「Falcom jdk BAND 2012 Super Live in NIHONBASHI MITSUI HALL」
「イース生誕25周年記念メドレー」から「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」まで
会場は満員。後方席は文字通り地面が揺れるほどの盛り上がりを見せていた |
株式会社キャラアニは7月27日、日本ファルコム株式会社のゲームミュージックをテーマとした「Falcom jdk BAND 2012 Super Live in NIHONBASHI MITSUI HALL」を東京・日本橋三井ホールにて開催した。
日本ファルコムはこの夏から秋にかけ新作ラッシュとなる。ライブ前日となる7月26日にはPSP用ストーリーARPG「那由多の軌跡」が発売となったのを皮切りに、PS Vita用アクションRPG「イース セルセタの樹海」が9月27日に、そしてPS Vita用ストーリーRPG「英雄伝説 零の軌跡 Evolution」が10月18日に順次発売となる。
そんな中、音楽的にも絶大な人気を誇る日本ファルコムの音楽を手がけてきたFalcom jdk BANDが、同バンドとして史上最大の動員数、過去最大演奏曲数、そして「過去最高のセットリスト」を掲げてライブを行なった。
出演は、ボーカルのイカルス渡辺さん、小寺可南子さん、ギターの寺前甲さん、井上央一さん、ベースの榎本敦さん、ドラムの岡島俊治さん、キーボードの上倉紀行さん、バイオリンの水谷美月さん。
過去最大規模を標榜するだけあって、猛暑を吹き飛ばすかのような勢いで、全22曲をハイテンションな演奏で盛り上げた。冒頭、発売直後となる「那由多の軌跡」から「那由多の星の物語」が演奏されると、会場はいきなり最高潮に達したかのように揺れ動いた。2曲目の「RELEASE OF THE FAR WEST OCEAN ~ I'm here for you」でボーカルのイカルス渡辺さんが登場。猛烈なハードロックを展開。速いギターのリフに岡島さんのドラムがリズムを刻み、会場もそのリズムに乗っていく。
しかし、今回はハードな展開ばかりではなく、これまでにない展開として4曲目で水谷さんのバイオリンを中心に、ギターを交え、「鉱山町マインツ」、「Feena~女神たちの囁き」と、しっとり大人なアコースティックな編成で演奏を行ない会場をクールダウン。「那由多の想い」、「セルリアンブルーの恋」と小寺可南子さんもじっくりと歌を聴かせていく。
ここでイカルス渡辺さんが加わり「ソーサリアン」から懐かしい「遙かなる時を超えて」、「イースII」から「GO FIGHT」を披露し、会場に熱気が再度満ちあふれる。そしてここから新曲ラッシュ。イカロス渡辺さんがMCで「世界で1番早く聴くことができる幸せ者!」と紹介し、発売直前の「イース セルセタの樹海」から連続して楽曲が披露された。
プログレッシブロック調のインストルメンタルが連続で続く中、会場のボルテージは上がり続け、一気に後半戦へと突入。中でも会場からは「Inevitable Struggle」のイントロが流れるや、大きな歓声が上がるほどの人気を集めていた。そしてラストは、「英雄伝説 空の軌跡」から「Maybe it was fated」、「イースVI-ナピシュテムの匣-」から「パンドラ」を演奏され、メンバーと来場者が一体感を感じる中、演奏は終了した。
アンコールで“jdk”コールが会場にこだまする中、突如スクリーン上に告知の文字が! 大きなところでは、5月12日に開催された「Falcom jdk BAND 2012 Super Live in nicofarre」がBlu-rayディスクで9月下旬に発売決定。また、9月23日に「まあでもjdkなんで……(仮)the 3rd」の開催が決定。そして、「Falcom jdk BANDの次のライブが2013年1月5日に決定したと画面に大きく映し出されると、会場からどよめきがわき上がった。場所は今回と同じ東京 日本橋三井ホール。
恒例の告知タイムには様々な情報が公開された |
アンコールでは、いきなりの「イース生誕25周年記念メドレー」と題し、「アドルのテーマ」、「翼を持った少年」、「セルセタの樹海」、「FIRST STEP TOWARDS WARS」を連続演奏。そして「イースvs.空の軌跡オルタナティブ・サーガ」から「俺たちのレジェンド」、「英雄伝説 空の軌跡」から「銀の意志 金の翼」を全力で披露。ラストにサイン入りのドラムのカバーやドラムスティック、メンバーの私物が会場に投げ込まれ、盛り上がりが最高潮のまま、実に2時間30分近いコンサートは閉幕した。
ライブを終えて囲み取材が行なわれた |
今回のライブは650人満員御礼ということで、これまでのキャパシティから考えれば、かなり大きな会場でのライブとなった。ライブ後に行なわれた囲み取材でもメンバーからは「大きな会場は気持ちがいい。これからも大きなところでやっていきたい(榎本敦さん)」や「広いけど、お客さんが近く感じた。熱く楽しいライブだった(小寺可南子さん)」といったコメントが聞かれた。しかし岡島さんは今回の2時間半のライブを振り返り「リハーサルを繰り返し、長いセットリストだと思っていましたが、以外にアッという間でした。nicofarreでも2回公演とかしていたので、まだ余力があると思う」と、まだまだ余裕の表情。
ちなみに今回は新曲が圧倒的に多かったが、その点について井上さんは「新曲をもらったときはどうなることかと思ったが、テンションが上げて演奏できた」ということだ。一方で上倉さんは「ソーサリアン」の「ブルードラゴン」や「イースII」の「TERMINATION」など「ファンの頃に聴いていた曲を実際に演奏できて嬉しかった」と率直な感想を聞かせてくれた。小寺さんはやはりボーカリストらしく注目曲として「那由多の想い」を挙げ、「『那由多の想い』はスルメソングだと思うんです。かめばかむほど良くなる。これからたくさん歌えたらいいし、皆さんにも歌ってもらえると嬉しい」とアピールした。
岡島さんも「旧jdk BAND」の曲を今のメンツで演奏したらどうだろうと思っていたが、実際に演奏したらかっこよかった。これからもリバイバルをやっていきたいと強く思う」と語った。抱負といった点では、上倉が「CDを出したい」と語ると、榎本さんも「各メンバー曲を作ったり、昔の曲のアレンジを1人1人やったり、大変だと思うけどエンターテイメントとして見せられるようにやりたい」と意欲を示した。また、水谷さんも「ライブ以外にラジオなど活動が拡がりつつある。ライブ以外の活動もやりたい」とコメント。小寺さんは、「ゲームの発売が控えているのが大事なところ。ゲームと一緒に愛されるのが理想。ゲームの世界を愛してもらい、その音楽を奏でているjdk BANDも愛してもらい、そういったのがいい」とゲームと共に音楽活動を歩んでいきたいとし、「これからも素敵な作品に携われるよう頑張ります!」とコメントし締めくくった。
【セットリスト】 |
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1.那由多の星の物語(那由多の軌跡) Encore 20.イース生誕25周年記念メドレー |
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(2012年 7月 28日)