米Razer、Razerのキーボードシリーズ5製品の試遊会を開催

「BlackWidow」2013年モデル3製品、最新作「DeathStalker」2製品を公開


8月30日開催

会場:Wired Cafe News日本橋



 米Razerは8月30日、都内にて同社のキーボードシリーズ5製品のメディア向け試遊会を開催した。5製品は欧米ではすべて発売済みの製品だが、日本での発売時期はいずれも第4四半期を予定し、価格は未定。Razerは東京ゲームショウにも出展を予定しており、それに前後する形で、具体的な発売情報を発表していくものと見られる。日本での取り扱いはこれまでと同様にMSY株式会社が担当する。

試遊イベントは都内のカフェで行なわれた
説明を担当したRazerプロダクトマーケティングスペシャリストのアンチー・ハ氏

 今回発表されたキーボードは、今年8月にGamescom 2012で正式発表した最新モデル「Razer DeathStalker」からは、「Razer DeathStalker」と、その上位モデル「Razer DeathStalker Ultimate」の2製品。メカニカルキーが特徴的な既存モデル「Razer BlackWidow」からは、“Razer BlackWidow 2013”として既存モデルをブラッシュアップした「Razer BlackWidow」および「Razer BlackWidow Ultimate」、そして新しい派生モデルとなる「Razer BlackWidow Tournament Edition」の3製品、計5製品となる。

 Razerが自ら日本で発表会を行なうのは、東京ゲームショウのRazerブース等の特殊な機会を除いては今回が初で、しかもキーボードのみというところに、同社が日本市場に対して、一定の認知とシェアを獲得したマウスに続いて、キーボードも根付かせようという並々ならぬ決意が窺える。

 なお、「Razer DeathStalker」のベースとなっている、Razerの“秘密兵器”として世界のRazerファンから注目を集めているRazer製のノートPC「Razer Blade」については、参考出展として今回のイベントにも持ち込まれていたが、日本での取り扱いは発表されなかった。「Razer Blade」の現時点での取り扱いは北米とシンガポールのみで、他の地域については依然として未定としている。



■ 多機能なサブモニターが新しい「Razer DeathStalker」シリーズ

「Razer Switchblade UI」を説明するハ氏。テンキーを表示させているところ
「Razer DeathStalker」のベースとなっている「Razer Blade」を紹介するハ氏
Razerの秘密兵器「Razer Blade」。日本で発売する可能性もゼロではないという

 イベントでは、Razerのシンガポール法人で、主にキーボード製品を担当しているプロダクトマーケティングスペシャリストのアンチー・ハ氏が、Razerについて概要を説明し、その後キーボードの各製品について説明を行なった。

 ハ氏は、ゲーマーによるゲーマーのためのゲーミングデバイスメーカーであるRazerの取り組みをスライドで紹介しながら、常にカッティングエッジのテクノロジーを採用し、さらに現在24の製品ラインナップを擁することなどを説明。Razerが日本のメディアに向けてこうした概要説明をするのは今回が初のケースで、その丁寧さに最終的な目標は日本法人の設立にあるのではないかと思えるほどだった。

 ハ氏は続いてキーボードの説明に移り、まず、「Razer DeathStalker」について紹介が行なわれた。「DeathStalker Ultimate」は、先述したRazer印のノートPC「Razer Blade」や、米Electronic Artsとのコラボキーボード「Star Wars: The Old Republicゲーミングキーボード」に採用されたサブモニター付きキーボード「Razer Switchbladeコンセプト」を受け継いだもので、「DeathStalker」はサブモニターを取り除いたモデルとなる。

 「Razer Switchblade UI」は、独自機能の搭載を好むRazerらしさを存分に感じさせる機能で、マウスやポインティングデバイスの代わりに使えるLCDトラックパッドの機能を備えつつ、液晶にテンキーを表示させてLEDキーパッドとして使ったり、対応アプリを起動させることでサブモニターとしてメインモニターとは別の情報を表示させることもできる。

 標準では、トラックパッド、テンキーパッド、マクロレコーダー、Webブラウザ、YouTube
、Twitter、Facebook、Gmailなど12種類のアプリが提供され、「Star Wars: The Old Republic Combat Logger」のような特定のゲームに特化したアプリも提供される。現在Razerではゲームメーカーに対応を働きかけており、対ユーザーに対してもSDKを配布して、独自アプリの製作を呼びかけているというが、日本市場についてはメーカーへの働きかけも、SDKの日本語対応もまだ、さらに2バイトコードにも対応していないということで、欧米ほどの広がり、使いこなしは期待できない。この点は注意が必要だ。

 「DeathStalker」と「DeathStalker Ultimate」の共通仕様としては、ノートPC風のキーストロークの浅いチクレットスタイルのキーキャップを採用し、最大10個の同時入力に対応したアンチ・ゴースト機能、そしてRazerが誇るクラウドベースのドライバSynapse 2.0への対応、バックライト付きキー(「DeathStalker Ultimate」は3色の組み合わせ、「DeathStalker」はグリーン1色の濃淡)などとなっている。

 発売時期は第4四半期を予定し、後述する「Razer BlackWidow」より後になる見込みで、11月から12月頃になると見られる。価格は未定だが、欧米での価格は「DeathStalker Ultimate」が244.99ドル。「DeathStalker」が79.99ドル。


【Razer DeathStalker】
左側の「Razer Switchblade UI」が特徴的な「Razer DeathStalker Ultimate」「Razer Switchblade UI」を取り除いた「Razer DeathStalker」。代わりにテンキーが配置されている


■ テンキー無しモデルも登場! ニーズに合わせた3モデル展開「Razer BlackWidow」シリーズ

「Razer BlackWidow」の新ラインナップとなる「Razer BlackWidow Tournament Edition」
説明会の後は試遊が行なわれた

 Razerの定番ゲーミングキーボード「Razer BlackWidow」シリーズからは、今年7月のChinaJoyで正式発表されたブラッシュアップモデル「Razer BlackWidow 2013」シリーズの2製品と、新製品「Razer BlackWidow Tournament Edition」の計3製品が紹介された。

 「Razer BlackWidow」と「Razer BlackWidow Ultimate」の2製品は、定評のあるメカニカルキーや指紋付着防止の黒マット仕上げといった特徴はそのままに、10キー同時入力が可能なアンチ・ゴーストキー機能と、Razer Synapse 2.0クラウドテクノロジーへの対応を果たしたモデルとなる。両者の違いは5段階で切り替えが可能なグリーンLEDバックライトが付いているか否かとなる。参考価格は「Razer BlackWidow Ultimate」が139.99ドル、「Razer BlackWidow」が99.99ドル。

 ラインナップに新たに追加される「Razer BlackWidow Tournament Edition」は、特にFPSゲーマーに好まれる“テンキー無しモデル”で、既存モデルの1.5kgに対して、1kg以下の950gを実現している。小型軽量で、編組USBケーブルは着脱可能など携帯性に優れ、携帯用バッグも標準装備。LANパーティーやゲーム大会のお供に最適なモデルとなっている。参考価格は79.99ドル。

 なお、「Razer BlackWidow」シリーズについては今回も英語キーに加えて、日本語キーも発売する予定で、英語キー版は10月頃、日本語キー版は11月から12月の見込み。価格は未発表だが、同価格設定を目指すとしている。


【Razer BlackWidow】
「Razer BlackWidow Ultimate」。あえてストロボを焚かずに採ってみたが、バックライトはかなり明るくなる。点滅も可能で、かなり目立ちそうだ「Razer BlackWidow」

(C) 1999-2012 Razer USA Ltd. All rights reserved.

(2012年 8月 30日)

[Reported by 中村聖司]