてもう1人を射た後、目にも留まらぬスピードで最後の1人をナイフの餌食にする。3人が崩れ落ちるのはほとんど同時という、非常にかっこいい攻撃だった。

 屋敷にたどり着くと、ピッキングでカギを開けて侵入。時々落ちているコインやブローチなどを盗むたびにゴールドと経験値が手に入る。図書館を探せというミッションに従って、屋敷の中を進んでいく。閉まっているドアに行き当たると、しゃがんでカギ穴から向こう側を伺う。奥の部屋には警備兵が2人うろついていた。耳を澄ますと、足音が波紋のような楕円のトーンになって見えるので、それを頼りに警備兵が遠ざかったタイミングでドアの中に忍び込む。

 図書館には、屋敷の見取り図が置いてあり、それを確認することで、実は屋敷の中に隠し部屋があることが分かる。隠し部屋の隣の部屋からは、小さな穴越しにそこに隠された宝の箱を見ることができる。一度廊下に出て、隠し扉を探す。怪しげな絵画に目星を付けると、両手で絵画のふちを少しずつ確かめていく。このとき、画面には白い○印が出て、うまく扉のスイッチにいきあたると、○が白く塗りつぶされた状態になる。

 扉を開けて中に入ると、今度は宝箱を開けるためのギミックを解く。この辺りはパズル的で、必ず解答が隠してあるのだが、それに気づくまでは苦労するという作りになっている。今回の例で言うと、宝箱にはライオンの頭部がついたホイール上のカギがあり、いくつかあるホイールをすべて正しい位置まで回すとカギが外れる仕掛けになっている。

 1つめのカギは外側に掘ってある絵を合わせるだけなので簡単だが、2つめのカギは一見ノーヒントに見える。しかし、よく調べると宝箱の横に隙間があり、そこからカギの構造を覗き見ることができる。後はその構造に合わせてホイールを回すだけ。2つのカギが開くと、宝箱が現れて、中に隠されていた「Herat of Lion」を無事手に入れることができる。その後は、ロープがついた弓を射て、引っかかったロープにつかまって脱出する。

 日本人にはあまり馴染みのない一人称のアクションゲームだが、一人称視点だと、より息を殺して潜んでいる感じが強く、泥棒感が味わえた。

【スクリーンショット】
シネマティックトレーラーでは、盗みに生きるガレットと、革命の機運が高まり不穏な街の様子をみることができる

Narrative Directorのsteben Galligher氏ショートインタビュー

Eidosモントリオールの「Thief」Narrative Director、Steben Galligher氏
ガレットの自分の心に従って生きるクールな信条が、やがて不穏な街に変化をもたらしていく

 デモプレイの体験に先立って、スクウェア・エニックスのビジネスブースでNarrative DirectorのSteben Galligher氏が「Thief」のストーリーについてインタビューに答えてくれた。

――主人公ガレットはライアンに協力するのですか?

Galligher氏: ガレットは政治的な人間ではなく、自分の心に従って行動します。彼は泥棒なので、自分の使命に合わせて泥棒をしますが、それが街にとっても重要な意味をもつようになります。

――敵を殺しても殺さなくてもプレイが可能ということですが、殺さずに進めることになにかメリットはあるのですか?

Galligher氏: デザイナーがゲームデザインを考えた時に、攻撃的な人もそうではない人でも楽しめるゲームにしようというポリシーで作りました。ガレットは泥棒だが、人は殺さないというポリシーを持っています。しかし状況的にどうしても殺さざるを得ない時もある。プレーヤーには敵と戦ってすかっとする人もいれば、隠れていくことに楽しみを感じる人もいるので、その両方が楽しめるように作ってあります。

――サブミッションのようなものはあるのですか?

Galligher氏: ガレットはマスターシーフなので、大きな仕事しか引き受けませんが、そのミッションの最中には街のなかでいろいろなオプショナルクエストを見つけることもできます。

――舞台となる街は複数あるのですか?

Galligher氏: 街の数は1つですが、その中にたくさんのエリアがあり、色々な武器が使えるようにしてあります。

――ガレットといっしょに城の崩壊に巻き込まれたエレンはどうなったのですか?

Galligher氏: 彼女は死んでしまいます。しかし、なぜ彼女が死んだのか、あの城で何が起こったのかは、ストーリー上の大きなミステリーとなっていきます。

―― 最後に日本のファンにゲームの魅力を語ってください。

Galligher氏: 主人公のガレットはとてもミステリアスだが、豊かな心をもった人物です。見た目もたいへんかっこいいので、ガレットの存在はこのゲームの大きな魅力だと思います。ぜひ日本のファンにもガレットを好きになって欲しいです。

――ありがとうございました!

(石井聡)