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「新時代の創造」をコンセプトにした「信長の野望 創造」

リアリティ、ダイナミック、ドラマティック、3つのキーワードの具体像とは?

5月14日開催

会場:コーエーテクモゲームス本社会議ホール

 コーエーテクモゲームスは5月14日、日吉の本社会議ホールにて、「信長の野望 創造」の発表会を行なった。

 「信長の野望 創造」はシリーズ30周年を記念した作品で、「新時代の創造」をコンセプトに、織田信長が成し遂げられなかった天下布武、新しい世界の創造をプレーヤー自らの手で実現できる作品をめざしていく。プレイステーション 3/Windows向けに2013年発売予定。価格は未定となっている。

 発表会ではゼネラルプロデューサーを務めるシブサワ・コウ氏と本作のプロデューサーを務める小笠原賢一氏が概要を説明し、さらに歴史好きの女性アイドル“歴ドル”として知られる美甘子さんを司会としたトークセッションが行なわれた。

フル3Dの1枚マップで描かれる「信長の野望 創造」。城下町と城が密接に関係する作品に!?

ゼネラルプロデューサーを務めるコーエーテクモゲームス シブサワ・コウ氏
「信長の野望 創造」のプロデューサーを務める小笠原賢一氏
本作のメインビジュアル
ビジュアルイメージ
バトルイメージ

 最初に登壇したシブサワ・コウ氏は、「『信長の野望』30周年を迎え、最新作を発表することができるのは感無量です。1983年に初代『信長の野望』は口コミで人気を得まして、しばらくたってから大ヒットとなりました。お客さまに育てて頂いたタイトルだと思っています。30年間お客さまの声援をいただきながら、新しい切り口、試みを行なってきました」と挨拶し、30周年記念タイトルとなる「信長の野望 創造」を発表した。

 「信長の野望 創造」のコンセプトは「新時代の創造」。織田信長の新しい日本を目指した破壊と創造をテーマに、新しいゲームを作るために開発を進めているという。シブサワ氏は「どうかご期待下さい」と挨拶し、プロデューサーの小笠原賢一氏にバトンタッチした。

 小笠原氏からはゲームの具体的なイメージが語られた。「信長の野望 創造」は信長が目指した政治、経済、合戦のうえでの革新性に焦点を当て、信長が成し遂げられなかった「新時代」をプレーヤーが目指すものになる。

 本作のキーワードは“リアリティ”、“ダイナミック”、“ドラマティック”の3つとなる。リアリティは内政や外交で特に感じられるものとなる。「信長の野望 創造」は前作「信長の野望 天道」同様フル3Dの1枚マップでフィールドを表現する。前作は地形に比べ町や城が大きくアイコン化されていたが、今作では実際に近いスケールで描かれる。

 実際の大名が見ていたような、一段高い視点から城下町を見られたり、建物1つ1つを確認でき、町や国の規模が大きくなる様を見ることができる。マップの視点は建物を確認できる視点から、日本全土を俯瞰できるところまで、シームレスに拡大縮小が可能となる。この表現に“リアリティ”を盛り込んでいく。

 “ダイナミック”では、当時の合戦をよりリアルに再現することを目標としており、兵力の進め方、配分を重視する。従来のシリーズで見られた「内政により大兵力を集め、力押しで進めていく」という形ではなく、内政、外交、地理的要因などを総合的に判断して有利な戦況を作り上げていくものになるという。合戦では複数の城から兵力を出し、多面的な運用を行なうスタイルとなる。どのように自分の兵を運用していくのかと共に、敵をいかに孤立させこちらを有利にするかといった駆け引きが楽しめるという。

 “ドラマティック”な要素としては天下統一までの道のりを、歴史イベントで実感できるものとなる。これまではあくまでイベントとして“見る”形のものだったが、今作では目標として提示され、“クエスト”として参加する、克服するものを目指している。当時の状況をリアルに、ダイナミックに再現し、自らの手で達成していく楽しさを実感できる。この“ドラマティック”に関しては、地域や武将、勢力を対象に発売後も拡張させていき、DLCでの提供を予定している。

 今回の具体的な情報はここまでで、実機でのデモやゲームの詳細は明らかにされなかった。ゲームの具体的な姿は、夏休み頃改めて公開されるという。今回は公開されたビジュアルイメージ・ゲームイメージ・バトルイメージからゲーム像を予想してみたい。イメージでは町が細かく描き込まれたマップを見ることができる。町をアイコン化して表示していた「信長の野望 天道」とは違う雰囲気だ。

 ゲームイメージでは地形を再現したマップに、複数の拠点と、そこから兵力が差し向けられているのが見える。特に城下町にフォーカスした方のイメージはシリーズ11作目の「信長の野望 天下創生」の内政画面を思わせる。この作品では城下町と城は一体化しており、城を拠点に町を発展させることができた。

 バトルイメージは「信長の野望 天道」とは大きく異なる、兵士1人1人が見えるような壮大なものになっている。マップ画面では軍団が駒のような形で描かれていたが、戦闘画面では切り替わるのだろうか。大軍団がぶつかり合う非常に派手なものになりそうだ。また、クエスト形式となるという“ドラマティック”に関しては、ソーシャルゲームのような目標提示と達成ボーナスといった形が予想できるが、ここにどこまでドラマ要素が盛り込まれるのか期待したい。

 「信長の野望」シリーズは様々な要素を盛り込み進化している。ファンによっては「こっちの方向に進化して欲しいな」という予想が当たったり、外れたりで一喜一憂しながら、それぞれのシリーズを楽しみ、大名による天下統一を目指している。日本の代表的な歴史シミュレーションとして大きく期待される「信長の野望 創造」はどのような作品になるか、今後に期待したい。

【信長の野望 創造 ゲームイメージ】
ゲームイメージ。城下町や、軍勢の移動などの雰囲気が伝わってくる

【信長の野望 天下創生】
シリーズ11作目の内政画面と城攻めのシーン。今回のゲームイメージに近いが、こちらは1枚マップではない

【信長の野望 天道】
シリーズ第13作の天道は1枚マップだが、町や軍勢はアイコン化されている

(勝田哲也)