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【Gamescom 2013】「FFXIV: 新生エオルゼア」吉田直樹氏インタビュー

エンドロールには「3.0」に続く秘密が隠されている?

エンドロールには「3.0」に続く秘密が隠されている?

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―― コレクターズエディションを買うと「旧FFXIV」のストーリーが分かるDVDがついてきますが、あれは新しく始めるプレーヤーの人たちが「旧FFXIV」を知るためのものとして考えているのですか?

吉田氏: 僕は「旧FFXIV」のストーリーが分からないとだめというのは無しだと思っていています。「FFXIV-2」を作った訳ではないので。今回「FFXIV: 新生エオルゼア」のストーリーをちゃんとエンドロールが流れるまでプレイしていただければ、何だったのかは分かるようには作っているので、それで十分かなと思っています。まあいくら言っても、ネットに特典映像はいずれアップされるでしょうし、みんな見るんでしょう(笑)。でもぜひプレーヤーの方に伝えていただきたいのですが、エンドロールは最後の最後まで見てくださいね。単なるロールでは終わっていないので。まあスキップしてもしつこく主張してくるようなエンドロールになっているので、そうそう見落とさないとは思いますが、今後のパッチのストーリーに関わるようなものがあるので、ぜひ最後まで見てください。

―― エンドロールはどういう状況で見られるのですか?

吉田氏: 「FF」シリーズの最新作として、自分の大きな冒険の目的を達成したなというタイミングで流れます。あまり言うとネタバレになっちゃうのですが、「FF」1本クリアしたという感じは持ってもらえると思います。その先についてはエンドロールにいろいろ秘密があって、打ち切り漫画みたいに聞こえちゃうかもしれませんが、「俺たちの戦いはこれからだ!」的な山場を作っています。これからもずっと「FF」の新しいストーリーが味わっていけるのだなと思っていただければと思います。何カ月後までいかないと区切りがつかないようにはしておらず、「2.0」スタートの時点ですべて詰め込んであるので、嘘偽りなく「FF」の最新作として遊んでいただければいいかなと思っています。

―― 「FFXIII」のライトニングのコラボ衣装が発表されていますが、ほかのタイトルの世界観を入れ込む時に苦労したことはありますか?

吉田氏: 苦労というより、ライトニングが、ライトニングサーガの中のどのタイミングでエオルゼアに来て、それは彼女の人生の中でどんな意味があったのかということをちゃんと決めています。シリーズを通して「FF」のファンでいてくださる方には「あ、なるほどね」と思ってもらえるように作ってあります。ライトニングは、当然「FFXIV」の中でもしゃべりますし、専用のカットシーンもあるので、それでライトニングサーガに興味を持って「FFXIII」もプレイしてもらえば、「ああ、そういう意味でエオルゼアに来たのか」と分かってもらえると思います。そこはお互いに、ちゃんと作ろうと言っているので。例えば、「FFVII」のエアリスって、あのシーンあってのエアリスなので、エアリスがエオルゼアに来ることはあり得ないです。エアリスの人生はあそこで止まっているからこそなので。「FF」の世界がちゃんとした意味を持つように考えていますので、なんでもかんでも出るというわけではないです。マウントとして出る魔導アーマーもかなりストーリーに絡んできますので、ぜひストーリーを楽しみにしてください。

―― 今年にも多くのMMOが北米欧州でサービスを始めていますが、どれも空中移動など凝った移動手段が入っています。「FFXIV: 新生エオルゼア」でもなにか構想はありますか?

吉田氏: フライングはやらなきゃだめだよねって、前から言ってます。泳ぐか、空か。飛空艇があるので空が先の方がいいかなという話をしていて、俎上には上がっています。僕がユーザーだったファミコン、スーパーファミコン時代、飛空艇が今回はどんな演出で飛ぶんだろうということが驚きだったと思うのです。だから、やるなら驚いてもらえるようなフライングマウントにしたいです。ほかのMMOがやっているような単に空間を使うだけの飛行は、PCのマシンパワーがあれば「FFXIV: 新生エオルゼア」でもやれるんですけれど、それよりはもう一段凝っていきたいかなと。

―― 例えば黒チョコボであるとか、インペリアル・ジャガーノートのようなものがマウントとして出る可能性は?

吉田氏: 今はアーリマンのマウントが用意されていますけれど、あれは単に浮いてるだけで飛んでいるわけではないので、ちゃんとした「飛ぶ」というやつを実現したいなとは思っています。そのためには当然マップからいろいろやらなくてはいけないので、相当大きなアップデートのタイミングになると思いますが、いずれ飛ぶということは絶対にやろうと思っています。

―― イベントバトルで「FFII」の曲をアレンジしたようなものがありましたが、ほかにもそういうサプライズ的なものはありますか?

吉田氏: いくつかの曲に過去の「FF」シリーズのフレーズが入っているものがあります。気づく人もいれば、気づかない人もいると思います。そのタイトルをやっていたとしても、思い入れがないと気づかないかもしれません。あの「FFII」のバトル曲は、いろんなところに隠しているよというものの超分かりやすい事例なので、いろんな所を探していただければなと思います。それはテキスト1つとってもそうです。曲は分かりやすいですからね。でもあれだけじゃなく、オールドファンがにやっとするようなものを隠しています。それで盛り上がっているのを見て、比較的新しい世代のファンにも興味を持っていただければいいなと。

―― PS4版待ちという人も意外と多いのではないかと思いますが、PS4版の開発の進捗状況はどうですか?

吉田氏: 結構進んでいると言えば進んでいますよ。僕らはPC版でこれだけスペックの高いクライアントを持っているので、64bit対応をして。まあ、進んでいるとだけお伝えしておきます。前にもE3のタイミングで発表させていただいたのですが、皆さんが思っているよりは早いと思います。スクウェア・エニックスってどうしてもNextGenのハードが出てもしばらくはタイトルが出ないのですが、今回は早いなと思っていただけるくらい、できるだけ早くお届けしようと思っています。

―― 「FFXIV: 新生エオルゼア」がスクウェア・エニックスのPS4ローンチになる感じですか?

吉田氏: どうでしょうね、「Thief(シーフ)」ももうPS4対応を発表していますから、どっちが早いかという感じでしょうか。東京スタジオとしては、「FFXIV: 新生エオルゼア」を最初にしたいところですが、それは社内のグループの中で調整されるでしょう。SCEさんとも色々な話をしています。PS3版からの以降サービスも、良かったと思ってもらえるだけのサービスの最終のツメをSCEさんとやっている所なので、まずはPS3の最後の花火と思って、「FFXIV: 新生エオルゼア」と「ライトニング リターンズ ファイナルファンタジーXIII」の2本の「FF」で現世代機を締めていただけると嬉しいかな。

―― PS4版が出る時に、PS4本体とのコラボはあるのですか?

吉田氏: 「FFXIV: 新生エオルゼア」のローンチイコールPS4ならアリだったかもしれませんが、既にプレーヤーの方がコミュニティにいらしていて出ると、「これ買わなきゃいけないの?」となると思うのですよね。だからそこは申し訳ない気分がするわけですよ。もちろん、この後「FFXIV: 新生エオルゼア」が人気になってくれればそういう話が出てくる可能性はあるわけですが、「ミニオンつけてよ」といった話になりそうなので慎重に考えたいです。「FFXIV: 新生エオルゼア」はかなり酷なスタートを切ってここまでやってきて、僕としては本体デザインまでいければこんなに嬉しいことはないので、やれるなら実現してみたいですが、コミュニティのこともしっかり考えたいです。

―― まだ日本だと若干様子見をしている方がいると思うので、そういった方へのメッセージがあればお願いします。

吉田氏: 欧米のメディアからよく聞かれる質問の1つに、「旧FFXIV」をプレイして、2度とスクウェア・エニックスのゲームも「FF」も買わないと決めた人に対して吉田さんは何と言いますか、という質問をされるのです。好きで好きでしょうがなかったのに、だからこそ嫌いになってもう信頼を失ってしまった人に対して、嫌われている僕ら側からいくら本心で真摯に向かい合ったとしても、そう簡単には受け入れられないと思うのです。だから僕らにできるのは、初めてプレイをした人や、「旧FFXIV」からずっと続けてくれている人、「旧FFXIV」を一度は離れたけれどこの機会に戻ってきてくれた人たちに、とにかく面白いと言ってもらうことです。僕らの言葉が信用できなかったとしても、友達の言うことは信用できると思うのです。もちろんゲームが面白くなければ、その言葉ももらえないので、僕らはとにかくプレイしてくれる人たちが最高だと言ってくれるものを作ることしかできません。だから、大いに様子見していただいて構いません。警戒するのは当然だと思いますから。だからこそ、友達に「一緒にやろう」と言ってもらえた時に、参加しやすいように今回かなり安くさせていただいています。

 PS3版が3,300円、Windows版が3,990円で30日間無料もついています。そこでまずは「FF」の最新作だというし、友達がやれとうるさいからやってみるかな、くらいの気持ちで構わないと思います。スタートダッシュしなくても、自分のペースで徐々に遊んでいけますし、ちゃんと一番上のコンテンツまでパッチで難易度緩和が入ったりと、自分のペースでいけるゲームを目指しているので、気が向いたらまずは触ってみてもらって、それで面白いと思ってもらえたら僕らも幸せだし、それしかできないと思うので、どうぞじっくり様子を見ていただいて、面白そうだったら手に取っていただければと思います。

―― ありがとうございました!

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(石井聡)